いうまでもなく、『SICK’S 恕乃抄』は動画配信サービス「Paravi」のスタートアップのテコ入れに、「Paravi」限定配信で提供されたドラマである。
ではあるが、やはり地上波での放映を願ってならない。その理由を述べる。
はじめに、このブログはTBSテレビの方が定期的に閲覧しており、このブログに『SICK’S 恕乃抄』の地上波上映を願う声を乗せたら、TBSの方の目に留まるのではないかと思ったからである(笑)
そしてまず、視聴者の絶対数が地上波と動画配信サービスでは圧倒的に視聴者数が違いすぎるということである。地上波のテレビであれば、例え視聴率が1%であったとしても、100万人は見る計算になる。
動画配信サービス、それも始まったばかりの『Paravi』で、どれくらいの人数が視聴しているのか、公表データーを持っていないのでなんとも言えないが、無料配信のYoutubeで多くて3.6万件、といったところであり、これはユニークユーザーではなく、延べ再生回数であることから、『Paravi』で視聴しているユーザー数はこの10分の1程度でもおかしくないのではなかろうか。
であるから、マーケティングとしての地上波放送を期待するのである。TwitterやYoutubeでのピンチョス配信を、『Paravi』への誘導に使っていると思われるが、実際の再生数は上記の通りである。地上波で深夜に放送したとしても、10倍、100倍のリーチを得られるのではないかということは容易に想像つくところである。
次に、たとえばVILLAGE/VANGUARDのインタビューで堤Dや植田Pが言われているような、「地上波では自主規制していることにも思い切って挑戦し」ていることや、「今の地上波であればちょっと眉をひそめられるような表現」をしているから、地上波での放送は無理なのではないか、ということに対する反論である。
ピンチョス配信など、手間がかかる編集をしているのであれば、地上波向けの表現を抑えたバージョンと、『Paravi』だけの完全版を用意することはできるのではなかろうか。現に、『ケイゾク』『SPEC』のスペシャルドラマのDVD/Blu-rayは、地上波では表現できない部分を使った、ディレクターズカットバージョンとなっている。それと同じことである。
また、ザテレビジョンのインタビューで植田Pが言われていることである。都合のいいところを切り取ってしまうようだが、「『SICK’S』もそうですが、僕は『テレビではできないからネットで…』とは言いたくなくて。地上波のテレビでもできるし、ネットで見ても面白い、というのが僕の理想です」と言っているのだから、ぜひにも、『SICK’S』を地上波で放映して欲しいところである。
繰り返しになるが、堤監督は、「Paravi」をAmazonプライムやネットフリックスといった黒船に対抗しようという薩摩の田舎侍に例えているが、コンテンツの豊富さひとつとっても、「黒船」には対抗しようがない。日本のユーザーを「Paravi」に引っ張ってくる近道は、地上波放送ではないかと思うのだが、いかがであろうか。
最後に、こんなことは気にしてはいけないところだが、特定の動画配信サービスで独占配信された作品は
、その動画配信サービスがサービス終了してしまったら、その作品を見る手段がなくなってしまう。
そんなことも危惧している。