【ヤメゴク】第弐話 小ネタ、突っ込み、深読み(ねたばれ)

気がつけば明日が第参話の放送日である。
遅くなってしまった。


三ヶ島のナレーションで始まる、前回のあらすじ
三ヶ島「マル暴のデカが、ヤクザを逃がした。そんなとんでもない失態で飛ばされた。」
三ヶ島「足抜けコール。そこで出会った通称バクは、とんでもない女やった」
三ヶ島「足抜けコールに、関東貴船組傘下の親分から電話があった」
三ヶ島「暴排条例でカタギになる決意をさせたにもかかわらず、バクはなぜか倉持を追い込んだ」
三ヶ島「仕事が決まらぬ倉持は、指を再生する決意をした。その甲斐があり、ホテルの仕事が決まった」
三ヶ島「だが!」

遥に追いかけられる章子
章子「どうしてバレたんだろう?」
【タイトルバック】
(逮捕シーンが第壱話のラストと第弐話の冒頭に重なってるのは冗長だよね)
逮捕された男「こんなムチャクチャな。あんた本当に警察なのか」
麦秋「はい、私は警察官です。あなたがたヤクザと違って」
女1「あなた、一般市民をヤクザ呼ばわりするんですか?」
女2「警察を呼んで!本当の警察を!」
三ヶ島「はいはい、本物の警察、本物の警察」警察手帳を見せる三ヶ島。なお、三ヶ島は警部補。
麦秋「指定暴力団の構成員は、我々警察に登録されています」タブレット端末を取り出し、逮捕した男の写真を見せる麦秋
麦秋「これは、あなた」倉持一家 関東貴船組系 小崎 仁…小沢 仁志ではない。
麦秋「これは、あなた」倉持一家 関東貴船組系 哀原 翔平…哀川 翔ではない。
麦秋「これは、あなた」倉持一家 関東貴船組系 竹淵 力也…竹内 力ではない。
麦秋「これは、あなた」倉持一家 関東貴船組系 白山 竜次…白竜ではない。
麦秋「有留医院を潰したら、関東貴船組で拾ってやると言われたのですか?」
女1「まさか、この人たちが暴力団だったなんて知らなかったのよ」
麦秋「知らなかったら脅迫行為をしていいのですか」

麦秋「罪を犯したというのなら、警察に告発すればいい話です。暴力団の力を借りる人は、たとえカタギでも私は許しません」
一般市民の顔写真を撮る麦秋
麦秋「皆様には後ほど、警察官が事情を伺いにまいります。それまでご自宅でお待ちください」
解散する一同。どさくさに紛れて逃げようとするヤクザ
三ヶ島「お前らはアカンやろ。なにドサクサにまぎれとんのや」
ホテル、丸腰できたヤクザたち
水原「何か壊されたとか金品を要求されたとか」
吉松「いえ、特には」
水原「今のままだとな、暴力団員が予約に来たってだけだ」
章子「指を…以前、暴力団の指を切断したの。断れなかった」
麦秋「しかしその後、この先生はもう一度同じことをした」
章子「通報したら、一度やってるんだから捕まると言われて。怖かった」
麦秋「昔、海外で地雷経験者のオペなどのご経験があることは調査済みです」
章子「ヤクザの指とは話が別でしょ」
麦秋「ヤクザの指を詰めることはできても移植することはできないとでも?」
麦秋「先生に詰められた指の切断面を見ました。きれいでした。先生なら指の移植手術も綺麗にやってくれる、そう思いました」

麦秋「あのとき以来、先生は勇気をもってヤクザの指詰めの以来を断っている、そうですよね」
章子「ええ」
遥か「なのになんで、昔のことをいまさら?」
三ヶ島「それなんで近所に知られてもうたんですか?」
章子「わかりません」
麦秋の謎の顔
三ヶ島「トイレや、1分や、1分」
警察署の前
佐野「バクちゃんさん、昨日はすいません。いざとなったら、怖くなっちゃって
佐野「あっ、この方、暴追センターでお世話になってる弁護士の十二先生様です」SPECの一十一(にのまえじゅういち)を思い出す方もあろうが、伊丹十三の連想かな、とも思った。
警察に自首しに行く章子
章子「これであなたからも解放されるのよね」
麦秋「先生の情状酌量を祈っています」
佐野「では有留先生、ゆるゆる、まいりましょう」
十二「まいりましょう、まいりましょう、あーどうもどうも、ご苦労さん、ご苦労さん、足して23」
三ヶ島「再発防止命令?」
石山「今度同じことをしたら」
三ヶ島「今度同じことされたらあのホテルどうなんねんっちゅう」
麦秋「次に同じことをしたヤクザが貴船組以外なら、また命令からやり直しです」
ホテルに今度は九瀬組がくる。
ホテルの外に関東貴船組の金繁がいる。
麦秋「関東貴船組の金繁さん」タブレット端末を見せる。「大室組 関東貴船組系」
金繁「何だお前」
麦秋「あなたこそ、ここでなにをしているのですか」警察手帳を見せる。
麦秋「あの九瀬組の人たちは、あなた達貴船組の命令でこんなことを?」
金繁「知らないね」
麦秋「きっと、次もまた違う組の人間を嫌がらせに使い…」
金繁「なんで俺がそんなことをすんだよ」
麦秋「我慢できなくなった倉持さんが暴力を振るうのを待っている」
麦秋「足抜けをして間もない彼は法的にはまだヤクザの周辺者。傷害事件を起こせば、ヤクザとして逮捕され、せっかく手にした仕事は辞めざるを得なくなるでしょう」
金繁に近寄る麦秋「これで何度目の嫌がらせか知りませんが、彼は決して手を出しません。あくまでもああしてホテルマンとして対応しています。なぜか分かりますか?それは彼はあなた達とは違いすでにカタギだからです。あれがカタギの強さなんです」
橘「つまらない嫌がらせをさせてるそうじゃねえか」橘、歴代組長の写真に頭を下げ「うちの若いのに」
水田「うちの若いのじゃなく九瀬組の若いのです。こいつをうちで匿う代わりに」
藤田「九瀬組の藤田です。お世話になっております」
倉持、ホテルを解雇される
吉松「今日で5回目。それも毎日なんです」
佐野「その手の嫌がらせは、通報すれば、必ず警察様が駆けつけてくださいますから」この言い回し、怪しい。
吉松「客が、客足が、あっという間に遠のきました。もう我慢の限界です」
三ヶ島「倉持は指詰めてまでヤクザを辞め、指つなげてまでカタギになろうとしたんや…」
麦秋「あなたがヤクザのようですよ」
三ヶ島「しゃあけえ、そこまでしてても家族に逃げられ、でも倉持は歯食いしばってカタギ貫いとんねん」なお、「しゃあけえ」とは1964年放送の子供向けドラマ「しゃあけえ大ちゃん」の主役の口癖らしい。岡山の方言らしいが、真相は不明。
麦秋「これ以上はご迷惑です。支配人、倉持さんは?」
吉松「家に帰しました」
三ヶ島「ああっ」走って出て行く。
三ヶ島、倉持がマンスリーマンションにおらず、解約したことを知る。
足抜けコール
麦秋、なにやらタブレット端末をいじる。食堂の映像が映る。
三ヶ島、倉持の妻幸子の実家を訪れる。妙な方言の妻。
幸子「もうあいつは、関係ないひとなんだから」
三ヶ島「つまり、倉持さんはこちらには来てない…」
幸子「来てない!もう、あいつとは関わりたくない!」
三ヶ島「行き先にどこか心当たりは?」
幸子「ないよ!もう帰れ!迷惑だ!」
三ヶ島「迷惑だ?」
幸子「ああ、迷惑だ(ここでなにか言っているがセリフがカットされている)あいつとはもう関わりたくないんだ。俺や、娘を、巻き込まないで」カラスが飛ぶ
三ヶ島のフラッシュバック
三ヶ島由香「翔、あなたの世界に、娘を巻き込まないで」
三ヶ島「知ってて…知ってて一緒になったんやないんか。ヤクザって知ってて一緒になったはずやろ?」
幸子「………だからこそ、せめて、母として、娘を守らなきゃいけないんだ!」
三ヶ島「娘養われへんからって組解散して、ヤクザ辞めるために指詰めて、就職するために今度指つなげて、それでもうまいこといかんと、仕事も、家も全てなくして、ヤクザやったから何もかも自業自得かい。それそうかもしらんや。そらそうかもしらんけどや、でも、せやかって、みんなが自業自得や言うても、一回でもそのヤクザ愛したあんたがおんなじこと言ってええんかい!あかんやろ!」
幸子、泣き崩れて「だって…だって…どうすれば、じゃあどうすればいいの!」
三ヶ島「すんません。すんませんでした」
早朝、三ヶ島、いびきをかいて横で寝ている麦秋にもたれかかる。
麦秋、椅子を後ろにスライドさせ、三ヶ島、床にこける。
麦秋「おはようございます」
三ヶ島「なんや朝っぱらからごっつい腹立つな」
麦秋「あなたはここに泊まる必要はありません」
三ヶ島「一晩中倉持探してたらやなお前、疲れてもうて、ほれで、おお…」
石山と佐野が来ている
石山「で、倉持さん見つかったの?」
三ヶ島「いや」
石山「そっか、じゃあこれどころじゃないね」
佐野「来週発売の週刊誌、我々暴追センターの枠で取材があるんです」
石山「まあ、東条くんにでもお願いするかな」

取材願い・企画意図
今般、弊社出版の雑誌『週刊毎日』におきまして、下記の要領でインタビュー取材をさせて頂き、特集の一部として記事にさせていただきたく、お願い申し上げます。

雑誌タイトル 『週刊毎日』
出版日 2015年5月11日(月)予定
取材日 2015年5月4日(月)希望
製作 ウィークリーエブリデイ出版株式会社
企画意図
『週刊毎日(5月11日発売第684920号)』のメインラインとして、「卒業特集」と
いう企画を考えております。日本トップクラスの学力を誇る東京大学をはじめ、様々な業
界の“卒業”に焦点を当て、普段知られざる業界の裏側、実態を紹介していきたく思って
おります。その特集の中で、今回は暴力団追放運動推進センター様に「暴力団という仕事
からの卒業」という視点でインタビュー形式の取材をさせて頂き、暴対法、また暴排条例
施行以降の暴力団からの組離脱の現状を記事にしたく存じております。
取材内容
◯ 暴力団を抜ける同期
◯ 暴力団を抜けた後の就職について
◯ 暴力団を抜ける人を増やすためには など
ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
ウィークリーエブリデイ出版株式会社
週刊毎日 編集部
担当者/鈴木小百合

週刊→ウィークリー、毎日→エブリデイって安直な。そして企画内容が斬新すぎる。
ちなみに、この企画書から、ドラマのなかではすでに5月に突入していることがわかる。
東条「呼びました?おはようございます」
三ヶ島「あ、俺やる。俺が取材を受ける」
麦秋「雑誌で倉持さんに呼びかけるつもりですか?」
三ヶ島「おお」
佐野「人探しコーナーじゃないんですからね」
東条「取材内容…(略)暴力団を抜ける人を増やすためには」
三ヶ島「増やすためには一般市民の協力が必要や。知らぬ存ぜぬやなくて足抜けした後の暴力団の受け皿にみんなでなってく、俺はそれを訴えたい」
石山「んーなんか危なそう。やっぱり東条くんにやってもらおうかな」
麦秋「いいじゃないですか。三ヶ島刑事にやってもらえば」
三ヶ島「珍しく俺の味方になってくれんのかい。(資料室に入っていく麦秋)顔洗えや、歯磨けや」
インタビュアー「つまり、暴力団を抜けさせるには市民の受け皿、そして何よりも家族の協力が絶対に必要、ということですよね?」
三ヶ島「そうです。何とぞ皆様のご理解ご協力をお願いします」
石山「大丈夫か、あれ?」
佐野「まっ、何かありましたら、こちら(足抜けコール)で責任取っていただくということで
イ「人道的に…」
三ヶ島「そして暴力団を抜けるにあたり、何か困ったことがあれば(足抜けコールのポスターを指差し)ウチに連絡ください。電話番号は(00123-893-864)『おーいにいさん、やくざ、やめろよ』。『おーいにいさん、やくざ、やめろよ』と覚えてください」
イ「『おーいにいさん、やくざ、やろうよ』とも読めますよね?」
三ヶ島「やめろよ」
イ「やろうよ」
三ヶ島「おお!?やめろよ」
イ「やろうよ」
三ヶ島「やめろよ!やめろよ、オラ。やめろよ」
イ「や…めろよ」
インタビュアー(と警視庁の広報2人)が帰っていく。
三ヶ島「よろしく哀愁」
麦秋、資料室の入り口でなにやらタブレット端末を見ている。
三ヶ島、席に戻って「どうや、倉持さんの電話」
リダイヤルすると「こちらは、東京セルラーホンです。おかけになった電話は、電源が入っていないため…」
東条「ずーっとこれです」
三ヶ島「これやったら電波で居所特定することもできへんな」
石山「そんなそうさ、事件性のない家出じゃできないよ」
三ヶ島「だから事件起きてからやったら遅いんやってもう。おれ、心当たり当たってくるわ」
出て行く三ヶ島
佐野「心当たりって、どこでございましょう?」
…と倉持の電話から着信がある。
男「はい?」
佐野「出た。倉持様、いま、どこにいらっしゃるんですか」
男「ええと、あんた誰?」
ビールを飲む倉持に佐野「ダメです、ダメです、もうダメだダメだ」
机に突っ伏す倉持。佐野「あーもうお酒は十分でございましょう?」
店主「しかし、まさかね、警察呼ぼうとしたらね、警察から電話がかかってくるとはね。あんた、運が良かったんだよ」
倉持「運がいいだと、この野郎」割り箸をぶちまける
佐野「倉持様、おたいらに、おたいらに」おたいらに、ってなんだよ(笑)
店主「怖いね、ヤクザみたいだね」
倉持「ヤクザみたいだって、ハッハッハッ」
佐野「ちょっちょっちょっちょっ、さっさっさっさっ、帰りましょう、ね?ほら倉持様、帰りましょうね」
富士宮焼きそば「鐡ぺい」ボーンステー専門
倉持「帰るとこなんかねえよ」
佐野「そうでした。そうですよね。どうしてマンスリーマンションご解約されちゃったんですか?」
倉持「ホテルおん出されたのと同じ理由だ」
佐野「マンションにもヤクザがこられたんですか」
倉持「ああ」
佐野「そんな場合はとにかく警察様にご通報されれば
倉持「ハハハハ、したよ。『ヤクザが毎晩、昼間は悪かったってご丁寧に菓子折り置いて謝ってくんでまいってます』とな」
麦秋「脅迫に当たるかどうかは微妙な線ですね」
佐野「倉持様、またお仕事探しましょう。私ども暴追センターでまた協力企業をご紹介します。そして、バクちゃんさん達、足抜けコールの方々…」
倉持「なにが足抜けコールだ。結果こうなったじゃねえか。結局指繋げたって無駄だったじゃねえか」
麦秋「元ヤクザを受け入れる社会なんてない、その現実をやっと受け入れてもらえましたか」
倉持を簡易宿泊所に連れていく佐野
水田「倉持ですが、ホテルを解雇された後は行方知れずです」
橘「倉持は一家の頭まで張った男だ。それなら、極道の道は極道にのみあれ。命ある限り、逃げ出すことは許されねえんだよ」
三ヶ島が足抜けコールに戻ってくると、その背後を歩く長髪でロングスカートの女の人。指差しのポーズをしている。やまだな…
週刊誌の記事のおかげで足抜けコールの面々が苦情の電話対応に追われている。
「肉親だからって、ヤクザやめるときは協力しろなんて、なんにもわかっていない」
「ヤクザが就職できないのは自業自得だろ」
石山・東条・佐野「すいません」
「警察は何で税金を使ってヤクザに職を斡旋してるんだ?」
三人「申し訳ありません」
「税金を納めているのがバカみたいじゃないですか」
三人「いやいやいやいや」
「ヤクザの更生のために税金を使うな…」
人事課・課長室
前に書いたように現実の警視庁に「人事課」という部署はない。
三ヶ島「運転免許試験場ってどういうことですか」
課長・谷川「都内にありますが、空気のいいのどかな職場です。トビウオがうまい。八丈島。東京都です」
麦秋「これでわかりましたか?一般市民にヤクザの受け皿になれなんてありえない。そもそも、一般市民はヤクザと関わり合いになりたくない。それ以前に、考えたくもない。そのために警察に税金を払ってるんだ、くらいに思ってる。理解しましたか。……人事なら、ひっくり返してあげますよ」
三ヶ島「お前に何が…おまえやったら警察の人事覆るんか」
麦秋「だとしたらどうします」
三ヶ島「人事を覆してくれ」
麦秋「これだけのことをお願いする場合には、しっかりと頭をさげるのがカタギです」
三ヶ島 頭をさげて「お願いします」
麦秋「しっかりと」
三ヶ島 膝をついて「お願いします」
麦秋「もっとです」
三ヶ島 リーゼントが崩れるほど土下座して「お願いします」
麦秋「その覚悟、いただきました。刑事を続けてください」
麦秋「では行きましょう。最後の仕上げです」
三ヶ島「トイレいかせてくれトイレ、直しや、直し。ウォーッ、なんやこれ」
人事課課長室の隣は人事課監察係となっているが…まぁいいや。
東京都中央労働センター
倉持がいる
麦秋「昼間からお酒ですか、いいご身分ですね」
労働者「飲まんとやっとれんがや」
倉持「もう2日も仕事していないんでね」
三ヶ島「仕事してない?ここで紹介される日雇いは?」
倉持「今夜ここに泊まって明日頑張るよ」
三ヶ島「ここに泊まるって。佐野に簡易宿泊所紹介してもらったやろ」
倉持「宿泊所にいたら仕事なんてねえよ。日雇いの手配は朝5時からだ。間に合わねえ」
三ヶ島「ここ行きのバス出てるはずや」
倉持「あれじゃ、ここに着くのはどんなに早くったって5時10分だ」
労働者「3分で、おれたちじじいの仕事はなくなるんだで」
倉持「寝床より仕事。ここに来て俺が最初に習った言葉だよ」
倉持、段ボールハウスに近づいて行って「見よう見まねで作ったんだよ。まだ、ブルーシート張ってねえけどな」
三ヶ島「倉持さん、今から足抜けコール戻ろう。なあ、俺らみんなで対策考えるわ。また一緒に面接行けるように頼んでみて…」
倉持「戻る?あんたらと戻ってそれから何があるんだよ。一緒に面接行って、頭下げて、嫌な顔されて、言いたいこと言われて、わかってるよ。天罰なんだよな?いままでの人生の」
麦秋「もっと苦しんでください。あなたが苦しめてきた人たちの分まで、苦しんでください。苦しんで苦しんで、そうしてそこから、あなたはカタギに這い上がっていくんです。以上で、あなたの足抜け、成立しました」さって行く麦秋
三ヶ島「倉持さん、明日も電話なかったら足抜けコールに電話や。おーいにいさん、やくざやめろよ、覚えてんな?なんでや?」
倉持「俺の足抜け、もう終わったんだろ?」
三ヶ島「ならこれはおれの個人的な頼みや。(名刺に連絡先を書く)なんでもええわ。困ったらいつでも俺に連絡せえ」名刺を倉持の胸ポケットに入れる。
三ヶ島「まて、おい待て、こら。やっと分かったで、やっと分かった。おまえがヤメゴクって呼ばれてるわけがな。ヤクザをやめさす極道。よう言うたもんや?」
麦秋「ご存知ですか?極道とはヤクザを美化した言葉です。私を極道と呼ぶことは絶対に許しません」
三ヶ島「俺にはお前もさほど変わらんように見えるけどな」
日雇い労働の列に並ぶ倉持。今日は仕事を取った。ちなみに、倉持の後ろに並んでいたのは、SPECの世界では、当麻紗綾が抱き枕にしていた大学者、平坂照雄、の人のようだ。
労働者「昨夜、あんたおらんようになってから男んきたで。なんかちょっとヤクザ風やったな。まあ、気いつけや」
トイレ掃除のバイトをする倉持。
ホテル支配人、吉松が来る。
倉持「あっ、支配人」
吉松「ここにいると労働センターで聞いてね」
「極太麺」くる。麺幅5cm、と書いてある。
吉松「どうだろう、私の知り合いに引越しの会社をやってる人がいてね、あなたのことを話したら」
倉持「えっ」
うなずく吉松
足抜けコールでお好み焼きを作っている佐野
タブレット端末を見ている麦秋。出かけていく麦秋
吉松を待ち伏せしていた麦秋
麦秋「支配人、勝手に倉持さんに会いましたね。倉持さんに新たな職でも斡旋しましたか?」
吉松「明日からでも務められる職場を紹介しました」
麦秋「貴方にお願いしたのは倉持さんを雇ってもらい、解雇してもらう。それだけのはずだけです」隠れて聞いている三ヶ島
吉松「寝覚めが悪いんですよ。あなたがヤクザにどんな恨みがあるのか私は知らない。しかし、懸命に人生をやり直そうとしてるひとをクビにして、ぐっすり眠れるはずがない」
ふなっしー風の喋りの引越し屋「おっちゃん、初日から無理すると腰痛めっぞ。軽いの選んで持ってくなっしー」
倉持「じじいナメんなよ」
引越しや「うぉー、怖いっしー」
倉持が持ったダンボール、「孝三 ガチ ナグリ」「育巳 やーな思い出アルバム」内輪ネタか?
倉持に金繁が会いに来る。
倉持「貴船組の金繁だよな?今日は一人か?また嫌がらせか」
金繁「参りました。マジで感服しました。倉持さんは手を出さなかった。どんなに挑発しても。その姿がずっと…」
倉持「だからなんなんだよ。一体何の用だ」
金繁「俺も…こんな俺でも、カタギになれますか?」
倉持「40分後に休憩だ。話はそれからだ」
橘組長に絶縁を願った金繁。足抜け料を払う約束。毎月50万。
倉持「それで済むはずねえしカタギになってからじゃ50万なんて無理だ。足抜けコールにいい警官がいる」と三ヶ島の名刺を渡す。
金繁が去ろうとすると、拉致される倉持。金繁、三ヶ島に電話
三ヶ島「ええ?そいつら関東貴船組に間違いないんかい?」
金繁「いえ遠目で見たんで。でもそれ以外考えられないですよ」

麦秋「どこへ行くんですか」
三ヶ島「貴船組に決まっとるやないか」
麦秋「そこに倉持さんはいませんよ。ヤクザはあなたほど馬鹿ではありません」
三ヶ島「どこにおんねや!」
麦秋、タブレット端末を見ながら「さあ、どこでしょう、ここは」
三ヶ島、タブレット端末を覗き込み「これ、倉持さんの右手や」
三ヶ島「お前がプレゼントしたあの時計、隠しカメラを仕込んであったんか、ええ?」
麦秋「室長、倉持さんを拉致ったやつらがわかりました。居場所の特定、お願いします」
石山、東条の方を叩く。東条「あ、はい…」
縛られて殴られる倉持。監禁しているのは、九瀬組の連中。
九瀬組「今後毎月100万の足抜け料を頂戴いたします」
倉持「無理だ、そんなこと、絶対に」
九瀬組「カタギの仕事が無理なら、ヤクでも、振り込め詐欺でも、あなたにぴったりの仕事をうちが斡旋しますよ。もしくは、(写真を取り出し)奥さんと娘さんに…ヒッヒッヒッヒッ」
倉持「妻と娘には手を出すな。もう俺とは関係ねえ」
九瀬組「女はねえ、金になりますよ」
倉持「頼む」
九瀬組「親分からの伝言です。ヤクザを簡単に抜けられると思うな。一家の頭まで張ったのならなおさらだ」
倉持「分かった、足抜け料…」

ボコボコにされる倉持
倉持「足抜け料を…」
そこに麦秋と三ヶ島がやってくる。麦秋、扉を蹴飛ばして入ってくる。
三ヶ島「待てよお前、そんなカッコよく登場するなお前、応援来てからやお前、たった二人…」
麦秋、タブレット端末の画像を見せ、「すべて録画しました。あなたたちの犯罪の証拠です」
三ヶ島「そんなもん録画してたのかよ。そんなんする前にバーン、踏み込んだら…おぅっ、警察や(警察手帳を出して)倉持さん!」
九瀬組「♪黒いお嬢さん、コラ」麦秋の腕を掴む
麦秋「よかったです。先に手を出していただけて」蹴り飛ばす。
麦秋、タブレット端末を三ヶ島に渡して「監禁脅迫の現行犯で、逮捕いたします。その場合、使用者責任として、あなた方の組長も逮捕することになりますが、よろしいですね」
三ヶ島「挑発するな。応援来るまで…」
九瀬組「お前ら、いいから証拠を奪え」
三ヶ島「逃げろ、一旦逃げろ」
麦秋、構成員を倒していく。もろにズロース見せ「キラーン⭐️」(笑)
三ヶ島からタブレット端末を奪おうとしていた九瀬組を倒して拳で突きを入れる。
三ヶ島「念仏の鉄?」
麦秋「いない。関東貴船組が一人もいない」
水田「万一のことを考えてうちの若い衆じゃなく九瀬組の連中にやらせておきました」
橘「九瀬組がゲロ(自白)しなけりゃいいがな」
水田「九瀬組は、シャブを摘発された段階でしまいだったんです。それに今回の件ではたぶん、ムショに入っても短期です」
橘「出所したらうちで引き取ろうってハラか」
水田「はい。という条件でナシはついてます」
金繁、倉持が入院している病院にやってくる。
三ヶ島「お前、倉持さんのホテルに嫌がらせに来たやつや」
金繁「その節は、すんませんでした」
三ヶ島「でかい声出すな。病院や」
金繁「あの、親分…倉持さん」
佐野「お命に別状ございませんそうです」
金繁「ああよかった」
三ヶ島「お前が俺に通報してくれたおかげじゃい」
麦秋「本気なんですか」
麦秋、金繁に「暴力団をやめたいって。カタギはヤクザと違って真面目に生きる覚悟が必要です」
金繁「はい」
麦秋「それでは、関東貴船組の金繁さん」
麦秋・佐野「あなたの足抜け、お引き受けいたします」パフパフ(俗称パフパフラッパ)

金繁「みかどりさん、みかどりさん」
三ヶ島「誰がみかどりや、島や。これの中は、山やぞ」
金繁「ごめんなさい。今のは?女の人…」
三ヶ島「ん?足抜けコールの担当者やで」
金繁「俺、あの人の声、覚えてます」
三ヶ島「声?」
水原「あの倉庫に倒れていた九瀬組の連中、このオヤジ(倉持)が一人で全員を殴り倒したって、そういって聞かねえんだ」
麦秋「その通りです」
水原「嘘つくんじゃねえ。だから女は好かねえ」
麦秋「私は女を代表しておりません。いいですか?相手は多数のヤクザ、彼は監禁されそうになったカタギ、どちらを逮捕すべきかあなたにもお分かりですよね」
水原「てめえの筋書きには慣れてるよ」
倉持「就職決まりました。あの、ホテルの支配人に紹介されて。引越し屋の作業員。この指繋いだのも、足抜けコールも決して無駄じゃなかった」
三ヶ島「 (時計)ええ感じにメッキが剥がれてるやないか」
倉持「すんません。壊してしまいました」
三ヶ島(首を振る)
麦秋「直しておきます」
三ヶ島「俺が治す。今度は、俺からの就職祝いや」
佐野「素晴らしいですね。よかったよかった」麦秋が佐野を睨みつけているような…
三ヶ島「倉持さんを監視するための時計が倉持さんを助けて九瀬組の連中を逮捕する証拠も撮った。全てはお前のシナリオ通りやったんかい。倉持さんがホテルに就職決まったときも引越し屋に就職が決まった時も貴船組に女の声で密告があったらしいわい。お前やな?」
麦秋「はい。倉持さんの居場所を貴船組に告げれば倉持さんを拉致るとか何か行動を起こすはず。それを証拠に残せばきっと」
三ヶ島「お前一歩間違ったら倉持さん命落としとったんやぞオラ」
麦秋「だから何です。もともと彼は、命がけの野蛮な世界にいたはず。一歩間違えたとしても、それが何か?」
三ヶ島「なんやねん、その理屈?」
麦秋「そんなことよりも残念です。その証拠で、橘を使用者責任で逮捕したかった。まさか無関係な九瀬組を使ってくるとは。さすが関東貴船組、そう簡単にはいきませんね」
麦秋、口元だけでニヤリと笑う。
吸入器を使っている橘
橘「九瀬組の連中が出所したらウチの所帯増えるな」
水田「ウチのセカンドだった倉持一家が消滅しましたから、その分の補充ということで」
橘「倉持一家の上納金いくらだったんだよ」
水田「月550万です」
橘「それが消えたわけだがそれも補充できんだろうな?」
水田「すでに新しいしのぎができる客分を迎えております」株のトレーダー?
橘「期待してるよ。しかし倉持一家と九瀬組、いっぺんに二つの組が消えたわけか」
水田「オヤジ、その二つの組潰したの同じ警官らしいです」
橘「何?」
水田「間違いありません。新たに迎えたその客分、サツの情報に詳しいやつでして、そいつの情報です」
橘「それが本当なら会ってみてえもんだな」
水田「うちの客分にですか?」
橘「いや、そんなことをやってのける警官によ」
病院を退院した倉持。佐野が野球の素振りをして待っている。

麦秋「今後もまた、関東貴船組は来るかもしれませんよ」
倉持「覚悟してます」
麦秋「そのときは、必ず連絡してください」先の三ヶ島とのやりとりがあったからこのセリフも倉持のことを思ってというより関東貴船組を潰すためにというふうに聞こえてしまう。
三ヶ島「足抜けコールまでな」
倉持の妻が三ヶ島と一緒にいる。
三ヶ島「おーいにいさん、やくざ、やめろよ。忘れんなよ」
幸子「あんた」
倉持「お前、なぜ…」
幸子「やっぱり、あんたのことほておけなかった」
三ヶ島「ちゅうこっちゃ。ただ娘さんはまだ牛久や。ここには連れて来られへんかった」
幸子「でも、必ずあの子は私が説得する。この刑事の旦那に言われて思い出した。あんたと一緒になったとき、あんたとなら地獄だって歩いていけると思った。そんなあんたが、私たちのためにここまで変わった。それなら、家族である私たちだって変わんなきゃ」
もらい泣きする三ヶ島。ハンカチを渡す佐野
三ヶ島「ああ、忘れとった。(と時計を取り出す)旦那さんのや。すっかり、生まれ変わって…動き出したで。(幸子に)つけたって。つけたって!」
倉持の時計、監視カメラは取り外されている
倉持「バクさん、三ヶ島さん、このご恩は一生忘れません」(俺は?と自分を指差す佐野)
麦秋「忘れてください。警察のことも、ヤクザのことも忘れ、ただまっとうなシノギを一心不乱にして、そしてあなたはカタギになっていくんです」第壱話と微妙に言い回しが違う。
三ヶ島「かっこええやないかい」
駅のホーム。Twitterに書いたとおり、ロケ地は西武池袋線の東長崎駅
麦秋「彼とまた一緒に歩いて、あの奥さんと娘さんが幸せになれるはずがありません」
三ヶ島「誰かと一緒に歩くからこそ幸せはやってくんねや」
麦秋「あなたのきれいごとは絶対に認められません」
三ヶ島「俺もお前の後ろ暗いやりかたは絶対に認められへんな。せやけど何でそこまでヤクザ憎むのや?個人的に何か恨みがあんのかって聞いたときお前あるって答えたのう。お前にここまでさせる恨みって一体何や?」列車が入ってくるが、このシーンはものすごい望遠で撮っている。
麦秋「個人的な恨みがあるのはヤクザだけじゃありません
三ヶ島「ああ?」
麦秋「私は、ある二人の人生を全力で否定したいんです」
三ヶ島「二人の人生?」
麦秋「否定、いや、殺しても殺したりない」

ナビ番組で言っていたように、今回で有留章子の過去の件に一段落つく。しかし、すぐにシャバに戻って次回から再登場するかというのはどうだろう。
彼女の医院が脅されることになったいきさつ、果たして関東貴船組だけの仕業なのだろうか。倉持がホテルをクビになったり、拉致られたときに麦秋がタレこんでいたように、裏で麦秋がタレこんだのではないか、というのは考えすぎだろうか。
さて、麦秋の過去に関する謎について、今回明らかになったのは、麦秋がヤクザに恨みを抱いているだけではなく、ヤクザではない二人の人間に対しても殺しても殺したりないという思いを抱いていることがわかった。前に書いたが、麦秋が飾っていた父親の写真の両側が、破かれていた。つまり、この破かれたところに写っている二人が、「殺しても殺したりない」という人物なのではないか。それは麦秋の父の知り合いの人物ということになるのではないか。
また、麦秋が関東貴船組の橘勲に個人的な思いがあるのは確からしいが、橘は「永光麦秋」という人物に覚えはないらしい。
前回から気になっている佐野である。ひとつは、ホテルにヤクザが来て嫌がらせをしたとき、「いざとなったら、怖くなっちゃって」と顔を見せなかったことである。もう一つは、倉持に対して、ヤクザが来たら、警察に電話したら対応してくれるとか、暴追センターに来た取材を足抜けコールに押し付け、何かあったら警察が責任を取ってくれるとか、何かと暴力団離脱希望者に関する困りごとを足抜けコールに押し付けようとしたことである。
佐野が紹介した弁護士も、ダジャレを言ったりして刑事事件の弁護士として緊張感が足りない感じもする。
以下のことは、全く根拠はないが、こんなことから、私が妄想しているのは、佐野は実は暴追センターの職員ではなく、ヤクザの構成員で、彼が紹介する「協力企業」も、ヤクザのフロント企業だったりするのではないか、だから麦秋は暴追センターの協力企業を使いたがらないのではないか、ということである。
そして、三ヶ島がヤクザに対して尻込みしてしまうような部分である。第壱話では何も書かなかったが、奥さんと別れたのがヤクザと関係しているのではないかと予想される。ここからは全く根拠がないが、妻の身内にヤクザがいて、そのヤクザを三ヶ島が逮捕した、といったことではないか。さらに妄想すると、三ヶ島が逃がしてしまったヤクザ、藤田の妻が、三ヶ島の元妻、などということはなかろうか。
小ネタでは、第弐回になって、突然倉持の妻、幸子が奇妙な方言をしゃべるようになった。しかもこれ、撮影では標準語でしゃべっていたのを編集の段階でアフレコで入れたっぽい。口と声があっていない箇所が見受けられたし、喋っていないのに口が動いているシーンまであった。
さて、2話完結は、少しテンポが悪いところもあったが、次回からは一話完結。どんな話になるだろう。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です