ここに来て、実写版SPEC『零』が実現するのか?という事態が発生した。
植田PがSPEC結(クローズ)の企画書を書き、プロットに取りかかろうとしているなか、今井Pが「ニノマエのお母さん役の方に出演の連絡をとった」という事実。
【SPEC】SPEC 〜翔 〜天(放開後その13)BD/DVD発売日、特典決定!
SPEC 〜天〜の上映も大方終了し、BD/DVDの発売日、購入特典が公開された。
【SPEC】SPEC 〜翔 〜天(放開後その12)「天」ネタバレうらばなし、植田&堤悪だくみ?
例によって古い情報も混じっているがご容赦あれ。
SPEC〜翔〜 小ネタ&突っ込み&放送版とBD/DVD版の違い(後編)
『SPEC〜翔〜』の放送版とBD/DVD版の違い。
BD/DVD版で追加された部分は、※をつけたり、※〜※で囲っている。
逆に、カットされた部分は、△をつけたり、△〜△で囲っている。
2時間スペシャルなので、前後編に分ける。これはその後編。
(続く)
△(提供クレジット)
【吉川と望の乗った車】
望「どこに行くんですか」
吉川「なんだか良く分からねえが、ぬしを守る施設じゃい」
望「私、殺されるんですかね」
吉川「それはねえな。マル暴魂見せちゃる。外から見えねえように顔隠しとけ」
望「はい」米袋をかぶる望
吉川「いやそういうことじゃなくて…※やっ、いやいや※」
【馬場と美鈴の乗った車…田舎道】
※馬場「いいところで降ろすよ。協力、ありがとう」
美鈴「※いえいえ、※あの、レンタカーとバイトの請求書って捜査一課の馬場さん宛でいいんですよね?」
馬場「えっ」
美鈴「当麻さんにそう言われたので」助手席に請求書を挟む美鈴
馬場、後ろの車を見て「うん?運転手がいない?」
美鈴「馬場さん前!」前の車が止まる
囲まれる二人の車
馬場「しまった」
美鈴「殺し屋さんごめんなさい。私何も見ませんしゃべりません。だから助けて!」
馬場「同じく助けてー」
車から出て行く二人。馬場、手を上げて降参のポーズを取る
※美鈴「うわ、うわー、ちょ、ちょっと…」美鈴を盾にするような位置にいる馬場
二人の後ろに黒男が現れ、発砲する。
※馬場「いやー」
※美鈴「キャー」
当麻が黒男の後ろから発砲する
しゃがみ込む馬場と美鈴
発砲する当麻。銃弾の一発が黒男の右足に当たる
発砲する当麻。「外した」
逃げて行く黒男。
当麻「逃がすか」走りながら三角巾に入れた銃弾を弾倉に込める。用水路を黒男と同じタイミングでジャンプし、発砲する当麻
黒男「クェツ」と消える
当麻「チクショー。馬場さーん。この血液をDNA鑑定に回しといて」
馬場「はい」
当麻、メモを取り出し「よし」
※当麻「あっ、バッグ…ジョワッ」と用水路を飛び越えバッグを取りに行く
【夜光町7丁目の路上】
瀬文、立っている。「暑い。…心頭滅却!オンソラソバテイエソワカ…」
【黒男の隠れ処】
※(メール)「My moves are being watched.is it safe?」
※『俺の動きが読まれてる。大丈夫か?』
※(メール受信中)
(メール)「It’s just by chance. when the n system was hacked 4 wagons were disputed. However, we identiied the real wagon. get to it now.」
『たまたまだ。Nシステムをハッキングしたら4台のワゴンでかく乱されていた』
『しかし本命の車を確認した。すぐに向かえ』
(メールの下)「Look! http://www.yohtube.com/watch/takerusebumi.mov.kurootoko」youtubeではなくyohtubeになっている
(瀬文のビデオの画像)「※てめえ!※コラ、黒男。俺はお前の顔をハッキリと見たからな。※俺を殺さないといろんなやつにしゃべるぞ。※俺の名は瀬文焚流だ。※逃げも隠れもせん。かかってこい。※夜光町7丁目の路上にて待つ」
黒男「クェッ」ポーズを取って消える
※【吉川と望が乗った車…住宅街】
※吉川「米袋かぶったんかい?」
※望「ええ」
※吉川「おお行き止まりや。どっちや。右や」
※右折する車
※(しばらく進んで)吉川「おぅ、行き止まりや。どっちや?どっちや?右や!
【工事現場】
吉川「おぅ、※またまたまた※行き止まりや。どっちや?何じゃい、この看板!?(工事中の看板)※そうか※分かった。黒男の罠や。右に迂回するとやられる。左や、※よし※」吉川、車を左に回し、工事現場に入って行く。
工事現場に、「熱海旅館 本気の宿まじか」「大人の社交場 多摩クリステル 日の出から営業」の看板。
望「普通に工事してませんか?」
吉川「おぅ?」
工事男「オラオラオラ何やってんだ。看板見えねえのか看板!」
吉川、車から出て「どうもすいません」望も出てくる。
工事男「見りゃあ>アカンだろ!入れねえんだ一般人は。神聖な土木工事現場だぞコラ!バカにすんじゃねえよ!」
吉川「すいません」と頭を下げる。その背後に黒男。マシンガン連射
望「キャー」
工事男「何すんだ土木工事現場に」
物陰に隠れる吉川、工事男、望
工事現場の一同「逃げろ逃げろ」
様子をうかがう吉川。と、工事男の頭上に網が降ってくる。
「多摩クリステル」の看板の上から銃を構え、もがく黒男を狙撃しようとする当麻
当麻「※もらった。※動くな」
工事男「てめえ、神聖な土木工事現場何だと思ってんだコラ!神奈川(※TV版のテロップでは神奈川だが、BD版のテロップでは荒川)っ子ナメんなコラ!なんだてめえコラ!※こんな格好しやがって。コラ、オラッ※」黒男につかみかかり蹴りを入れる
当麻「どけ!」看板からジャンプする。
もみ合う黒男と工事男。
当麻、黒男に発砲するが外れる。黒男、「クェッ」と瞬間移動する
当麻「あー、身長が2センチぐらい縮んだ」
望「※痛いの?※大丈夫?」
当麻「大丈夫。サメの軟骨食べるから。それより、その工事のオッサンも危ない。連れて保護施設へ逃げて」
吉川、工事男の腹に一発パンチを入れて気絶させて背負う。
当麻「行って」
去って行く吉川の車
当麻「どこに逃げた?とどめ刺してやる(ギプスを外して)イテテテ」
当麻の左手が光る
当麻「冷泉さん、私にお力をお貸しください」
地面に左手を付ける当麻。髪の毛が絡まり、冷泉が浮かんでくる。
冷泉「痛い痛い痛い痛い…」
当麻、左手をあわせようとするが、冷泉はノーリアクション
当麻「なぜ?」
冷泉「当麻さん、私のSPECでよければいくらでもお貸しします。が、あなたの心の中に迷いが見える。心に迷いがある以上、未来を知ることは、叶いません」
冷泉「にーん※、痛い※」と叫んでアスファルトの道路にプールのように飛び込んで消える。かと思うと、草履?が一瞬浮かび上がる
※(当麻の携帯電話の着信音。野々村から)
※当麻「何すか」
※野々村(未詳)「うん、当麻君のおかげでね、何とか望ちゃんを保護施設へ送り届けたよ」
※当麻「そうすか」
※野々村「で、黒男のDNAの分析も進んでいる。ひとまず黒男を追うのはやめて、再集合しよう」
※当麻「はい」
【警視庁】
・空撮、回りながらズームイン
※【未詳へ向かう階段】
※当麻が未詳へ向かって行く途中で立ち止まる。
※当麻「ああっ…ああっ」
※再び未詳に向かって歩き始める当麻
【未詳】
モニターに12分割された保護施設の画像が映っている。ちなみに一番左上が今井夏木プロデューサー、左から2番目、上から2番目はダンディ坂野(字幕では「ゲッツ」)、その左には貞子っぽい人(笑)
ゲッツ「ゲッツ」
市柳「ゲッツ」
市柳と野々村がモニターを見ている。
当麻が入ってくる「お疲れ3月はじめて4月すっかり疲れて5月病」
野々村「おお、当麻君、無事で良かった」
当麻「腹ヘリヘリハラ、飯食ったか?ごはん俊彦です」懐かしの田原俊彦のCMフレーズ
野々村「そう思ってね、餃子の出前頼んどいたよ」
当麻「ええ〜?」
ス○ー・○ォーズに出てくるのに似ている、樽形のロボットがリフトの前に立っている。「中部日本餃子のCBC」と書いてあり、顔はあの餃子店の親父。当麻の前に歩いてくる。
当麻「どっかでお見かけしたような…」
野々村「手作り餃子をこの中で作ってくれてね、これがうまいんだ。ゆで5、焼き5」
ロボ親父「ゆで5、焼き5」
当麻「ニンニク増量」
ロボ親父「アイ。ヤットカメダガヤ、※デキルガヤ、※チーン!」腹の前のドアを開くと、餃子が入っている。
当麻「今チーン言わはりましたで、絶対手作りちゃいまっせ、詐欺でっせ」
ロボ親父「ロボットだって、餃子も作る。恋もする。早く人間に戻りたい」
当麻「…※すいません※」
餃子を食べる当麻「うーん、馬勝った、牛負けた!」
ゲッツ「ゲッツ、ゲッツ」(ゲッツ、と言うたび物が宙に浮く)
当麻「何すかこのモニター」
野々村「今気がついたの?デッドエンド。今、望ちゃんが保護されている施設のモニターだ」
当麻「これがデッドエンド、てそれ何すか」
野々村「名前は怖いけどね」
ロボ親父「餃子食え」
野々村「安全安心完全無欠な保護施設だ」
ロボ親父「餃子食え」
※野々村「核攻撃にも耐え、外からは蟻一匹は入れないセキュリティーだそうだ」
※ロボ親父「餃子食え」
※野々村「市柳係長の計らいで特別に入れてもらったんだよ」
※ロボ親父「餃子食え」
市柳「もうこれでひと安心といったところだな」
ロボ親父「食え」
当麻「SPEC HOLDERたちをかくまっている施設ですね?」
野々村「えっ、何で知ってんの」
当麻「あら、図星だ」
野々村「うう」
当麻「へぇ、ここが。汚いとこっすね」
ゲッツ「ゲッツ」
当麻「ゲッツ」
野々村「ずるい」
※当麻、工事男を指差して「これ誰っすか」
※野々村「あっ、この方も工事現場で黒男の顔を見てしまって」
※工事男「てめえ、神聖な土木工事現場何だと思ってんだコラ!神奈川っ子ナメんなコラ!」
※当麻「あーあのおっさんか。間が悪いんだよなこいつ」餃子を食った割り箸でモニターを叩く
※野々村「あっ、コレ…」
※市柳「コレ」
※野々村「コレ」
※市柳「コレ」
【デッドエンド】
吉川が工事男の取り調べをしている。工事男、何かを描いている
吉川「お名前は」
工事男「何で取り調べみてえになってんだ、あ?」
吉川「すいません。お名前をおうかがいしてもよいでしょうか」
工事男「神の戸と書いてカンベ。神戸明」
吉川「身分を証明するような物はお持ちですか、カミトさん?」
神戸「カンベだよこの野郎、何でそんなもん見せなきゃいけねえんだよ!。てかさっさと解放しろこの野郎」
吉川「今解放すると(神戸を指差し)神戸さんを黒い殺し屋が狙いにくるんですよ」
神戸「ハハハッ。なもん知るか。てか携帯返せ」
吉川「携帯電話でこの隠れ場所が特定されるんで※、それもちょっと※」
神戸「ふざけるな!こっちは仕事に戻らなくちゃいけないの。クビになっちゃうの※分かる?※。こんなところで黒い奴の似顔絵書いてる場合じゃないの!(なぜか『TブS』のイラスト)女房と子ども食わせなきゃならねえんだよ!ゴラ」(吉川の首を絞める神戸)
吉川「マル暴なめんなよ」
神戸「暴力的市民なめんなコラ」
吉川、神戸を振り払うが
神戸「アイヤー」と吉川の頬をはたく
吉川「マル暴…」
神戸「アイヤー」
吉川「マル暴」
神戸「アイヤー」
神戸、吉川をつかんで「飛べー」と監視カメラの方向に投げる。
監視カメラが破壊される。気絶する吉川※「にん」
神戸「よし」
【未詳】
モニターが破壊される瞬間を見ている当麻、野々村、市柳、ロボ親父
野々村「あ、こ、こ、壊れちゃった」
餃子を食っている当麻
市柳「今の、ヨシカワ君だよね」
野々村「キッカワ」
※市柳「大丈夫かな」
※当麻、餃子を口に入れながら「ちっとは痛い目にあえばいいんすよあのチンピラ刑事。それよりこっちは黒男を捕まえるだけっす」(もぐもぐしていて何を言っているか分からない)
※野々村「当麻君何言ってるか分からんよ」
野々村「当麻に向かって)今、馬場君の採取した黒男の血痕から犯罪歴を洗ってる。顔を変えたり指紋を変えたりはできてもDNAまでは改ざんできないからね」
当麻「その検査結果待ちってことっすか」
野々村「※う〜ん、待ちってことじゃないんだけど…う〜ん、※他に手もないし、待機だね」
当麻「チッ」
※野々村「う〜ん、当麻君も疲れただろう?ちょっと休みなさいよ。…寝とる」
市柳「そういえば、セブン君はどうしたの」
野々村「セブミ」
(野々村の携帯着信)
野々村「※はい、野々村。ええっ?※瀬文君が黒男を倒した!」
【夜光町7丁目の路上】
倒れているバイク
顔から血を流して死んでいる黒男(素顔を晒している)
※黒男をにらんだあと、布に消毒液をかける当麻
当麻「よく倒せましたね」
瀬文もダメージを受けている
瀬文「SPECなんかいらねえ。(瀬文の顔を拭く当麻)イッ…自明の理だ。即身成仏だ(瀬文の顔を拭く当麻)イッ…」
当麻「それ死んでません?」
瀬文「いい加減(瀬文の顔を拭く当麻)イッ…俺の言葉を心で聞け(瀬文の顔に消毒液をかける当麻)う〜イテテ。これウエスじゃねえか!」
当麻「違いますよ」
※瀬文「何枚持ってんだ」
馬場「お手柄だよ。瀬文君。あのとき採取したDNAと死体のDNAが一致した。つまり、本物の黒男だ。これで、一件落着だな」
当麻「名前は分かったんですか」
鹿浜「乙部直樹21歳。もともと有名な不良で、中学卒業後南米の外人部隊に入ったプロの殺し屋だ。通常は、ドラマの録音スタッフとして働いている。その筋では有名な男らしいぞ?」乙部直樹氏はSPEC連ドラや『SPEC〜翔〜』でも「録音助手」としてクレジットされているが、その筋で有名な男かどうかは分からない(笑)
当麻「SPECについての情報は」
馬場「それはまだない。まっ、これから集まってくると思うが」
当麻「…」
瀬文「何だ」
当麻「…」
【未詳】
当麻「うーん(乙部(黒男)殺害現場の写真を見ながら天井に頭を付けている)こいつが犯人…」
資料を落とし、IIIのタロットカードを手に取る当麻「じゃあこれは一体なんだったんだろ」
当麻、墨をする
書道「黒男」「瞬間移動」「IIIのタロットカード」「EMPRESS」「保護施設」「スペックホルダー」「工事男」「久遠望」
当麻「頂きました」
市柳「コラ、ちらかすな」(頭をいじっている)
当麻「まんまと奴の罠にはまった」当麻、出て行こうとする
瀬文「罠?」
当麻「黒男は、ただの殺し屋ですよ。瞬間移動させるSPEC HOLDERは別にいて黒男を囮に使ったんです」
市柳「※囮?※何で分かるかー?」
当麻「バイクですよ。瞬間移動できるSPECを持ってるならバイクを使う必要なんかない。黒男は用済みになったから捨てられたんです」
野々村「※用済み?※んじゃあ、真犯人の狙いって何?」
当麻「※真犯人の本当の狙いは、※SPEC HOLDERをたくさんかくまっているデッドエンドの場所を知りその中に潜り込むことだったんです」
※野々村「なんと〜」
当麻「真犯人は今、ここにいる(モニターを指差す当麻)あの工事男こそが真犯人だったんです」
市柳「※リモコン、リモコン、※工事男どこかー(とモニターのリモコンを切り替える市柳)あがい。※じぇーんぶ消えとるさいがー※」(モニターに「信号がありません」の文字)
瀬文「望ちゃん達が危ない」
当麻と瀬文、走って出て行く
ロボ親父「餃子食ってけ」
【デッドエンド】
よっちゃんいかを食べながら護衛?に発砲する神戸。
一団になって集まっているSPEC HOLDER。そのなかにCBCのアラータも。
ゲッツ「ゲッツゲッツゲッツゲッツゲッツ…」
神戸「味方になるか」
ゲッツ「な、なるなるなる」
別のSPEC HOLDER「ならねえよ」△神戸、即座に射殺する△
※ゲッツ「おじさん、おじさん…」
※神戸、「ならねえよ」と言ったSPEC HOLDERを射殺する
ゲッツ「わぁ…ゲッツゲッツ…わぁ、血ぃついた、わぁ」
ある場所のドアのロックを解除する神戸
その隙に逃げる他のSPEC HOLDER
ゲッツ「いまだ、逃ゲッツ」
ドアのロックが解除される。
※神戸、ドアの窓を覗き込む。
中に一人のSPEC HOLDER
神戸「俺たちの味方になるかどうか、好きな方選べ」
SPEC HOLDER「お前らの言う通りになるか」ブレイクダンスを踊る
神戸「何のSPECだそれ」
SPEC HOLDER「音を消すSPECだ」音が消える
※【歩道橋】
※当麻と瀬文が歩道橋の上を走っている
※当麻「間に合わない」
※瀬文「あきらめんな」
※当麻「何で行きます?」
※瀬文「つくばエクスプレスだ」
※当麻「タクシー乗りましょうよ」
【デッドエンド】
神戸(口パクで)「役にも立たねえスペックだけど、ひとまず連れてくか」
吉川(音が消えたまま)「どりゃー」神戸の後ろから蹴りを入れる。音が戻る
吉川「マル暴ナメんじゃねえぞコラ!」
神戸「死に損ないが、どりゃあ」
ゲッツ達がいた大広間の方に戻る。神戸が発砲。つかみ合いの格闘。吉川が置いてあったベッドに投げ飛ばされる。神戸が蹴りを入れようとするのを吉川がよける。ベッドの上から神戸が蹴りを入れる。神戸がベットからずり落ちたところで吉川が神戸の足を持って引きずる。逆に神戸が吉川を投げ飛ばす。吉川、カーペットを使って神戸を転ばせる。さらに神戸につかみかかる。神戸、吉川の顔を足蹴にする。
吉川「マル暴」
神戸、吉川に蹴りを入れて転倒させる。吉川に銃を向け、「※お前志村と知り合いだったんだってな。※」
※吉川「なぜそれを」
神戸「※フッ、そんぐらい知ってんだよ。せめて、※志村と同じ最期にしてやるよ」
神戸が尻ポケットを叩くと、サッカー日本代表のユニフォームのような服を来たブブゼラリーマンズが3人現れる。ブブゼラの音がする。
しかし、音が消える。
ブブゼラリーマンズ「あれ?」「あれ?」「あれ?」
神戸が振り返ると、音を消すSPECのSPEC HOLDERが踊っている。
SPEC HOLDER「僕も少しは人の為に…」
神戸、SPEC HOLDERに発砲すると、音が戻る
SPEC HOLDER「頑張ろう、日本」
神戸「うるせえ」SPEC HOLDERに発砲する
瀬文、ベッドを運びながら「頑張って!やるぜー日本!」ブブゼラリーマンズに向かって行く
ブブゼラリーマンズをはね飛ばし、その勢いで神戸も倒す。
ブブゼラを吹こうとするブブゼラリーマンズの一人のブブゼラを奪う瀬文。ブブゼラでブブゼラリーマンズを殴りつける。次に拳で2人のブブゼラリーマンズを殴る。最後の一人は殴られる前に倒れてしまう。
吉川「瀬文、カッケー」
当麻が現れる。
当麻「ヨシカワ、ブブゼラ」
吉川「キッカワじゃ!ローングシュート。ウワァー、ウワァ」
神戸に銃を突きつけている瀬文と当麻
神戸「クェッ(しかし何も起こらない)クェッ(しかし何も起こらない)跳べない。何故だ。誰かが俺のSPECをブロック!?」
当麻「何ブツブツ言ってんだよ。降参しろ」
神戸「チクショー」と手榴弾を取り出し、安全ピンを抜く。
そこに望が入ってくる
望「当麻さん」
当麻「望ちゃん」
吉川「危ない」
望をかばう方向に跳ぶ瀬文と吉川
当麻「陽太お願い」ギプスを外す当麻
手榴弾を投げる神戸
陽太(にのまえ)が現れる
当麻、指を鳴らすポーズ
陽太も指を鳴らすポーズ
手榴弾が爆発した瞬間、二人が指を鳴らし、時間が止まる。
このときタイマーの時間は03:45:01
跳んだ状態で止まっている瀬文と吉川
陽太「久しぶりだね。姉ちゃん」
当麻「元気だった?っておかしいか」
陽太「僕はずうっと姉ちゃんのそばにいる。いつでもね」
当麻「フハハハハ。キモ。砂肝。うな肝。和田ア肝。アダモステ。ペイ(アダモステのポーズをとる)」
陽太「どうしようかなー」
当麻「シカトかよ」
陽太、手榴弾の破片に触って「あっち!」
陽太「これ手榴弾触るよりあの三人動かした方がはやいね」
瀬文を引っ張って動かすにのまえ「よし!重。重てえ。ヘビー♪ローテーション、なんつって」吉川と瀬文を安全な場所に動かす
当麻が手榴弾の破片を毛布でくるんでいる。
陽太「何してんの、姉ちゃん?」
当麻「手榴弾の破片、毛布でくるんどいた。あったまいいー、あたし」
陽太「先に言ってよ」
当麻「あたしの渾身のギャグをシカトすっからだよ。ペイ!」
陽太「男子は全員まとめたからその子は姉ちゃんが運びな」
当麻、振り返って望を見る。
椅子に縛り付けれている神戸を見る。
神戸の首に、切られた跡がある。
当麻の脳裏に、サトリが殺された時の写真が浮かぶ
当麻、望に発砲する。
望「クェッ」瞬間移動する。
陽太「うん、クェッ?(後ろを向く陽太)姉ちゃん」
当麻が後ろを向くと、望が拳銃を向けて立っている
望「危ねえ。いたいけな女子高生に何すんだよ?」歯に血が付いている
当麻「サトリが残していたダイイングメッセージの意味がやっとわかったわ。サトリはこのカードで(女帝のタロットカードを出す)犯人は女王だって言いたかった」
望「女王?」
当麻、キャリーバッグから筆談器を取り出し「あんたの名前、久遠は(筆談器に久遠と書く)音読みするとキューエン(久遠と書いた上にQUE ENと書く)すなわち、クイーン」
陽太「ああー」
当麻「もっと早くに気づくべきだったわ」
望「だからさ、無理せず早めにサトリを召還して直接聞けば良かったじゃない。バーカ」
当麻「…」
望「サトリます。当麻さんはSPECを使うと自分がいつかモンスターになっちゃうことを恐れてますね」
当麻「…」
望「サトリます。なぜ、こいつがサトリの能力を持ってんだって涙目ですね。キャハ、ウケる。」
当麻「…」
望「サトリます。何で、こいつが時が静止している世界の中で自由に動けるんだって必死に考えてますね。ムヒ。…それはね、あたしも当麻陽太と同じSPECを使えるからなんだよ」
当麻・陽太「!」
望「解説してやるよ。あたしのSPECはコレクション。いろんなSPEC HOLDERのDNAを取り込んで自分の物にして行く(死んだにのまえの首に剃刀を入れて血をすする望)(死んだサトリの血をすする望)(神戸の血を指に取ってなめる望『ウゲ』)だからどうしてもこの場所に来ていろんなSPEC HOLDERのDNAを取り込みたかったのよ。それが私の目的」
陽太「便利だなあ。※てか姉ちゃんどうすんの」
当麻「一つだけ聞くわ。あんたのSPECはDNAを取り込めばそれでいいんだよね。だったら、殺す必要ないよね?」
望「そうよ」
当麻「じゃあ、なぜ殺したの?」
望「だって、私以外の人間が私と同じSPECを持ってるなんてきもいもの」
当麻「だからサトリも殺した?」
望「ええ」
当麻「他のSPEC HOLDERも?」
望「だからそれが何!?あたしの名はクイーン。キング亡きこの世界の女王よ」
陽太「キング亡き後だって。傷つくな〜」
当麻「それどころじゃねえだろ!」
陽太「ペイ」
望「ということで当麻さん、あなたのSPECをもらっちゃいます。そして、(銃を向けて)ぶっ殺す」
当麻「…」
望「何かしようったって無駄よ。あたしはあなたの心が読める。サトリます。うん?」
当麻の左手が光る。上を向くと当麻の白目が消えている。元に戻ると、当麻、手を地面に付ける。そこに髪の毛が巻き付く。
サトリ「痛い痛い痛い、やめてよ、髪が崩れる」サトリが浮かび上がってくる
望「サトリ?」
当麻とサトリ、手を合わせてぐるぐる回る
当麻・サトリ「サトります」
望「サトります」
サトリ「♪サトリン…」
当麻・サトリ「♪サトイモ…」
サトリ・当麻・望「♪スイスイスイ。サトっておサトがサトポッポ。サトリンサトイモスイスイスイ。サトっておサトがサトポッポ♪サトります」
望「サトります。※…サトります。※…サトレない」
サトリ「おバカさん。そもそも私のSPECなんだから、オリジナルにコピーがかなうわけねえだろ」
当麻「ねえだろ」
当麻・サトリ「キャハ」
望「ムカつく」
当麻「子どものあんたに教えといてやるよ」
サトリ「やるよ」
当麻「SPECってのはその人の思いに応じて目覚めるもの」
サトリ「もの」
当麻「思いのこもってないSPECなんて所詮子どもだまし」
サトリ「だまし」
当麻「そんなバッタもんが通用するほど世の中甘くねえんだよ!」
サトリ「ねえんだよ!」
望「うわー、ちょムカ。バッタもんって何だよ!?」銃を向ける望
当麻「さんはい、♪幸せは、ある、にゃ〜」サトリを望に投げつける当麻。倒れる二人
望「チクショー、クェッ!」
消えた望、当麻の後ろに現れ、パンチするもかわされる。
当麻「あんたの心はすでにサトってある。あんたにあたしは倒せない」
当麻「うっ」
ふたたび当麻の左手が光る。地面に手を付けると、髪の毛が手に巻き付く。
冷泉「痛い痛い、痛い、ああ痛い痛い痛い」
望「何このオッサン?」
冷泉「オッサンではありません。冷え込む泉と書いてレイセンです」
当麻「陽太、それ」
陽太「ほい、ぽっ」
陽太、レモンとサツマイモを投げてしまう
レモンを受け取る当麻。サツマイモを受け取る冷泉
冷泉「※イモ?※…ん、まあいいか」
レモンとサツマイモをかじる当麻と冷泉
当麻・冷泉「ラミパスラミパスルルルルル、ラミパスラミパスルルルルル、ハッ」
冷泉「あなたがこれから瞬間移動する先を全て予言します。逃げても無駄です」
当麻「だってさ。どうする?」
望「ヤーバイ超ヤバイ!あんたぶっ殺してそのSPEC絶対コレクションしてやる!」
当麻「ざけんな(望の胸ぐらをつかむが振り払われる)おわっと」
望、左耳の耳たぶを出し、つかむ。
当麻「古戸さんのSPEC」
(回想:古戸久子が右耳をつかむシーン)
吹っ飛ばされる当麻。当麻の上に色々な家具が降ってくる。
冷泉・陽太・サトリが半透明になっていく
時計が動き始める←この時点で吉川と瀬文が動き始めるはずでは?
倒れている当麻
冷泉・陽太・サトリ「消えーる」
望「あんたが死ねば、どんなSPEC HOLDERだって消える」
冷泉・陽太・サトリ「消えーる」消えて行く3人
望「よ〜し※、だから全然怖くねえんだけど※…パッ…てか返事ねえけど死んだ?てか死んで」
当麻「※何だよ、これ…※ああ…(がれきの中から出てくる)やだ。痛」(額や口元に怪我をしている当麻)
望「※ホホホホホ、※痛いっしょ。凡人は可哀想だな」
望、撃たれた傷をなでると、傷は消えてしまう
当麻「怪我も治せるんだ」
望「モチのローン!」
当麻「じゃあなぜ、ご両親を助けなかったの」
望「だって必要ないし」
当麻「あんたを守ろうとして亡くなったんだよ」
望「ウッザ。別にあたしは頼んでないし。だいたいあいつらうるせーから嫌いだったの」
当麻「はあ、そっか。よかった。お前のような悪人なら、遠慮なく、ぶちかませるわ」
望「※はあ、※はあ?ぶちかますのはこっちだよ(望、拳銃を拾って)死ね」
瀬文、吉川「うわー」望に飛びかかる。骨がグキっと言って、望、倒れる。
瀬文「SPECに溺れやがって」
当麻「あたしが埋もれてる間に時間の流れが戻ったことに気づかなかったみたいだね。痛っ。あー」
瀬文「大丈夫か」
当麻「フフッ。大丈夫です。※全てはあたしの想定内。エヘヘヘ。」
瀬文「嘘つけ。バカ野郎。無茶しやがって」
吉川「こんな子どもが」
当麻「SPECってのは人間に取ってやっぱり開けちゃ行けないパンドラの匣なんすよ。でないとこんなガキがこれからどんどん出てくる」
当麻の左手が光る。地面に手を付けると髪の毛が絡まる。
海野「痛い痛い痛い痛い…」
当麻と海野、手を合わせて回る
吉川「誰じゃい」
瀬文「海野」
海野「こんばんは」
当麻「先生、あの子のSPECだけ消せますかね」
海野「SPECは脳の覚醒ですからね。覚醒したその部分だけ永久に眠らせましょう」
海野、気絶した望の方に向かって行く。額同士をあわせようとする
当麻「ちょっ、ちょっ、ちょっとエロいよ」
海野「失礼な。僕はこういうSPECなんです」
海野、望に額をあわせる
海野「これで恐らく大丈夫でしょう」
当麻「もういいよ。ありがとうございます」
当麻「あともう一つ…あたしのこの左手の全ての感覚を殺して下さい。二度と動かないように」
瀬文「当麻…」
当麻「この能力のせいで私は弟を失い、罪のない人を大勢死に至らせてしまった。このまま持っていたら、このあともそういうことが次々に起こるはずです。」
海野「当麻さんのSPECは、能力を召還するわけではなく、死者自身を召還する能力。いわば、人と死者との絆のSPECです。万が一他の誰かが私を呼び出しても、私はそいつの言うことは聞かない。当麻さんだから、みんなが力を貸すのです。※だから盗まれようもないし、真似されようもない。※別に消す必要なんてありませんよ」
当麻「私は今の幸せを失いたくないんですよ」
海野「えっ」
当麻「このSPECを得て、私の人生は一変しました。たくさんの人間があたしを利用し、私も自分の能力に酔いしれた。誰が来ても何が起こっても、怖くなかった。それはある意味、怖い物知らずだったけど、実はあたしはずっと孤独でした。そんなある日、陽太に左腕を切られ、SPECを失ってしまったけど、逆に自分の人生は豊かになった。それは多分、死者との絆に逃げ込んでいた私を、現実との絆に引き戻してくれた、未詳の仲間に出会えたからだと思ってます。SPECが一旦戻って、今回色々な出来事を通してやっとそのことが分かりました。私がこれから生きて行きたい人生は、未詳の仲間との人生だってことです。その絆が壊れるくらいなら、何も要らない。瀬文さんが意地になって黒男を倒そうとしたことの意味、私、分かってますよ」
※(地下駐車場の回想シーン)
※瀬文「SPEC抜きで倒してやるよ」
※瀬文「そんなものこの世界に要らないことを証明してやるよ」
(黒男との対決シーン)
瀬文「※てめえは絶対にぶっ殺す。※こっちには負けらんねえ事情があんだよ」黒男と格闘する瀬文
当麻「闇に落ちそうだったあたしにとって今回は、瀬文さんが、私の光でした(海野に)じゃあお願いします」
海野「仕方ありませんな…※にのまえ…いや失礼、当麻陽太君とはお別れしてからにしなくてよいですか」
※当麻「大丈夫です。陽太と私はSPECでつながっているわけではなく、心の絆でいつもつながっている。他の人たちもそうです。私の心から、その絆が消えることは絶対にない。何があろうとも」
※海野「そうっすね。では」
海野、当麻の左手に額を当てる。
※当麻、その手を振り払って「やっぱやーだー、キモい!ばっちい!ばっちい!」
※海野「コラー!」
※海野、再び当麻の左手に額を当てる。
海野「才能は、自分が望むものと一致しないとずっと思ってた。でも、当麻君に使ってもらえて、良かった。処方が、成功したようだ。私は消えます。では、お元気で」
床に飛び込む海野。しかし浮かび上がってきて当麻の下着を覗く(笑)
海野「えっ、赤?巣鴨の?巣鴨の?巣鴨でしょ?巣鴨…(瀬文が海野の顔を踏みつける)ああ」消える海野
当麻「(泣き声で)ホントだ。痛くもかゆくもない。ぴくりとも動かねえ。アハハ。くっついてるだけの、ただの肉になっちゃいましたこの左手。ゴムみたい」瀬文を左手で叩く当麻。その手をつかむ瀬文
当麻「瀬文さんの手、熱くも、冷たくもないすね」
瀬文「お前の手は、温かいよ。…温かいよ。」
当麻「瀬文さん、1回ぐらい着替えて下さいよ。いつも同じ服じゃないですか」
瀬文「お前もだろ」
△(波のゆくさきが流れる)
神戸が姿を消す。久遠も消えている。
吉川「あーっ!」
【成田空港】
△スタッフロールが流れ始める
空港に付いた外人、電話を受ける「(英語で)ああ久しぶり。東京はクソ暑いでござる。ワシすぐ帰りたいねん」電話の隙にマカダミアナッツの缶を交換する手
野々村、以前渡されたメモと缶の裏側の数字を確認して「※ひとまず、※ゴエティアのパーツは確保できたか」
雅「こおっちー」
野々村(缶を隠して)「雅ちゃん!」
雅「見送りにきてくれたの?さすがこおっち」
野々村「そ、そうだけど…てか雅ちゃんどこいくの?」
雅「ハワイのハワイ島」
野々村「ハワイ?誰と?」
雅「友達のオフィスクレッシェンドのナカサカさん」
野々村「ナガサカ?」
雅「いや、ナカサカさん」
野々村「うーんどっかで聞いた名前だな。てか、男?女?」
雅「オートコ?」
野々村「えっ!」
雅「嘘、女!」
野々村「ホント?」
雅「う〜ん、オカマ?」
野々村「えー」
雅「ヒデキ!」
野々村「サイジョウ」
【草原】
神戸が立っている。
脇に望が倒れている。
神戸、ジャンバーをはおり、顔をマスクのようにはがすと、津田の顔が出てくる。
津田、サングラスをかける。
(携帯着信)
津田「はいもしもし、津田です。状況失敗、ただ当麻のSPECは封じました」
撃たれて倒れる津田
市柳が現れ、津田の方に走って行く
市柳、拳銃を連射しながら「津田を名乗るな!この裏切りむぬ〜!」
津田「撃つな」
市柳「…」
津田「誰に待ち合わせ場所を聞いたんだ」
市柳「御前会議は、お前との契約を破棄する」
津田「御前会議?裏切ったな」
市柳「お前こそ、津田助広の歴史を汚した裏切り者だ」
津田「撃つな」
市柳、津田を撃つ。
望、立ち上がって逃げて行く
【デッドエンドの外】
瀬文、当麻、吉川が出てくる
瀬文「どこ行った」
当麻「分かりませんよ」
吉川「どっちや!?こっちや!?」と左へ走って行く
当麻、瀬文、右へ走って行く
吉川、拳銃を構えて「おぅ?※イチ、ニ、サン※」
当麻、瀬文、戻ってくる。
※瀬文「吉川、そっちどうだ?」
当麻、瀬文、吉川が向かった方へ行く
瀬文「何やってんだ吉川」
あぐらをかいている吉川だが、吉川の様子がおかしい
瀬文「きっ…」吉川に触れる瀬文
当麻「ミイラ」
瀬文「おい吉川、吉川!吉川!」
当麻が振り返ると、向かいのビルの屋上に3人の人影が。
(映画に出てくる伊藤淳史、クローンにのまえ、マダム陽)
当麻「あいつらか」※BD/DVDでは「あいつらか」のあとに3人の人影
※「波のゆくさき」が流れ始め、スタッフロールも流れ始める。縮小画面でこれまでの巻き戻し動画が表示される
△【未詳】
△当麻「映画化とかぜってえ出ねえかんな。」
△瀬文「俺は絶対に出る」
△「えっ」
△瀬文「東宝さんよろしく」と書いた紙を出す
SPEC 転へ
転の文字が塗りつぶされて、天、に変わる
SPEC〜翔〜 小ネタ&突っ込み&放送版とBD/DVD版の違い(前編)
今更ながら、『SPEC〜翔〜』の放送版とBD/DVD版の違い。
BD/DVD版で追加された部分は、※をつけたり、※〜※で囲っている。
逆に、カットされた部分は、△をつけたり、△〜△で囲っている。
2時間スペシャルなので、前後編に分ける。これはその前編。
【寺院】
洞窟の中、護摩を焚く僧侶の声「オンソラソバテイエソワカ…」
連ドラの回想…習字シーンで舞う紙
護摩の火
回想…未詳のエレベーターで敬礼する当麻と瀬文
回想…驚愕の表情を見せる瀬文と、当麻(2話?)
護摩の火
回想…レモンを齧る冷泉
回想…津田
回想…銃を構える脇
護摩の火
回想…面会シーンの桂小次郎
回想…未詳で念動力を発揮する古戸久子
回想…里中の娘に額を当てる海野
回想…ポーズを決めるサトリ
回想…撃たれる里中
回想…ブブゼラリーマンズによって殺された志村
護摩の火
回想…兄の死を悟って涙を流す美鈴
回想…はしゃぐにのまえ
回想…涙を流す瀬文
回想…タンスに入れられ血まみれの野々村
祈りを捧げる僧侶
回想…にのまえに銃を向ける当麻と瀬文
回想…地居に記憶操作される当麻
回想…瀕死の状態のにのまえ
護摩の火
回想…地居の姿が、津田に変わる
回想…歯を飛ばす瀬文
回想…撃たれる地居、銃を構える当麻と瀬文
護摩の火
テロップ「スペック」
祈りを捧げる僧侶
テロップ「承」
洞窟の外観
洞窟の中、僧侶が護摩檀の周りを回っている。「オンソラソバテイエソワカ…」
テロップ「承」→「翔」に変わる
僧侶の一人は、瀬文である
※洞窟のようなところを歩く僧侶達。「オンソラソバテイエソワカ…」
※洞窟の奥の石仏に祈りを捧げる。瀬文も祈りを捧げている。
洞窟から外に出てきて歩いて行く僧侶達。「オンソラソバテイエソワカ…」
一番後ろが、瀬文。
何者かが、弓を構え、瀬文に向かって矢を放つ。
目を閉じたまま、空中でキャッチする瀬文。
振り向くと、当麻がいる。
当麻「警視庁を休職して目の療養してるっつうからぼんやり坊主ライフかと思ったら、さすがっすね」
瀬文、矢を見ると、「祝!全快」と書いてある。
※矢を投げるまでの「間」が長い。
瀬文、振り返って、矢を当麻に投げると、当麻の額に矢が刺さる。当麻、仰向けに倒れる。
【空撮】
スカイツリー、東京タワー、警視庁
警視庁にズームイン
【未詳】
未詳の小動物はミジンコからシーモンキーになっている
アナログテレビ…7月24日に見れなくなりました、の張り紙が貼ってある
リフトは故障中
未詳の看板
※大木凡人のポスター。後述
※予定表。「2月 第15回節電会議 4水 修業 10火 瀬文警部補復帰予定日 16月〜19目 当麻夏休み予定 20金 夏の流星見学会 25水 野々村 法事
※ホワイトボード。後述
係長席。この時点では係長は野々村
※柿ピーの瓶。
※近藤「うんっ」
野々村「うーん」
当麻の席は相変わらず。「京大理」のジャージが置いてある。
近藤「で、当麻君が瀬文君を…」
「ブリ爺さんの超スーパーミラクル気功術」のDVDが置いてある
柿ピーはさみ将棋をしている野々村と近藤
近藤「迎えに行っていると…ーマスエジソン」
野々村「うーん、やっと瀬文君の目が治って現場に復帰できるめどが立ったからね…ルソン提督の不倫の恋」後ろの地デジテレビに7月24日から見れるようになりました、と張り紙。
近藤が座っている応接チェアの下に盗聴マイクが仕掛けている。
近藤「これで未詳もまたバリバリと活躍デスラー総統は伊武雅刀」と言いながら何やら文字が書いた煎餅を野々村の前に置く
野々村「※ハハ、シバッター(近藤が『それはおいといて、のジェスチャー』)アハハハハッ、※ハハハハ、バリバリ活躍ってキャラでもないからね。まあうちはのんびりやっていきますよ~ドレイヒ~ヒ~」
近藤「あ」
野々村「…はヨーデルどうだ」
近藤「またやられた。係長は昔からお強いですな」
近藤「では私は、このあと昭和琴のお稽古がありますんで。84000円しましたから」と昭和琴を見せる。
野々村「おお」
近藤「昭和琴、ことあるごとに、ベンベンベン」去って行く近藤
近藤「昭和琴、なにはなくも、ビョンビョンビョン」
野々村、煎餅の文字に目をやる。
「シンプルプランの導入が決定 阻止に向けて尽力を乞う S」Sとはもちろん柴田純のことだろう!
野々村(クレージーキャッツの『ドント節』に乗せて)「♪警察は気楽な稼業ときたもんだーか…」
雅「入ります」
慌ててせんべいを食べる野々村
野々村「雅ちゃん!警視庁辞めて、司法修習生やってたんじゃなかったの?」
雅「あたしはこおっちに手作りのお弁当持ってきただけだよ。脂身いっぱいのカルビ弁当」
野々村「でも僕、糖尿」
雅「その途中であちらの2人に会ったので案内してきたんだけど」
野々村「あーあの、どちらさまで」
ダンボールを持った二人。
【警視庁前】
※地下鉄の出入り口を出る瀬文。追いかける当麻
交差点を渡る当麻と瀬文。瀬文が当麻を置いてどんどん行ってしまう。
当麻「瀬文さん!待って下さいよ!瀬文さん!※瀬文さん!※」(このセリフの入るタイミングは放送版とBDで異なる。
【未詳】
当麻が入ってくる「チース」
ソファーに野々村とさっきの二人が座っている
野々村「おお!あっ、あれ?(当麻の額の傷に気づいて立ち上がる)どうしたの?まさかまさか、三つ目がとおる 古代人?※チャクラ?※」
当麻「違いますよ。肉体バカに殺されかかったんです」当麻、自分の席に座る
野々村「ああ、瀬文君は?」
当麻(ふんぞり返って)「小便」
野々村「ああ」
瀬文、ハンカチで手を拭きながら入ってくる
野々村「おっ、瀬文君」
瀬文「大変長らく休暇を頂き、申し訳ありませんでした」
野々村「うん」
瀬文「やっと刑事としてやって行ける体調に戻りました」
野々村「うんっ」
市柳「刑事としてやって行ける体調かどうかは、私が決める」
瀬文「誰だお前」
市柳、見ていた書類を放り投げて立ち上がる。
市柳「本日付けで公安部公安第五課未詳事件特別対策係、係長を拝命した、市に柳で市柳だ」
(市柳の後ろに大木凡人のポスター。「裏番に注意!警戒強化区域・お台場、汐留、六本木、虎ノ門、おっと、渋谷も!」)
野々村、空中で何度も「一」の文字を書く
市柳「すなわち君の、直属の上司だ」
瀬文、無表情で市柳に敬礼する
※吉川、何度も指を鳴らす。瀬文、吉川を睨みつける
吉川「同じく本日付けでこちらの部署にお世話になりやす、きっかわだ。よしかわじゃねえぞ、きっかわだ。組織犯罪対策部からこちらへ移動になった。シクヨロ」
当麻「マル暴出身ってことか。んで野々村係長は?(手で「クビ」のジェスチャーをする)クビ?おつかれーした。ありがとあーした」
野々村「いやいや、僕は係長待遇でまだいるけどね」
当麻「出世っすか」
吉川「降格じゃ」
肩を落とす野々村
吉川、立ち上がって「死んだ志村は、高校のワンゲルの後輩でな」
(回想…志村の笑った顔)
吉川「お前の噂はかねがねお伺いしてましたよ。※はぁん?※ぶっちゃけ、わしはおんどりゃーを信用してねえ。志村は自分自身の弾に当たってケガしたとか(シーン挿入)、ブブゼラ吹くサラリーマンに志村を殺されたとか(シーン挿入)そのうえにのまえの死体がブブセラリーマンズに奪われただの(消えて行くブブゼラリーマンズとにのまえの死体を見て驚く野々村係長のシーン挿入)ナメくさった話ばかりしやがって、あーん?」
野々村「信じては頂けないと思うんですが、事実は小説よりえなりとも…いやいや、ジョークジョーク※私、渡鬼の大ファンでして、それで『えなり』と『奇なり』をこう…※」
当麻「うわ、太くて長い剛毛な耳毛が」
吉川「何言ってんだ。聞いてんのかコラ」
当麻「信じなくていいっすよ。殺されかけても知らねえから」
※吉川「このスケが」
吉川、椅子に片足をかけて「マル暴ナメんなよ」
当麻「チッ」
吉川「なーにー」
当麻「チッチッチッ…」
野々村「チッ」
吉川「コラ、ジジイ!」
野々村「えっ…※ええっ!?ええーっ※」
吉川「何じゃコラ!」野々村に詰め寄る
※野々村「あ、いやいや、ごめんちゃい」
【羽田】
占い師「肝臓見るよ」←もしや、木村ひさし監督?
占い師「糖尿」
占い師「肝臓見るよ」
サトリ「お悩みを、どーぞ」
依頼主の女性と、二人の男性。赤と黄のツナギ。レーサー?
古井「私、お父さんとも息子さんともおつき合いしてるんですけど、どっちと結婚した方がいいでしょう
サトリ「では始めます」
サトリ、立ち上がって歌って踊りだす「サトリン、サトいもスイ、スイ、スイ、サトっておさとがサトポッポ、ハイ、サトります…パッ」
サトリ「古井さんは今、芸能プロダクションの幹部とおつき合いされてますね。他にも例えば、サイババエージェントの取締役とか、若手俳優のM君とか、ズバリ※岩口君とか※控えが7人くらいいますね。鈴本親子、おっつーです」
鈴本親子「えー」
鑑定料を払う古井。走って逃げて行く。
鈴本父「夏木、コラ」
鈴本息子「夏木さん、夏木さーん」
サトリ「さてさて※さてさて※、次の方」
望「あの…」
サトリ、望ではなくその後ろを見て「あなたの要件は何?」
望がふりかえると、全身黒ずくめの黒男がマシンガンを構えている
マシンガンをサトリと望のほうに連射する黒男。逃げ惑う人々。
サトリ「でやっ」と丸テーブルを黒男に投げる
倒れる黒男。その隙に逃げ出すサトリ
黒男、望と両親が倒れているのを確認して「クェッ」とポーズを取って消える。どおくまんの『嗚呼!!花の応援団』に出てくるキャラのポーズだそうだ。
望「瞬間移動?パパ、ママン。誰か、※誰か!※助けて!※誰か…助けて※」※肝臓占いの占い師が当惑した様子でおたおたしている※
逃げて行くサトリ。無線機で「ボス、来たわよ、やっぱり(英語で)」
サトリ「(ビルの屋上のボディーガードに)やっちまいな」
黒男「クェッ」と姿を現し、マシンガンを構える。銃撃戦になる。
※ボディーガード、屋上から黒男を捜すが見当たらない
サトリ「身を隠したって無駄なんだよ。(踊りながら)サトリンサトイモスイスイ…あーめんどくさい。サトります…え?何?」
サトリ、走って行ってタロット占いのおばさんのところから女帝のカードを取って行く
タロット占いのおばさん「何やコラ!※返さんかい!※」
黒男、おばさんに向かって銃撃
タロット占いのおばさん「やめんかい。※やめてください。ああ!※」
サトリ、無線機でボディーガードに「逃げて」
サトリ「あいつはヤバい」
屋上で殺されているボディーガード。※屋上でボディーガードを撃ったあとの黒男。「クェッ」と叫んで消える。
※サトリ「サノバビッチ野郎!」
サトリが振り返ると、黒男が瞬間移動してくる。銃を構える黒男
サトリ「サトります。何なのあなた達」
振り返ると、サトリにナイフが突きつけられている。
サトリ「キャー」暗転
【未詳】
※「ブリ爺さんの超スーパーミラクル気功術」のDVDを見ている吉川「シャッ」
※ブリ爺さん「もう一丁、シャッ!」
写経をしている瀬文
馬場、鹿浜、猪俣が入ってくる
馬場「野々村係長待遇、瀬文君、当麻君、ごぶさたです」
当麻「これはこれはその他大勢のザコキャラみなさん」
三人、一斉に首を傾げる
吉川「ザコキャラ…」
市柳「これはこれは馬場管理官。どうされました」
馬場「これは、市柳係長」
首を傾げる野々村
当麻の後ろまで来る馬場たち
馬場「奇妙な殺人事件が起きましてね」
市柳、サトリの事件の捜査資料を見ている
市柳「ほお、街なかでマシンガンで殺人とは穏やかならぬ…」
吉川「羽田の事件ならもう既に組織犯罪対策部がもう動いてますよ。ヤクザのドンパチやで。※一般市民を何人も巻き込みやがって。組ごとぶっ潰す※」
※当麻「すんませんマル暴あがりの新入りが生意気で」
吉川「なんやと、コラ」
鹿浜「本当にやくざのドンパチならまだいいんだが、一人女子高生の生存者がいてね。あいにくご両親は即死だったが」
※当麻「本人の目の前でですか?」
※鹿浜「ああ」
当麻「…」
猪俣「その女の子が言うにはじゃね、犯人は全身黒ずくめで瞬間移動して逃げてったっちゅうんじゃ」
当麻「!」
黒男の顔が、一瞬にのまえの顔になる
野々村「にのまえ、生きてたのか」
当麻「絶対にのまえではないです」
瀬文「にのまえの可能性は捨てられません」
当麻「にのまえは死んでいます。それだけははっきりしている」
瀬文「私は私情は挟みません」
当麻(立ち上がって)「どういう意味だ。ぶっ殺す」
野々村「まあまあ、ピンフ、ピンフ。※ピンフレディーはミーとケイなんつって※」
※馬場「僕はビューティー・ペア派。マキ&上田」
※吉川「ジャッキーと佐藤じゃろう」
※馬場「話、元に戻していいですか」
馬場「撃ち合っていたこの当事者に見覚えは?」
当麻(資料を取り上げて)「サトリ。逃げ出してたのか」
野々村「あいやいや、僕のところにはその報告は来てないよ」
当麻「てかあたしたちが捕まえたSPEC HOLDERたちはどこに連れてかれてるんですか」
野々村「警視庁のどこかの保護施設にいることは間違いないんだがね」
当麻「それはどこに」
野々村「そりゃ分からん。古戸(ふるど、と言っているように聞こえる)さんとかサトリとかはさあ、気がついたら公安零課に奪われていたでしょ。彼らによって、どこかにかくまわれていたはずなんだがね」
当麻「サトリはその場所から逃げたか奪われたか…※どっちかは分かりませんがまあ羽田で撃たれて死んだわけですね※」
瀬文「…」
当麻「あーそうだ瀬文さん、零課の人に聞いて下さいよ」
瀬文「※いやだ。※俺の知っている津田は死んだ。今は何の接点もない」
当麻「役に立たねえな。マジかよ」
捜査資料のページをめくる当麻
当麻「サトリはボディーガードも用意していた。てことは、誰かに狙われるってことは想定内だったってことですよね。つまり、SPEC HOLDERの奪い合いの抗争が街なかで堂々と行われたってことだ」
馬場「法治国家や警察権力をなめるにも程がある」
当麻「一人のSPEC HOLDER自体が場合によっては一つの国を滅ぼしかねませんからねえ。どの国も資本も、もはやなりふりかまってられないんでしょ」
※馬場「いずれにせよ、この国の治安を守るのが我々刑事の使命だ」
猪俣「じゃけど、サトリほどの強敵をどうやって倒したんじゃろ」
当麻「どう考えてもプロ中のプロの殺し屋の仕業ですね」
馬場「これは、犯人につながるヒントになるかどうかわからんが、サトリが殺されたとき、手の中に握りしめていたものだ」
※鹿浜「たまたまなのか、ダイニングメッセージなのか」
※当麻「ダイイングメッセージでしょう。サトリはタロットを使えませんから」
馬場「(ホワイトボードの方に歩いて行って)釈迦に説法かもしれないが、そのカードにはローマ数字のIIIが入っている。※僕はこれを、※(ホワイトボードの磁石を使って)いち、じゅういち。すなわち、にのまえじゅういちを指すものではないかと」
(猪俣の携帯着信)…アナログ時代のショルダーフォンみたいな携帯
猪俣「もしもし(なかなかつながらない)」
野々村「※あっ、※ここ。こ、ここ」
猪俣「はい、聞こえとります。…生存者の女子高生が目、覚ました言うとります」
当麻・瀬文「事情聴取させてもらっていいですか」
馬場「もちろん」
ホワイトボードの文字「7月の目標 事なかれ主義! ※明日出来ることは今日やらない! ※定年なんて関係ない!」
※鹿浜「それ、捜査一課的にヤバいっす」
※馬場「検討はしてみるが…」
※当麻「大丈夫です。そちらには迷惑はかけません」
捜査に行こうとする当麻と瀬文
市柳「ちょっとまて!俺は捜査しろと命じてないぞ」
吉川「そうだ!コラ!ナメとんか!」
祝!全快!の矢を市柳に投げる瀬文。矢が市柳のカツラに引っかかって飛ぶ。「警視庁 公安部」と書いたダンボールに刺さる。
瀬文「誰の命令を受けるのかは自分が決めます」
当麻「豚のクソをその口に突っ込んで黙ってろ(英語で)」
出て行く当麻と瀬文
野々村「いやいや…」
吉川「※おおっ、※待てや」二人を追って行く吉川
野々村「いやいや、私の教育が行き届きませんで、まことにすみません」カツラを市柳にかぶせる野々村
市柳「逆」
※野々村「ああっ」カツラの向きをずらす野々村
※市柳「横」
※野々村「タハハッハッ」
※市柳「深い」
<タイトル SPEC 警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係事件簿 翔>
△<提供クレジット>
【御前会議】
(御前会議メンバーは皿に骨を投げ入れてから発言するしきたりらしい)
御前会議メンバー1「シンプルプランは、5つのパーツに割って持ち込ませます」
※御前会議メンバー3「5つのパーツに?」
御前会議メンバー1「SPEC HOLDERの連中に簡単に奪われないようにね」
御前会議メンバー2「5つのパーツに割るとは、レメゲトンそのものじゃないか。ハハハハハ」
御前会議メンバー3「笑い事じゃないわ。奴らは既に組織化を始めている。一気に叩くべきでしょ」
御前会議メンバー1「SPEC HOLDER自体を資源と考え、収集している国家やメジャーもある。彼らにして見たら、シンプルプランは油田を攻撃するに等しいテロだよ」
御前会議メンバー3「ドーキンスが生存機械論を発表して40年もたたないうちにDNAがひとつの終着駅にたどり着くなんて」
御前会議メンバー1「ファティマ第3の予言とはやはりこのことだな。バチカンも必死になって隠すはずだよ
御前会議メンバー4「誰だ」
津田「津田 助広です」(最終回ラストのジャンバーを着た津田)
御前会議メンバー1「津田?」
津田「SPEC HOLDERサイドのね」
動揺する御前会議メンバー
津田「はははは、まあまあ落ち着いて。自分はSPEC HOLDERでもあるが、公安零課のトップでもある。つまりあなた方サイドでもあるわけだ。いろいろとやっかいなことをお考えのようだがここは互いに手を組んだ方が得だと思いますがね。そうすればこの日本は、世界の覇権を握ることも可能だ」
※御前会議メンバー1「検討しよう」
津田「ひとまずサトリの事件は消しときますよ。ああ、未詳もこの際消しときますよ。よろしいですね」
※御前会議メンバー、一斉に骨を皿に入れる
骨を皿に投げ入れる津田
【東京中央警察病院】
当麻「※分かった。※じゃあこれでどうだ」
当麻、医師、川里にメロンを4つ持たせる。
川里「まあ、いま落ち着いているようなので、短い間ならいいでしょう」
当麻「あざーす」
※当麻、渡したメロンを一つ取って行く。川里「あっ」
※吉川、メロンを2つ取って行く。川里「あっ、あっ」
外科 久遠 望 様 2012年7月10日入院 Dr 川里三幸
【病室】
望「どうせ信じないんでしょう。帰ってよ」
※当麻「まあまあ、まずは落ち着いてメロン食いなっせ。マヨネーズ、ソース、ケチャップ、石垣島ラー油、宮古島ソルト、波照間黒糖、クミン、ローリエ、かんずり、何食べる?お薦めは、マヨメロだけど(カロリー50パーセントオフ、とかいてある)」
※望「そんな変なもん食べません」
※当麻「ほんとおいしいのに。私を信じて食ってみなんせ」
メロンにマヨネーズをかけて「マヨメロ」を作っている当麻
△当麻「まあまあ、食ってみなんせ」
吉川(マジ顔で)「まずいからやめたほうがいい」
マヨメロを手に取り、スプーンですくって食べる望
望「うん。おいひい」
吉川「げっ」
当麻「でっしょー。あたしも食べちゃお」
マヨメロを食べる当麻。「バカうまーマヨメローメロメロー」
望もマヨメロを食べる
※望「バカうまーマヨメローピヨピヨー」
吉川「舌バカシスターズ」
※当麻「あ〜、ふりかけパインもバカうまなんだけどな。今度持ってくる」
望「当麻さんも刑事なんですか」
当麻「そう。誰も信じないような奇妙な、でも実際に起こった事件専門の捜査官」
メロンに舌鼓を打つ吉川(笑)
当麻「インチキくさいっしょ。でもさ、こう見えても割りとちゃんと刑事やっちゃうのよこれが。つらいと思うけど、見たことを全て話してくんないかな」
望「私の誕生日だったんです。それで、両親とランチしようってことになって、そしたらママンが近くに有名な占い師がいるから見てもらいましょってことになって」
吉川、口に出さず「ママン…?」
当麻「サトリ?」
望「ええ。サトリです(サトリポーズをする)。で、あたし達の順番が来たらこの暑いのに黒いマントを着た全身黒黒男が現れて」
(乱射シーンの回想。※銃声を受けて倒れる望の両親※望「キャー、ママン、パパ」)
(望の両親、X字になるようにジャンプして望を守り、銃弾を受ける。望も足に銃弾を受ける)
(サトリ「でやっ」と丸テーブルを黒男に投げる)
(黒男、「クェッ」と叫んで消える。望「瞬間移動?)
望「パパとママンは、必死であたしを守ろうとして…」
もらい泣きしている吉川
望「私もあのとき一緒に死ねたら良かった」
当麻「分かるよ。でもね望ちゃん、死ぬことだけは考えたらダメだよ。だってさ、悔しいじゃん。なんかさ、…負けたみたいで。※でしょ?※」
うなずく望
当麻、ニコっと笑って「じゃ次は振りかけパイン持ってくるね。お疲れっした〜」
望「お疲れさまでした」
吉川、メロンを持ったまま立ち上がり「お大事に」と言って出て行く
腕組みしたままの瀬文「最後に一つだけ。その黒男は(紙袋から何か取り出す音)この少年でしたか?(第2話で電気ビリビリ攻撃を受けた時のにのまえの写真を見せる)」
望「一瞬だったので…でも、似てる気もします」
※瀬文「ありがとう」
【廊下】
吉川、まだメロンを食べてる。
当麻「どういうつもりですか?にのまえの写真を見せるなんて」
瀬文「捜査だ」
当麻「チッ、あっそうですか。あっそうだ、吉川さんにお願いが」
当麻、吉川の方に近寄って行く
吉川「何じゃい」
当麻「この病室を完全警護してもらいたいんですよ。(メロンを片付けている吉川)黒男は望ちゃんに顔を見られたと知ったら必ず殺しにくるはず。サトリ殺しを請け負ったというプロの殺し屋ですからね」
※吉川「マル暴よりSIT出身者の方が、そういうミッションに向いてるんじゃ、ないか」
※当麻「吉川さんにお願いします。瀬文さんはまだ、目の調子が良くないようなので」
吉川「…………おうよ」当麻の肩が震えている。
吉川、振り返って去って行く
【羽田】
ボディーガードが殺されたビルの屋上。ボディーガードが殺された時のポーズと同じポーズをとる当麻
それを遠巻きに見ている瀬文「何か分かったか」
当麻「別に」
瀬文「何だ。言いたいことがあるなら言え」
当麻、一旦立ち上がって、置いてある捜査資料に目を通しながら「そりゃこっちのセリフですわ。ぐだぐだやらしい男やわ」
瀬文「何だと」
当麻「黒男のことをにのまえじゃねえかとか私は私情を挟まねえとか奥歯にイカが挟まったような物言いしやがって、やらしいんだよ。言いたいことあるなら直接言えっつうの」
瀬文、当麻の方に歩み寄って行き、「なら聞こう。あの日、あの時、お前は何をした」
(第11話の回想)
※地居「グダグダうっせえんだよこのミジンコどもが」
※当麻「ううっ」
地居「死ね」
当麻「※にぎ、にぎ、にぎ、にぎ※左手、動け!」
当麻と地居の銃弾が発砲され、全て地居に命中する
※地居「バカな」
※美鈴「何が起こったの?」
瀬文「にのまえが、生きていたのか」
地居「※チクショー!はっ※にのまえじゃない!?※じゃ誰だ?誰の仕業だ?※」
瀬文「にのまえじゃない?」
地居「まさか」
瀬文「あのとき、俺は目が見えなかったが、お前が何かをした。※一瞬で何だったか分からないが、間違いない。※お前の持っているSPECは何だ。そしてなぜ、俺に隠していた」
当麻「隠してませんよ。瀬文さんが何も聞かなかっただけでしょ」
瀬文「だから!今聞いている」
当麻(瀬文の方によって行き、そのまま通り過ぎて)「ひーみーつ」
瀬文「何だと!」
当麻「てか、つくづく無神経な野郎だな。あたしがSPECを持ってたとして、それで何かお得なことでもあったと思ってんのかよ。(瀬文の方によって行って)なんにも見てねえ見えてねえ。その目ん玉全然治ってねえんじゃねえの」
にらみ合う二人。
瀬文「お前が俺を信用してないことはハッキリわかった」
当麻「それはこっちのセリフだよ」
瀬文「残念だよ」
去って行く瀬文。当麻、キャリーバッグを蹴飛ばす
【未詳】
野々村、係長待遇のネームプレートの下に正汽雅ちゃんの写真を貼り付ける。係長待遇の席は元の当麻の書道スペース。
近藤、火のついたローソクを立てたケーキを運んできながら「♪ハッピーバースデーディア係長待遇〜ハッピーバースデートゥーユー」野々村の机に置く。
野々村「ありがとう」
近藤「おめでとうございます」(拍手)
野々村「ゲッツ」(火を消す)
ケーキにチョコレートで文字が書かれている。「今週 金曜日早朝。成田空港にシンプルプランが持ち込まれます。詳細はこの紙に」
近藤「係長、どうぞ、食べて下さい」(紙を渡す近藤)
野々村「うーん、僕、糖尿なんだよ。※今朝、血糖値が200以上あったんだけど…※」
紙の内容
2012/7/13 FRI
From Honolulu at Narita
512Flights 5:15
It is concealed in
Macadamia
No.199091816316273440
Simple plan【Goetia】
brought in
野々村「てか、このケーキ、意味ある?」
市柳が入ってきて「あれ!どしたんですか?近藤弐係長」
野々村、近藤「ゲッツ」
手づかみでケーキを食べる野々村と近藤
市柳もそれに加わる。
【夜の公園】
瀬文、タコのかたちの遊具の上にあぐらをかいて「オンソラソバテイエソワカ…」
それを見ていた不良風の若者、瀬文に手を合わせる
※【黒男の隠れ処】
※PCのモニター画面、『WAYOO JAPAN!メール』
※メッセージ We know the girl who saw your face. she’s an inpatient at the police hospital and her name is kuon nozomi.
※『お前の顔を目撃した物がいる。警察病院に入院中の久遠望だ』
※モニターを見ている黒男。別の男の声「早く早く行ってこいよ」
※黒男「クェッ」と消える
※部屋に、よっちゃんイカを持った男の後ろ姿
【病院】
※黒男「クェッ」と救急入口に姿を現す。警備員を倒し、無線機を奪い、「クェッ」と瞬間移動する
モニター室で「クラクラ寿司」をつまむ吉川「うん…」
モニターを見ると入口の警備員が倒れている。
拳銃を構える吉川。口に寿司が入ったまま(笑)
※吉川「ほんまにカチコミに来やがったな」
マイクをつかんで「野郎どもきたでえ。オラ警備固めんかいワレ〜」
無線を聞いている黒男
走ってくるパンチ刑事たちの前に黒男が立ちはだかる。
パンチ刑事「※おどらあー※地獄に堕ちろ」
黒男「クェッ」ポーズを取って消える
パンチ刑事「消えた ※こうやっとったよ(『クェッ』のポーズを真似て)※」
※パンチ刑事「消えた」
※パンチ刑事「消えるわけない。探せ」
「探せ探せ」
ドアの隙間から、よっちゃんイカを持った手
探しまわるパンチ刑事たち
望の病室に瞬間移動した黒男。ベッドに銃を向ける。しかし逆に発砲される。中には吉川が隠れていた。
黒男「クェッ」ポーズを取って消える
吉川「※てやっ※気づかれたか。※誰だい!※」
パンチ刑事たちが走り込んでくる。思わず銃を向ける吉川
吉川「おまえら見たか」
パンチ刑事「これ(黒男のポーズ)っすか?」
吉川「それや(と黒男のポーズを取る)」
【未詳】
野々村、市柳、吉川、パンチ刑事たちが集まっている
※市柳・野々村「うーん」
当麻「遅くなってすんまへん(パンチ刑事に気づいて)カッケー」
野々村「ほほほ、当麻君」
当麻「望さんは」
吉川「無事じゃい。既に別の部屋に移送しといたわい」
当麻「バカのくせにやるじゃん」
吉川「バカやと。コラ※、あんっ※」
当麻(パンチ刑事を見て)「カッケー」
市柳「私の指示だ」
当麻(市柳の頭を見つめて)「なかなかやる…ヅラ」
市柳「何だとー!」
野々村「これ」
当麻「あっ、黒男」
吉川「逃げられた。瞬間移動(黒男のポーズ。パンチ刑事も黒男のポーズ)かましやがった」
当麻「やはり」
市柳「信じられない」(あなたのそのセリフが信じられないのですが)
※吉川「俺だって信じられないっすよ。しかし複数の部下が、こいつらが同時に…(黒男のポーズ。パンチ刑事も黒男のポーズ)目撃しております。間違い…ないっす」
市柳、立ち上がって(立ち上がりながら)、「※うーん、※では、未詳の諸君、瞬間移動する犯人を捕まえたまえ」
吉川、パンチ刑事、立ち上がって敬礼「おいっす」
当麻「スーパーカッケー」
野々村「ぁあ、なかなか、簡単には行かないでしょうがね。可及的全力を尽くしましょう」
当麻、パンチ刑事のパーマをいじりながら「どうやって?」
市柳「それを考えるのが君の仕事だろ」
当麻「そんな簡単に思いつきませんよ。てか上司なんだからちっとは考えたらどうすか。ただ組織の上に乗っかってるだけなら、ズラと一緒っすよ」
市柳、後ろにスタスタと後退して「ウィッグだ」
吉川「直れ!」
(吉川の携帯に着信)「もしもし」(なかなかつながらない)
野々村「ああ、こっち」
吉川「おう、もしもし。誰が本人に知らせたんだバカやろう」
市柳「どうした?※何が何か?※」
※吉川「久遠望の両親の葬儀が明日あるんだが、望ちゃんがそれにどうしても出たい言うとんですわ。おおっ、もしもし」
【病院】
望の移送先の部屋。霊安室?
吉川「こんな部屋しかなくて、すまんのう」
望「あたし、葬儀には絶対出ます」
※吉川「死にたいんか」
※望「そんなこと言ってません。パパとママンに最後の別れをしたいっていうのがなぜ死にたいってことになるんですか?そんないけないことなんですか?」
吉川「瞬間移動する殺し屋が君の命を狙っとるんやぞ。分かっとるんか」
望「警察の手に負えないからってあたしに両親の葬儀に出るなというのは筋違いじゃないですか」
吉川「その話の筋は通っているが、筋がどうであれ許可できる筋合いではないわい」
望「パパとママンは私を守るために死んだんです。だからどうしても会いたいんです。会ってこの手で触れてありがとうって言いたいんです。今までろくにありがとうって言ったことなかったし、これが本当に最後だから」
吉川「そら分かるがのう。わしも、親に詫びること…」
望「だから絶対行きます。ダメだって言われても、一人でも行きます」
当麻「分かった。お父さんとママンに最後のお別れしてきな」
※吉川「何言ってんだ」
当麻「私がなんとかします」
【美鈴の部屋】
(瀬文の読経の声)瀬文「般若心経」鈴を鳴らし、志村の仏壇に手を合わせる瀬文
美鈴「終わりですか?(足を痛そうにしながら立ち上がる)すいません。引っ越したのに、わざわざ」
瀬文「いえ。本当は、一周忌に来ないといけなかったんですが」
※美鈴「禅寺にこもってらっしゃったんですってね」
※瀬文「恥ずかしい、限りです」
美鈴「※口調が変ですよ。やだな、※瀬文さん、ビールでも飲みますか」冷蔵庫を開けると中はビール瓶で一杯
美鈴(瀬文に瓶を差し出して)「飲みますか?※あっ、生がいいですか?※」
※瀬文「いや…」
(♪珍島物語)
美鈴(酔いつぶれて)「※ああっ、※飲めよ、飲めっつってんだろ」
※瀬文「はぁ」
ラジカセのディスプレーに「アイラブ 演歌」※BD/DVD版と放送版では入るタイミングが違う※
美鈴(瀬文に瓶を差し出して)「命捨てろよ(ビールをラッパ飲みする)うぅー、ああ」
瀬文「美鈴ちゃん、芸大の方は順調なの?」
美鈴「フンッ。大学なんてとくにやめくさったぜよ」
瀬文「えっ」
(美鈴の回想)
美鈴「ある日、あたし大学でハンカチ拾ったんすよ」中年女性がハンカチを落とすのを見る美鈴
サイコメトリーで見えてしまう。
・女性が男子学生の鍵を開ける光景。
・女物のスリッパを蹴飛ばす光景。
・盗聴器を仕掛ける光景。
・男子学生の服のにおいを嗅ぐ光景。
・男子学生が載っているファッション雑誌を開く光景
・恋人との写真をコルクボードからはがし破る光景
女性の方に走って行く美鈴「すいやせん」
女性(ハンカチを受け取って)「メルシー」
美鈴「その女がストーカーしてやがってですね。それをマッポに通報したら…」
美鈴の言った通り盗聴器を発見する警察官
警察官「ホントだね」
美鈴「よかったですね」
疑いの目を美鈴に向ける男子学生
美鈴「えっ」
(美鈴、警察の取り調べを受ける)
警察官「あんたの自作自演だと言う疑いがあるげっちゃ」
記録係「あるげっちゃ」
美鈴「そんな…」
記録係「そんな」
警察官「だって、あそこにあるなんて分かるのは犯人だけやよ」
記録係「だけやよ」
美鈴「あたしが犯人だって言うんですか」
記録係「だって言うんですか」
警察官「あんたが言っとった中年の女性はこの人なんやけ」※放送版、字幕は「なんじゃ」となっているが、実際には「なんやけ」と言っている。
※記録係「なんやけ」
美鈴「この人です」
※記録係「人です」
(美鈴に向けられる冷たい視線)
警察官「そんなこと言っていいがぁ?」
※記録係「いいがぁ?」
警察官「あんたの大学の教授やよ」
※記録係「教授やよ」
※美鈴「関係あるんですか?」
※記録係「関係あるんですか?」
警察官「何が理由で逆恨みしたかは知らんけど、※まぁーいいっちゃ※」
※記録係「まぁーいいっちゃ」
警察官「男子学生はその教授じゃなく君を訴えると言っている」
※記録係「言ってるっちゃ」
(大学のキャンパス)
教室に入ろうとする美鈴
女子大生1「あの子よストーカー」
女子大生2「読モの男に彼女がいたからって盗聴してたんでしょ」
女子大生3「しかも、教授に罪なすり付けて」
女子大生4「大河原教授もストーカー扱いされて災難ね」
立ちすくむ美鈴。教室から出て行く。
(ふたたび美鈴の部屋)
美鈴「まあ、そりゃそうだよな。普通の人が見えてないもんが見えるって、超不気味じゃね?」
瀬文「ひどい話だ。俺が大学に抗議に言ってくる」
美鈴「あーもう、あたしのことはもういいの。逆に今は、清々したんだから。※髪も切ったし。※」
※瀬文「似合います」
美鈴「私のことより、当麻さんを支えてあげな。当麻さんは、お前が戻ってくるのをずーっと一人で待ってたんだから」
(回想、地居が死んだ後当麻が取り調べられている。取調室にはちゃんとカツ丼がある)
取調官「当麻、地居を射殺したのは誰だ〜※いい加減に答えろ〜。※答えろ〜!」取調官、テーブルを叩き割る(笑)
(回想 河原)
餃子を食べている当麻。猫を見つけ、猫に餃子をやる。後ろからそれを見る美鈴
美鈴「当麻さんはね、瀬文さんがうちのお兄ちゃんのことでいなくなってたときも一番心配してたんだから」
(回想 第7話)当麻「闇に沈む真実もあれば光差す真実もありますって。まっうどん食いなっせ」
△(回想 第1話)脇に向かって歩いて行く当麻と瀬文
△(回想 第2話)冒頭当麻が退院したあと歩道で話すシーン
(回想 第8話)当麻「私は、瀬文さんのこと仲間だと思ってます。仲はまあ、全く良くなかったけど」
△(回想 第4話)古戸美智花が乗ったバイクを追いかけるシーン
△(回想 第7話)海野が最後に食事をしていたレストランで取り調べをする当麻と瀬文
△(回想 第10話)振り返ってにのまえに発砲する当麻と瀬文
(回想 第8話)当麻「絆はあったと、私はだいぶ思ってます」
※(回想 第9話)当麻「泣きほうけてるかと思ったらさすがっすね」
美鈴「あんたが信じてあげなくて誰が彼女の孤独を救うのかっつう話なんですよ」
美鈴、瀬文の口をつかみ「分かってんのか、コラ、分かってんのか、セブン(手を離し)泣くよ」
瀬文「…」
※瀬文、見回すと※寝ている美鈴。※シーツをかぶせてやる瀬文
※
ビール瓶やコップを片付ける瀬文
(回想 第9話)「※美鈴ちゃんちに来ると踏んで待ってたんですよ。※牛丼食いなっせ。たーんと食いなっせ。※みんな心配してます。アンド迷惑してます。※早く帰って来なんせ。」
紙袋を持ち、出て行く瀬文
(回想 第9話)「だから私は未詳にいて、テメエの帰りを待ってんだろうがよ」
【未詳】
天井に頭を付けている当麻
見ている野々村、一柳、吉川
野々村「小一時間も、そのままなんすけど」
目を見開く当麻
係長待遇の席の調度品を蹴飛ばし、書道スペースを作る当麻
野々村「あいや、アチャー」
書道「黒男」※「サトリ」と一度書いて破る※「サトレない」「瞬間移動」「女帝のカード」「III」
破って天井に投げる。
黒男「無理だよ、無理だよ、無理だよ」
(黒男のイメージ。その顔がにのまえに変わる)
にのまえ「無理だよ姉ちゃん、無理だよ姉ちゃん!」
当麻「嘘だ」
にのまえ「無理だよ姉ちゃん!」
当麻「嘘だ!嘘だ」
市柳「何か思いついたか!」頭に書道の切れ端が乗っている
当麻「大丈夫です。どんな手を使っても、望ちゃんは私が守ります」
瀬文「敵をなめるな。お前一人で何が出来るんだ。やるからには、俺が守る」
吉川「ちょっと待てや。お前のような病み上がりには任せられん。わしに任せろ」
※野々村「皆の衆〜、よろしくね」吉川、よろしくねのポーズを取る。
【葬儀場】
空撮から葬儀場へ
(読経)
葬儀に集まってくる参列者。望の両親、二人の遺影が飾られている。
報道陣を警官が押さえつけている。
見ている当麻。開場の外に止まっているバンに向かって行く。中には、馬場、吉川、猪俣
当麻「急にお願いして悪かったっすね」
鹿浜「いやいや、頼りにしてもらえてうれしいよ」
猪俣「デカ魂の、見せ所じゃね」
当麻「ガンダムで言うところのジムやボールですからね。ザクとは違いますよ、ザクとは。ではよろしく」
猪俣「どういう意味じゃろ」
馬場「味方ではあるが、その他大勢ってことだな。僕は、ここで隠れる戦略を取るから、後はよろしく(後部座席の後ろの荷物スペースに隠れる馬場。顔を出して)怖くはないが念のためだ」
吉川「しかし警備これだけなんかい」
瀬文「未詳は基本、頭のおかしい連中のクレーム係と思われてるからな」
吉川「仕方ねえな。俺もそうだった。これ(黒男のポーズ)を実際に見るまではな」
黒男のポーズを取るパンチ刑事達
瀬文「我々が知り得るのは瞬間移動という現象のみだ。それが空間移動のみのものなのか時間を止めて行われているものなのか、それ以外のSPECが存在するのか、それによって対策は異なる」
吉川「…むつかしいこと言うな。インテリやな。IP高いんちゃうか、おぬし」
瀬文「ありのままの現実を見極めないと対象者は守れん」
当麻が近づいてくる
吉川、当麻に向かって「よー、おうおうおう、お前の指示どおり監視のカメラを40台、死角のないように配置しといた。客の中にも刑事を紛れ込ましている。屋根の上にもな。お前の指示通り分かりやすくな」
当麻「あざーっす。やつは顔を見られるのを一番いやがってますからねえ。衆人環視にすればするほど襲ってくる可能性は低いと思うんすよねえ」
瀬文「もし奴がにのまえだったら全く役に立たないな」
当麻「にのまえじゃねえって言っとるがや。にのまえは死んどりゃあす」
トラック到着。「RUN DOSUKOI 引越 SHUTTLE DHS」のロゴ入り。葬儀場入口に止まる。
DHSの衣装を身にまとい、顔には隈取りをした、野々村、市柳と2人が出てくる。
ポーズをとって「※セイ、※DHS in a house! イエーイ」
歌い始める「♪どすこい引っ越しシャトルだぜ、どすこい引っ越しシャトルだぜ」
荷台を開ける
野々村と市柳を先導に他の二人がロッカーを担いで葬儀場に入って行く
吉川「何じゃありゃ」
当麻「望ちゃんですよ」
吉川「え」
当麻「てか分かりやすくの意味間違ってんだよな」
ロッカーを野々村が開けると、中から杖をついた望が出てくる
望、両親の遺体を見て「ママン、パパ」
当麻、その場を離れる
(別の斎場)
当麻「お邪魔します(変なアクセントをつけて)
飾られている花(右から)株式会社 エヌ・デザイン/株式会社 タムコ/株式会社 東通/島崎孝雄/堤 幸彦/(祭壇を挟んで)/長坂信人/株式会社オフィスクレッシェンド/吉岡辰沖・唐沢 悟/株式会社 池田屋/有限会社 阿呍(左下段に)社団法人 三次市観光協会
堤作品になじみの名前ばかりだ。
祭壇に供えられている果物に目をやる当麻「うーん…グレープフルーツしかねえけど仕方ねえか」二個失敬する当麻
瀬文「コラ」
当麻「なーんすか、何か問題ですか、あたしの魅力ダイナマイト罪ですか」
当麻が振り返ると、グレープフルーツを胸に入れている。
瀬文「こんなときに何考えてんだ」
当麻「チッ、冗談ですよ。つまんねえ男だな」(グレープフルーツをキャリーバッグに入れる)
瀬文「窃盗じゃねえか」
当麻「金は置いてあります〜(遺影に千円札が貼り付けてある)てか緊急事態にそなえて…」
瀬文「緊急事態になんでグレープフルーツなんだ」
(ブブゼラの音)
瀬文と当麻、久遠家の斎場へ走る。
久遠家の斎場、ブブゼラリーマンズが6人現れている。望や野々村、パンチ刑事たちが瞬間移動させられそうになっている。
瀬文、紙袋に入った銃を構えて「全員しゃがめ!」
発砲する瀬文
弔問客達が悲鳴を上げて逃げて行く。ブブゼラリーマンズも消える。
当麻、無線機に向かって「馬鹿猪」望に「立って」
当麻、望を斎場から連れ出し、車に乗せる「乗って」
当麻「行け」
※鹿浜「猪俣、左だ」
※猪俣「了解」
吉川「助かったな」
当麻「何言ってんすか。こっからっしょ」
葬儀場の屋根の上、黒男が立っている。「クェッ」と瞬間移動。
斎場の野々村「封鎖しろ」
※刑事達「はい」
市柳「今のは何だ?」
野々村「にのまえを連れて消えた、例のブブゼラリーマンズですよ」
市柳「信じられーん」
野々村「信じるかどうか、迷う権利は我々にはない。※時代の流れも止められない。※我々に出来ることは、大切な者たちの未来を守ることだけだ」
市柳「…」
野々村「係長、久遠望を保護する究極の保護施設の場所を教えてもらいたい」
市柳「…何のことだい」
野々村「※サトリや古戸久子、その他多くのSPEC HOLDERを保護するという建前で監禁し、公安零課以外、誰も知らない絶対安全な保護施設。※君たちは、デッドエンドって呼んでるようだがね」(市柳を指差して)
市柳「※公安零課?※デッドエンドラーン!」
野々村、市柳の額に銃を突きつけ「デカ魂をちゃかすな。殺すぞ、貴様」
市柳、ニヤリと笑って「さすがゴリさん。ただの昼行灯じゃねえな」
野々村「事態は予断を許さん。君の部下が裏切り者だということも分かっている。津田君、君の部下の決着は君が付けろ。私の部下は、私が守る」
野々村、銃を下ろす。市柳、電話をかけ始める。
市柳「(津田の声)私も昔、あなたの部下だったことがあります。本名は名乗れませんが、あなたの言葉は今もこの胸に生きている。(市柳の顔、口の部分が津田のパーツ)心臓が息の根を止めるまで真実に向かってひた走れ。それが刑事だ」
野々村「私の言葉じゃないよ。今はもう、君自身の言葉だ。大切にしなさい」
市柳「(市柳の声)あ、俺俺、市柳だ。今から言う場所へ、望さん確保しろ」
【車の中】
鹿浜(電話に向かって)「了解です」
当麻「あ、※そこ左折して※右の地下駐に入れて」
※猪俣「おう」
※鹿浜(電話に向かって)「はい、はい」
※左折する車
地下駐車場に入って行く車
【地下駐車場】
当麻「止めて」
止まる車。降りる一同(望を除く)
美鈴「当麻さん」
当麻「怖かったっしょ。ごめんね」
美鈴「大丈夫。この車種で良かった?3台持ってきてもらったんだけど」
当麻「おっ、ナンバーの偽造も完璧じゃん」
ナンバー、「品川300 し 60−30」志村美鈴、か(笑)
美鈴「一応芸大出身ですから。中退だけど(振り返って)みんな、ご苦労」
芸大の学生達、車の陰から出てきて「メルシー、メルシー」
美鈴、学生達に金を渡す
学生達「メルシー、メルシー」去って行く
猪俣「ナンバーは違法じゃろ」
当麻「4台でかく乱して望ちゃんを保護施設へ。早く」
吉川「ぬしは?」
当麻「私は黒男を待ち伏せます」
吉川「じゃ行こう」
当麻「馬場さんも手伝って下さいよ。免許持ってますよね」
馬場「もちろんだ」
次々と出発する車を見送る当麻
車が去った後、当麻がギプスを外すと、左手が光る
当麻「うっ…」
そして、コントロールが聞かなくなるのを、必死で右手で押さえる当麻。仰向くと、当麻の白目が消えている※少しこのシーン、BD/DVD版のほうが長い
当麻「うっ…」
左手の光が消える。息をハァハァしている当麻。バッグからグレープフルーツを取り出す
当麻「レモンじゃねえけど、ちょいちょい酸っぱいから大丈夫だろう。冷泉さん、私にお力を貸して下さい」言いながら地面に左手を付ける当麻
「痛い痛い痛い痛い…」
髪の毛が左手に巻き付く。
当麻「うっ」
持ち上げると、冷泉が浮かび上がってくる。一瞬当麻が膨張するのは、ラインプロデューサーの赤羽智比呂女史
冷泉「いったーい」
冷泉、当麻と手を合わせて一回転する。嬉しそうな冷泉
グレープフルーツをかじって冷泉に渡す当麻。当麻がかじったところをかじろうとする冷泉。
当麻「ノーノーノーノー」別のところをかじる冷泉
冷泉・当麻「ラミパスラミパスルルルルル、ラミパスラミパスルルルルル…!」
黒男の未来を書く紙に冷泉。
冷泉「これが黒男の未来です。この未来に先回りすれば彼がどう襲って来ようが逃げようが関係ない。未来は絶対なのです」
書かれた内容「15時23分 平? 馬場の車を襲う田舎道 16時25分 多摩市落合 吉川の車を襲う 工事現場」
当麻「いただきました」
当麻に口づけしようとする冷泉。手で冷泉を地面に押さえつける当麻
冷泉「いったーい」地面に沈んで行く冷泉
冷泉「うう…、うう…」完全に冷泉を沈める当麻
瀬文が見ていたのに気づいた当麻。
瀬文「…」
当麻「見ましたね。女の秘密を知って、いい事ないすよ」
瀬文(当麻の方に歩み寄って行って)「それがお前の左手の力なのか」
(回想…第5話の左手を奪われるシーン)
当麻「逮捕する」爆発が起こる
瀬文「だから、左手を狙われた」※このセリフ、BD/DVD版では回想シーンの前になっている
当麻「死んだSPEC HOLDERとつながるSPECです。死んだ両親や陽太とつながりたかっただけなんですけどね。まぁ最初謎のSPEC HOLDERが出てきた時はガチビビりました」
(回想…高校時代の当麻)演じるのは戸田恵梨香(お約束)
高校時代の当麻(河原にたたずんで)「父上、母上、陽太…」※BD/DVD版では「陽太…」の前に地面に手を付ける
高校時代の当麻、地面に手を付けてしまう。左手に髪の毛が絡まり、日本髪に和服の女性が顔を出す
高校時代の当麻「あー」
女性「呼びました?」
高校時代の当麻「誰?」
女性「御船千鶴子と申します」
高校時代の当麻「あっ、超能力者の?てか、死者じゃね!?」
御船「出して。痛い」
高校時代の当麻「あっ、すいません(御船を引き上げる当麻)こんにちは」
御船、当麻の左手を取って、自分の右手と合わせ、時計回りに回る
高校時代の当麻「何で回ってんの?」
※当麻「あん時は怖かったな〜」
瀬文「地居を倒した時もそのSPECを使ったのか」
当麻「そうです」
(回想…第十話の地居との対決シーンの回想)
地居「死ね」
当麻「※にぎ、にぎ、にぎ、にぎ…※左手動け」当麻にせまる弾丸。その後ろににのまえが現れ、指を鳴らす。弾丸は地居に着弾
地居「まさか…」
当麻「私はあのとき陽太が死んだことを思い知ったんです」
当麻「にのまえは死んでいます。それだけははっきりしている」
当麻、冷泉のメモを取り出して「これ、見ますか?」
瀬文「俺は普通の人間だ。そんな卑怯な真似はせん」
当麻「卑怯?敵もSPECを使ってるのに。」
※瀬文「いまさら開き直るな」
当麻「※開き直ってませんよ。※望ちゃんを守るために自分のベストを尽くす。それのどこが卑怯なんですか!?」
※瀬文「自分のベストだ?」
※当麻「はい、そうですよ」
瀬文「SPEC込みのお前なんか、俺は認めん」
当麻、瀬文の方に歩み寄り「なぜですか」
瀬文「なぜもどうもない!認めんと言ったら認めん!絶対に認めん!」
当麻「だったら、これを見ずして黒男を倒して下さいよ」
瀬文「望むところだ。SPEC抜きで倒してやる。そんなものこの世界にいらないことを証明してやるよ」
瀬文、紙袋からiPhoneを取り出し操作する
当麻「老眼か」
瀬文、カメラで自分の顔を撮って「てめえ!コラ、黒男。俺はお前の顔をハッキリと見たからな。俺を殺さないと、いろんな奴にしゃべるぞ。俺の名は瀬文焚流だ(だんだん瀬文の顔がアップになってくる)。逃げも隠れもせん。かかってこい。夜光町7丁目の路上にて待つ」またiPhoneを操作する
当麻「誰に話してんすか」
瀬文「お前はバカだから知らんだろうが、ヨウツベに今、動画をあげた」
当麻「ヨウツベじゃなくてヨーチューブだから」後でも出てくるが、SPECの世界ではユーチューブではなくヨーチューブが正しい名称なのだ
瀬文「ネット用語でヨウツベともいう。神戸の海上保安庁の方に聞いたから間違いない」
当麻「ヲタク度半端ねえな!」
瀬文「これで黒男は間違いなく俺を狙いにくる。俺はお前のSPECなんぞは借りん。意地でも借りん」
当麻「勝手にしろ」
△(提供クレジット)
当麻、キャリーバッグのところまで行き、ギプスをはめ直し、去って行く。
(続く)