【ケイゾク】『ケイゾク2』はあるのか?【柴田、真山、朝倉、アサクラ】

『ケイゾク2』と言えば、『SPEC』は当初、『ケイゾク2 SPEC』という仮タイトルで世に出たこともある。
そしてまた、2001年4月に発売された書籍『ケイゾク/事件簿 完全版』に企画書が掲載された、2002年だかに放送予定だった、幻の『ケイゾク/シーズン弐』という企画もある。

『SPEC』は「ケイゾク2」の冠を外し、『ケイゾク/シーズン弐』の企画書は、結局実現されることはなかった。
そこで今回検証するのは、新たに現在やその近くを舞台とした、柴田や真山を主人公とする『ケイゾク』の続編があるとしたら、どんなものになるかという、半ば妄想である。
もちろん、現在『ケイゾク2』の企画があるということではない。


大前提として、「柴田純を中谷美紀さんが、真山徹を渡部篤郎さんが演じる」ということを考えている。
まず、検討しなければならないのは、『SPEC』や『SICK’S』をなかったことにして作るのか、あるいは『SPEC』や『SICK’S』と同じ世界の出来事として『ケイゾク2』を作るのか、と言うことだ。
前者であれば、これから書くいろいろな問題点は回避できるのであるが、『SPEC』や『SICK’S』のファンは許してくれないだろう。
後者であれば、真山の殉職は本当だったのか、『SICK’S』に出てきた柴田は本物の柴田だったのか、という問題がある。
この二つの問題をクリアしなければ、柴田と真山を主人公とする物語は作れない。
私の二つの問題の解決策は、前にも述べたところであるが、真山の殉職というのは敵を騙すためのフェイクで、『SICK’S』に出てきた柴田は替え玉だった、ということである。もちろん妄想である。
割とリアルな問題としては、柴田のようなキャリア警察官は、研修中を除いて、捜査の現場に付くことはない、ということである。
『SPEC』では公安部長、『SICK’S』では警視総監と、現場で指揮を取るような立場ではない。
警察官僚、特にこう言ったポストの警察官僚の日常を、「刑事ドラマ」として成立させるのは難しいだろう。今野敏さんの小説をドラマ化した『隠蔽捜査』という、警察官僚を取り扱ったドラマもあったのだが。
そこで、私が思いつく『ケイゾク』らしい柴田公安部長、柴田警視総監の活躍と言えば、なぜか捜査一課弐係に入り浸ってしまって、相変わらず真山に頭を叩かれたりしながら、未解決事件の捜査をしては、警視庁の偉い人に連れ戻される姿であろうか。
こんな『遠山の金さん』か『暴れん坊将軍』みたいなネタのどこが『ケイゾク』らしいのか分からない。
『ケイゾク』の「らしさ」という点については、ドラマ終了後の1999年7月に出版された書籍『ケイゾク公式事件ファイル』でミステリ作家の綾辻行人さんが語っているところが要点を突いている。
「手がかりを拾い、論理を組み立て、トリックを解明し、犯人を指摘する。妙に律儀に“本格ミステリ”の文法を踏まえているのである」
そして、事件が解決した時のざわざわとした感じ、これは『ケイゾク』ならではのものがあった。
ところで、綾辻さんは「第九話から最終話に至るトンデモな展開には首を傾げざるを得ない」と言っておられるのだが、やはり朝倉との戦いは『ケイゾク』に欠かせない要素だと思う。できれば、アサクラとの決着は、柴田と真山につけてもらいたい。
また、『エヴァンゲリオン』の監督である、鶴巻和哉さんが、にイラストとコメントを寄せられているのだが、そのなかにこんな一節がある。
「えらくなった柴田がダークスーツのキャリア刑事(いい男)たちをひきつれてボケボケしたりする。そんなのを期待しつつ」
これは見てみたいものだ。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です