書籍『ケイゾク、SPEC、カイドク』に対抗するわけでは、全然ないし、全然及ぶものではないのだが、『ケイゾク』について、映像で説明されていない視点で、あるいは勝手に補完をして見ようと思う。
以前に書いたことの繰り返しも出てくるし、昔ネットで語られた内容が出てくるかも知れないが、申し訳ない。
取りあえず、第8話(今のところこれ以上書くことはないので。書くことが見つかったら書くかもしれない)と映画(何を書いても説得力がなさそうなので)を除いて、各話について順不同で書いていく。
まずは、第一話『死者からの電話』について。
そもそも、三重県で死体が発見された事件なんだから、東京都警視庁捜査一課弐係が継続捜査してるのはおかしいのでは?
というのはおいといて。
そもそも、歯科医が患者の名前を「読み上げて」いれば、事件はすぐ解決したよね。
というのは『ケイゾク/雑誌』でも突っ込まれていたのでおいといて。
柴田「でも、インポテンツで離婚だなんて奥さんも冷たすぎますよね。愛があればインポテンツなんて関係ないはずです」
いきなり柴田のこの強烈な発言を読み解いていく。柴田も、性的不能が原因で夫婦関係が破綻することによって、離婚原因になりうることは、分かっていたのではないだろうか。もしかして、「インポテンツ=性的不能」ということが結びつかなかったのか?インポテンツ、のアクセントがおかしい。
真山の突っ込みに、柴田の発言はさらに暴走する。
真山「あのな、(ゴホッ)男と女なんてのはな、(ゴホッ)肉体関係あってのものなの。ねっ。やるときはやる。それが愛情」
柴田「でも、そういうものを超越した純愛というものがあるんじゃないでしょうか」
運転手警察官「(咳払い)あっ、失礼しました」
真山「純愛だなんて言われてもさ、何にもされなかったらほんとに愛されてるかどうか確かめようがないじゃない、うん?」
真山の論理も極論ではある。しかし柴田は、真山の最後の台詞を考え抜いて、あのような奇妙な「殺人の動機」を編み出してしまったのだろう。「純愛だったからこそ殺人までやってしまったんですよね」というものである。当然ながらこれは外れで、真山が言った「多田を利用して夫を殺させた」というのが正しいのである。
『ケイゾク』においては、柴田が犯行のトリックを考え、真山が「殺人の動機」を導き出す、というお約束があるのが、以降のお約束を説明していたわけである。
このお約束があるから、柴田と真山は「無類のコンビ」になった、というのが私の持論である。
もう一つ、『ケイゾク』を方向づけたと思われるのが、柴田の第一声。
「愛されている女は魅力的…そうか、なるほど」
思い起こせば、『ケイゾク』で起こる事件は、恋愛感情がからんでいるものが多い。朝倉の事件も、恋愛がからんでいたと捉えることもできるだろう。柴田の真山の関係?ご想像にお任せする
同じように、『SPEC』の当麻の第一声も、結末を示唆していたのではないか、と推測しているのだが、それはまた別の話。
全く余談だが、この回のマイナーな小ネタとして、カメラに写る度に鼻をかんでいる、「鼻かみ刑事」(正式名称は忘れた)というのが出てくる。
あれ?全然独自の解読になっていないような?