【ケイゾク】第四話 二人の殺人者【勝手に補完】

『ケイゾク』について、映像で説明されていない視点で、あるいは勝手に補完をして見ようと思う。
今回は、少し飛んで、第四話『泊まると必ず死ぬ部屋』についてである。


この回は、殺人を実行した者と、殺人を計画したものの、それを果たせなかった者という、二人の殺人者がいたことが特徴である。
前者はこの回の「犯人」成合孝、そして後者はその母、成合佐代子である。
前者については省略するとして、後者の成合佐代子の犯行について、ドラマでは少し分かりにくいので、整理してみる。
・佐代子は、旅館『葉隠月』を、息子・孝に継がせようと考えた。
・そのためには、岩井朋美の存在が邪魔である(後述)。
・佐代子は、「泊まると必ず死ぬ部屋」と呼ばれた部屋の担当の中居であるが、この部屋に仕掛けられたトラップは、先代の中居から伝えられたもので、佐代子しか知らない
・朋美を泊まると必ず死ぬ部屋のトラップで殺害すべく、佐代子は朋美に「泊まると必ず死ぬ部屋」には、時価数億円の財宝が隠されていることをそれとなく伝える。
・朋美は罠にかかり、泊まると必ず死ぬ部屋のトラップで死ぬはずだった。しかし、毒は効き目がなくなっており、佐代子は朋美を殺すことができなかった。
いわゆる刑法で言う「不能犯」の問題である。
真山ははっきりと「あなたを裁く法律はありません」と言っているが、そこまではっきり言い切れるかどうかは検討の余地がある。
ところで、真山が「朋美を殺さないと、孝は相続できない」という部分は法律上明らかにおかしい。
朋美は父の嫡出子で、孝は非嫡出子である。仮に孝が認知されていないとしても、認知の訴えを提起することができる。
非嫡出子の法定相続分は嫡出子の半分と定められており、朋美の母が死んでいて、法定相続人がこの二人しかいないとしたら、朋美は父の遺産の3分の2を、孝は残りの3分の1を相続することができる。
とは言え、3分の1の持ち分では、旅館を経営することはできないのだが。
何はともあれ、朋美を殺してしまった孝は、刑に処せられると、相続欠格として相続できないことになってしまう。佐代子に取っては、自らが刑に処せられるのより大きな苦しみと言っていいだろう。
ところで、この回の七並べは、あらかじめ特定のカードを特定の人物に配った、イカサマである。そうでないと、確実に犯人を負けさせることはできないのだが。
ここでやっている七並べは、AとKが繋がっていて、例えばKを出すとAを出すことが出来るが、そうなった場合逆側からはカードを出せないというルールのようである。
そのことに着目して、最後の札の出され方、特に♥に注目してほしい。
順番は、柴田→真山→彩→春江→信一郎→信宏→孝→佐代子
彩(あがり)♠︎K(♠︎完成)
春江♣︎A
信一郎(あがり) ♥Q
信宏♦︎K
孝♣︎2(♣︎完成)
佐代子 (あがり)♦︎Q(♦︎完成)
柴田 ♥5
真山(あがり) ♥K
春江(あがり) ♥A
信宏(あがり)♥2
孝(手札は♥3と♥4) ♥3
柴田(あがり) ♥4(完成)
孝が♥4を持って負けるためには、♥4を柴田が持っている(最後に出す)こと、♥5と♥Kを刑事側が持っていることが条件である。柴田がずっと♥5を出さずにいることで、孝は♥4を出せないでいる。終盤、柴田が♥5を出した直後に、真山が♥Kを出すことで、孝は♥4を出すことが出来なくなる。さらに、♥Kが出された場合に、柴田が♥4を出すようにするためには、孝に♥3を持たせなければいけない。つまり、あらかじめ、♥5と♥4を柴田に、♥Kを真山に、♥3を孝に配るようにしていたのである。
こんな風に犯人を追いつめるために柴田や真山は芝居をしているわけだが、他の回においても同じようなことが見受けられる。
ところで、ここまでの話とは全く関係ないのだが、第一話の「鼻かみ刑事」同様、この回には「まばたき刑事」即ちカメラに入るたびにまばたきをしている刑事が登場している。小ネタである。ちなみにサバ男の初登場も、この回。
真山のキャラクターの「壊れ方」が本格的になってくるのもこの回。なぜかテレビドラマに詳しい(花登筐とか)。柴田のことを言えない「舌バカ」、というより、柴田の「舌バカ」は第七話で、真山のほうが先である。こういった変人同士が、無類のコンビになる要因だったというところもあるだろうか。

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