「SPEC」最終回の謎について、重複はあるが再度書き出しておく。
出典がある部分を除いては、全部ネット上の予想などもかき集めた上での私のつたない予想です。あしからず。
他にも何かあったら、コメントでもお願いします。
【地居を最後倒したのは誰か?】
・「SPEC magazine」の植田プロデューサーのインタビューによると、3つぐらいの説が考えられるという。ひとつは当麻がSPECを使った説、もうひとつがにのまえが生きていた説、最後に津田プラス津田と組んでいるSPEC HOLDER説というのだ(これに加えて地居を取り巻いていたSPEC HOLDERが裏切ったというのをインタビュアーが言及しているがこれはなさそうだ)。これについて、植田プロデューサーは「いちおうね、ボクの見解はあります。ただ、大変申し訳ないんですが、今はみなさん勝手に考えて議論して楽しんでくださいとしか言えません。その理由も実はありますので……」ということ。
・地居は死ぬ直前、「にのまえ…チクショー!出てこい…」と言ったあと目線を変えて、「…にのまえじゃない?じゃ、誰だ?誰の仕業だ?」といっているので、この間にタイムストップで誰かと話しているように見える。小説版「SPEC III」によると、何かの声を聞いているようだ。
・志村が撃たれた時と同じように、地居の銃の照準の前を人影が横切っている。人影は水色の服を着ている。
・最後のカットの当麻の表情から、何かを察しているように見える(このシーンは3パターン撮ったとのこと)。
・当麻のSPEC発動説だと、弾を撃ったあとと地居が撃たれる時点で当麻のポーズが変わっていないことや、地居の前を横切った人影の説明がつかない。
・にのまえ生存説は、「一十一」ならぬ「当麻陽太」が姉の危機に駆けつけたというものだ。最後のカットの当麻の表情が、陽太と会話したあとだと考えるとつじつまの合う表情である。ただし、地居が「にのまえじゃない?」と言った台詞の解釈が難しいのと、にのまえが「死んだ振り」をして鉄格子の病室から解放されるかという二つの問題がクリアされなければならない。
・津田説は、「SPEC magazine」のインタビューで植田Pがインタビュアーに対して提示している唯一の説なので、「植田説」かどうかはともかく、有力説である。地居を守っていたSPEC HOLDERも、津田たちが倒したということで説明がつくし、最後津田が消えたのも津田ないしは津田と組んでいるSPEC HOLDERによって移動したという風に説明できる。しかし、この場合、にのまえが「この能力は僕だけのはずだ」と言っていたように、非常にまれな能力である時間の流れをコントロールするSPECの持ち主を、(前回にのまえに全滅近くに追い込まれた)公安零課が探し出していたということになる。それに関連して、餃子屋台の津田がにのまえだという解釈もあるようだ。
・いずれにせよ、瀬文や当麻にSPECが発動するというのは、制作者の考えではなしということのようだ。
・ちなみに、発射音からすると地居は14発、そして当麻が1発の弾を発射しているが、弾着音は17回聞こえている。あと2発の弾を撃ったのは誰?という謎もある。
【地居が老人に「津田君」と呼ばれ、最後の戦いで「僕の名前は津田助広です」と名乗ったのは】
・「SPEC magazine電子版」の植田プロデューサーのインタビューに解説があって、「実は津田って、津田ABCDって何人かいるんですよ。一時、地居もそのうちの一人だったんですね。ところが地居はSPEC HOLDERになった。それで“キミは津田の顔を捨てて、地居として生きていっていいよ”ってことで、もう一度戻されたワケです」とある。
・また、「公安のトップの権力者である津田助広というドメインを襲名し、SPEC HOLDERと公安、つまりこれは実際の政府ですよね。その実際の政府の両方を統一したいというのが地居くんの考え方なんです」とのこと。
・この説明だと苦しいのは、公安零課は、SPEC HOLDERを抹殺して来たように、にのまえの口から語られており、わざわざSPEC HOLDERを野放しにするようなことは考えられない。つまり、地居(元津田)がそのまま公安零課のスタッフになっていたという不自然な展開だと考えられるのだ。
・一方で、東野幸治郎のように、公安零課にいるSPEC HOLDERもいるわけだから、公安に取って使いようのあるSPEC HOLDERは、使えるうちは使うというのが零課なのではないかと思う。東野も冷泉も、最後はあっさり殺されてしまったし。
【地居が老人を射殺する場面】
・地居が津田に変貌したのは、地居=元津田というのを分かるようにするための演出ではないかと思う。
・ブブセラの二人が出現しているのが謎だが、ブブセラはサブコードの側で動いていたことから、老人(石橋蓮司)を逃がすために転送させたのではないか。銃声が鳴ったシーンで、老人の背後の壁が映るが、返り血が飛んでいない(ただし小説版では射殺している)。
【にのまえは本当に死んだのか?】
・地居がにのまえの病室を訪れた時、にのまえが目覚め、時間を止める時のような指の動きをし、ここで一瞬コマが飛ぶ。そして心電図の数値が異常を示す。この間に何か仕掛けた?
・しかし、霊安室に置かれているということは、医師が正式に死亡を確認しているはずではある。また死体に施される処置を回避するのが難しい。
・霊安室のにのまえをみて、野々村が何かに驚く。
・エンディングで当麻がめくっていた紙で「一 十一」が赤と黒に点滅していたのは、地居の作り上げた犯罪者「一 十一」という人格は死んだが、「当麻陽太」は生きているということを示しているのではないか。
【教会を取り囲んでいたSPEC HOLDERは?なぜ突然姿を消したのか?】
・CGで足された変な黒い影。「俺を守るためにSPEC HOLDERが何人も潜んでる」と地居は言ったが、一人のHOLDERが美鈴と瀬文をはね飛ばし、瀬文の腕の骨を折り、もう一人のHOLDERが地居に銃を渡しただけで、いつの間にかいなくなってしまった。
・彼らのSPECも謎ではあるのだが、地居とはどういう関係なのかも謎だ。地居は表面上、にのまえに従っていたが、にのまえの組織は壊滅したので、地居が個人的に雇った?
・そして、いつのまにかいなくなるわけだが、当麻や瀬文以外の誰かに倒されたと考えられるだろう。にのまえがその場にいたとしたらにのまえが、そして津田が倒したというふうにも考えられる。
【最後に登場した津田は何者か?そして突然消えたのは?】
・第9話では、にのまえが「金太郎飴みたいな津田たちもみんな殺した」というようなことを言っていたが、公安零課が完全に滅ぼされていない限り、新たな津田が生まれたと考えられる。そして、暴走をする元津田の地居の抹殺ないし、当麻、瀬文らの援助(地居が手配したSPEC HOLDERの抹殺?)がミッションだったと考えられる。
・今回の津田は、SPEC HOLDERと組んでいるようであり、津田もしくはSPEC HOLDERにテレポーテーション能力があって、その能力を使ったと考えられる。
・一方、にのまえが零課と取引して、津田の顔をもらったという線も考えられなくはない。
・もっとも、まず考えられないが、単純に「津田が立ち去るシーンをカットして、わざと謎を残した」ということもあったりして。
【当麻が「映画化とかぜってーしねえから」と言ったとき靴が半分脱げているのは?】
・植田Pのtwitterによると、堤監督の何かのオマージュらしい。
【志村事件】
・「SPEC magazine電子版」の植田プロデューサーのインタビューによると、1話のSITと強盗団の銃撃戦が行なわれていた時間、サブコードの人たちの会議が別の場所で行なわれていて、それに敵対する人たちによって志村が会議の場所にテレポーテーションさせられたという。そうして騒ぎになっているところをニュースにしようとしていた。これに対抗してサブコードの側がにのまえを使ってニュースにならないように事故に見せかけて殺すようにした、ということのようだ。
・インタビューじゃなくて映像で分かるようにしてよ、というのはともかく、サブコードの会議で冷泉や桂、古戸といったSPEC HOLDERの扱いについて話し合われていたから、美鈴が兄に触れたときに彼らのヴィジョンを見た、というふうにつじつまは合わせられるか?
・そうだとすると、志村がヒーラー・EXILE NAOTOに助けられたあと、「大人の決定」によってすぐに殺されたのも、秘密を知られないためだった、というふうに説明できる。
・もうひとつ、志村が瀬文を撃った理由というのが謎である。志村は発砲のとき、瀬文を見るどころか、目を閉じている。それはどういうことかと考えると、にのまえが第8話で説明したように、にのまえの組織に対抗する勢力によって操られたからだ、ということになるのだろうか。
・まとめると、志村、サブコード敵対勢力により、サブコードの会議場にテレポートされる→サブコード、志村をもとの場所に戻す→サブコード敵対勢力、志村を操って瀬文に発砲させる→にのまえ、志村が撃った弾を反転させて瀬文の命を救う、ということになる。正直何がなんだか。
【当麻と瀬文が未詳に来ることになった真相は?】
・第8話では、野々村係長が「君たち二人をここに呼んだんだ」と当麻と瀬文を未詳に呼んだことになっている。
・一方、第10話での地居と老人との会話の中では、瀬文を巻き込んだのも地居のシナリオということになっている。これはどういうことか。
・ひとつ考えられるのは、野々村が記憶を操作されていたという可能性。しかし、野々村と地居が接触する場面というのは見受けられなかったし、仮に接触していたとしても記憶の操作で当麻と瀬文を未詳に呼ぶように野々村に仕向けるというのは非常に難しいように思う。
・また、野々村の記憶が操作されていて当麻と瀬文を未詳に配置したのがそれ以外の人物であるとすると、現在は警視庁の外にいる地居がその人物にどうやって影響力を及ぼしたのかという謎がある。
・もうひとつは、地居が津田だったことを考慮すると、野々村がただの窓際ではなく食わせ物であることも知っており、パンドラの箱を開けることの出来る人材を野々村が未詳に引っ張ることを想定の上で、その人物を「恋敵」に仕立て上げたというふうにも考えられなくもない。
【心電図の時刻の矛盾】
瀬文が意識を取り戻す前、医師と野々村が会話しているシーンでは、心電図の時計は12/22 23:39
にのまえの病室の前に地居が現れるシーンでは、心電図の時計は12/23 23:45
瀬文が記憶を取り戻そうと暴れ回るシーンでは、この時の心電図の時計は12/22 23:36
実際のところ、撮影順なのだろうが、無理矢理解釈すると、
・瀬文横浜で当麻の記憶を消される。
・記憶を取り戻そうと暴れ回る(12/22 23:36)
・エネルギーを使い果たして意識不明(12/22 23:39)
・目を覚まして「俺のもん勝手に食うな、味バカ、舌バカ、バカ」
・にのまえ死亡?(12/23 23:45)
・地居、瀬文の病室に駆け込み記憶を消す「きもいなおっさん。俺の紗綾の記憶がお前の中に残ってるってだけでぞっとするわ」
ということで、「何度もお前にやられたが、俺の記憶は結局消えなかった」という台詞になるのではないかと。ただそうなら、意識不明の患者が暴れ回ってたら気づけよ、って話ですが。
明けまして、おめでとうございます。
magazineを読んでないので詳細なことはわかりませんが、浅知恵ながら自分なりに考えてみました。
【津田の謎】
津田は皆公安零課に属してますが、動きに統一性が見えません。
推測ですが、たぶんそれぞれの津田が自分の考えで動いてる、もしくは一人一人への命令がバラバラなんでしょう。
津田(帽子)が処分した未詳を津田(メガネ)が再設置。津田(地居)が当麻に手をかければ、津田(最終回)が現場を確認する。
統一されてるなら、地居の暴挙を除けば、こんなことは起きないはず。
零課は皆津田。しかし全員の思惑は違う。
これなら、津田の動きに一応の言い訳ができると思います。
【最終回の津田は何者か?】
これも推測ですが、おそらくニノマエではないでしょうか?
推測への根拠として、・星形の痣、・テレポーテーション、・野々村係長の反応(時を進めて急成長?)、・味バカの当麻が食べていたCBC餃子を食べていた、など。
(推測してなんですが、外れてほしいです。成長したからって神木くんから桔平になるとは思えないし、続編があるならニノマエには津田ではなく陽太として当麻に接してほしいです)
【零課の目的は?】
全員が津田でありながら、一人一人の考えが違うのなら、真相は闇の中。
それは倒すことのできない存在でしょう。
警察といえど、暴挙は許せない。
しかし未詳は末端に過ぎず、SPEC HOLDERの処分には上層部の存在が必要です。
【作劇として】
朝倉が全ての犯罪者の象徴なら、津田は犯罪を押さえる治安組織の象徴なのかもしれません。
犯罪は決して無くならない。なら治安組織も常に存在する。
そして犯罪を抹消するためには、時として暴力的措置に出なくてはならない。
だが、それは絶対認めてはいけません。
犯罪と戦う者は矛盾を抱え込む必要があります。
永遠に晴れない矛盾を抱え込むのです。
【可能性】
「パンドラの箱」に残された物は何なのか?
最悪の未来か。光輝く未来なのか。
冷泉は言いました。「未来がわかれば、今を変えられる。そうしたら未来も変わる。未来は絶対なのです」
ここまで妄想して行き着いた考えは、「マジ続編は作られない気がする」
神話の「箱」に諸説あるように、人の未来もわからないものです。
もし続編で結末を作ってしまえば、それは人の結末にもなります。
しかし結末など絶対無く、人は永遠に矛盾と付き合わなければいけません。
犯罪を無くしたい。だが警察が法を無視するわけにはいかない。
希望が手に入れば、人は諦めることができなくなる。見切ることができないのは絶望です。
続編は正しく、「箱」の蓋になるでしょう。
果たして「箱」の底には何が閉じこめられてるのでしょうか。
当麻たちは蓋を開けるのか。
見てみたいような、そっとしておいてほしいような、複雑な心境です。
最終回ラストの津田ですが、星形のアザとかありましたっけ?シーンを見たんだけど確認できませんでした。霊安室のにのまえには星形のアザありましたけど。
にのまえが津田になるとしても、SPEC HOLDERは零課幹部になれないと思うのであります。地居はSPEC HOLDERになったことで津田を外されたという設定ですし。
>津田は犯罪を押さえる治安組織の象徴
「究極の公務員」って言ってましたからね。
確かに零課は違法な存在ではありますが、「暴力的措置」を国家権力のみが保持するというのが近代国家の定義ですから、零課を設立した人間からすれば、法で裁くことの出来ないものによる違法行為を取り締まる必要悪なんでしょうが。
結論から言うと、地居を倒したのは当麻です。
戦いの前に自分の手を修復するシーン&係長がニノマエの死体を前に驚くシーンがありましたよね。また、戦いの際に切られたはずの当麻の手があるのにも疑問を持ちませんでしたか?
あの伏線が回収されないなんて事はまずないです。
倒した方法は、当麻は戦いの前に死んだニノマエの手を自分の切られた手に移植します。
ニノマエの手を移植したということはニノマエの指パッチンから発動されるSPECも同時に移植されたことになります。
つまり、当麻にニノマエのSPECが移植され当麻はわざと地居に発砲させてその弾を時間を止めて地居に向けたんです。
係長がニノマエの死体を前に驚いていたのも、ニノマエの手が切られていたからなんです。
書いてある疑問も解決していきますね。
・地居が撃たれた時に前を横切った人影が水色の服
これはハッキリと水色が映っていた訳では無いのでただの光の当たり具合かと。ほぼ太陽の光しかない協会なので色はあてにしない方が良いと思います。
強いて言うなら、当麻は包帯を巻いていますよね。教会にいる人物の服装の中で包帯の白は水色に最も近い色です。
・当麻のSPEC発動説だと、弾を打ったあとと地居が撃たれる時点で当麻のポーズが変わってない
これについては完全に間違いで、ポーズが明らかに変わっていました。
銃を向け、瀬文にもたれかかったポーズから、銃を降ろして瀬文にももたれかからないポーズに変わっています。
・発砲音と撃たれた時の音が一致しない
これについては当麻が時間をとめた間に2発撃ったなどがありますが、ハッキリとは言えません。
おまけ
・将棋のシーンでブブゼラリーマンが現れたのはなぜか
ブブゼラリーマンには瞬間移動以外にも、他の人間に容姿をすり替えるというSPECがあるんです。
あのシーンで地居と津田の容姿が入れ替わってましたよね。あれは演出や幻覚ではなくブブゼラリーマンによるものなんです。
・あれ、ブブゼラリーマンはサブコード側じゃない?と思いましたよね。
でも…地居もサブコードですよね?
以前からニノマエと地居は一緒に組んで行動していたんです。例えば、ニノマエのお母さんの記憶を書き換えるシーンなど。
地居はサブコードでもあり、零課でもあるんです。
・老人を逃がすためでは?
思い出して欲しいのですが、志村がブブゼラリーマンによって殺されたシーン。
これ当麻、瀬文、志村の妹に向けてブブゼラを吹いていますよね。そして、瞬間移動は志村に発動された。
将棋のシーンに戻って考えてみましょう。
ブブゼラは老人に向かって吹かれていた。つまり、ブブゼラの効果が発動されたのは地居なんです。
地居に発動されたから、地居と津田の容姿が入れ替わったんです。
・教会を取り囲んでいたSPEC達は?
もうお分かりかと思いますが、当麻が時を止めて倒したのでしょう。
どうでしょうか…
これで地居の「ニノマエじゃない」発言や、ニノマエの「この能力は僕だけのはずだ」発言が解決しましたよね。
逆に私からの疑問や思ったこと
・地居が老人に「津田君」と呼ばれ、最後の戦いで「僕の名前は津田助広です」と名乗ったのは
最初の部分は分かります。将棋のシーンですよね。
ですが、その後の「僕の名前は津田助広です」このシーンはどこでしょうか?戦いのシーンでも無かったと思いますし、将棋のシーンでも無いですし…
・ただそうなら、意識不明の患者が暴れ回ってたら気づけよ、って話ですが。
「ただそうなら」とありますが
別に時間関係なく「意識不明の患者が暴れ回ってたら気づけよ」と思いました。
改めて色々と気付かされるレビュー(?)で楽しませて頂きました。
ありがとうございます。
みやびちゃん さん
丁寧なご解説、ありがとうございます。
と言いたいところですが、10年前の「翔」さえも見る前の記事ですんで、おおかた解決していますんで。