【ケイゾク】キャラクター「字」鑑【今さら】

『ケイゾクなるままに』と自称している割に、ケイゾクのことを語れていないことを常々もどかしく思っている。
すでに過去に語り尽くされてしまっているから、いまさら書くことなんかないじゃん、というのが正直なところ。Amazonで1円で公式本や、研究本を購入することだってできるし、Wikipediaにだって詳しく載っている。
用語集なんかを作ろうとしたのだが、「私が」書く意味のある用語集などは、正直作成できない。
ところで、キャラクターについては、映像や書籍などさまざまな情報源に載っており、これらを横串にして並べてみるのは私が書く意味があるのではないかということで、「キャラクター図鑑」ならぬ「キャラクター字鑑」ということでやってみる。「字鑑」なのは、文字通り、テキストだけで書くからである。
とは言うものの、内容の多寡は、キャラクターへの関心領域によって変わるので、ドラマの中での重要性とは違っているし、私が書く意味や私の関心領域が少ない人物や事項については、一切書かない。
以下、『公式事件ファイル』は『ケイゾク公式事件ファイル』を、『事件簿』は『ケイゾク/事件簿 完全版』を、『台本』は『ケイゾク/台本 シーズン壱』を指す。■で始まるトピックで映像からの情報を、△で始まるトピックでそれ以外の情報を示す。
年齢については、ドラマ内では出てこない人物がほとんどなので、映像優先の私の立場では「不詳」である。『公式事件ファイル』『事件簿』に初登場時の年齢の記載がある場合は、その年齢を記載する。両方に年齢の記載がある場合、同じ年齢なので、『公式事件ファイル』を優先する。『台本』にも年齢が記載されているが、誤植と思われる記述や摩訶不思議な記載があるので、「参考」として取り上げておく。
また、『SPEC全記録集』の「『SPEC』年表」も参考にした。
内容の多い人物については、個別に記事を立てるとして、まずは個別記事を立てない人物を取り上げる。


早乙女仁(の、姿形をした人物)
◯生年
△ドラマ上は不詳。
『公式事件ファイル』では42歳。
『台本』でも42歳。
『SPEC全記録集』では1957年生まれ。
◯役職・階級
■警視庁刑事部捜査一課管理官・警視
△警視という階級は、キャリア警察官(9話)であれば、20代後半でなれる階級であり、42歳であるとすると、早乙女の昇進の遅さは異例である。
◯捜査一課の捜査を仕切る
■台本には安藤捜査一課長(59)という名前があり、第1話、第2話あたりの会議ではそれらしき人物も見られるのだが、ほとんどモブであり、ドラマ上は捜査一課の捜査を仕切っているのが早乙女である。あと、今井夏紀警官に相談者を弐係に案内するように言っているのも早乙女。
◯SWEEPと早乙女
■彩の、斑目が「早乙女の言いなり」というセリフがあり、度々「判断するのは私だ」と言っていることから、斑目とその配下に対する指揮命令権があるというのはわかるが、SWEEPというものの実態がわかっていないので、早乙女以外にもSWEEPの指揮者がいる可能性は否定できない。
△現実の警務部・監察官とSWEEPの職務がかぶる点を指摘しておく。ちなみに、堤監督作品『溺れる魚』は、こっちの監察部門のほうが舞台になっている。
朝倉裕人(の、姿形をした人物)
◯生年
△ドラマ上は不詳。
『公式事件ファイル』では22歳。
『台本』では22歳。なぜか真山沙織の強姦事件のときは13歳ということになっている。そして真山の発砲事件が1992年5月末、14歳となっている。話はそれるが、真山沙織の事件の後に起こった犯行少年の自殺(とされた)案件が、ドラマでは1991年となっており、台本でも1991年と1992年が混在しているのだが、おそらく最初の段階では真山沙織の事件が1991年、真山の発砲事件が1992年だったのを、「7年前の事件」ということで同じ年にまとめる段階で混乱が生じたのではなかろうか。
◯職業
■世田谷区役所職員
△柴田や麻衣子より年下というのは確かであり、職場内でも麻衣子に「朝倉くん」と呼ばれていたが、学歴・職歴はよくわからない。麻衣子とのなれそめについても、以前に記事で書いたが、結論としてはよくわからない。
◯「朝倉裕人」 の能力
■額に指をコツンと当てるだけで、大沢麻衣子を連続殺人犯に仕立て上げたり(第6話・第8話)、真山が朝倉の目を見ると幻覚に襲われたり(第8話、第10話)、目黒和樹が逆らおうとしても体が動かなくなったり(第9話)する。
これらが、「朝倉裕人」の姿をした人物が行ったように見える。
特別篇で中田英二の肉体を「有効利用」する、と言っていたように、真のアサクラは「朝倉裕人」の肉体を有効利用していたというほうが正しいのかもだろう。
大沢麻衣子
◯生年
△ドラマ上は不詳。
『公式事件ファイル』では25歳。
『台本』ではなぜか22歳。
謎なのは、柴田の学生時代の友人である麻衣子が、柴田より1歳年上とされているということである。柴田の記事にも書いたとおり、柴田が1974年度生まれだとすると、麻衣子は1学年上の1973年度生まれということになってしまう。ただでさえ友人の少ない柴田が、学年違いの麻衣子を友人にしたというのは、全くの謎である。
◯職業
■世田谷区役所職員
△前述の通り、柴田の「学生時代の友人」ということだが、麻衣子が東京大学法学部卒業というわけでもないだろう。高校時代の友人なのかな、とも思うが、謎である。
斑目重友(の、姿形をした人物)
◯由来
同姓同名のB班カメラマン(メイン(A班)カメラは唐沢悟さん)
◯生年
△『SPEC全記録集』では1967年生まれ。
◯役職
■内部捜査処理班(SWEEP)
△階級や、身分的なものは不明。『SPEC』の公安零課のスタッフと違って、身分的に警視庁の警察官ではなくなってしまうというわけではなく、彩が捜査一課一係とSWEEPを兼任していたように、表向きは警視庁に公に存在する部署に所属しつつ、裏でSWEEPとして動いているという感じなのだろうか。
◯操り人形
■シーズン壱では、早乙女の言いなり(第10話、彩のセリフ)だったが、プラスティック弾という便利なアイテムで早乙女を出し抜いた。特別篇では出番を無理やり作ってもらった感じだが、映画では朝倉の操り人形から、「斑目バージョンの朝倉」にバージョンアップする(Wikipediaには、第11話で早乙女に暗示をかけられるとか、手榴弾を体につけて爆死したのも斑目になっているとか、「どこからの情報?」と疑問に思ってしまうようなことが書かれている)。
△映画のDVD/Blu-Rayの割り込み解説では、朝倉の指紋を持つ人物を調べていて、朝倉によって書き換えられた偽の指紋データーによって、朝倉が壺坂になりすましていると信じ込まされて、相打ちで死んだという解説がされている。
真山沙織
◯生年
■1974年度生まれ。第9話で真山が、生きていれば柴田と同い年、ということを言っている。
■7年前に中学生に強姦され、その後多摩川で入水。
△『公式事件ファイル』では、享年17歳。
実際に沙織が入水した時期が不明のため、1992年であるかもしれないし、1991年であるかもしれない。
■朝倉を射殺しようとする真山の前に(幻視で)立ちはだかる。
■朝倉によって、真山は沙織から誘いを受ける暗示をかけられる。
■映画では、真山が沙織を見るたびに、お化けでも見たかのようにうろたえるのが印象的(実際「お化け」なのだが)
△実際の出演シーンは、真山の幻覚のほか、第9話の少し長めの回想シーンくらいである。モノクロの画像のなか、風鈴と金魚だけ着色されているのは、ありがちだがしっとりくる演出である。
今井夏紀
◯由来
△第9話の演出も務めた今井夏木さんである。
◯生年
△ドラマ上は不詳。
『事件簿』では30歳。
『台本』では30歳・独身(第4話、第5話)、とわざわざ「独身」の文字があるのがおかしい。また第1〜3話では「制服警官」という役名になっているのだが、第4話になって役名が付いている。第6話では31歳(誤植?)・独身に、第7話では30歳・婚約中となっている。
◯同じ役なのに役者が二人
■彼女の最大の特徴は、同じ「今井夏紀」という役名の人物を二人の役者が演じているということである。一人は峯村リエさん(第1・4・5・7・9・11話)で、もう一人は今井夏木さん(第2・3・6話)。
峯村さんの仕事の都合が付かないときは今井さんが「代役」を務めた、ということのようなのだが、それでも無理やり「同一人物」にしてしまったところがケイゾクテイストなのである。確かに、Blu-Rayで字幕をONにすると、二人とも「今井夏紀」とクレジットされている。
サバ男
■シーズン壱では真山のマンションに現れ(第4話、第6話、第9話に登場)、特別篇や映画では居所を転々とする、サバと包丁を持った老人
■第9話で、「俺にも地域振興券をくれ」と嘆いている。
地域振興券とは、1999年に行われた政策であるので、覚えている人は少ないだろう。15歳以下の子供のいる世帯主と、65歳以上で市町村民税非課税者、生活保護の受給者などを対象に、1人2万円分の「地域振興券」を贈与するというもので、サバ男はもらえなかった、ということは、当時65歳未満で、生活保護も受給せず、その他の要件も満たしていなかった、ということである。
△15年以上経っても、選挙前になるとなぜか「景気対策」と称して現金や金券を配る政策が行われることが、ほとんど恒例行事化している。
■『SPEC』第9話【壬の回】にも登場するが、サバも包丁も持っておらず、同一人物なのかは不明。
嶋村一郎
■第8話に登場。「悩み相談フォーラム」に「トカゲ男」というハンドルネームで(「カメオ」じゃないの?と思った方もいるかもしれないが、あくまでも私の説では「トカゲ男」)書き込むも、大沢麻衣子の連続殺人に巻き込まれて殺される。
■Amazonプライム・ビデオなどのビデオオンデマンドや、CS放送TBSチャンネルでの再放送では、タイトルバックのクレジットから俳優名が消されているほか、出演シーンに全てモザイクがかけられている。
△これは、嶋村一郎役の伏石泰宏氏が売春防止法違反で逮捕されたからである。「噂どおりのセクハラ大魔王ですね」という柴田の言葉が本当になってしまったような感じである。
△ゲストキャラクターをわざわざ取り上げるのは、モザイクの一件を取り上げたかったからで、それ以上でも、それ以下でもない。
みゆき
■第8話に登場。「悩み相談フォーラム」に「部長との不倫から抜けられません」といった書き込みをしているが、実は男。
△視聴者に、「ハンドルネームは予想どおりとは限らない」ということを印象付ける効果があるわけだが、裏話として、演じているのが、第3話、第7話を演出した金子文紀監督である。これが書きたかっただけである。

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