【真田丸】月は無慈悲な時の女王【信長協奏曲】(追記)

テレビ、映画でよくある「月の出た夜景」という演出がある。
私は知識がないのだが、「その後の物語の急展開を予期させる」といった効果を狙っているのであろうか。
この時に出る月の満ち欠け、月齢については、あまり気にしてはいけないようだ。
しかし、「どうしてこの場面で月を出すか」ということがある。
その一つが、「本能寺の変」である。


本能寺の変が起こったのは、天正10年6月1日の夜から2日にかけてのことである。
この、6月1日というのは、太陰太陽暦(当時の暦法は、宣明暦)である。
太陰太陽暦では、日は月の満ち欠けに応じて、1日を新月、15日を満月とする。
即ち、6月1日は新月であり、月は見えなかったのである。
本能寺の変が1日に行われたというのも、月の光のささない中での夜襲という形をとったためであることは想像がつく。
ところが、今日(2016年1月31日)放送の『真田丸』において、明らかに天正10年6月1日の夜のシーンに「月の出た夜景」が挿入されてしまっていた。
実に残念なことである。
興味深いことに、現在劇場公開中の映画『信長協奏曲』である。こちらは、そういった「リアリティ」を追求する作品ではないことはいうまでもないが、偶然にも、同じように天正10年6月1日の夜のシーンに「月の出た夜景」が挿入されているのである。
実に皮肉なことである。
(追記)
2月6日(土)放送の『真田丸』再放送で、件の「月の出た夜景」のシーンはカットされていた。
その直前の、松(木村佳乃さん)が空を眺めているシーンでは、煌々と月明かりに照らされているのだけど、仕方ないだろう。

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