「あまちゃん」台本を読んでいると、カットされたセリフが多いのに気づく。特にアキのセリフが多いような気がするのは気のせいだろうか。
第76回では、GMT合宿所でのミーティングシーンのナレーションが、がっつり削られている。
アキN「リーダーのしおりさんが、若干熱過ぎる人だというのが、だんだん分かって来ました。かつ枝さんタイプでしょうか」
アキN「となると、威勢はいいけど、なに言ってるか分かんない沖縄の喜屋武ちゃんは、弥生さんなのか」
アキN「マイペースなアユミさんは美寿々さん。真奈ちゃんは…安部ちゃんかなあ」
(目を開けて寝ている小野寺ちゃん)
アキN「え、夏ばっぱ!?」
GMTが海女クラブになっているところが楽しい。東京編は故郷編の鏡像なのだ。
【SPEC脇ネタ】陸軍を受け継ぐもの
『SPEC 全記録集』で、警視庁公安零課と陸軍中野学校の関係について一つの解答が示されると思われる。
しかし、ここで、もう一つの「陸軍の後継者」を示したい。
陸軍省は、1872年に設立された。
第二次大戦後の1945年12月1日、陸軍省は第一復員省に改組(同日、海軍省が第二復員省に改組)。
1946年6月15日に第一復員省と第二復員省が統合され、復員庁を設置。旧陸軍関係の担当は第一復員局となる。
一方、海外に残っていた日本人の引揚事務を行うため、当初は厚生省社会局引揚援護課が、1946年3月13日に厚生省の外局として引揚援護院が設置。1948年5月31日、復員庁と引揚援護院が統合され、厚生省の外局として引揚援護庁が設置される。
引揚援護庁は、1954年3月27日をもって閉鎖され、厚生省の内局、引揚援護局となる。
その後紆余曲折を経て、現在、引揚援護局は厚生労働省社会・援護局となっている。そのため、厚生労働省の任務には、「引揚援護、戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族等の援護及び旧陸海軍の残務の整理を行うこと」が掲げられている。
一方、陸上自衛隊は、1950年に創設された警察予備隊をベースに、1954年7月1日に陸上自衛隊に改組された。
警察予備隊創設に当たって、人事面でも、旧・内務省の内務官僚を中心に創設されたという。ところが、実戦兵器の配備に伴って1951年以降、徐々に旧軍人の入隊が増え、現在に至る。つまり、実質的には陸上自衛隊が後継組織と言えるが、形式的には陸軍の後継組織は厚生労働省ということになる。
ところで、厚生労働省社会・援護局の所管する博物館として、昭和館というのがある。
ごあんないによると、「主に戦没者遺族をはじめとする国民が経験した戦中・戦後(昭和10年頃から昭和30年頃までをいいます)の国民生活上の労苦についての歴史的資料・情報を収集、保存、展示し、後世代の人々にその労苦を知る機会を提供する施設」である。
北の丸公園や靖国神社の近くにある、窓のない建造物だ。
現在の館長は、厚生省事務次官、宮内庁長官を歴任、「天皇特例会見事件」で一躍有名になった、羽毛田信吾(京大法学部出身)が務めている。
【ケイゾク】『SPEC〜結〜爻ノ篇』から『ケイゾク』を見つめ直す(その3)
以前書いた記事の続き。
お待たせの、『ケイゾク』の朝倉を、『SPEC〜結〜爻ノ篇』から見つめ直してみる。
今回は思いっきりネタバレという名の妄想である。
以前の記事を大幅に改稿しているが、改稿前の文書も残しておく。
【SPEC】当麻の書道シーンまとめ(ネタバレ)
当麻の書道シーンについて、『SPEC〜零〜』から『SPEC〜結〜爻ノ篇』まで、まとめてみた。
なぜこれがネタバレになるのかは、ネタバレになるので書けない。
【IWGP】池袋ウエストゲートパークを振り返る前に
ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』について何か書け、という声が寄せられた。
このドラマに関しても、色々と思い入れがあるのだが、最近見直していない。
取りあえず、ドラマについて整理しておこう。
原作は石田衣良著の同名小説で、現在まで10巻が出版されている。ドラマは原作の3巻までのいくつかのエピソードをもとに、オリジナルエピソードを加え、構成を大幅に変え、キャラクター設定をアレンジし…とにかく大幅にアレンジしている。
脚本は宮藤官九郎、今でこそ「あまちゃん」を初めとする多くの作品で世に知られるところとなったが、連続ドラマは初作品となる。
演出は堤幸彦監督、伊佐野英樹監督、金子文紀監督。余談だが、金子文紀監督は、後に、『木更津キャッツアイ』のチーフ演出を務めることとなる。
この、宮藤官九郎脚本と堤幸彦監督のコンビというのは、『文藝春秋×PLANETS あまちゃんメモリーズ』収録の、成馬零一氏の論考によると、後のクドカンドラマにない要素が埋め込まれているという。後のクドカンドラマが、大人も子どももみんな仲良くなってしまうのに対して、「大人と子どもの闘争」という要素が、学生運動に憧れた堤監督の要素だというのだ。
さらに、堤監督が課した、池袋近辺から出ない(3kmとか言っていたような気もする)という制約が、「池袋感」を異常に際立たせている。これは、IWGPが好きで好きで、池袋に住んだことのある私が言うのだから間違いない。正確に言うとドラマが放送された2000年頃の「池袋感」だ。今は、真島フルーツや最後の抗争の舞台となった空き地も、再開発で消滅。池袋西口公園には、ステージが作られて、ドラマのときの印象とは変わっている(キングの銅像はもちろんない)。西口の駅前広場も、ロータリーが改良されて印象が変わってしまった。シュンが万引きしたリブロも閉店したし、吉岡がリツコを食事に誘った東方会館も、人世横丁もなくなった。キンカ堂が閉店したのは耳に新しいところ。
もちろん、変わらないところもあって、池袋大橋とかビックリガードはそのまんまだし、「6チャンネルの回」に出て来た路地はほとんどそのままだ。
ちなみに原作の方は続いているから池袋の変化を追ってくれているわけで、「ロサ会館にTSUTAYAができて便利になった」なんてことが書いてあったのにはにやりとしてしまった。
それはさておき、登場人物も、脇キャラまで連続ドラマや映画の主役を張るような大物が輩出しているのは皆さんご存知と思うが、ゲストキャラでも、川崎麻世、小栗旬、古田新太、村杉蝉之介、白竜、未唯、池田鉄洋、島田洋七、島田洋八、皆川猿時、多田木亮佑、キムラ緑子、森山周一郎といった、有名どころからクドカン作品、堤作品におなじみの俳優が出演している。
ということで、気が向いたら各話の小ネタを書いていくかもしれない。
基本、池袋の話がメインになるような気がするが。