【家族八景】第8話 亡母渇仰

MBS&TBSの筒井康隆原作、堤幸彦監督、木南晴夏主演のドラマ『家族八景』。第8話は『亡母渇仰』。小説では最終話だ。ゲストは東風万智子(清水幸江)、黄川田将也(幸江の夫、信太郎)、佐藤二朗(信太郎の叔父、茂蔵=原作では重蔵)。脚本も手がけた佐藤二朗が今回は脚本ではなく俳優として出演する。


公式サイトの「現場八景」3月7日によると、今回のロケ地は山梨県、根津記念館で、映画「SPEC〜天〜」にも使われたらしい。
・今で言う「マザコン」をこの時代に表現した筒井御大は凄いと言わざるを得ない。
・今回は、心を読むとひげが生える。
・葬儀の現場、喪主でありながら子どものように取り乱して泣く信太郎。
・幸江の心の声「この人、一生お母さんの呪縛から抜け出せないんじゃないかしら」罵倒され、憎まれた看病の記憶。恒子「あー、うちの中に、人殺しがいるよー」
・七瀬は、誰のものか分からないうめき声のような心の声を聞く
・七瀬の回想。信太郎「やっぱり、ママには僕が必要なんだよね」死に逝く人の声はもう聴きたくない七瀬。
・幸江の心の声「何でこの人と結婚しちゃったんだろう…冷静に考えれば気づいたはず、いえ、違うわ。私は騙されたのよ」七瀬の心の声「騙されたいって思いたいのね。でも、恨むなら、見抜けなかった自分を恨むべきだわ…私、何様のつもりなの」
・自分が怖い七瀬。神にでもなったつもりなのか?
・原作にない、七瀬の3年前が語られる。パート先のおばさん2人を完全に掌握していた。ウインナーの売り子をしていた七瀬。客の心を読む事で売り上げを伸ばしていた。自分の能力を晒したい欲望にかられていた。人を支配できるという欲望。
・現在、傍観者でなくてはならないと思う七瀬。
・茂蔵の心の声「良い尻だ。色も白い。肌もきれいだ。抱き心地も良さそうだ…」
・茂蔵「君は…家政婦だったね。」
・七瀬「はい」
・茂蔵「名前は?」
・七瀬「失礼しました。火田七瀬と申します」
・茂蔵「火田?」
・七瀬「はい。燃える火の田んぼの田で火田です」
・茂蔵「珍しいねえ。ひだじゃないの?」
・茂蔵「うちに来なさい」
・七瀬「あの、辞めるんです。家政婦を」
・茂蔵「辞めたって、行くあてがないだろう「
・七瀬「ないこともないので」
原作では「結婚するんです」と言うのだが。
・茂蔵の心の声「いずれは金で、愛人に」
・幸江が来てその場は収まる。一緒に火葬場まで来るように七瀬に依頼する幸江。
・出棺のとき、「幸江」という何者かの心の声を聞く七瀬。信太郎は取り乱して「このたびは…御愁傷様でした」と挨拶。
・火葬場(初の家外ロケ?)暗闇の中の何かを見る七瀬。
・棺の中から心の声が聞こえてくる。「幸江。私を生きたままこんなところへ」棺の中で恒子が息を吹き返した。
・どうするか迷う七瀬。言うと自分の能力がばれる。自分には関係ないと思おうとする七瀬。「自分のみを守るために、一人の人間を見殺しにするの?」
・走って外へ出て行く七瀬。焼かれていく恒子のイメージ。そして悲鳴を上げる七瀬。その声は無音の演出。
今回、オリジナルのエピソードもあって超能力者の苦悩がよく出ていたと思う。次回は「芝生は緑~市川家編~」。原作では「芝生は緑」は1つの話なのだが、市川家と高木家の2つの家に七瀬が行くエピソドで、市川家編と高木家編の2つの話に分けたというわけだ。ゲストは、西村和彦、星野真里、大河内浩、野波麻帆。

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