2016年2月27日、品川ステラボールで、『ヤメゴク』スペシャルイベントが開催された。
Blu-Ray/DVD発売からかなり経過したこの時期になぜ?というのと、TBSではなくキングレコードが窓口となっていたのはなぜ?という疑問があったのだが、この疑問はイベント会場で解決されることになる。
このイベントに、私も参加した。メモを取りながら見ていたので、それを見ながら、当日の様子をレポートしようと思う。なので、発言そのままではなく、かなり意訳した内容になっているのは承知していただきたい。
早朝から、整理券を取るために行列ができていたようだ。別に早く並んだとしても、いい番号の整理券を取れるわけでもないのに、お疲れなことである。かくいう私も、2時間ほどは並んだであろうか。残念ながらかなり後方の番号となる。
整理券と抽選券がセットになっていて、抽選券は後述する大抽選会で使用されることになる。
参加者は400人超といったところだろうか。「満席」というアナウンスもあったが、実際は整理券に合わせて座席を並べた、ということである。
【オープニング】
予定時刻より若干遅れて開場、開演。司会を務めるのはTBSの江藤愛アナウンサー。大島優子さん、北村一輝さん、堤幸彦さん、櫻井武晴さんと登場して、その順番に下手から並ぶ形になった。
大島:永光麦秋を演じた、大島優子です。
堤:終わり?
北村:こんにちは。
堤:忘れてるでしょ。猫侍?
北村:三ヶ島翔を演じた、北村一輝です。
堤:久々にヤメゴクのことを語れる日が来ました。
櫻井:楽しんでいってください。
【思い入れのあるシーンベスト5】
大島さんと、北村さんに、事前に思い入れのあるシーンベスト5をそれぞれ選んでもらっており、交互に映像で紹介するというコーナー。
堤:ボクの担当回じゃなかったらショック。
◯北村さん 第5位 岡田さんのキャラ[E:#x1F4A2]
(以下、ドラマのいろんな回の映像をスクリーンで紹介)
堤:(見ながら)オレが撮りました。
大島:(見ながら)これは告白のシーンなんです。
堤:最初は「ニワトリみたいなキャラクター」ということでしたが、最終的にこんなキャラになりました。
北村:(岡田さんは)とにかく早い。ずっと避けてるんですが(顔が)近寄ってくるんです。
大島:セリフは聞こえない。(台本通りしゃべっているのですが聞き取れない)
北村:(アドリブで)「エルヴィス」というのもありましたね。
堤:演出されていないアドリブはよくない。オレの回じゃないですね。
◯大島さん 第5位 麦秋の「一筆頂戴致します」のシーン
(以下、全話の「一筆頂戴致します」のシーンが一気に流れる)
堤:(初回のシーンを見ながら)初回ですね。
堤:いいですね。最後は10筆ぐらいになってた。
大島:いいですね。
堤:最初からキャラクターができあがっていました。
堤:あのセリフは植田(博樹プロデューサー)さんから?
櫻井:あの人は決め台詞が好き。TBSのプロデューサーはみんな決め台詞が好きですね(笑)
◯北村さん 第4位 田中哲司さんのNG
(麦蒔と橘勲の面会シーンのNGをスクリーンで紹介)
(離脱者の人数を言うシーンをスクリーンで紹介→しかし、完成品ではナレーション処理。会場大爆笑)
堤:仲間由紀恵さんお願いしますって感じ。
大島:台本をギリギリまで見ているのに言えないのがカワイイ。
堤:(人の)NG移りませんか?
北村・大島:移りますね。
北村:監督の「もう一回」が速いんです。「はいもう一回、ヨーイ、ハイ」みたいな感じで。
堤:仲間さんにチクられないかな。櫻井さんの脚本は難しい?
櫻井:警察ものなので専門用語が多くなってしまう。
◯大島さん 第4位 翔の事あるごとに「オウ!」
(以下、ドラマの北村さんの色んなパターンの「オウ!」をスクリーンで紹介)
堤:むちゃくちゃ面白いじゃないですか。
北村:(監督が)やれって言ったのです。
大島:(色んな表現に「オウ!」が使えて)万能ですね。
堤:味の素みたい。
北村:長いセリフを早口でとか言われる。セリフを急に変えられる。細かい動きをつけられる。
堤:本当すみませんでした(頭を下げる)。
北村:対応力を求められますね。
堤:二人とも(要求に)ついてくるのでどんどん要求してしまった。
◯北村さん 第3位 セットでの翔のリーゼント芝居
(以下、電灯に頭をぶつけるシーンなどをスクリーンで紹介)
大島:最後空振りでしたね。
堤:(リーゼントの)長さ調整しましたよね。そもそも皆さんの詰所(足抜けコールの事務室)をどうしようと考え(以下、タオルを警視庁に見立てて分かりにくい解説)警視庁は桜田門側からだと直線なんです。地下だと自由にできるので私の作品は地下が多いのです。今回どうしようかと警視庁の周りを歩き回っていて、反対側にくの字になっているところを見つけて「ここだ」と思って発注しました。天井も、三ヶ島の頭がぶつかるくらいという注文をしました。
北村:相手(役)を見ながら、セリフのこの部分でぶつかるというふうにタイミングを計ってぶつかるので難しかった。
大島:リーゼントが毎日違いますし。
堤:最終回、フランスパンみたいになってた。
◯大島さん 第3位 金すんらさんの一人ミュージカル
(以下、すんらさんの長ゼリフのシーンの幾つかをスクリーンで紹介)
(テロップ これは舞台?)
(テロップ 見入る大島さん)
大島:芝居です。
(テロップ 感化される大島さん)
大島:芝居です。
堤:リミックスだよ。
大島:すんらさん、打ち上げで一人劇団四季というのをやってくれた。
堤:阿佐ヶ谷で舞台をやってるのを見て今回の役をお願いした。毎回ありましたね、一人ミュージカル。
北村:他の演出家はすんらさんに「大きな声を出さなくていい」とか演出する。
堤:それがオレの回になると「うーん」とか言わせて。
櫻井:(すんらさんが)写ってないシーンもありましたね。
◯北村さん 大2位 翔の着メロがチェッカーズ
(以下、翔の着メロが鳴るシーンが次々と流れ、最後に水原の着メロ(翔と同じ)が流れるシーンをスクリーンで紹介)
堤:北村さんがチェッカーズが好きなのは知っていたが、現場では音が鳴らないので、ベースで音を付けて、翌日か翌々日に見せたら狂喜乱舞された。
北村:最後の岡田さんのは知らなかったのでびっくりした。
◯大島さん 第2位 1話、水原刑事の登場シーン
(以下、スクリーンで紹介)
堤:インパクトあるある。
大島:ウゥーというおたけびみたいな声を男性が出してるのを初めて見た。
堤:ニワトリ系だから。
大島:一話だけじゃなく他の回にもあります。
◯北村さん 第1位 翔の各回のリーゼント
①チラリーゼント(チラっと見える)
②土下座るリーゼント
堤:これオレの回だ。
③押されるリーゼント
④突き飛ばしリーゼント
⑤グシャリーゼント(麦秋にグシャ!っとリーゼントをつかまれる)
⑥刺さリーゼント(サボテンに刺さる)
⑦倒れリーゼント(麦秋に倒れたまま肩を揺さぶられる)
⑧デラックスリーゼント
堤:(◯◯リーゼントは)ここのビデオのディレクターがつけた名前です。
北村:これ面白いですね(笑)最初のところ見逃してるかもしれないけど、(リーゼントがチラっと出てくるときの)高さが違うんですよ。
司会:気づいた方?(手を上げた方、一人だけ)
堤:伝わらないこと前提の演出です。
大島:こちらからは見えていて笑わないように耐えているのを理解してほしい。
堤:話(ストーリー)の内容に関係ないですな。
大島:だから櫻井さんはしゃべらない。
司会:次は大島さんの1位です。
大島:櫻井さんもしゃべれますよ。
◯大島さん 1位 タイトルバック
堤:関係ないじゃん。
(以下、スクリーンでタイトルバックを流す)
(おまけ スタッフで撮影したタイトルバック)
堤:いろんなことが起きてるけど5秒くらい。うまくいくか何度かスタッフでテストしてからやってもらった。
大島:一瞬で370万(円)。びっくりしました。スタントさんがすごいですよね。前転したり、バック宙したり。
堤:マーライオンが倒れるのですが、テグスで引っ張ってます。
北村:(自分が)何をやってるのかわからなかった。(あとで)「どおくまん」だと知った。
櫻井:(これが)自分の作品と思わなかった。なんでマーライオンが出てくるんですか。
堤:イメージです。今日、なんの服を着るのかというのと一緒です。(ここだったかで堤監督が大島さんのスカートを「流しそうめんみたい」と表現していた)
堤:その筋の人のパーティーにバクちゃんが来てめちゃくちゃにするという設定です。
大島:初めて聞きました(笑)
司会:パンダもいます。
堤:中国系のその筋の方がいるのでパンダ。シンガーポールの方がいるのでマーライオン……今考えました(笑)
【質問コーナー】
・(大島)優子さんへ、ベッド(ダンボールハウス)の寝心地はどうでしたか?
大島:よくないです。三ヶ島がクッションをくれるシーンがいい。
堤:凝ってましたよね。
大島:(ダンボールに)開閉できるドアがあったりして、棺みたいになって。あの部屋、居心地良かった。堤監督が頭を洗うシーンをやりたいと言って、バケツで頭を洗うしかないということになって、女優のイメージがあるのでボツになって、歯磨きのシーンになった。
(あの部屋にムルキンチョがいた、という話からムルキンチョの話を言われる前にしよう、と堤監督が言いだして)
堤:正しくはキルキンチョとか言って、アルマジロです。南米では食べ物なんです。
櫻井:なんで出したんですか。
堤:食事のシーンって書いてあったから出しました。
北村:ムルキンチョの説明が最初あったとき、意味が分からなかった。
堤:警視庁内に、ワシントン条約に違反した動物を保護する施設があって、そこから逃げたという設定で(今作ったんでしょ、というツッコミ)今作りました。
・櫻井先生に、完成したものを見て、これ聞いてないよ、というのは?
櫻井:全部ですか(笑)皆さんのテンションとか、岡田さん、金すんらさん、全部(笑)
堤:使っていただいた設定もありました。
櫻井:足せる設定は足しました。ただ、ムルキンチョは分からなかったので放置して、現場に任せました。
・堤監督へ、1〜8話で入れたかったけど切ったシーンはありますか?
堤:たくさんあります。
・北村さん、大島さん、お互いがバディだと知ったときどう思いましたか?
大島:頼りになるバディだとすぐ感じました。
北村:その前やっていたドラマを見てもう少しちゃんとしたバディだと思っていたらリーゼントで。
大島:何だこの劇画タッチの人はと思いました。
堤:狙いは櫻井さんのストーリーが生々しくリアルなので暗く重くならないようにバランスをとりました。
大島:それがよかった。
北村:大島さん、近寄りがたいのかと思ったら現場に入ったらただのおっさんみたいだった(笑)ズロースを直すのもその辺でやったりして。
大島:(私は)ズロースを公共の電波で見せているから(堤監督謝る)
(大島さんは本格的なアクションは初めてとのこと)
堤:一話のアクション、初めての人はできないよね。手だれのアクションの人の大事な場所を蹴ってしまって本気で痛がっていた(笑)
大島:本番でつい力が入ってしまって、でも止めるわけにいかなくて。(女性なので)その痛さが分からない。
【大抽選会】
ここで、入場時の整理券を使って、大抽選会が行われる。ドラマの各種グッズや、サイン入りポスター、台本10冊セット(当たった方めちゃくちゃ羨ましいぞ!)といったものが当たるものだった。
ここで、スペシャルゲストとして、やメーたんが登場。着ぐるみで、登壇の4人が抽選ボックスから抽選券を引くのをサポートしていた。
何枚も引いているうちに、堤監督は、番号で大体どの辺に座っているのか見当がつくようになったと、当選者の座席の当てっこをしていた。
そして、全ての抽選が終わったところで、サプライズのプレゼントとして、なんと、やメーたんの着ぐるみがプレゼントされることになる。そして、やメーたんが着ぐるみを脱ぐと、中から登場したのは、キングレコードの大月俊倫さん!大月さんは、『ケイゾク/映画』の実現の立役者で、私にとって神様のような方なので、私にとって本当に驚天動地で、「え〜〜〜〜〜〜!」と大声で叫んでしまった(大変失礼しました)
今回のイベントはなんと、大月さんがファンのために、自腹で開催したイベントということ。
さらなる驚きは、大月さんは、近々引退されるということで、堤監督から花束のプレゼントがあった。ちなみに、堤監督にこっそり花を渡したのが、植田プロデューサーであった(メモを取っていて見逃した)。
【エンディング】
記念撮影の後、最後に挨拶があった。
櫻井:台本が当たった方、驚いてください。それが私の驚きです。
堤:いろんな端の方も見ていただいて楽しんでください。
北村:ここにいる方はDVDを買った方ということなので少しでも多くの人に見てもらってください。
大島:初連ドラ主役で、撮影中、魂を燃やし、灰になりを繰り返し、辛かった思い出が届くのは嬉しい。
堤:さすがうまいですね。総選挙後みたい(笑)
こうして、およそ2時間ほどでイベントは終了した。イベントを開催していただいた大月俊倫さん、そして登壇された大島優子さん、北村一輝さん、堤幸彦監督、櫻井武晴さん、その他スタッフの皆様、関わった全ての方々に感謝、感謝である。