【IWGP】池袋ウエストゲートパークを振り返る 番外編

アニメ版『池袋ウエストゲートパーク』の放送が終了したので、ドラマ版との違いに焦点を当てて振り返ってみる。
言うまでもないが、この作品は、石田衣良の小説『池袋ウエストゲートパーク』シリーズを原作としている。
2000年のドラマ版は、オリジナルのエピソードを含み、全体のストーリー構成や、キャラクターの造形が大きく変わっている。
中でも、窪塚洋介さんが演じた、Gボーイズのキングこと、安藤崇のキャラクターは、全く違ったものとなった。
これについて、堤幸彦監督がキングのキャラクターを「壊した」とする見解もあったが、アニメ版の放送に際して行われた窪塚さんとアニメ版キングの声優、内山昂輝さんの対談を読むと、それは全く間違いで、堤監督は原作のイメージで考えていたところ、窪塚さんのほうがあのようなキャラクターを提案したという。
これに対して、アニメ版は、小説にわりと忠実な登場人物で、キャラクターの造形も原作と大きく変えることはなかった。
作画については、2020年の池袋の街を、忠実に模写していたと思う。ただ、原作は地名や店名などの固有名詞を多用して池袋を描写し、ドラマは池袋の周辺でのロケによって池袋の街そのものを映像に残したのに対して、アニメ版では固有名詞を直接出さなかったのには違和感を覚えた。「ロサ会館」が「ロザ会館」になっていたのには、「そこまでしなくても」と感じた。
ドラマ終了後も、原作の連載が続いていたこともあって、アニメ版では、ドラマ版とは別の、原作後期の作品を映像化している。
ただし、最終エピソードを除いて、である。
アニメ版はラスト2回にわたって、原作初期の作品『サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)』を取り上げた。
このエピソードは、ドラマ版でも後半で取り上げたエピソードである(主に第10話、11話であるが一部についてはもうすこし前から使われている)。
アニメ版で取り上げたエピソードとしては、一番古いので、時系列的におかしなことになっている。簡単に言うと、原作とドラマでは、Gボーイズの縄張りだった池袋に、尾崎京一が現れ、レッドエンジェルス/ブラックエンジェルスを結成したのをきっかけに、抗争が始まったといというという流れなのだが、アニメではすでに、レッドエンジェルスや尾崎京一はすでに登場しているのだ。
そのため、アニメ版はストーリー展開は原作をなぞってきたのだが、『サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)』については、Gボーイズとレッドエンジェルスの抗争を扱う以外はほとんどオリジナルの展開になっている。キングが抗争で重傷を負った男の子の妹に刺されるのは原作・ドラマ・アニメ共通なのだが、アニメではキングが銃で撃たれるところから始まり、傷が癒えぬまま京一と対決するという流れだったので、そこでさらに刺されるのは強引だったかなと思う。
それでもこのエピソードを最後に持ってきたのは、ドラマ版へのリスペクトではないだろうか。
すでにバラされているから書くが、最後に窪塚洋介さんがが登場したことからして。

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