ケイゾク mystery4 「泊まると必ず死ぬ部屋」20年目の印象

ケイゾクの第4話が放送されて20年ということで、改めて見直した。
今回目立ったのは、「木戸彩」の存在である。
第1話から第3話までの間では、柴田×真山、柴田×彩というパターンはあったが、柴田×真山×彩というパターンで捜査するのはこの回が初めてで、確かこの後もなかったと思う。
柴田にとって彩は、年齢は下だが警察官としては先輩であり、新人刑事のメンター(導く人とかそんな感じ)のような存在であろう。
これが、柴田にとっての真山ということだと、先輩後輩という感じはあまりせず、バディという感じが強い。
『SPEC』『SICK’S』といった後継シリーズにおいては、当麻と瀬文、御厨と高座と言った、バディは存在するのだが、彩のポジションのキャラクターは存在しない。当麻も御厨も、新人刑事感がないので、彩に相当するキャラクターは必要ないということか。
なお、『ケイゾク公式事件ファイル』によると、ケイゾクの前身となる企画書が『7人の婦警』というもので、そこで考え出された、元ヤンキー、お水のアルバイトをしていたといったキャラクターが、『ケイゾク』の木戸彩に活かされたのだそうだ。

ケイゾク mystery3 「盗聴された殺人」20年目の印象

ケイゾクの第3話が放送されて20年ということで、改めて見直した。
と言っても、内容については、語られ尽くした感がある。
20年目の印象というのは、この回のゲストの松田美由紀さんである。
当時は、柴田純(中谷美紀さん演じる)と柴田純(『太陽にほえろ!』で松田優作さんが演じた)の妻、ということであったが、今や『SICK’S』の主人公、高座宏世役、松田翔太さんのお母様である。
親子で同じシリーズ(という言い方も語弊があるが)に出演する、というのは、やはり20年という年月を感じさせる。
この回が放送された時、松田翔太さんは13歳。
お母様が出られたドラマを、ご覧になっていただろうか。
また、お母様が出られた『ケイゾク』の続編である、『SICK’S』に出るということについては、どんな印象を持ったのであろうか。

ケイゾク mystery2 「氷の死刑台」20年目の印象

ケイゾクの第2話が放送されて20年ということで、改めて見直した。
思ったのは、「この回、思っていた以上にツッコミどころが多い」ということである。
まずもって、犯行が非常にリスキーなことは言うまでもない。早朝に犯人の下平が水谷社長を呼び出して、来ない可能性が高い、というのは前から思っていたことだ。それ以外にも下平の銀行口座を真山が調べた件にしたって、関係者一同を調べたのであったら、犯行当時の捜査で水谷から下平への送金があったことに気づかれてもおかしくないだろう。
冷凍倉庫は、鉄の壁で二重に覆われていた、と言うのだが、ドリルで簡単に穴が空くか、とか、そんな穴を開けたら、冷気が漏れ出して怪しまれるだろう、とか、犯行に関してはこんなところだろうか。
どうでもいいところでは、柴田が彩の部屋に入ったトリック、というのもある。
あと、犯人人形、いつ作った(笑)
そして、第1話はお金がかかった回であったが、今回はあまりそれを感じなかった。冷凍倉庫も大映の撮影所だし。
この回の真山は、犯人に手術をさせず、蹴りを入れて(以降、真山の十八番)「人殺しは人殺しだ」と逮捕させる。それに対して、『SPEC』では瀬文が海野に手術をさせて、逃してしまったというエピソードがある。このあたりが『SPEC』を見た後だと真山と瀬文の決定的なキャラクターの違いとして印象に残るところだろう。
これは、どこで読んだ話なのか忘れてしまったのだが、1話で依頼人を弐係に案内した婦警は、峯村リエさんが演じていたが、2話では、演出も務めた今井夏木さんである。演じる役者が別人なので、別人なのかと思うが、同一人物という設定らしい。台本を見ていると、第3話までは「制服警官」としか書かれていないのだが、峯村リエさんが演じた第4話の脚本から「制服警官・今井夏紀」となり、今井夏木さんが演じた第6話も、「制服警官・今井夏紀」となっている。

ケイゾク mystery1 「死者からの電話」20年目の印象

昨日、ケイゾクの第1話が放送されて20年ということで、改めて見直した。
思ったのは、「この回、思っていた以上に攻めまくっていた」ということである。
まず、ドラマの最初のカットに、電話をしている人の顔の下半分という大胆なカットを持ってきたということである。
そして、これが今回一番大きく感じたところだが、少し前に堤監督からお話を伺っていたこともあるが、フジテレビの社屋でドラマの撮影をするというとんでもない発想である。そしてそれが失敗しても、何度もフジテレビの社屋を劇中に登場させたことである。
そして、いきなり四日市にロケをするという、お金がかかることをやっているということである。
堤監督という外部の演出家やスタッフを使ってドラマを作ったことなど、ケイゾクには多くの「攻め」の要素があるわけだが、第1話に感じた「攻め」はそういったことだった。