【ヤメゴク】第六話 小ネタ、突っ込み、深読み(ねたばれ)

第6話は、そのまま「第六話」であった。
しっかしこのドラマ、法律関係なんかが特に、めっちゃくちゃ詳しいから、解析しようとすると、本当に手間がかかる。一瞬しか映らない映像だから気にとめる人も少ないだろうが。しかし、そんなところに気を抜かないスタッフの意気込みには、本当に感服の一言しかない


(早送り音声でなにやら)
ナレーション「このドラマは、警視庁15階にある、通称『足抜けコール』で活躍する人間たちの、物語である」
(余談)プロ野球の結果 阪神 2-1 巨人
半年前
アパートの表
警官、扉をノックする。
岩井田(竹の原警察署 舎人交番 巡査長)「小牧、小牧いるんだろ、小牧、開けろ、おい」
管理人の女性「おまわりさん、これ、鍵。おまわりさん鍵!」
室内にに入る岩井田、玄関で錠剤を踏む。
薬が置いている。
岩井田「小牧!おい、小牧、小牧…」
倒れている小牧
抗精神剤「レンドロスタミンナイーブ錠100mg 100錠」maemedical(もちろん架空の薬)
三ヶ島N「アカン、もうアカン、、このまま生きてても生き地獄や。はようこの地獄から抜け出さんとアカン。ヤクザな世界から、陽の当たるカタギの世界へ出なアカン」
無線通報する岩井田
三ヶ島N「そんな足抜け希望者を支援してるんが、全国の都道府県警にある、暴力団離脱者相談電話、通称、足抜けコールや」
組対四課
強面の刑事たち
三ヶ島「おう、おーぅ?」
水原「足抜けコールの三ヶ島さん、えっ?うちでなにしてるんすか?」
三ヶ島「三年前にヤクザがひと殺した事件調べてるだけじゃい」
「警視庁データベース」の画面。「2012年 暴力団 殺人」のキーワード。平成24.2.4 木更津南警察署 平成24.2.9 北賀茂警察署 など
回想 三ヶ島「もしかしたらお前の親父さん、三年前に橘…」
水原「そんなの自分とこで調べりゃいいじゃないですか」
三ヶ島「足抜けコールにはあの女がおんねや。えー、調べづらいわい」三ヶ島の席、確かパソコンなかったしね。
足抜けコール
電話。麦秋が取る。
麦秋「自殺未遂?」
佐野、ムルキンチョ用の罠を作っている。
石山、スピーカーに切り替える。
岩井田「そいつのね、就職を斡旋して欲しいんだよ」
麦秋「つまり、自殺未遂した足抜け希望者は、あなたの知り合い?」
岩井田「ああ、去年俺が暴行でパクってからの縁だ」
佐野「パクった?あなた様はもしや警察官でございますか?」佐野がムルキンチョ用に仕掛けた餌の一つが「目に見えない」何ものかに引っ張られている
佐野「ムルキンチョ?」
岩井田「ああ。失礼した。竹の原署、舎人交番、岩井田です」
石山「ああ、足抜けコール室長の石山です。あのーその、足抜けさせたい男ってどこの暴力団員ですか?」
岩井田「ていうか、そいつもう足抜けしてんだよ」
石山・東条・佐野「えっ」
麦秋「すでに暴力団員でないないなら、本人が直接暴追センターなどに相談に行けばいい話ですが」
岩井田「ていうか、今話してる人、麦秋ちゃんかな?」
東条「そうです。永光麦秋巡査部長です」
岩井田「やっぱりそうか!いやー、だから電話したんだ!麦秋ちゃんここにいるって知ってたからさ」
【タイトルバック】
第六話。文字がだんだん大きくなってきているらしい。気づかなかった。
三ヶ島が足抜けコールへ続く廊下を歩いている。タバコをくわえているように見える警察官がくわえているのは、煙が出ていないから電子タバコ?
そして喫煙室の前では、女性警察官が刑事に向かって「バッテン」のサインをしている。
足抜けコールの前では、刑事が水タバコから煙を出している。
足抜けコールに入る三ヶ島。岩井田が来ていて、麦秋と向かい合っている。「おう、何や」
岩井田「警察官になったのはお母さんから聞いててね。それが3年前から本庁勤務。俺と違って、大出世だな」
佐野、三ヶ島に密着して「旧知の仲のようでございます」
三ヶ島「おー、お前にも仲のいい警察官がおったんか」
「はい」
ニコニコしている石山と東条
三ヶ島「なんや、感動の再会で声もでえへんか、むはははは」
麦秋「誰ですかこの人」のけぞる一同。
三ヶ島「話しちゃうやん」
笑う岩井田「やっぱ覚えられてないか。町のお巡りさん悲しいね。こっちは覚えてるんだけどねえよく」
三ヶ島「そいつはあの冷たい女ですからお気になさらず」
石山「私も経験あります。市民は町のお巡りさんのことをホント覚えてないですからね〜」
東条「街のおまわりさんあるあるですね。僕の時なんか、人妻がね…」
石山、東条を遮って「竹の原署の舎人交番で勤務していたとか」
岩井田「ああ、二十、もううん年前からな。麦秋ちゃんちの近くだ。麦秋ちゃんがこんな小さい頃からね、家族ごとよく知ってる」
麦秋「なぜ、私がここにいるとわかったんです」
岩井田「ああ、この前荒川中央署に行ったらこの人(三ヶ島)がいてね、麦秋ちゃんのことを聞きまわってるのを、小耳に挟んだんだよ」
麦秋「そんな目立つ聞き方をしていたのですか?」
三ヶ島「あっ、あの、その…」三ヶ島、後ずさりすると後ろに立っていた小牧裕也にぶつかる。三ヶ島が足抜けコールに入ってきた時、小牧はまだそこにはいない。岩井田が「やっぱ覚えられてないか」といったあたりで、足抜けコールに入ってくる人影がちらりと映る
三ヶ島「なんや、わっ、なんやびっくりした。存在感あらへん」
岩井田「あっ、こいつがね、あのー電話で話した小牧裕也」
東条「あ、どうぞ、こちらへ。どうぞ、どうぞ」
佐野、三ヶ島に「こちらの元ヤクザ様、最近自殺未遂したそうでございます」
三ヶ島「自殺?おぅ何や、確かにお前、心に傷がありそうなジュリアに傷心(ハートブレイク)みたいな、おっ、こっちのことや。ちょっ、で、あの、自殺の理由は?」ジュリアに傷心とは、チェッカーズのヒット曲。
岩井田「上納金が払えなくなって周りから借り尽くして、とうとう組長から絶縁されたっていうまあ、笑い話だ。ワッハッハッ」
三ヶ島「笑い話ちゃいまんがな」
佐野「どちらのおん組に絶縁されたのでございましょう」
岩井田「こいつがいたのは水千組っていうとこだ」
麦秋「水千組。関東貴船組の若頭が組長をしている…」
小牧「水田千一親分!」
三ヶ島「ビックリした。しゃべれるやんか」
小牧「俺のしのぎ、飲食店のみかじめ料だがね、でも暴排条例ができてから払うの渋る店が出て、それでちょっとボコったら警察に目つけられて」
三ヶ島「めっちゃしゃべれるやん」
小牧「これじゃしのぎになんねえよ。それで会費払えなくなったら水田の親分、俺を絶縁に。(身を乗り出して)今までおれが親父のためにどんだけ精を出したかわかるよな」
三ヶ島「分かるかい。初耳やわ」

岩井田「一度故郷に返したんだけどすぐ戻ってきちゃってな。…埼玉のあねがわっていう小さな町だ」
石山「あねがわって確か最近新しく駅ができましたよね?」
三ヶ島「おう、時のA-City。これから発展しそうなええとこやんか」チェッカーズの曲で『時のK-City』というのがあるらしい。またもやチェッカーズネタ。
小牧「そこに俺の居場所はなかった」
麦秋「つまりあなたは昔から札付きのワルだった。当然町の人はあなたがヤクザになったことを知っている。だから対応は冷たくあなたの居場所などない」
石山「バクちゃんいきなり言い過ぎ。小牧さん、ご両親は?」
麦秋「今まで親不孝していたため頼れない」
石山「バクちゃんに聞いてないから」
小牧「親父が一人、年金暮らしで…それ以前にお前とはもう関わりたくない。親でも子でもないって」
麦秋「それだけのことをしたんですね。自業自得です」
岩井田「言うね、麦秋ちゃん。初対面なのに言いまくるね」
麦秋「苦しんでください」
三ヶ島「出た」
麦秋「苦しんで苦しんでそうしてそこからあなたはカタギにはいあがっていくんです」出て行く麦秋
岩井田「いつのまにか香ばしい警官になってるね」
三ヶ島「気にせんでええです。おれはあの女のいいなりにはならへんさかい」
石山「そういやこの間、バクちゃんに反抗してバクちゃんみたいなことしたんだって」
三ヶ島「その代わり、こちらに一筆頂戴いたします」
三ヶ島「おうよ!おれがその気になったらあんな女、怖あるかい。ちゅうことでやな。(佐野の肩をとって)おれとこいつであんたの仕事探しちゃるからな」
関東貴船組
静岡刑務所にいる橘の息子から橘に手紙。名前のところは橘勲の指で隠されている。
橘「せがれからだ。今日届いた。(手紙を取り出す)ここ読んでみろ」
手紙を受け取る水田「刑務所には現役よりOBが多い。ヤクザを辞めた後も、罪を犯している証拠だ」
橘「その後の文言に、俺は共感したよ」
水田「こういう連中にこそ受け皿は必要だ。俺は出所したら、こういう連中の「受け皿」になりたい」
解読。

父へ
まもなく刑期満了になる予定だが、そちらの調子はどうでしょうか。
2年程ここに入って、多々思う事が出来た。
刑務所には現役よりOBが多い。ヤクザを辞めた後も、罪を犯している証拠だ。
こういう連中にこそ「受け皿」は必要だ。俺は出所したら、こういう連中の「受け皿」になりたいと思っている。
…社会が求めた暴対法として、国が施行した。地域…
……ヤクザが社会へ戻った。そんな流れ……
………社会も、その流れを………

橘「あいつもやっと道を見つけたようだ。せがれが戻ったらおまえが教育係になってくれ」
水田「あと半年ほどで、満期出所でしたね」
橘「いや、じきに仮釈放が狙える」
水田「親父、暴力団員に仮釈放はありません」
橘「わかってるよ。だが、手はある」
永光家
由美子「結構求人てあるのね」
さくらが求人票を見ている。
由美子「お母さんここ知ってる!」求人票(高卒)株式会社 フローラル花邦「よく行くのこのお花屋さん。いいお店よ」寝間着姿の遥が入ってくる。
さくら「へえ、じゃあここにしようかな」
遥、高速で振り向いて「コラ、将来を流れで決めないの。もう寝るよ」
さくら「はーい」
布団を敷く遥
さくら「うーん、じゃあバク姉ちゃんに相談しよっかな。だっていま就職斡旋する仕事してんでしょ」
遥「あっ、それね、高校生の…」
由美子「ダメよ!……ダメよ、バクちゃんに迷惑かけちゃ」
建設会社
社長「小牧さん!(拡声器で)小牧さーん」
佐野「きんちょ、緊張されているのでございますよー」
社長「さっきから一言も喋らないじゃない。(拡声器で)本気でウチで働きたいの?」

社長「どう見ても働ける状態じゃないでしょ、この人。(振り向いて拡声器で)こんなんじゃどこも引き受けてくれないよー」
足抜けコール
石山・三ヶ島・東条「生活保護?」
佐野「小牧様は現在、経済的に困窮しており、精神的にも働けず、生活保護受給のチャンスはあるはずでございます」
麦秋「精神的に働けない?冗談じゃない。労働可能な身体能力があるのに、生活保護を受けようなんて甘えています」
佐野「ですから、働く気力を取り戻すまででございますよ」
麦秋「そんな自分勝手なリハビリテーションに一般市民の税金を使うなんて絶対に許せません」
三ヶ島「こいつの血も涙もない意見は無視するとしてやな、俺はそれもありと思うわ」
佐野「はい、申請してみるつもりでございます」
東京都足立区舎人福祉事務所
WO職員「とは言ってもですね、暴力団員の生活保護は受給のハードルが高いんですよ」
三ヶ島「元暴力団員」
職員「特に最近、ウチでは刑務所と生活保護を行ったり来たりする暴力団員の受給が表沙汰になったので、かなり厳しいんです」
佐野「それは不正受給の話でございますよね?彼に預貯金もなく、収入もないことは暴追センターの暴追相談員である私めがお調べいたしました。保証いたします」
職員「でも小牧さん、ほとんど就職活動してませんよね?」
三ヶ島「自殺しかけたんやで。睡眠薬ぎょうさん飲んで傷ついとんねん。ギザギザハートや。ギザギザハート」これもチェッカーズ。ヒット曲、『ギザギザハートの子守唄』である。
職員「では、審査するにあたり、一つだけ条件が。小牧さんが確かに暴力団を離脱した証拠として」
三ヶ島「離脱しとるわい。組長にあっちゃこっちゃ絶縁状回されてヤクザできへんようになってもうたんや」
職員「その絶縁状を証拠として提出してください」
佐野「えっ?はい?いや、そんなこと、どうやって…」
三ヶ島、佐野の口を塞いで「ほんだら、生活保護出してくれんのやな?」
職員「支給されるかどうかはともかく、審査はいたします」
福祉事務所の外
佐野「小牧様、絶縁状ってお持ちなんでございますか」
小牧「絶縁される人間には渡されません」
三ヶ島「かめへんかめへん、警察が持ってるわい。関東貴船組は指定暴力団やろ。当然その構成員の動静は警察に記録されとんねん。つまりや、絶縁状がヤクザの世界に回されると警察は大抵そのコピーが手に入んねや。それをここに提出したらええや。それだけの話や。楽勝や、楽勝。行くで」こういうことを知らない佐野は、本当に暴追センターの相談員なのかという疑問がまた一つ。
中から見ている福祉事務所職員
職員「よかったんでしょうか、警察の方にあんな無茶を言ってしまって」
麦秋「いいんです。ご協力ありがとうございました」
故障中のはずの喫煙所の中
三ヶ島「ない?」
水原、ドーナツと「檸檬紅茶」と書かれたカップを持って外の様子を気にしている。
喫煙所の外では、男性警察官がドーナツを加えて、ドーナツの箱の取り合いをしている。
三ヶ島「絶縁状のコピーがないってどういうこっちゃ」
喫煙所の外では、女性警察官がドーナツを加えて、ドーナツの箱の取り合いをしている。
張り紙「故障中 喫煙所は地下21.5階にあります」に変わっている。(元未詳、がなくなっている)
水原「どうも、紛失しちゃったみたいです」
三ヶ島「しちゃったみたいですちゃうやろ」
水原「これ、ウチのプチ不祥事ですですから」
三ヶ島「プチちゃうわ」
水原「他言無用っすよ」
人事課課長室
谷川が、小牧の絶縁状のコピーを持っている。
谷川「いいのかね、こんなことしちゃって」
麦秋「私が成果を挙げているうちは文句はないはず」
谷川「確かに成果は挙げてるね。恐ろしいほどに」
麦秋「そのおかげで谷川課長、あなたも出世できたはず」
関東貴船組
東条「水千組に入ったら、こちらにいるって聞いたんで」
水田「小牧の絶縁状など、もうありません」
三ヶ島「もうありませんてお前、あっちゃこっちゃ配り倒したんやからもう一枚二枚余ってまっしゃろうに。おう、意地悪すんなや、おっと、素直にI’m Sorryや」『素直にI’m Sorry』はチェッカーズの(略)
モニターで様子を見ている橘
水田「ありません。お引き取りください」
東条「ならもう一枚。サラサラサラって書いてくださいよ」
水田「絶縁した奴のためにそこまでする義理はありません」
公園
佐野が岩井田と小牧と一緒に三ヶ島と東条を待っている。
三ヶ島達が来る。
佐野「あっ絶縁状のほうどうでございましたか」
東条、バツのサイン
岩井田「小牧、こっからが正念場だ。こっから真面目に働く道を…」
小牧、涙流している
足抜けコール
佐野が、室長に報告している。
佐野「このままではまた、小牧様は自害なされてしまいます」
石山「しかし、絶縁状を提出しろだなんてね」
三ヶ島「しかも絶縁状がこのタイミングで消えるやなんて」
石山「えっ?バクちゃん、もしかして、何かした?」
麦秋「はい。絶縁場のコピーを故意に紛失させた上で福祉事務所に適切な助言をいたしました」
三ヶ島「なんでそんなことすんの?」
麦秋「何度も同じことを言わせないでください。働く気のない元ヤクザに一般市民の税金を使うのは間違っているからです」
三ヶ島「お前、なんでそんなやねん?」
ヤメータンの着ぐるみを抱える麦秋
麦秋「暴追センターが暴追ビデオの制作にこれを使うというので貸し出してきます」
佐野「あっ、でしたら私が、帰りに持って行くでございます」
麦秋「結構です。あなたはあなたの仕事をしてください
麦秋、佐野が作った仕掛けを蹴飛ばす。
佐野「あっ、ちょ、ムルキンチョトラップ!」
出て行く麦秋
三ヶ島「俺もちょっと出てきますわ」
足抜けコールに電話。東条が電話を取ると…
橘「関東貴船組の、橘と申します」
舎人交番
岩井田「麦秋ちゃんの、お父さん?」
三ヶ島「いや、その、例えばヤクザやったとか?」
岩井田「(笑)まさか、サラリーマンだよ。確か、どうぞ(三ヶ島にお茶を入れる)会社でお菓子作ってるとか言ってたかな」
三ヶ島「ああ、そうですか」
岩井田「ああ、でも、やくざっていや、家に時々ヤクザが来てた」
三ヶ島「なんでヤクザがあの女の家に」
岩井田「ここだけの話、そのヤクザ、麦秋ちゃんのお母さんに気があったみたいだな」
三ヶ島「お母さん?」
岩井田「よくちょっかい出しに家に来てた」
三ヶ島「ちょっ…かい?」
岩井田「まあ通報があるたびに俺がそのヤクザ追っ払って、でまた来たらまた追っ払って、何度それ繰り返したかわかんねえよ。その度にいちいちご主人に感謝されてな」
23年前
正「私は、あなたのような警察官を本当に尊敬します。(岩井田の手を取る正)ありがとうございます。本当にありがとうございます」
母に抱えられている3歳の麦秋

岩井田「そん時3歳だった麦秋ちゃんが立派な本庁の警察官だ。ハハ、おれも年取るわけだな(笑)」
三ヶ島「そのヤクザ、名前は?」
岩井田「ああ、もう随分昔のことだからな」
三ヶ島「橘勲?」
岩井田「ああ、そうそう。…えっ?なんであんた?」
老女「お巡りさん」
岩井田「おお!小林さんちのえみ子さん、どうした?」
えみ子「台所のね、流しがまたさ、詰まっちゃって」

三ヶ島に電話。着メロはもちろん、チェッカーズの(略)
石山「三ヶ島くんすぐ戻ってきて。不思議な展開になりました」
警視庁
橘がやってくる。ホールが歩く姿に怖気付く警官たち
関東貴船組
水田が組長の部屋をノック
組員「頭、親父はおりません。運転手だけ連れて、行き先も言わず…」
警視庁15階
マル暴の刑事がエレベーターの前に集結
組織犯罪対策部長がエレベーターの前に陣取る
エレベーターから出てくる橘
満島「組対部長の満島だ」第3話で組対部長は風見徹から満島隆太郎に変わっている
橘「これはこれは、マル暴の刑事さんがこぞってお出迎えですか」
満島「何しに来たんだ」
橘「約束はしてあります」橘、案内表示を確認して、組織犯罪対策第三課(足抜けコールのある)のほうへ向かう。
水原「足抜けコール?」
足抜けコール
外の廊下から写メ撮ったり、電話したりしてる警官
警官たちを、三ヶ島かき分け「すいません、すいません、ちょっとごめん、ちょっと」
三ヶ島「おおっ!」
橘が座っている。対応している石山と東条。佐野はいない
東条「あっ、これをどうぞ、だ、そうです」
小牧の絶縁状。
石山「小牧さんの絶縁状ね」
橘「半年前に千一が、おれのところに送ってきたものです。小牧って男がカタギになるのに必要だとか」
三ヶ島「だから、なんでや」
橘「そいつは言ってみれば、おれの子供の子供だ。理由はそれだけで十分でしょう。ただし、それを渡す以上、必ずあんたら警察が小牧の受け皿になってやってください。おねがいします」
三ヶ島「おうよ」
石山「あっ、バクちゃん」
麦秋が現れる
にらみ合いが続く
橘「それじゃあ、失礼します」
橘が帰ると、わざとらしくよける室長
まだ故障中の喫煙室
警視庁地下駐車場
車を出そうとする橘の前に麦秋
運転手「何だあの野郎」
車を出る橘
麦秋「ヤクザのくせに随分子供想いですね。顔も知らぬ組員の足抜けにわざわざ協力しに来るとは」
橘「親として当然のことだろ」
麦秋「人の道はずしたヤクザが、何を」
橘「生まれつきのヤクザなんてどこにもいねえだよ。道を外した者、外された者、それぞれにゆえあってのことだ」
麦秋「くだらないプライドがおありのようrで。いや、女々しい言い訳ですか」
橘「うちの組にだかおれにだか何か恨みをお持ちのようだが」
麦秋「ええ。あなたは…私の仇です」
去っていく麦秋。
「未詳 地下21.5F」の看板。前回は喫煙室に「地下21.5F 元未詳」の貼り紙があったが、貼り紙も直されていたし、未詳復活?
関東貴船組
水田「警察に行ってらしたんですか?小牧の絶縁状を渡しに」
橘「さすが千一だな。勘がいいや」
水田「どうしてそんなことを」
橘「千一よう。どんな理由があれ、親が子の将来を潰すな」
水田「変わりましたね、組長。『極道の道は極道にのみあり。命ある限り、逃げ出すことは許されねえんだよ』それが組長だったはず。何が組長を変えたんですか?頼まれたんですか?あの黒い服の警官に」
橘「関係ねえよ」
水田「お言葉ですが、おれにはそうは思…」
橘「余計な詮索するな!」
水田「自分は!自分は親孝行してるつもりです!親父のために金になる客分を探し出し、今もこうして、なんとかこの組を、関東貴船組を存続させています。親父にとっておれは一体なんなんですか」
橘「決まってんだろ、みんなおれの大切なこどもだよ」
水田「みんな…」
足抜けコール
小牧「決まった?」
三ヶ島「勘違いすな。生活保護が申請できただけや」
佐野「それで、審査されることが決まったのでございます」
東条「生活保護、支給されるといいですね」
石山「支給されたとしても就職活動する必要はあるけどね」
三ヶ島「できるな、就職活動。……まただんまりか。何とか言えや、小牧」
小牧「おれのために、なんでここまで。自分の人生で、警察が味方になってくれるなんて(涙を流す)」
石山「そうだね。だから人生は、面白いんだね」
(主題歌)
小牧「仕事探してください。なんでもやります。今度こそ本気でぶつかってみます」
三ヶ島「よっしゃ、その意気だ」
佐野「では早速暴追センターに参りましょう。1日も早く生活保護を抜けることが生活保護の一番の目的でございますからね」
佐野と小牧を見送る三ヶ島、石山、東条
三ヶ島、麦秋に「どや、ああやってな、人は人を立ち直らせるんや。人の情のないお前にはわからんかもしらんけどな」
夜の足抜けコール 麦秋一人
岩井田が麦秋に差し入れを持ってくる。
岩井田「本庁に提出する書類があったのでね、ついでに持ってきた」
本格焼酎「森異常」
麦秋「私は今、勤務中です」
岩井田「ああ、やあ、悪い悪い、じゃ、たこやきだけでも」
無視する麦秋
岩井田「今日もここに泊まるのかい。少年課の奴らに色々聞いた。親父さんが亡くなってすぐ妙な人事があったね。じつはずっと気になっててね。そんとき何があった?」
回想
狭い部屋で文書の校正(赤入れ)をさせられている麦秋
出てくる文書は、「地方自治法の一部を改正する法律の公布及び施行について(通知)総行行第85829号、総行市第694921号 9月21日付総務大臣 各都道府県知事、各都道府県議会議長あて通知」である。モデルとなっているのは、平成24年9月5日総務大臣通知「地方自治法の一部を改正する法律の公布及び施行について(通知)」と思われる。文書番号や見出しは一部違うが、文言の大部分は一緒である。
ちなみに、総務大臣発出の通知の校正を警視庁職員が行っているのは謎だ。麦秋に対する嫌がらせとして、わざと書き換えて直させるという作業をやらさせたとも考えられる
施工の「工」を「行」に、「本づく」を「基づく」に、「普通地方公共団隊」の「隊」を「体」に直したりしているのがわかる。
本物の通知では、その部分は正しい文字が使われているのは言うまでもない。
「未修正」のボックスに入った書類の山。制服姿の麦秋。時計を見る。机の上には、父の写真(例の左右が破かれた写真)
時計の「6時」のところに隠しカメラが入っている様子。
麦秋「どうして?……なんで?」
書類を赤ペンで真っ赤にする麦秋。
係「夕飯です」弁当が小窓から入れられる。
時計を見つめる麦秋「なんで?なんで?なんで私がこんな目に合わなきゃいけないの?なんで?出して!出して!出してー!」扉を叩く麦秋
監視している谷川
スピーカーから、谷川の声「永光巡査部長、本日の業務終了まであと1時間13分です…(書類の山をぐちゃぐちゃにする麦秋)本日分の業務が終わらぬ場合、残業していただきます。規定通りの残業代は支給されます。業務を放棄する場合、規律違反として相応の処分をいたします。ただし退職を希望する場合は、その限りではありません。代わりに、こちらに(退職届)一筆頂戴いたします『一筆頂戴いたします』の生みの親は、谷川現・人事課課長だったのね。
「退職願」の全文

退職願
警視庁警務部人事課課長
稲垣十三殿
このたび、一身上の都合により、
退職致したく ここにお願い申し上げます。
警視庁警務部人事課 所属
(空欄)㊞

正の写真を見る麦秋
正「警察官になった麦秋は、お父さんの誇りだ」)
涙を流す麦秋「お父さんのために、警察官でいます。お父さんのために、警察官でいます。お父さんのために…」
回想戻り
岩井田「よほど話したくないことがあったんだね」
麦秋「岩井田さんには関係のないことです」
岩井田「でも、おれは勝手に心配する。勝手に心配になる。すまんね。これは街のおまわりさんの性分でね。町のおまわりさんつうのはね、自分が担当している町の人全員、家族のように思っちゃうんだな。おれは麦秋ちゃんの町をずぅーっと見守ってきたから、どうしても気になってね」
麦秋「仮眠をとります。失礼します」
岩井田「邪魔したね」
麦秋「いえ、おかげでいい手を思いつきました」
文書校正してる回想。「資産調査」の文字のアップ
足抜けコールを出ると、廊下に三ヶ島が立っている。
廊下ではなす岩井田と三ヶ島
三ヶ島「あいつに人の情は通じませんよ」
岩井田「人一倍傷つきやすい子は人一倍傷ついたら、だれでもああなるよ。麦秋ちゃんをよろしく頼みます」
福祉事務所
三ヶ島「なんやと?生活保護が支給できへんてどういうこっちゃ?」
福祉事務所職員「固定資産税が…」
三ヶ島「固定資産税ってなんやねん?」
職員「数年前から算出方法が変わったのご存知ですか?小牧さんのお父さん曰く年金暮らしでは固定資産税を払いつづけるのが大変だと」平成24年度税制改正による、「住宅用地に係る負担調整措置の据置特例の廃止」のことを言っているようだ。
佐野「あ、まさなお父様、家を売るんでございますか?」
職員「ええ、ある方の助言により、かなり高く売れそうだと。それが、我々の調査により判明しました」
三ヶ島「せやからなんやねん?」
佐野「肉親に資産がある場合生活保護が支給されづらいんでございます」
三ヶ島「あんな、それで親父さんに大金が入ってもや小牧に渡ることはないねん。それほど親子関係は完全に壊れとんねん。そこらへんもあんたちょっと分かって話せん」
職員「とにかくそれが資産調査の結果でして」
三ヶ島「なんやねん、資産調査って?」
職員「これもある方の助言でおこなった生活保護法第29条に基づく正当な調査です!」
三ヶ島「おうおうおう、ある方とか言うてるけど」
佐野「あっ!」
生活保護法第29条


(資料の提供等)
第二十九条  保護の実施機関及び福祉事務所長は、保護の決定若しくは実施又は第七十七条若しくは第七十八条の規定の施行のために必要があると認めるときは、次の各号に掲げる者の当該各号に定める事項につき、官公署、日本年金機構若しくは国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)第三条第二項 に規定する共済組合等(次項において「共済組合等」という。)に対し、必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社、次の各号に掲げる者の雇主その他の関係人に、報告を求めることができる。
一  要保護者又は被保護者であつた者 氏名及び住所又は居所、資産及び収入の状況、健康状態、他の保護の実施機関における保護の決定及び実施の状況その他政令で定める事項(被保護者であつた者にあつては、氏名及び住所又は居所、健康状態並びに他の保護の実施機関における保護の決定及び実施の状況を除き、保護を受けていた期間における事項に限る。)
二  前号に掲げる者の扶養義務者 氏名及び住所又は居所、資産及び収入の状況その他政令で定める事項(被保護者であつた者の扶養義務者にあつては、氏名及び住所又は居所を除き、当該被保護者であつた者が保護を受けていた期間における事項に限る。)
2  別表第一の上欄に掲げる官公署の長、日本年金機構又は共済組合等は、それぞれ同表の下欄に掲げる情報につき、保護の実施機関又は福祉事務所長から前項の規定による求めがあつたときは、速やかに、当該情報を記載し、若しくは記録した書類を閲覧させ、又は資料の提供を行うものとする。

足抜けコール前、旧喫煙室
三ヶ島「なんや知らんけど、法律に詳しいお前らしいやり口やのう」
麦秋、缶コーヒーを飲んでいる「私のコーヒーブレイクを邪魔しないでください」
三ヶ島「小牧はもう十分苦しんだわい」
麦秋「反省というのは、苦しんで苦しんで自ら殺したくなって、自暴自棄になった、さらにその先にあります」
三ヶ島「それでカタギなるんの嫌になってヤクザに戻ったら元も子もないやろ」
麦秋「絶縁状を回された以上、ヤクザには戻れません」
三ヶ島「カタギにもなれんとヤクザにもなられんのやったらどうなんのや。また自殺でもさせたいんか」
麦秋「その程度で生きていけないのなら、その辺で野垂れ死でもすればいいんですよ」
三ヶ島「お前の親父さん3年前に死んでるがのう。…おれはてっきり橘勲に殺されたんやと思ったわ。せやから橘みたいなヤクザを憎んでる、そう思ったわ」
麦秋「違います
三ヶ島「調べたけど3年前にそんな事件はなかった。なんでや。なんでお前はそんなにやくざを憎んどんのや」
車の中
写真を水田に渡す水千組若頭・鷲頭健介
鷲頭「妹の遥。最近新しい病院に勤め始めたばかりです。(写真を見る水田)下の妹・さくら。就職を控えた高校3年生です。母親の由美子。パートタイムの保育士です」
水田「なんだ、狙いやすい家族じゃねえか」
鷲頭「ええ、隙だらけです」
由美子の保育園
保育士「あっ、由美子先生!」
由美子「ごめん、レン君のウンチのお尻洗ってた。(手を見せて、汚れは)大丈夫?折り紙で切り抜き作る。すぐやるね」
保育士「じゃなくて先生、ヤバイ人がうろうろしてます」

由美子「ああ」
それは三ヶ島
喫茶店
三ヶ島「旦那さん、殺されたんやのうて、病死ですか」」
由美子「はい。入院してた病院を抜け出して、勤めていた会社の前で、開発中のお菓子を持ってたそうです。病院に持って行くつもりだったんでしょうか」
遥「そうだよ」
由美子「遥、どうして」
三ヶ島「ああ、おれが呼びました。一緒に話が聞きとうて」
遥「あれは、姉ちゃんの好きだった麩菓子の新商品でした」
三ヶ島「それってあの、こんな四角いでっかい麩菓子?」
遥「そう、その新商品、退院したら一番に食べさせてやる、お父さんが姉ちゃんにそう言ってた。でもおとうさん、もう退院できないと思ってて、それで病院抜け出して。でもなんでおとうさんのこと聞いてんですか?それ聞きたくて、私も読んだんですか?」
三ヶ島「父親の死と、橘勲は関係ないか」
由美子「橘勲?」
三ヶ島「ご存知ですよね、橘勲」
由美子「知りません」
三ヶ島「あなたの娘さんが憎んでるヤクザですわ」
由美子「知りません」
三ヶ島「ほんまですか。あなたも橘と一緒に娘さんに憎まれてるのにですか」
遥「えっ、なんで?なんで姉ちゃんがお母さんを憎むの?お母さんと姉ちゃんの間にいったい何があったの。いい加減教えてよ」
由美子「言えない。バクちゃんのためにも」
三ヶ島「バクちゃんのために…」
由美子「失礼します」出て行く
遥「お母さん!すみません」
鷲頭がカウンターで聞いてる
足抜けコール
三ヶ島「どうした」
麦秋「生活保護が支給されないことが正式に決まったため、それを伝えるために呼び出しました」なぜ福祉事務所(WO)じゃなくて警視庁に呼び出すんだろう。
三ヶ島「呼び出したってお前…」
佐野「ということで小牧様、今後は一層ご就職活動に励まねばなりません。我々暴追センター…あれ、小牧様?」
小牧、何も言わず出て行く
佐野「私めがご自宅までお送りいたします」
麦秋「宿直の毛布借りてきます」
三ヶ島、岩井田に電話「ああ、警視庁組対三課の三ヶ島ですが」
小牧のアパート
岩井田、小牧の部屋の扉をノック。「おーい。小牧ー。おお、一杯やろう。つまみもあるぜよ」
ラーメンを作る岩井田
岩井田「うまいぞ〜おれの作るラーメンは。年季が入ってっからな(笑)交番で寝泊まりするたびに作ってるから、この道30年だ。これ食ったらさすがに元気でるぞ。だから明日からは元気一杯就職活動だ。何か困ったことがあったら、おれが力になるから」
小牧「じゃあお願いします。…力になってください」
岩井田「ああ、もちろん」
小牧、岩井田を包丁で刺す
駆けつける麦秋と三ヶ島。
岩井田、刺されて横になっている「おおごとにしないでくれよ」(携帯電話を手にしているから、三ヶ島に連絡を入れたのだろう)
小牧、包丁を持ってしゃがんでいる。
麦秋、小牧に蹴りを入れる
三ヶ島「なんでやねん、これ。アカン。(干してあったタオルを取って傷口に当てる)なんでこんなことなんねん、ええ。救急車まだかい?」
麦秋「関東貴船組系水千組、元構成員・小牧裕也、殺人未遂の現行犯で逮捕いたします」
岩井田「違う、おれ、間違って、ラーメン作ってて、間違って、刺さっちまった、だけなんだよ(笑)。こんなことで、せっかくカタギになった、こいつの人生…」
意識を失う岩井田
三ヶ島「岩井田さん!岩井田さん!ちょっ、待ってて、おい、頼んだで!救急車!」
小牧「逮捕してください。逮捕してくれよ。おれ思ったんだ。生活保護がダメなら、刑務所があるかなーって
麦秋「それが、あなたを想ってくれた人を刺した理由ですか」
小牧「ずーっとうざかったんだ、あの人」
麦秋「うざい?」
小牧「何がおかしいんだかいつも大声で笑いやがって、人の事情おかまいなしで土足で入ってきやがって、だいたい、おれがこんな風になったのも、あいつにパクられたからだ」
小牧を張り倒す麦秋
麦秋「思った通り、あなたは芯から腐っています。自分の人生に警察が味方になってくれるとなんて、あなたはそういって泣いていましたが、彼がその第一号だったはずです。それを…」逮捕しようとする麦秋
三ヶ島「やめろ」
アパートの外
救急車が来る。雨が降っている。岩井田が搬送されるのを見送る麦秋
三ヶ島「お前が小牧を追い込んだからこんなことになってもうたんやで。岩井田さんはな、ええかよう聞け、 昔お前がガキやった頃、橘勲がお前の家によう来とったらしいわ。それを撃退してくれたんが岩井田さんや。岩井田さんはな、お前の親父さんに感謝されとった警察官や」
あぶくま整形外科医院
岩井田「麦秋ちゃんのせいじゃないよ。気にしなさんな」6月11日入院
麦秋「いいえ、私がもっと先を読んで彼を追い詰めてれば」
岩井田「自分を追い詰めるね」
麦秋「私の考え足らずで、善良なカタギであるあなたを傷つけてしまいました」
岩井田「善良なカタギってそんなこと言われたのは初めてだ(笑)
麦秋「私は…これも背負っていきます」麦秋、岩井田に一礼
岩井田「背負う?これも背負うって、麦秋ちゃん、ほかには何を背負ってんだい」
病院の入り口ですれ違う三ヶ島と麦秋
三ヶ島「おまえよう言うわな。カタギの税金ヤクザに使うなんてみたいなこと」
麦秋「警察官として大切な金銭感覚です」
三ヶ島「その税金刑務所かてかかるんやで」
麦秋「知っています」
三ヶ島「ほな小牧はどっちがよかったんや。生活保護受けさすんと刑務所いれんのと。どっちやったら岩井田さんは傷つかんで済んだんや」
麦秋「それを私は、今回思い知りました。だからこそ私はもっと研ぎ澄まなければならない」
三ヶ島「なんでおまえはそうなんや。橘とお前の母親どんな関係や。関係あんねやろ。で、それこそお前が橘と母親を憎んでるほんまの理由やろ」
踵を返す麦秋
麦秋「そうです」

まずは、三ヶ島のセリフで、今回はチェッカーズネタが多かった。まとめてみる。
三ヶ島の携帯の着メロがチェッカーズの『I Love You, Sayonara』というのは第一回から出てきた。
「ジュリアにハートブレイク」は、『ジュリアに傷心(ハートブレイク)』
「時のA-City」とは『時のK-City』という曲からきていると思われる。
「ギザギザハート」は、『ギザギザハートの子守唄』
「素直にI’m Sorryや」はそのまんま、『素直にI’m Sorry』
そして、前回は喫煙室が地下21.5F、元未詳だったのだが、今回貼り紙の元未詳の文字が消え、警視庁の地下駐車場に未詳の案内があった。これは、未詳が復活したということか?SPECの時に、一旦お取り潰しになった未詳が復活したように。
小ネタとしては、本格焼酎「森異常」というのもあった。
また、喫煙室が使えなくなった警察官たちが、なぜか火をつけずにくわえタバコをしている中で、紙巻たばこよりもきけんな、水たばこを使っている刑事がいるというのもあった。
そんな小ネタはともかく、今回は麦秋のアクションもなく、後味も悪かったが、印象的ではあった。結局小牧は生活保護も受けられず、警官を傷つけ、おそらく麦秋にではなく逮捕されてしまったのだろうから。
麦秋のやらされていた書類校正作業、なんというか、私は小説『1984年』を思い起こした。総務大臣が発出した通知に、わざと誤字を紛れ込ませて、それを麦秋に発見させて校正させる、という作業をやらせていた。他の文書も同じようなものだとすると、その、「文章に誤字を紛れ込ませる」作業をしている職員が麦秋の他にもいたということになるのだろうか。こんなのは私の考えすぎだろう。
今回も、また佐野が怪しくなってきた。絶縁状がらみのことを知らなかったこともそうだし、麦秋に暴追センターに行こうとして「あなたはあなたの仕事をしてください」と言われていたことも気になる。
また、今回橘が足抜けコールにきた時もいなかったし、麦秋や三ヶ島が関東貴船組に行った時も佐野は同行してなかったように思う。前にも書いたように、捜査二課から暴追センターに出向したというだけでは終わらないような気がする。
麦秋の父が、殺されたのではなく病死だったのは、不適切な言い方だが意外であった。だが、振り返ってみると、今まで一度も、麦秋の父が殺されたということが、麦秋自身から語られたことがなかったのも事実だ。
しかし、父の死について、麦秋自身がどのような理解をしているのか、また、橘勲と由美子の関係をどのように理解しているのかも、不明である。
次回は、いよいよ麦秋の家族に危機が及ぶわけだが、もう既に第7回である。あと4回しかないのだ。

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