『SPEC〜結〜爻ノ篇』について、『漸ノ篇』までの展開からの謎を、以前書いた「【SPEC】SPEC〜結〜謎のまとめ」を元にまとめたい。
…まとめているというより、謎を拡散させているかもしれないが。
申し訳ないが『SPEC〜結〜漸ノ篇』を見ていない方は、この記事は読み飛ばしていただきたい。
言っておくが、『爻ノ篇』のノベライズは読んでないから、情報はない!!!
それと、皆さんの求めているであろう『爻ノ篇』のネタバレ情報は含んでないから、申し訳ない!
【ソロモンの鍵とは?シンプルプランとは?】
『SPEC〜first blood〜』によると、「ソロモンの7冊の断章 特殊能力者を召還するためのマニュアル」。向井理さん演じる「セカイ」の『天』でのセリフによると、「時の流れだけは逆戻りできない。ソロモンの鍵なくしてはねぇ」
ソロモンの鍵とは、古代イスラエルの王、ソロモンの名を冠する魔法書。19世紀末から『ソロモンの大いなる鍵』と『ソロモンの小さな鍵』という書物が編成された。後者は別名『レメゲトン』と言い、悪魔や精霊を使役させる方法が書かれている。5部構成の第1部は『ゴエティア』と呼ばれるという。
シンプルプランは、5つのパーツで構成されており、『SPEC〜翔〜』で野々村係長待遇が奪ったパーツの1つが『ゴエティア』である(『翔』では、御前会議のメンバーが、シンプルプランについて、「5つのパーツに割るとは、レメゲトンそのものじゃないか」と発言している。なお、『結』では、御前会議のメンバーが、5つのパーツのうち、3つも届かなかった、と発言していることから、野々村係長待遇が奪ったもの以外に2つのパーツが奪われているということが推測される)。
また、宮野珠紀が、野々村係長待遇が持っていた『ゴエティア』のデータを書き換えており、係長待遇はそれに気づいていた。
→『SPEC〜結〜漸ノ篇』では、シンプルプランはプロフェッサーJが製造した、SPEC HOLDERだけを殲滅させるウイルスだったということが明らかになった。『漸ノ篇』のパンフレットの、植田プロデューサーのインタビューによると、5つバラバラになったウイルスをひとつにすることで、シンプルプランが完成して蔓延するというプロットを考えてみたものの、時間がかかって面白くないということで、途中で完成形が送られてきたということにしてしまったということだ。
そして、宮野珠紀は、アジアの大国(中国)のためにシンプルプランを奪うミッションに従事していたことが分かる。
【2014年の東京】
・2014年11月3日
雅ちゃん。この手紙が君の目に触れたということは、私はすでにこの世にいないということだ。
もしかしたら、当麻君も瀬文君も、既に、この世はいないかもしれない。君は生き延びて、この真実を必ず、歴史に残して欲しい。
私たちのいた、警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係は、スペックホルダーと呼ばれる特殊能力者の犯罪を取り締まる部署だ。現在、100万人に一人の割合で、何らかの特殊能力を持つ人間が確認されている。これは人間の脳の進化によるものとされており、近年、急速に、その割合は増加している。
もしかしたら、君のかわいすぎる魔性もスペックかもね。
話を元にもどそう。スペックの種類は多岐に渡り、スペックホルダーたちは、その才能を買われ、様々な国や世界的大資本が争奪戦を繰り広げていた。そして、スペックホルダー同士の血で血を洗う争いが激化した。
しかし、そんなことは今考えればささやかなことだった。スペックホルダーたちの暴走が始まったのだ。
ファティマ第三の預言は、ついに現実のものとなった。それは熱い暑い夏の出来事だった。
『天』の冒頭と結末に登場する、廃墟となった2014年の東京。
・そもそもなぜそうなったのか?
・雅ちゃんはなぜ、生きているのか?
・野々村係長待遇は、なぜ、雅ちゃんが生き残ることを知っているのか?
・「スペックホルダー同士の血で血を洗う争い」とは?野々村係長待遇の声にかぶさっている映像からすると『翔』の出来事なのか?そうだとすると、「スペックホルダーたちの暴走」というのは『結』の出来事なのか?それこそささやかなことだと思うのだが。
→『SPEC〜結〜漸ノ篇』においても、冒頭でこのシーンが繰り返される。そして、野々村係長待遇の手紙の追伸として、『天』のあらすじが語られる。しかし、このシーンが意味するところは明らかになっていない。
【ファティマ第三の予言とは?】
これから先に書かれているファティマ第三の預言は未だ明らかにされていない。結末が悲劇なのか希望なのかもわからない。
しかし、預言はあくまでも預言だ。私は人類の未来を信じている。なぜなら命ある限り全ては変えられるからだ。命とは希望の光そのものだよ。
だからどんな悲劇が起ころうとも我々人類はそれを乗り越えていける。そのための進化だと私は信じている。だから、生きろ。なにがあっても生きることをあきらめるな。
野々村光太郎
「我々人類は 今 その預言の刻を迎えた」というのだが、野々村係長待遇が雅ちゃんに宛てた手紙のなかでも、「未だ明らかにされていない」で終わっている。
「命ある限り全ては変えられる」ということは、雅ちゃんのあのシーンは一つの可能性で、別の可能性もあるということだろうか。台本の「reincarnation」(輪廻)か?
→『SPEC〜結〜漸ノ篇』の卑弥呼の言葉によると、「ファティマ第三の予言」は現実になった、とされている。シンプルプランの発動によるSPEC HOLDERの殲滅とセカイが語る人類の終焉がそのことか。
【プロフェッサーJ】
当麻曰く「あなた(クローンにのまえ)を作った奴らが本当の敵」ということだが、『結』でその「本当の敵」と対決することになるのだろうか。
→『SPEC〜結〜漸ノ篇』では、クローンにのまえを作った「プロフェッサーJ」という存在が明らかにされる。「女だ」とされており、アジアの大国(中国)に匿われているが、最近になって逃げられた。マッドサイエンティストとしての能力だけでなく、他人に憑依する能力も持っていると思われる。また、『漸ノ篇』終盤では、カラスの姿で、セカイと謎の女の前に現れる(小説版では黒い服の男となっている)
当麻の父の友人、湯田秀樹によると、彼女(としておく)が、当麻の父に協力を断られて、殺したという。なぜ、湯田はこのことを知っていたのか。
また、当麻葉子を操っていた何者かは、なぜ、湯田を裏切り者と呼んだのか。湯田=ユダ(英語表記だとJudas)ということか。
城旭斎浄海が当麻や瀬文と対決した時、当麻のプロフェッサーJか、という問いに、肯定も否定もしなかった。しかし、浄海が死んだ後もカラスの姿のプロフェッサーJが登場している。
【キャスティングの謎】
こちらの記事も参照していただきたいのだが、その他に、特記することは以下の通り。
・「セカイ」はどういうキャラクターなのか?『天』のラストからすると、物やヒトを消してしまうSPECがあると思われるが、「セカイ」という名前にも謎が含まれていそうだ。
・大島優子さんは「謎の女」とされているが、どういうキャラクターなのか。『SPEC零』小説版に登場した「白い服の女」と同一人物と見ていいのか。
・「セカイ」と「謎の女」が御前会議のメンバーが言っていた「ファティマ第三の預言に出てくるマリアと教皇」なのか?
・一十一は、『翔』では当麻が召還した死者、『天』ではにのまえの死体から生み出したクローン、ということになっていたが、『結』ではどういう設定になっているのか?
・地居、マダム陽、冷泉、海野、美鈴、サトリといったSPEC HOLDERは当麻と瀬文の味方で登場するのか?敵として登場するのか?
・シークレットゲストは誰か?このスペシャルゲストのことか?
→シークレットゲストは、「卑弥呼」(声は北大路欣也?)のことか?
謎の女と、青池潤は、同一人物で、大人と子どもに姿を変えられる。
セカイと謎の女は、卑弥呼を「兄者」と呼んでいた。謎の女は、実際に青池里子の腹の中に入っていたこともあるし、実際の兄弟というわけではないだろうが、卑弥呼が言う「先人類の末裔」という意味での共通する種族と言うことなのだろう。
青池潤が青池里子の「腹の中に入っていた」という理由は一つ仮説がある。卑弥呼が、30万年待った、と言っているが、肉体が持たない。そこで、魂だけが、次々と現人類の腹を借りて、現人類と同じ肉体で生まれ変わっているのではないだろうか。そこで、青池里子と青池潤はDNAも血液型も一致しない。さらに妄想していたのが、青池潤はケイゾクの朝倉の娘、という仮説。催眠術をかけるときのポーズが一緒、という以外に何も根拠がないし、堤監督が「朝倉の謎もモヤっと残ってる」と言っていたので、関係ないだろう。
にのまえを初めとするSPEC HOLDERは、警視庁の屋上に集結していたので、当麻が召還するのだろう.
恐らく…しかし、地居を?
【ラプラスの悪魔】
セカイが、「ラプラスの悪魔」と呼ばれているが、これは、古典物理学の有名な用語。詳しくは調べてもらいたい。
また、「未来は既に決定している」という、古典物理学の立場に立っている。
一方当麻は、登場して初めてのセリフが「シュレディンガーの猫、ウケる」で、明らかに量子力学の立場に立ったセリフだ。
古典物理学を量子力学が圧倒していったように、先人類の末裔であるセカイたちを、SPECに目覚めた新たな人類の代表である当麻が圧倒していくということなのだろうか。
【ケイゾク】
・『結』はケイゾクからの決着の話だという話だが、『ケイゾク』の何を決着させるのか。
→野々村係長待遇が死ぬことがケイゾクからの決着の話ということだったのだろう。以上。
朝倉とSPECの関係が明らかになることを期待していたが、それはなさそうだ。
【当麻のキャリーバッグ】
『天』で爆発してしまったが、『結』で再登場するのか?
→大修繕の果て、復活した。
【『結』で明らかになるとされていること】
・当麻が死んだSPEC HOLDERを召還するとき、一瞬戸田さんからスタッフの赤羽プロデューサーになる理由。左手に火の剣を持つ天使の意味。
・里中を殺せと命じた人間が結に出る件。
→これらは『漸ノ篇』では明らかにならなかった。『爻ノ篇」ではどうだろうか。
【死者を操っていたのは誰か】
当麻葉子と野々村係長の死体を操っていたのは誰だろうか?
→プロフェッサーJであると思われるが、『漸ノ篇』パンフレットの竜雷太さんのインタビューによると、「野々村を操っていたのは浄海」ということになっている。
しかし、上に書いたように、プロフェッサーJと浄海は別人であると思われるので、謎が深まる。
当麻葉子が操られていた時期も、疑問が残る。今まで当麻に電話して来なかった、葉子からの電話。そしてそこにいるのは、当麻が幼少期でよく覚えていない、当麻の父の友人。そこで不自然な点は、当麻が瀬文を連れて行っていること。何か不審な点を感じたのではないか。
実は当麻葉子は湯田が訪れた段階で憑依されていたのではなかろうか。その傍証として、気になるのが、湯田に葉子が振る舞った料理だ。湯田は懐かしいと言っていたが、肉じゃが、ロールキャベツ、刺身、唐揚げ。あってしかるべきものがない。当麻家の食卓なら、ここに餃子か、たこ焼き鍋が並ぶのではないだろうか。
【並行宇宙(パラレルワールド)】
この言葉は、実は『SPEC〜結〜』で突然出てきたわけではない。連ドラ放送開始時に公開された動画、「SPEC〜first blood〜」に、既に「多元的宇宙論」という用語が語られている。多元宇宙論を調べると、謎の女の語る「泡(バブル)」や、当麻の語る「バルク」と「膜(ブレーン)」といった用語が出てくることが分かるだろう。
これらの多元宇宙論が、『爻ノ篇』でどう影響していくのだろうか。
【ガイア理論】
SPECの世界では、「地球が意志を持った一つの生き物」と見なすこと。当麻の父親は、地球が意志を持った一つの生き物として、ブレーンを行き来している証拠をつかんだという。
卑弥呼たち先人類は、ガイアの意志を感じることができるらしい。
『漸ノ篇』のパンフレットの、植田プロデューサーのインタビューによると、卑弥呼は、(SPECを持つものと持たざるものの)人種間戦争が始まると、ガイアが怒るから、スペックホルダーを護れと言い出したという。
セカイによると、人類がSPECを持ったのもガイアの意志であるという。
謎の女によると、当麻が人の子として生まれたのはガイアの気まぐれ(SPEC零)
【余談:野々村係長を生き返らせる方法】
あれだけの見せ場を作った野々村係長だけに、簡単に生き返ったりしたらずっこけてしまうが、雑誌『Soup.』の竜雷太さんと今井夏木プロデューサーの対談によると、竜さんが「消化不良だからもっとやりたい」と言うと、新たな続編があるかも(笑)ということで、野々村係長を生き返らせる方法を妄想してみる。わざと突っ込みどころたっぷりにしてあるので、どうぞ突っ込んでいただきたい(笑)
○雅ちゃんのSPECが目覚める
「SPECは、人の思いによって目覚めるもの」ということで、「光っち、起きて」という雅ちゃんが、野々村係長を生き返らせるというSPECに目覚めて、野々村係長が生き返る。
○宮野が撃った野々村係長は、実は別人
用心に用心を重ねた野々村係長は、自分が狙われることを承知しており、パブリックドメインの津田を作った医師に、自分の替え玉を用意させた。
○撃たれた時、実は防弾チョッキを用意していた
宮野に撃たれたとき、野々村係長は防弾チョッキを着ていて、死に至らなかった。
そして、プロフェッサーJに操られているふりをして、当麻と瀬文の前に現れた。
当麻たちは、係長を撃ったあとで、係長が芝居をしていることを悟って、死んだような芝居をした。誰かを騙すために。
○プラスチック弾
『ケイゾク』を見た方ならお分かりだろう。
宮野が撃った弾も、当麻たちが撃った弾も、プラスチック弾だった。
野々村係長が死んだと思い込んだ真の敵が現れた時、係長が目覚め、敵の肉体に弾を撃ち込む。「うるさい、生ゴミ!」
○実は、プロフェッサーJを、野々村係長が倒した
シンプルプランの正体に気づいた野々村係長は、密かにプロフェッサーJを追っていた。宮野に撃たれたあと、プロフェッサーJに宮野が倒されたあと、係長は痛みをこらえて頑張って小泉元首相を感動させてプロフェッサーJを倒し、当麻がSPECを持つものと持たざるものの間の争いに巻き込まれないよう、ウイルスが当麻に効かないように改良した。
はい。ほんとにこうなるとは思ってない。わざとこうならないであろうという妄想を展開させた。申し訳ない。