少し前の話になるが、ヴィレッジヴァンガードが配布しているフリーペーパー、「VVMagazine vol.46」に堤監督と植田プロデューサーのインタビューが掲載され、同じ内容がWebにも掲載された。
なお、フリーペーパーには、木村文乃さんと松田翔太さんのインタビューも掲載されている。
堤監督と植田プロデューサーのインタビューであるが、もちろん、「Paravi」で『SICK’S 恕乃抄』が配信されたことを機に行われたインタビューなのであるが、内容の1/3程度(私の皮算用)が、『ケイゾク』を始めるに至った経緯や、その他『SICK’S』と『ケイゾク』の関連について述べられているのだ。
『SICK’S』に関する部分は、すでにいろいろなインタビューで語られている内容を含んでいるのであえて省く。ケイゾクについても、語られ尽くしたことなのだが、あえて述べる。
・そもそも『ケイゾク』の始まりは、植田Pの「社内をひっくり返したい」という言葉だった。
・植田Pには、それまでのTBSのドラマづくりのフォーマットが支持されていないという危機感があった。
・堤監督も、日テレで『金田一少年の事件簿』に始まり、実験的な作品を何クールもやらせてもらったものの、原作ものも多く、消化不良感があった。
・TBS内にも堤監督のやり方が邪道だという人もいたが、とにかくやって見て実際に見てもらった。
・(日テレの)土9でやるようなことをTBSで…と思わせておいて、裏では全然違うことを、確信犯的やった。
・それが今のTBSのドラマに、『半沢直樹』にせよ『JIN‐仁‐』にせよ反映されている。
そして、『SICK’S』と『ケイゾク』だが、中谷美紀さん演じる主人公の柴田純が、その『太陽にほえろ!』で松田翔太さんの父、故・松田優作さんが演じた役名と同じであるということについて、堤監督は、
「最初は特に意識していなかったんですが、竜さんがリハーサルでぼそっと『七曲署だ』って。そこで、これはヤバイなって」
ということになり、植田Pも、
「『SICK’S』は『ケイゾク』から続く集大成になりました」
と言っている。
お恥ずかしい話ながら、この「柴田純」つながりについて、わたしはこのインタビュー記事を読んでも気づかず、しばらく経ってから気づいた有様である。
「レッド・ツェッペリンの再結成でジョン・ボーナムの息子がドラムを叩く的な!」という字面は分かったのにね。