もはや何回考察したか分からないが、『ケイゾク』再放送が始まったことでもあり、再度考察をまとめてみる。
今回は第5話についてである。
柴田「あのぅ〜、『チンコ』って何ですか」
初見のとき、耳がゲシュタルト崩壊をしてしまったように、「チンコ」という発声が若い女優さんの口から発せられたことが信じられず、柴田がパチンコの壊れた看板を指差して初めてそういう言葉が発せられたことに気づいた。
この「チンコ」について、第2話に引き続き『ケイゾク/雑誌』の大月俊倫氏と植田博樹プロデューサーの対談を取り上げてみる。
大月「大沢(樹生)さんが超能力者役で出たのも好きでしたね。中谷さんがチンコ、チンコ、チンコって言うじゃないですか…あれはいいなと思いました。あのチンコ責め(笑)
植田「あれは決定稿見て、僕も(通すのに)根性いりましたね。パチンコとリンクしてるネタなんで、チンコじゃないとトリックが成立しなかったんで。中谷さんはもともと下ネタが好きな人だったんで、大丈夫だったんですけど。
大月「『ケイゾク』にあって『きらきらひかる』にないものはチンコですよね、やっぱり。だって、TBSのゴールデンでチンコですよ。植田さんがエライのか、堤さんがエライのかわかんないけど、演ってる役者もエライと思うんですよね。カッコいいセリフをカッコよくしゃべろうとする人が多い中でね。あの中谷美紀には惚れましたね、一発で。
植田「(局の上層部とは)一番最初に戦いすぎて、もうあのころは何にも言われなくなりましたね。実は中谷さん、チンコっていうのは、ちょっとうれしかったみたいですね(笑)
なんか、中谷美紀さんに下ネタを言わせたくて作った、一種のセクハラ的なトリックなんじゃないかと邪推してしまっていた。
中谷美紀さんの下ネタと言えば、『ケイゾク』の前に利重剛監督(役者として映画『SPEC〜天〜』に出演している)の映画『BeRLiN』があった。レンタルビデオ店にあるかな。
そして、以前に書いた内容だが、一部手を加えて再び書く。
それは、「鷺沼はインチキか?」ということの回答である。
そのためには、鷺沼が行なった「霊能力」というものを、2つに分けて考える必要がある。
一つは、別の場所の現在を視る力。「霊視」と呼んでおこう。
もう一つは、未来予知。「予言」と呼んでおこう。
そして、「霊視はインチキだが予言は本物」というのが私の結論である。
鷺沼が、テレビ放送中に行なっていたのは、「行方不明の人がどこにいる」「どんな服を着ている」「今、人が殺された」「凶器がどこにある」「犯人はどこにいる」と、「霊視」ばかりであり、柴田にインチキだと見破られる。
一方、「予言」は、①柴田に「欲しいものは手に入りますよ」、真山に、②「あんた、ひと殺すよ」、③「あんたを追ってる人が今日殺されるよ」と言ったことがある。
③が、正確な予言であることは、言うまでもあるまい。②は、早乙女を殺すことになる。
①は、柴田が最初に言った、「ダンナ様」ではないだろうし、後で柴田が予言が当たったと言った、「(鷺沼が犯人だという)証拠」でもなさそうである。
それがなにか、ドラマの出来事から推測すると、「ファーストキス」ではないかと推測してみる。
そんな鷺沼でも、自ら語っていたように、未来予知の能力にはむらがあるようで、自分が逮捕される未来は予言できなかったようだ。予言しててあえてやったとしたらそれもまたすごいけど。
ここまで計算されて作られていたわけで、「未来が見える男」というサブタイトルは嘘をつかない。