第8話である。
今回、いろんな意味で「読めない」展開だった。
今回の話の足抜けの主役…であるはずの橘麦蒔は登場しない。しかし、橘勲と橘麦蒔の親子関係、弁護士畠山智晶と畠山亜美の親子関係、そして、橘勲と永光麦秋の親子関係、と、親子関係が中心に話が展開した。
改めて確認できたのは、橘麦蒔は正妻の子で、麦秋の母は橘勲と愛人だったということ。つまり、麦蒔と麦秋は異母兄妹だったということである。
また、バクのバックについてもあっさりと解決を見てしまった。要は、麦秋は自分が暴力団組長の娘であるにも関わらず警察官となったという事実を公表すると、谷川課長を脅して、麦秋の越権行為を黙認したり、いろいろな便宜を図ってきたというわけだ。さすがに警視庁の課長では、刑務所までは権限が及ばなかったというわけである。
前回からじわじわと展開してきたところだが、橘と水田・鷲頭の対立が徐々に浮き彫りになってきた。ただ、水田の「俺が仕掛けた罠を利用しておれの遥か上を行きやがった」というのが私の頭では一回では理解できなかったので、じっくり見てみよう。
そして、今までは麦秋に振り回されてきた三ヶ島が、麦秋を救おうとし始める。それが、衝撃のラストシーンであった。「あかんあかん、こわれてまう。このままやったらお前が壊れてしまう。今こうなったのも全部、お前の憎しみのせいや。今までかてその憎しみが、人を壊してきたんやぞ。そのままやったら、今度はお前が…どないしたらええねん、麦秋、麦秋。どうしたらええねん。どうしたらその憎しみ取れんねん。教えてくれよ、バク」憎しみを捨てろ、と言ったら、「お前なんかと一つになれるか」と麦秋が三ヶ島を射殺してジ・エンドになりそうだが、それは違う作品の話だ。とにかく、麦秋の「憎しみ」がキーワードである。
ところで、麦秋が畠山智晶に、橘麦蒔をカタギの息子に養子縁組させることで、仮釈放を実現できるとアドバイスする。「組長の実子では仮釈放は認められない」というのだが、日本の現在の養子制度では、養子縁組をしても実親との親子関係は解消されないのだが…詳しくはあらためて書くかもしれない。
というわけで、橘と麦秋、橘と水田の対立、そして三ヶ島による麦秋の「足抜け」というのが、あと2回で描かれるのだろうか。誰か死ぬのか?誰が足抜けするのか?