今回、ネタが盛り沢山だった。
ネタバレ。
まず、鈴木紗理奈さんが墓参りしているシーンというと、どうしても『ケイゾク/特別篇』のラストを思い出してしまう。今回は、その妹ということで、そこには彩さんが眠っていたということになる。
「仕事です、失礼します」というセリフ、そして『ケイゾク』のサウンドトラックを背景に、回想シーンとして、彩と斑目のシーンが出てきたのも大サービスだった。彩さんは「道を踏み外した」ことになっている。
そして、冷泉から語られる「植田問題」これには突っ込まないでおこう。
「サンタモーニカ、サンタクロース、三蔵法師、三角四角」はSPEC第5話の冷泉のセリフ。
細かいことだが、このドラマの設定は2006年である。海野先生の部屋の行事予定表が6月になっていて、曜日もちゃんと木曜始まりであっている。さすが、手を抜かないで作り込んでいる。
ストーリーについては、あまり進んでいる感じがせず、かえって謎が深まった。
一つは、冷泉こと鈴木俊明の予言である。赤木美里が殺されるのを予言した、というのだが、第1話のシャブ中男の時も、美里がナイフで襲われる未来を見て、「殺される」と預言している。実際には襲われたが殺されなかった。今回も、襲われる未来を見たが、本当は実際に刺されるところまでは見ていなかったのではないか。それを「未来が変わった」と思っているだけではないのか。
もう一つは、海野亮太にSPECを封印してもらうわけだが、視聴者は『SPEC』の時点、つまり2010年において、冷泉のSPECが復活しているのを知っている、ということだ。当麻のときも海野に封印してもらったSPECが後になって復活した。つまり海野の「病を処方するSPEC」は、一時的なものだったということではないだろうか。海野は病を処方し、それを手術して直すということを繰り返してきた。しかし、SPECの効果が消える前に死に至ることがなければ、治っていたということではなかったか。