SPEC 〜天〜の謎(ネタバレ)

劇場版『SPEC〜天〜』の公開からそろそろ1ヶ月経つので、そろそろ『天』のネタバレ記事を立ててもいいだろう。『天』の謎について検証するとして、そもそも『結』ありきで『天』のなかで完結していない謎があるのも、困ったものだ。


・『翔』『天』におけるにのまえは、何者だったのか。
これについてはコメント欄に少し書いたが、改めて整理する。
『翔』においては、にのまえは死亡していて、当麻紗綾がSPECを使って召還したとされていた。
しかし、『天』において当麻の前に現れたにのまえは、最初、時間の流れを遅くして死んだように見せかけて、仲間を呼んで脱出した。そして連ドラ最終回や『翔』で死者のふりをして当麻に協力した、と説明した。ところが、実際には死んだにのまえ(当麻陽太)のDNAを使って作られたクローンだと、当麻によって明かされる。
『天』における最初のにのまえの説明は、にのまえ自身も否定するので、嘘の説明だというのが分かる。そうだとすると、やはり『翔』のにのまえは当麻が召還した死者だったということになるだろう。登場の仕方が他の死者と違うが、それは、姉弟という強い絆で結ばれているということで。また、当麻が久遠望に攻撃されて冷泉やサトリといった召還された死者が消えて行くのと一緒に消えて行ったのも死者であったからというふうに説明がつく。
『天』のにのまえがクローンだとして、よく分からないのが、まず1つは、にのまえのDNAをどうやって奪ったかということだ。『翔』の久遠望がDNAを取り込んだあと、また別の何者かに奪われたということか。つぎに、時間の流れを加速させて成長したというのだが、誰が時間の流れを加速させたのかというのが謎だ。赤ん坊のにのまえ自身が繭の中で時間の流れを加速させたというのか。最後に、当麻自身が「あなたを作った奴らが本当の敵」と言っているように、にのまえのクローンを作ったのが誰なのかというのが最大の謎だろう。
・最後ににのまえを倒した方法について
いくつか疑問がある。
当麻がキャリーバッグを空中に投げて、それを伊藤淳史が破壊するが、その前に馬鹿猪が毒ガス攻撃を行った時は、伊藤淳史の攻撃で毒ガス発生装置が破壊されてしまった。当麻の時は、キャリーバッグに組み込まれた発電装置の動作に支障がなかったのは何故か。
帯電した釘が、当麻の前で止まる。これは、ワイヤーがつけられているからだと説明されているが、釘の大部分がにのまえに向かって行くのはどういう仕掛けなのか。また瀬文も釘を受けたのは何故なのか。
にのまえが毒ガス攻撃のとき「同じ手口は通用しない」と言っているように、「電気ビリビリ」も連ドラ第2話で実行済みの手口なのだが。クローンなので過去の攻撃については知識として与えられているのだろうが、電気ビリビリについては伝授されていなかったということか。
・津田助広宗家について
「誰もが津田助広を狙うだろう。だからあの津田は殺されても代わりにこの津田がいるってシステムだ。だからこそ、公安零課は世界最強の組織たりうる」という台詞の通り、今までの説明では津田システムは「本物」がいないというのが建前だった。ところが、市柳に化けていた「津田助広」は第24代宗家、を名乗り、今までの津田が自分の部下だったように述べている。これは連ドラの時の説明と矛盾するのではないか。
・宮野珠紀について
野々村係長が奪ったシンプルプランのパーツの一つ「ゴエティア」が入ったmicroSDカードの内容を書き換えるが、何を意図しているのか。そして、野々村係長は、それに気づいているふしがある。
・当麻のラストカット
左手で右手をつかんでいるカットで終わっている。ちなみにプログラムには逆の、右手で左手をつかむカットが写っている。瀬文が、「お前が、スペックホルダーの道を歩もうが、凡人として生きようが、お前はお前だ」と言ったが、あのシーンは、当麻がスペックホルダーの道を歩もうとしていることを示唆しているのだろうか。
・青池潤について
青池里子の子で、里子が瀬文とつき合っている頃の娘だというが、瀬文とも里子とも血液型が違うという。聖母マリアか。
「この娘の周りでは不思議なことが起こる」「SPECがある」と言うが、具体的にどういうことか。瀬文にかき氷を差し出していたが、シッター境(カルーセル麻紀さん)が買い与えたものでないことから、潤のSPECは「欲しいものを生み出すSPEC」なのかもしれない。
最後に白い服の男と一緒にいたのは何故か。
・白い服の男について
おそらく、過去に植田Pが言及した、最強のSPECを持つ声を聞けば分かるノークレジットの大物俳優のことと見て良いだろう。実際、手を振るだけで、にのまえのクローン達を消してしまった。
実際のところ、『結』ありきのキャラクター。セリフでは、「時の修正力」や「時の流れは逆戻りできない」「ソロモンの鍵」といった言葉が文字通り鍵になりそうだ。
・ファティマ第三の予言とは何だったのか
冒頭で散々煽っておいて、出し惜しみするというのは『結』ありきとしか思えない。

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30件のコメント

  1. クローンニノマエに関しては情報がざっくりしてて、やっぱり作ったの誰?ってなりますね

    攻撃された発電装置は、ニノマエが言ったとおり「罠」なので攻撃される前提で作ったんじゃないかと

    津田については、宗家が出てきた時点でそのシステムが限界だってこと。完璧な組織じゃなかった。
    何より津田さん自爆しちゃったし…
    実はまだいるというのは無理があるか

    宮野は実はスペックホルダーでは
    シンプルプランを阻止するための行動?
    そしてなぜ野々村がゴエティアを持っていることを知ってるのか

  2. 潤と白服について考えてみました

    まず、白服のSPECは彼の言葉からほぼ確実に「時を戻す」SPECではないかと
    ニノマエが黒ずくめであるのと対比していることは、「何倍もの速さで時を進める」能力との対比を表していると解釈
    潤については、同じく「物を生み出す」SPECだと思います
    そして、この二人はなにをし(ようとし)ているのか、おそらく「二人にとって最良の世界の実現」もしくは「人類にとって~」だと推測しました
    これは主に零の情報から推測したもので、
    零の中で白服は「せっかくファティマでご丁寧に教えてあげたのに………またリセットするか」
    潤は「この泡(コスモ)には珍しくこだわるね」と
    つまりコスモ=世界とすればこの二人は時を戻して何度も世界をやり直しているのではないか
    やり直してはファティマで世界に起こってしまったことを予言として啓示し、人類がどうしていくのかを見ている。「どうしようもなければまたリセットする」と言ったため、どうしようもなくなければリセットせず、その果てで必要なものだけを潤に作ってもらう
    という具合ではないでしょうか

    ちなみに、漫画では出てこない白い服の女がノベルでは出てきます(この女は男と同等以上の存在だということくらいしかわかりません。)
    「ソロモンの鍵なくしては時を逆戻りできない」つまり「時を逆戻りするためにソロモンの鍵が必要」ということ。
    「ソロモンの鍵」とはそもそも降霊術を記した魔術書で、「ソロモンの大きな鍵」と「ソロモンの小さな鍵」とがあるらしいです
    これらのことから白服男と潤、もしくは白服の男と女が大きな鍵と小さな鍵で、死に霊となった人たちを現世に呼ぶ=死ぬ以前に時を戻す存在である
    といっているのだと解釈しました。

  3. 津田システムですが、24代宗家と言っていたので、あらたに25代宗家が零課の中から選び出されるというオチなのかもしれませんよ(w

    野々村係長、というか柴田はシンプルプラン(=スペックホルダー皆殺し計画)を阻止する立場で動いているので、野々村の計画を阻止する立場で動いているというのは、宮野はシンプルプランの側で動いているのかな、とも思ったり。

    世界を泡に例えているのは、多元的宇宙論なんでしょう。シャボン液からでるシャボン玉のように、並行して世界は生まれては消えていく。

    なんだかまとまらなくてすいません。

  4. 確かに宮野はどちら側にもなりうるんですね
    てかそもそもシンプルプランって具体的にどんな計画なんですかね。柴田が阻止しようとしてるってことは理想論じゃなく実現できちゃうことで…
    ファティマ第三の予言の真相は多分スペックホルダー対シンプルプランによる戦争みたいなことだと思うんですが、スペックホルダーを全滅させられる計画ってよくよく考えるとすごくないっすか

  5. そういえば自分で書き込んで気づいたんですが、
    ソロモンの鍵は元々降霊術、つまり霊を呼び寄せる魔術(それだけではないが)を記した書物。
    死んだ人間を呼ぶって時を戻すというよりシンプルに当麻のSPECという考え方あるな、と
    つまりソロモンの鍵=当麻(の左手)?これはありかな?

  6. シンプルプランのパーツの一つ「ゴエティア」を指してソロモンの鍵と呼ぶこともあるという話もあるし、ウィキペディアあたりをうろうろしていたら訳分からなくなりそうです。

  7. やっぱりシンプルプランは情報がめちゃ少なくてわかりづらいですね…

    それと、潤についてなんですが
    上に書いた通りだとすると潤の誕生に疑問が生まれますね
    二人が世界を繰り返しているとすれば世界からかけ離れているはずの潤はどうやって里子の腹から出てきた?っていう
    まあ何らかの能力が関係してることは確実なんですがそれが潤のものであることもあるので、「ものを生み出す」SPECである可能性はそこまで高くないのかもしれません。

  8. いつもありがとうございます。
    私の解釈は上に書いた通り多元的宇宙論で、潤が「この泡(コスモ)」と言ったのと別の宇宙が存在して、別の瀬文、別の当麻、そして別の潤がいるというものなので、別の宇宙では別の里子が潤を生むのでしょう。
    時を戻しているという解釈だとすると、時間を戻すとまた潤が生まれるというのはどうでしょうか。

  9. こちらこそありがとうございます

    いずれにせよ別々の世界で共通する潤はいないので、白服と行動を共にしていること自体わからなくなってしまうと思うんです
    ただまあ、そもそも里子とも瀬文とも繋がりがないってんで出生自体謎で、結局どうやって生まれたかってとこに戻っちゃうんですよね
    もしかしたらノベルにある表現に何か伏線があるかもしれないから読み込んでみようかと思ったり、、

    SPECを掘り下げていくと本当にあと「結」だけで終れるのか心配になってきます(笑

  10. 大丈夫です。
    多分『ケイゾク』のように全ての謎は解明されずに終わりますから(w

  11. はじめまして。いつも読ませていただいていましたが、昨日改めて天を見ていて気付いたことを。
    里子の家から瀬文が帰るシーンで”2人”の子どもがシャボン玉を飛ばしているところで、
    ファティマの予言を受けた3人の子どもが潤とその2人なのでは・・・なんて思ってしまいました。
    考えすぎですかね?

  12. 上記名無しです
    わかりづらいので名前付けました

    すみません
    図々しいと思われるかもしれませんが横から口出しします
    まず、潤はあくまでも里子の子供という事実があること。ファティマの予言があったとされるのは1917年。
    里子の子である事実が何らかの方法で偽造されたものだったとして、潤並びに二人の子供はなぜファティマにいたのか。どう見てもポルトガル人には見えない。
    以上の点から少し無理のある意見ではないか、と

  13. たまごさん、フォローありがとうございます。
    昨日それを書こうとしていたのですが、完全に忘れちゃってました。

  14. 潤は、赤の剣です。
    赤=暑い
    なので、かき氷を食べていた
    ってことです。
    あの予言に出てきましたよね?
    赤の剣!!
    SPECは謎だらけですねー

  15. ニノマエのDNAは連ドラにて、当麻が再びニノマエ宅を訪れた際、歯ブラシを回収。 その後、馬鹿猪が歯ブラシの鑑定(?)中に、捜査一課のブレーカーが当麻のせいで落ち、
    馬鹿猪のパソコンがクラッシュ!  再度起ち上げた時には、鑑定データが何者かによって盗まれていた。
    この時に盗んだデータを使ってクローンを作りだしたんではないか。。。 と勝手に考えています。
    SPECの謎を考えていると、高まるぅ~

  16. そうだとすると、DNAを盗んだ犯人は当麻!?

  17. はじめまして。先日レンタルにて鑑賞しました。伏線回収「結」でしっかり頼むよー。と、思いながらも楽しめました。
    僕の見解では、左の炎の剣は当麻の左手→specを呼び出し武器にする。マリアの右手がその炎の剣を消す→specを消す。
    最後のカットで当間の右手が光っていたのはそれかと。
    ちょっと無理がありますかね(汗

  18. 白い服の男は本当のトウマヨウタだと思うなー。
    連ドラのニノマエは津田(城田優)のspecで記憶植え込みのクローンで、翔のニノマエは天でのニノマエで説明で間違いないと思う。普通に時間停止のspecを使い続けていれば、あの年齢は不自然だと思うし、潤のことはわからん。

  19. やっとDVDみましたー。
    私は、マリアは柴田さんかと。根拠は右手です。野々村さんがナッツの缶から手に入れてたシンプルプランのパーツを雅ちゃんの次の写真(顔見えず。確か柴田さんという暗示がドラマであったような)の、あからさまに右手にはっています。炎の剣を消すとはシンプルプランの発動を意味し、スペックホルダーの脳の覚醒を消してしまうようなものではないかと。警察がかかわっているようなので、偉くなった柴田さんがマリアだとしっくりくるような。

  20. にのまえは、自分の時間だけ進め、周りの時間を止めて成長したんです

  21. あの一十一(ニノマエジュウイチ)正体ってあのクローンですか?でも、翔のときは、死んだはずのニノマエは生きていたんでしょうか?当麻の左手を召喚してないんでしょうか?ニノマエは、姉ちゃんのためにスカウトしてきたよ、って言いましたが。それって本当にクローンだったのでしょうか?「結」はどうなるんでしょか?

  22. 結クローズ漸と爻を見てきました。当麻、死んでいましたね、瀬文は逮捕しましたね。ていうか、「天」の時は、てめぇは陽太じゃねぇだろって言いましたけど、「結」の時は陽太の名前の設定になっていましたよね、何故でしょうか???

  23. またもや今更すみません(笑)

    クローンニノマエを倒すシーンですが、キャリーバックは発電機に改造されていたのではなく、伊藤のツキヌキの衝撃を受けてワイヤー付きの釘を四方八方にばらまく爆発が起きるように改造されていたのではないでしょうか。
    同時に発砲することで、ニノマエは必ず時を止めます、というかニノマエだけ時間が速くなります。
    そうすると毒が速く回ったように、電気にもビリビリしやすくなるので、釘に触れたことで発生した静電気がニノマエに対してのみ致命的な威力を発揮したのだと思います。
    ほかのメンツにもCGがビリビリしているのに、全く効いていない描写があったためです。

    ということでまず電気による攻撃だということが想定外だったので、伝授云々関係なく当麻にやられてしまったのだと思います。
    まぁ、伊藤は何にやられたんだって話ですけどね(笑)爆発ですかね(笑)

  24. いくら時間を早くしてるからって、静電気の電力で死なないでしょ。
    伊藤くんも瀬文も電気効いてて、かろうじて助かったって描写じゃないですかね。

  25. 翔のニノマエは当麻が召喚したものではないですよ。
    これは天劇中内でクローンニノマエが語ってます。

  26. 上の方
    もはや記憶が曖昧ですが、クローンニノマエが語ったことと実際に起こったことがイコールではないと思うのですが。

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