以前、SPECとケイゾクを結ぶ謎という記事を書いた。そこそこ参照されているのだが、この記事は、第4話の時点の内容なので、その後明らかになった情報をもとに、謎の答え合わせと、更なる謎について記載する。
この書体が、以前の記事の記載になっている。
「SPEC」は当初、「ケイゾク2」とされ、野々村と近藤というケイゾクの登場人物が出てきたことから、「ケイゾク」の11年後を描いているとされている。
そうだとすると、謎なのが、突然2010年になって、「SPEC」と呼ばれる能力を持った者による犯罪が頻発するようになったのかということだ。
これについては、公安零課の存在からして、SPEC HOLDERによる犯罪のほとんどは、公安零課によって隠蔽されていたのだろう。
そして、未詳が設置されたことにより、隠蔽されていたSPEC HOLDERによる犯罪が未詳の元に相談として持ち込まれるようになっただけだと考えられる。
もう一つの謎が、野々村係長の恋人、雅のことだ。
「ケイゾク」では、雅の役名は「醍醐雅」で、昭和56年生まれの17歳だった。ところが「SPEC」では、「正汽雅」で、年齢も20歳でこの二人は別人ということになる。
「ケイゾク/映画」では、泉ピン子演じる妻と別れられずにいたが、「SPEC」でも、弁護士の妻と別れられずにいる。ずっと泉ピン子妻と別れられなかったのか、それとも離婚が成立して「醍醐雅」が司法試験に合格して弁護士になったということか。年齢的に醍醐雅が司法修習を終えて弁護士になるのはぎりぎりのような気がする。
この謎については、第9話【壬の回】 で、SPECの時点で泉ピン子演じる妻とは既に別れ、ケイゾクで永田杏奈さんが演じていた「醍醐雅」が弁護士になり、野々村の妻になったということが明らかになった。
「ケイゾク」を「SPEC」の視点から解釈すると、朝倉の能力が「SPEC」だったという風に、説明することができるだろう。
それ以外では、ケイゾク第5話の「未来が見える男」で、霊能力者・鷺沼が、本物の霊能力者だと言っていた。被害者の居場所を突き止めたのはともかく、真山に向かって「あんたを追っている男が今日殺される」と予言したのは、朝倉と鷺沼につながりでもないかぎり、未来予知ということになる。
2010年になって、「SPEC」を持った存在がこれだけ多数存在するようになったとは、考えられない。
そうだとすると、ケイゾクの頃からSPEC持ちは存在して、何らかの方法でそれが広く世間に知らしめられることのないように何らかの力が働いていたのではないか。そしてその力に対抗する何かが最近になってうまれたのではないか。
…やはり無理がある仮説だ。
無理がある仮説だと思っていたのだが、「何らかの力」=公安零課、「その力に対抗するなにか」=未詳、だったということだ。対抗する、というと正確ではないが。
さらに、「SPEC公式解体新書」で明らかになったのは、未詳の設立に、出世したケイゾクの柴田純が大きく関わっているということだ。第8話【辛の回】 で、野々村係長が「私が君たち二人をここに呼んだんだ」と言っていることとの関係性はどうなんだって気がするが、柴田が未詳という島を作って、野々村係長と相談のうえ島のメンバーを決めたということなんだろう。植田Pによると、朝倉の事件をきっかけに柴田はSPEC HOLDERを追っていこうとするようになった、ということだが、弐係の倉庫の中にも、朝倉以外にもSPEC HOLDERが関わった事件が埋もれていたのではないだろうか、なんて想像してみる。
しかし、第10話【癸の回/起の回】で、地居が瀬文を未詳に行ったのも地居のシナリオという話とのつじつまが合わない。SPEC 第10話【癸の回】の謎(改訂版)にも少し書いた。まぁ、地居が死んでしまった以上、ほったらかしかも。