『SICK’S』は内閣情報調査室特務事項専従係(通称:トクム)
『SPEC』は警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係(通称:未詳)
『ケイゾク』は警視庁捜査一課弐係(通称:ケイゾク)
をそれぞれ、舞台としているのだが、トクムは、未詳・ケイゾクとは決定的な違いがある。
警察組織に詳しい人なら、なんのことか分かるかもしれないが、分かりやすく解説したい。
【トクムは国の組織、未詳・ケイゾクは東京都の組織】
もっとも最大の違いはここだろう。
トクムは、内閣の下に置かれている、国の組織。
未詳とケイゾクは、警視庁に置かれている。警視庁は東京都の警察、つまり、東京都の組織である。
別の会社みたいなものである(細かいことを言うとちょっと違うのだが、話がややこしくなるのでぶっちゃけた)。
高座が、警視庁を退職して(「クビ」という表現がされていたり、設定のブレがあるようだが)、トクムに入ったという設定も、そういうところから来ているのだろう。
【警視庁の縄張りは東京都内だけ】
上にも書いたように、警視庁は東京都の警察なので、基本的に東京都で起こった事件しか扱わない。だから、厄神島(『ケイゾク/映画』の舞台)の事件だろうが、パーフェクト・スーサイド(『SPEC』丁の回)だろうが、東京都で起こったということなのだろう。
これに対して、内閣情報調査室は、全国どころか、国外をも対象にしている機関なので、某国大使館、なんてところもターゲットに入ってくるわけである。
公式サイトにも、「物語の舞台は前シリーズ 『SPEC』 の 『未詳 (ミショウ)』があった警視庁から国家機関である 『特務 (トクム)』 に移ることになり、スペックホルダーを巡る争いは日本を始めとする国家間の争いや宗教団体、自衛隊まで巻き込む権力闘争に発展する」という記載があり、このことは設定上意識されているのが分かる。
【内閣情報調査室は情報機関、未詳・ケイゾクは警察】
「未詳・ケイゾクは警察」とは、当たり前のことを書いているようだが、ここで言う「警察」とは、強制力を持って秩序の維持を行う作用のことで、警視庁の職員全てが「警察」というわけではないし、警察と名のつく組織のみが「警察」とは限らない。ややこしいので詳しくは書かない。
未詳・ケイゾクの面々が、「警察」として何をやっていたかというと、捜査・逮捕権を行使していたし、合法的に武器を所持していた。
一方、内閣情報調査室は、国内外の情報の収集や分析を行う機関で、「警察」の権限は与えられていない。したがって、武器を所持していないことになっているはずである。
したがって、野々村光次郎が高座に拳銃を持たせたり、御厨が拳銃を使用したりしたのは、本来だったらありえない前提、ということを念頭に置いて見なければならない。
【内閣情報調査室の職員は国家公務員、警察官は地方公務員】
国の組織の職員は国家公務員であり、東京都をはじめとする自治体の職員である地方公務員である。
待遇面でも違いがある。大きな違いが、一般職の国家公務員には労働基準法の適用がなく(国家公務員法附則第16条)労働基準監督機関の職権は及ばないが、一般職の地方公務員には、一部を除いて労働基準法の適用がある(地公法第58条第3項から第5項)(ただし、労働基準監督機関の職権は、自治体の人事委員会が行い、労働基準監督署は行わない)ことである。
【内閣情報調査室は永田町、警視庁は霞ヶ関】
内閣情報調査室の入っている内閣府の建物は、東京都千代田区永田町に、警視庁は、東京都千代田区霞が関にある。歩くと10分以上かかり、ちょっと距離感がある。『SICK’S』の設定上どうなっているのかは分からない。
さて、分かりやすくするために、あえて説明しなかった点や、正確に言うと違う点があるのは、警察組織に詳しい方ならお分かりだろう。その点も含めて、改めて書きたい。
今更ですが、SPECの青池さんや宮野たちは“トクム”でしたよね。そして銃を持っていた…
G さん
私も前々から青池や宮野が内閣情報調査室(notトクム)に所属していて、にも関わらず拳銃を所持しているのは気になっていたのですね。
4年前ですね。
【SPEC】青池里子と宮野珠紀が拳銃を使用していた件
http://keizoku.cocolog-nifty.com/spec/2014/06/specspec-d0f6.html
>ところで、もし、CIROに属する人物を主人公にするのであれば
なんて書いてありますけど、その頃すでに『SICK’S』(当時のタイトルは『ホリック』)の構想を知っていたわけですね。この辺のツッコミはスルーされてしまったようですがw
Gです。
さっそくお返事ありがとうございます。(※notトクムでしたね。失礼しました…笑)
四年前の記事、先ほど拝見しました!当時はこちらのブログを読んでいなくて気がつきませんでしたが、まるでSICK’Sの予言ですね…
わたしはSPECスタート者で、SICK’S追いつつとケイゾクを見ているのでまだまだケイゾクとSICK’Sの関連探しは「継続」中ですが、笑
今後もブログ読ませていただきます。楽しみにしております。
4年前の記事を書いた時すでに、『劇場版SPEC〜結〜爻ノ篇』のBlu-rayの隠しコンテンツに、『ケイゾクサーガ第三章 ホリック 内閣情報調査室特務事項専従班事件簿』の嘘予告が収録されていたのでした。