【ケイゾク】第十一話 「また指紋が変わってる」とは何だったのか【勝手に補完】

『ケイゾク』について、映像で説明されていない視点で、あるいは勝手に補完をして見ようと思う。
今回は、最終話『死の味のキス』についてである。


朝倉が早乙女に顔を変えて警視庁に潜り込む、というところは、それが何話の時点におけることなのか、という点で検証の余地がある。
今回解釈したいのは、エンドロールの後に野々村が「また指紋が変わってる」と言った件についてである。
この回のエンドロールは、キャストのオールアップ画像や、スタッフの写真で構成されているので、「物語」が終わった後の、物語の外の世界という風に考えることもできる。しかし、あえてドラマのなかの出来事としてとらえることとする。
そしてそれを検証するために、早乙女の動きを逆にたどってみる。
・死体となって霊安室に安置される。指紋が朝倉の指紋から変わる。
・多摩川河川敷で真山と対決して殺される。真山は早乙女の眼を見て「朝倉は、お前だな」と言う(このとき、真山は第10話で朝倉と対決した時と同じ、赤い月や赤い羊の幻覚を見る)。柴田が現れたとき、左手に傷跡
・SWEEPからの真山発見の連絡を受ける。
・斑目に柴田を処分するように言い、左手を自傷
・弐係で柿ピーの瓶に指紋を残す。このときの指紋が朝倉の指紋と一致する。
さて、「朝倉の指紋を持った早乙女」が「別人の指紋を持った早乙女」に入れ替わるとすると、柿ピーの瓶に指紋を残した直後に、入れ替わったということになってしまう。
そうなると、多摩川河川敷で真山が早乙女を見たときに、幻覚を見たのはどういうことだとなってしまう。それが第10話の朝倉と同一人物だとすると、ややこしくなってくる。
・本物の朝倉→顔を変えて早乙女に成り済ましている。柿ピーの瓶に指紋を残した直後に失踪。
・第10話の朝倉→本物の朝倉が柿ピーの瓶に指紋を残した直後に早乙女の顔になり入れ替わり、殺される。この朝倉には幻覚を見せる能力がある。
・最終話の朝倉→三年前に朝倉の顔に変えられ、最終話で突如真山の前に姿をあらわし、殺される。
自分で書いていても意味が分からなくなってきた。
もう一つは、特別篇のところで書いたように、朝倉が警視庁の指紋データを書き換えているとするならば、真山が採取した中学生時代の朝倉の指紋を別人の指紋に、警視庁入庁時の早乙女の指紋を現在の朝倉の指紋に書き換えておけば、早乙女成り済ましがばれることはなかったはずだ。
それをしなかったとして、最後に殺されたのが本物の朝倉だったとしたら、殺されるタイミングで、警視庁の指紋データに入れ替えておき、本人は死んだが、生きていると思わせるという風にも考えられる。いわゆる「特別篇以降の朝倉はシーズン壱の間の仕込みである」説である。
朝倉というのが単なる人間ではなくて、「悪意」の象徴みたいな存在であることが明らかになった瞬間、と言えるだろうか。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です