ようやく、『SICK’S 恕乃抄』のノベライズを読み終わった。
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そこで、気になったこと、気がついたことを挙げておく。
小説としてどうかということについては、触れない。
まず一つ、映像版で散々文句を言っていたことだが、御厨のSPECがどういうものなのかよく分からないということについては、当然文章で表現することもあって、「空気を操る」ということがはっきり書かれている。
次に、高座がトクムに来るきっかけとなった、犬神健一殺人事件については、誰が実行したのかはっきりと書かれている。
それと、改めて確認しておきたいのが、ドラマにも出てきたが、冒頭の自衛隊特殊工作班が見ていた特殊能力者のリストに「危険度」の項目があり、それによってSPECホルダーのランク分けがされているということ。玉森敏子がS、ニノマエイトがSSにランクされている。逆に、SSはニノマエイトしかいないということが、ノベライズで分かる。
また、ラストでインナープラネッツの大島優一が言う「特AのSPEC」という台詞は、このランク分けに該当しているのではないかと思われる。
また、御厨のSPECが発動した時期についても記載がある。
メイキングで現場で付け足されたと思われる表現も、ノベライズに反映されているようなので、映像を確認してノベライズ化していると思われるが、一箇所違うところがある。
それは、御厨が注射を打たれた時期であり、映像では「一ヶ月前」であるのに対して、ノベライズでは「三ヶ月前」となっている。
あと、どうでもいいことだが、首相の執務室は「国会議事堂の南西に位置する、首相官邸の執務室」と書かれている。国会議事堂の映像はドラマで使えるが、首相官邸の映像は使えないと言うのは、なにかの決まりごとなのだろうか。