『SPEC〜結〜爻ノ篇』の興行収入が、『SPEC〜結〜漸ノ篇』の興行収入を大きく下回ったのはなぜか? 

一般社団法人日本映画製作者連盟統計によると、『劇場版SPEC~結~漸ノ篇』の興行収入は、27.5億円、『劇場版SPEC~結~爻ノ篇』の興行収入は、20.6億円と、6億9000万円もの差がついた。
なぜこれだけ差がついたのかを、考えてみる。
【SPEC】『劇場版SPEC〜結〜漸ノ篇』週別興行収入(まとめ)
【SPEC】『劇場版SPEC〜結〜爻ノ篇』週別興行収入(まとめ)
これらの記事も参照のこと。


まず、単に興行期間が『漸ノ篇』の方が長いから、と考えるかもしれないが、そうではない。『漸ノ篇』では、上映4週目に21億6,433万4,950円の興行収入を達成しており、『爻ノ篇』を上回っている。同じ4週目では、『爻ノ篇』は、17億601万2,650円と、既に大きな差がついている。
つまり、6億9000万円分の観客に、『爻ノ篇』は逃げられたということになる。それはなぜか。
映画の批評家というのは、テレビドラマの映画化作品より、オリジナル作品のほうが高尚なものと考えており、批評においてもテレビドラマの映画化作品は批評に値しないものと考えているらしい。
特に今回の『SPEC〜結〜』は、テレビドラマや前作『天』を見ていない人を置き去りにする作品であり、映画ドットコムの批評で2.9点、Yahoo!映画で2.68点と、同時期に公開されている映画のなかではもっとも低い評価の作品だ。
インターネットが普及して久しい昨今、試写会をやった『漸ノ篇』はまだしも、試写会をやらなかった『爻ノ篇』に置いては、こういったインターネットのレビューサイトの評価を参考に見る映画を決める層は多いだろう。
・レビューサイトでの評価がもっとも悪い
・テレビドラマから見ていないとついていけない
・そもそもタイトルからして、『漸ノ篇』を見ていない人を排除している
と三重苦が揃って、『爻ノ篇』が低い興行収入となってしまったということだろう。

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