『あまちゃん)第38回の15分って短いですね。
この回は、例の「ぶりっ子」の登場した回であるが、それについては別記事にて触れている。
その代わり、以前「覚えておいて欲しい」と書いたことなどを述べる。
それは、まず、第10回、春子が、アキが絣袢纏姿で接客する姿を見て、若き日に自分が絣袢纏を来て同じように接客する姿を想像するが、「いや、無理無理、絶対無理だわ」と独白するシーンである。
しかし、第38回ではどうだったであろうか。春子自ら、歌のレッスンを受けるために小遣い稼ぎとして絣袢纏を着て接客をしていたと、告白する。アキと違って潜ったりはしていなかったと補足されるが。
また、テレビ番組で若き日の春子がエアチェック(死語)するシーンが登場する。この回では松田聖子の『青い珊瑚礁』である。ところが、この映像は、第20回でYMOの『君に、胸キュン。』を録音するシーンの使い回しで、第20回と比較すると若干短く編集されて(いわゆる「つまんで」)いる。
ところで、前から私は書いていたし、この回ではナレーションで言われているが、春子のアイドル論は「春子独自のアイドル論」である。アイドルのはしりが百恵ちゃんで、そのあとにキャンディーズやピンクレディーといったグループの時代に突入する、という明らかに間違った説明もある。そしてこんなくだりもある。
「大体今は、歌を歌う人はアーティスト。演技する人は女優。モデルはモデル。グラビア専門の人がいる。棲み分けができてるでしょ?でも、昔はね、全部アイドルがやってたの」
そもそも、まず春子の目の前の中の人が、「モデル出身で女優」だし、紅白で歌まで歌ってしまった。
女優で歌を歌うというのも、1990年代から2000年代あたりを中心に、松たか子、中谷美紀、仲間由紀恵、柴咲コウなど、珍しい話ではない。
そもそも、中谷美紀や菅野美穂、篠原涼子は、アイドル出身の女優である。
アイドルが映画やドラマに出ることも多い。その多くはそのアイドルのファンをターゲットにして作られたものだが、そうでない映画やドラマにアイドルが出演することもある。『あまちゃん』にもAKB48のメンバーが出演しているぐらいだ。また、週刊誌などのグラビアに、アイドルが出ることはしょっちゅうだし、完全な棲み分けができてるわけではないと思う。
もちろん、全部アイドルがやってる、とは言えないが。
しかし、そもそも、小泉今日子という女性が現代のアイドル界に与えた影響は、聖子ちゃん百恵ちゃんに匹敵すると言っても過言ではない。その小泉今日子がいないアイドル界は、実際のアイドル界とは違ったものだと言えよう。