『ケイゾクなるままに』と自称している割に、ケイゾクのことを語れていないことを常々もどかしく思っている。その他諸々、前に書いたとおりなので省略して、今回は柴田のメンター、木戸彩を取り上げる。
なお、『SPECサーガ黎明篇「Knockin’on 冷泉’s SPEC Door」~絶対預言者 冷泉俊明が守りたかった幸福の欠片~』(SPEC冷泉寿限無)に同じく鈴木紗理奈さん演じる「木戸晶」というキャラクターが登場するが、別人で、妹という設定だ。
◯由来
知りたい(笑)。
『公式事件ファイル』『事件簿』の初期設定では「早瀬令子」という名前であるが、これも長谷直美さん(『公式事件ファイル』には沖直美さん、と書かれているが、別人である)が演じた『太陽にほえろ!』の登場人物。実はよく知らないのだが、別の部署(彩は一係、令子は交通課)に所属していていつの間に捜査に協力するようになる、というのは似ているだろうか。
◯生年
△ドラマ上は不詳。
『公式事件ファイル』では22歳。
『台本』でも22歳。
『SPEC全記録集』では1977年生まれ。
◯役職・階級
■警視庁刑事部捜査一課一係・巡査(TVシリーズ)
△警視庁刑事部捜査一課弐係(特別篇・映画)
△特別篇の台本で谷口が殉職した後の後任が彩であることが示唆されている。
◯仕事
■迷宮入りになった事件の資料を弐係に持っていくのが仕事、というだけでなく、第7話でやっていたような勤務表のチェック、いわゆる勤怠管理なんかも庶務係の仕事であろう。
資料運びと称して弐係に入り浸り、仕事をサボっており、セリーヌ・ディオンのコンサートのチケットの予約を弐係の電話から入れていたこともあるくらい(第6話)だが、柴田が来てからは、柴田の相談役になったり、捜査に付き合わされる(ただし休暇扱い)こともある。
以前は「特殊班2係」にいて「おとり捜査官」をやっていた、というセリフがある(第2話)。
△「特殊班」つまり「捜査一課特殊捜査班」とは、「SIT」ではなかろうか。もちろん、SPECの瀬文のように突入を行う部隊ではなく、人質・立てこもり事件で犯人との交渉役をやっていたのだろう。
◯合コン大好き
■柴田を合コンに誘ったこともある(第4話)し、柴田にSWEEPの無線を貸す条件として、「東大出のかっちょええ男との合コン10回」を条件にしたこともある。斑目にプラスティック弾を食らって気絶した時も、特別篇で柴田が目覚めた時も、その約束のことを切り出したところを見ると、相当執着していたのかも(笑)
■柴田、麻衣子とオフ会に参加した時(第8話)は、モテモテぶりを発揮して、そのなかの男を「お持ち帰り」したふしがある。
■その一方で、真山のことが好きだったという、映画や小説で後付けされた(と思われる)設定もある。シーズン壱の時は、そんなそぶりは見せなかったどころか、「なんであたしみたいなええ女があんたみたいな貧乏刑事と結婚せなあかんのよ、ドアホ」(第7話)とまで言ってるんだけど(笑)
◯裏の顔
■以前六本木でホステスをしていたというのだが、未成年だったのでは?という点は柴田も気づいていた(第1話)
■実はSWEEPに所属しており(第10話の壺坂のセリフなど)、斑目の命令で真山の監視をしていた。真山によると、「斑目の女」(第10話)、壺坂によると、「斑目とは別れた」(第10話)。
■第6話で彩と壺坂があった時、面識があったようには見えなかったんだが。
◯ケイゾクとSPECと木戸彩
彩は死んでしまったので、『SPEC』とは関係ないのだが、『SPEC』において木戸彩の位置付けのキャラクターが存在しない理由を考える。
ケイゾクにおいて、彩は新人刑事の柴田を、同じ女性警察官という立場で導いていくメンター(導師)的な存在であったわけだが、SPECにおいては、当麻というのは、確かに警察官としてのキャリアは短いものの、FBIで学んだ研究といった特異性を柴田に見いだされて未詳に配属になった専門家であり、また、未詳での瀬文と当麻の関係では、当麻の方が「先輩」にあたるという関係になっている。そういった経緯から、当麻にとって彩にあたる存在は必要ないのである。
とは書いたものの、ケイゾクに木戸彩というキャラクターが存在するのも、SPECに彩にあたるキャラクターを含めて当麻と瀬文と野々村以外の未詳メンバーが存在しないのも、大人の事情による。