【ケイゾク】第五話 結末を知っていてもあえてやる【勝手に補完】

『ケイゾク』について、映像で説明されていない視点で、あるいは勝手に補完をして見ようと思う。
今回は、第五話『未来が見える男』についてである。


この回は、耳を疑う「チンコ」のインパクトである。しかし、『ケイゾク』の要素である、強引なトリック、柴田と真山の掛け合い、朝倉事件という3つが展開し始める回である。
この回のトリックは、証拠のビデオテープが事前に撮影された映像と繋ぎ合わせることによって作られたインチキだったことに起因し、またそれによって暴かれる。
このとき、鷺沼が事前に撮ってあった映像と、TVスタッフの前田がデジカムを台の上に置いた映像では、カメラを置いた場所、カメラの向き、そしてズームが一致している。
もちろんそうでないと、繋いだところで画像の角度が変わったりしてしまって、編集したことが一発でばれてしまうわけだが、偶然でこのような一致が生じることはまず考えられない。
そうなると、可能性は二つしかない。
一つは、鷺沼が前田に指示して、デジカムをあの場所に、あの角度で置き、ズームを特定の位置に設定するようにしたというものである。
これは、皆さん思いつくだろう。前田が鷺沼から殺人を行うことを聞かされていなかったとしたら、何も疑問に思わなかったのだろうか。「やらせばれたらクビ」と言って真山の事情聴取から逃亡したが、クビになっちゃうね。御愁傷様。
こんな話ではつまらないので、もう一つの可能性。
以前に見つめ直したとおり、犯人鷺沼が本物の霊能力者だとする。
そうだとすると、鷺沼は事前に、ビデオカメラに細工をして青井を殺害する自分の姿を見たのではないだろうか。そして、自分の未来予知を実現するために、未来予知で見た通りの場所にデジカムを設置し、自分が倒れている映像を設置した。
もしそうだとしたら、鷺沼は自分が逮捕されている未来も予知していたのかもしれない。結末を知っていたとしても、犯罪を実行してしまったのは、自分の存在理由が、未来予知であるから、「未来を変える」ことが鷺沼には許せなかったのだろう。
超能力者とは、実に切ない。
真山と柴田の関係も進展している。
真山は、柴田の推理に沿って、独自の捜査を進める。そして柴田への信頼の象徴が、謎解きの場面で言った、
「責任取って、辞めればいいすか」
という言葉だろう。
これ以降、柴田と真山の「お芝居」で謎解きが進むわけだが、芝居を見せられる早乙女たちは、このあとの展開からは考えられないようなコメディリリーフ状態である。
そして、以前にも書いたように、この回においては、終盤、裏ケイゾクが表ケイゾクを浸食しているのである。同じように裏ケイゾクが表ケイゾクを浸食している回としては、第2回が決定的な回としてあげられる。これは改めて書きたい。

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