【ヤメゴク】第参話 小ネタ、突っ込み、深読み(ねたばれ)

なぜか今回、めちゃくちゃ記事を作成するのに時間がかかってしまった。拡大版じゃないのに。


なぜか違うドラマのようなナレーション「このドラマは、警視庁15階にある、通称『足抜けコール』で活躍する人間たちの、物語である」
理容イシイの前に止まる関東貴船組の車
ヤクザ「おお、また、よろしゅう頼むで」
店主「あっ、はい」
向かいにある会社、設計施工ホバークラフト(株)
ヤクザ「よーし、今日は俺がごちそうしたるわ。おっさんいくらや」
寿司屋「いや、すでにお代いただいておりますので」
ホバークラフトの社員・角田「この寿司、内島工務店からの差し入れですって」
ヤクザ「ごちそうするっていうてもうたがな。まあようおっさんもろうとけ」
金を渡すヤクザ
寿司屋「でも、それは、結構です」
ホバークラフト社長・渡辺「いいから、またサービスしてよ」
寿司屋「はい、では今度。すいません。いただきます」
建築のデザインをしている男、ホバークラフト社員、村崎亮
三ヶ島のナレーション「こんな暴力団、嫌や。もう抜けたい。そんな足抜け希望を支援してるのが全国の都道府県警にある暴力団離脱者相談電話、通称、足抜けコールや」
足抜けコール
奥で佐野がパンケーキを作っている。三ヶ島と東条が座ってパンケーキができるのを待っている。
電話のベルが鳴る。石山と麦秋が取ろうとする。発信先の表示に「内」の文字。
石山「いいよ、出てくれて。内線でも」
麦秋「私が興味あるのは足抜けコールだけです」自席に戻る麦秋
石山「はい、組対三課の電話相談室」
佐野「バクちゃんさんもパンケーキどうです?」
麦秋「パンケーキを楽しみに待つ独身男の話に加わりたくありません」
佐野「おっしゃるよね〜」
石山「はい」と電話をスピーカーに切り替える
電話の女「実は娘の恋人が暴力団員なんです。その男を、暴力団から抜けさせたいんです」
三ヶ島「思いっきり足抜けコールやんけ」
東条「でも、何で内線?」
佐野「警視庁内部からの依頼人ってことでございますよね」
電話の女「お願いします。助けてください」
やってきた女
応対する石山、東条。東条、人妻にデレデレしているように見える。
女「主人に頼まれて忘れ物を届けに来たんです。そしたら、主人が部屋にいなくて、チャンスだと思ってそこからかけました。内線だと通話記録に残らないと聞いたことがあって」
東条「ということは、ご主人は警視庁の人?」
三ヶ島「それで部屋持ってるいうたらかなりの目上やな」
佐野「で、奥様が足抜け希望者では、ございませんですよね」
女「私の娘が今おつきあいしている人がその筋の方で…」
佐野「奥様の、お嬢様の、お彼氏ですか」
三ヶ島、おいおい、と佐野をつつく。
東条「話を元に戻すと、ご主人の所属はどちらですか」
女「それは勘弁してください。主人には内緒でお願いします」
石山「あのー、足抜けコールは秘密厳守ですが、警察内部の記録には残りますよ」
女「では、なかったことでお願いします」
立ち去ろうとする女
麦秋「手遅れです。あなたのご主人が警察官なら、あなたの名前からご主人の名や所属を調べることは簡単です」
東条「簡単じゃないって。相当上の人じゃないとできないよ」下記のやり取りを引き出したいんだろうけど、普通内線電話って内線番号が通知されるから、そこでどこの部屋からかけたのか丸わかりだと思うのだが…
麦秋「いいえ、私にはできます
(水原「なにか大きな力があるんですかね。バクのバックに」)
佐野「あの、恋人がヤクザさんだとお嬢さんをご説得なさったらいかがでしょう」
三ヶ島「せや、親が言い聞かしたらええ話や。え?」
女「私の言うことなんて聞かない子なんです」
麦秋「その娘さんの恋人の暴力団員の名は」
女「村崎亮。関東貴船組の構成員だそうです」
麦秋「関東貴船組…わかりました。関東貴船組の村崎亮さんの足抜け、お引き受けいたし…」
石山「ちょっと待った」
東条「確認なんですけどその村崎亮という貴船組の構成員には、暴力団を抜ける意志はあるんですか?」
女「わかりません。あったことないんで」
石山・東条・佐野「あーっ」
石山「あのー、うちは足抜け希望者本人からの依頼でないと」
女「えっ?」
麦秋「書類上は本人からの依頼にすれば奥さんやご主人の名は出さなくて済むかもしれません」
女「本当ですか?そのパターンでお願いします」
石山「そんなパターンありません。規則違反だから」
麦秋「私が勝手にしたことにしてください」
三ヶ島「いや本人が抜ける気ないのに引き受けられへんやろって話や」
麦秋「私が抜ける気にさせます。ということで奥さん。あなたの娘さんの恋人の足抜け、お引き受けいたします」
石山「え〜っ」
三ヶ島「えっ」
佐野「え〜っ」
東条「えっ」
四人「え〜っ!」
【タイトルバック】
提供コール内
麦秋が寝泊まりしている資料室
ズロースが無造作に干してある。
脱いだ靴が揃えて置いてある。
ロッカーに鍵をかけてスエットで資料室から出てくる麦秋
三ヶ島「おぅおぅ、気になったんで調べといたで、村崎亮を。関東貴船組のフロント企業の一つ、ホバークラフトに勤める構成員や。表向きはオフィスや店舗を造る、まあ、工務店やな。村崎の肩書きはデザイナーや。せやけど多分、デザイン料を取るための名前だけのデザイナーや」
ホバークラフト
内島「遅くなってすいません」
渡辺「内島社長、寿司、ごちそうさん」
三ヶ島「実質設計や施工はカタギの工務店にさせてるらしい。ホバークラフトはそこから仲介料を取った上で自分らが作った店からもおしぼり代、マット代、生花料なんかの名目でみかじめ料をとってそれをシノギにしてるっちゅうこっちゃ(おしぼり代、マット代、生花料、125万円の領収書、平成27年5月15日付)」
麦秋「三ヶ島刑事、情報収集能力がハンパなく高いですね」
三ヶ島「まぁこれでも組対四課のデカやったからの」
麦秋「嫌味ですよ」
三ヶ島「なんやと?」
麦秋「そして、あの奥さんのご主人です(タブレット端末を操って)
三ヶ島「風見徹…おっ、組対部長、こっ、これ俺らの上司じゃないかい」

警視庁職員個人記録表
職員番号 第962346
所属 警視庁 組織犯罪対策部 役職 部長
階級 警視長
氏名 風見 徹
生年月日 昭和36年11月28日生まれ(53歳)
現住所 東京都豊島区目白1丁目5-11 東京都豊島区目白1丁目5は、まるまる学習院大学の土地である。
電話番号 03-398-6022
本籍 神奈川県川崎市川崎区日進町25-21
最終学歴 国立東京都大学 法学部 卒業 過去の職務経歴 なし
資格 普通自動車運転免許 英検1級
採用 国家公務員1種 昭和57年1月15日合格 昭和57年なら国家公務員上級甲種試験だったはず。
任用 昭和57年4月1日警察庁警察大学校任用

おれはこんなものを記録して何をしてるんだか。
麦秋「今年いっぱい何事もなく勤め上げれば来年には警察庁に戻り、局長クラスで迎えられ、いずれは警視総監との説も強いエース中のエースです」組対部長室、警察庁長官賞などの賞状で埋め尽くされている。
三ヶ島「調べてねやったら先言わんかい」タブレット端末を麦秋に返す。「やっぱり、何かの特別なルートがあるってことか」
麦秋、無視して「大麩豪」の入ったダンボールから一個取り出す。
三ヶ島「またそれかい。今から寝るんとちゃうんかい」
麦秋「おやすみなさい」
三ヶ島「どっちかいうたらいただきますやろ。お前何を寝しなにムシャムシャ食うとんねん」
麦秋「これ食べると夢見がいいんです」
三ヶ島「夢?夢?バクだけに」
(ムシャムシャ食べる麦秋)
三ヶ島「なにか喋れやお前腹立つな」
麦秋「三ヶ島刑事は早く寝てください」
三ヶ島「ムシャムシャ言うてて何言うてるか分かれへん」
麦秋「明日からホバークラフトを追い詰めます。そして、外堀から固めて村崎亮を足抜けさせます」
三ヶ島「娘さんの目、覚まさせたらええ話や。ヤクザとつきおうてかってええことあれへんって。そうやって言い聞かしたらしまいや。簡単や簡単」三ヶ島の思惑と違う形だが、娘さんの目は覚め、村崎亮は足抜けする結果となる。
鉄道の沿線
風間の娘・愛を説得する三ヶ島。しかし…
愛「もちろん恋人じゃ嫌。高校卒業したら結婚する」
愛「私ね、彼がヤクザでもヤクザじゃなくてもどっちでもいいの。だって彼の才能に惚れたんだもん」
鉄道のガード下にリーゼントが引っかかる三ヶ島。
三ヶ島「才能?」
愛「おじさん、彼のデザイン画、見たことある?」
三ヶ島「おじさんがショックで…」
愛「彼がデザインしたお店見たことある?」

愛「パパと一緒。亮ちゃんのこと何にも知らないくせに反対だけする。だから警察官って嫌い」
ガードに、「頭上注意!桁下1.7m」とリーゼントが桁にぶつかるイラストが描かれている。
村崎「僕は今の会社にいるからデザイナーができるんです。学校を出た後何社も回りました。今の会社以外全部落ちたんです」
三ヶ島「せやからってヤクザの会社でええんちゅうかい」
佐野「わたくしども暴追センターにご就職可能な工務店様が何件かございます。ご安心して暴力団をお辞めいただいて」
村崎「その中に僕をデザイナーで雇ってくれるところはありますか」
佐野「いや、いきなりデザイナーは…ございませんですね。ですね」

佐野「ご自分の夢も御大事だとは存じますが彼女様とはいかがなさるおつもりでございましょう」
村崎「愛ちゃんのことは愛してます。結婚するつもりです。愛ちゃんはもうすぐ18歳。親の許可はいらないはずです」民法第七百三十七条第一項  未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
村崎「それに、彼女は僕がヤクザでもいいって」
舎人警察署
有留章子に会いに行く永光遥
章子「ごめんなさいね。私の逮捕であなたの仕事まで奪ってしまって」
遥が首を振ると髪の毛がバッサバッサ震える(中の人ネタ?
遥「私、次の病院、決まったんです」
章子「えっ?もう?」
遥「ええ、姉の紹介で。それを伝えたくて、今日」
章子「お姉さんって、あのお姉さんの紹介?」
遥「はい。さすが警察でいろんな人に就職をあっせんしてるだけあって、すごくいい病院見つけてくれました!」
内島工務店
麦秋、タブレット端末でホバークラフトの施工事例を社長に見せる。
麦秋「これらのお店、作ったのはホバークラフトという会社になってますが実際に施工したのはこちらの会社ですね」
内島「同業社から仕事を請け負ったら罪になるんですか?」
麦秋「ええ。暴力団と知りながら請け負ったら」
内島「暴力団?まさか。私は暴力団とは全然知りませんでした」
麦秋「ホバークラフトは月に一度、親元の関東貴船組と会合しています。そこに毎回、寿司が出前されるそうです。その寿司代、いつもあなたが支払っているそうですね」
内島「…」
麦秋「ホバークラフトが関東貴船組のフロント企業と知っていた。その上で仕事を請け負っていた。そうですね?」
内島「すいません。でも…」
麦秋「暴排条例違反になります。こちらの会社名を公表します。社名が公表されれば顧客や取引先との信頼関係が壊れます。銀行の融資もストップするかもしれません」
内島「そんな…」
石山「ちょっと待った!こんなことだろうと思ったよ」
石山、東条、佐野、入ってくる。警察手帳を見せる石山。石山の階級は警部か警視だが、判読不能だった。
石山「あのね、いきなり社名の公表なんてまだ無理。そんな乱暴なことできません」
麦秋「私ならできます
石山「その『私なら』ってのやめてくれる?」
石山「あっ、暴排条例違反の取引事実を報告書(「東京都暴力団排除条例施行規則」に定められている。この報告書と後で出てくる誓約書を提出すると、勧告を免除できるのだ。条例第28条、規則第6条。法律監修はかっちり!)にしてくれればまだ、公表しませんから」
東条「それで、その暴力団企業との関係をやめれば、勧告、とかの処分もいまならまだ免除できると思います」
内島「免除ですか」
佐野「はい、め、ん、じょ、でございますー」
内島「わかりました。手を切ります」
麦秋、立ち上がり「できますか?万一関係が続くようなら、勧告書を出します。それでもまだ続くようなら、社名の公表です」
麦秋、カバンから書面を取り出し「ホバークラフトとの関係をやめるという誓約書です。こちらに、一筆頂戴いたします
内島、急いで署名する。
ホバークラフト
角田「誓約書を書いた?」
内島「すいません。警察に脅されて…それで…こちらとの取引についても、こういう報告書を出さなくてはいけなくなって、申し訳ないんですが、もう…」
角田「ふざけるな!お前はうちのおかげでどんだけええ思いを…」
渡辺「ほたえな!」(なぜ土佐弁?)
渡辺「報告書は出したらいい。うちもできるだけ協力しますよ」

渡辺「いまさらうちから手引くっていうんだったら、今度は俺から警察に通報しますよ。まだまだ深い付き合いがあるってね」
内島「そんな。そんなことしたら社長だって」
渡辺「うちとおたくは一蓮托生だ。一緒にお縄頂戴しましょうよ」
警視庁ロビー
水原「おい、誰だ」
受付嬢(あちらです、のジェスチャー)
内島「水原さん、助けてください」
水原「えーっと、だ、だ、だ、誰だっけ?
警視庁喫煙ルーム
満杯の喫煙ルームで、三ヶ島がタバコを吸っている。と思いきや、吸っているのは「NEO CEDAR(ネオシーダー)。」タバコ型の咳止め薬だが、タール・ニコチンを含む。
足抜けコール
水原が入ってくる。
水原「内島社長はな、俺が所轄時代に何度も助けた真面目な経営者だ!」(さっき「誰だっけ?」と言ってませんでした?)
三ヶ島「おいおい、どないしたんや」
水原「てめえ、ホバークラフト潰すって息巻いてるらしいな。おお、そりゃいい。だがそのためにカタギの内島社長がてめえに脅されんのは理解できねえ」
麦秋「理解できない?バカですか」
佐野「ハハハッ」
麦秋「ホバークラフトを経済的に孤立させるためです。そのためにホバークラフトに利益供与しているカタギを脅しヤクザとのつきあいをやめさせる」
水原「そんなことしたら、そのカタギがヤクザに脅されんだろうが!このやろう」
麦秋「だから脅される前に摘発しようとしたんです(石山を睨む麦秋)。内島社長を逮捕してこっちに拘束していれば、ヤクザに脅されることはなかったはずです」
三ヶ島「おいちょっと待て待てお前、カタギを逮捕する話になっとるがなこれ」
麦秋「私はヤクザだけでなく、ヤクザに利益供与しているカタギも絶対に許しません」
佐野「それは十分、理解できます。でございますがでございますがですよ、いくらなんでもかんでもやりすぎではございませんかと(麦秋、佐野を睨む)個人的には思いますよね」
東条「同じく」
石山「そうだよね。室長である僕も同感」
三ヶ島「俺もお前のやり方には納得できへんな。お前、大体お前(蛍光灯に頭をぶつける)お前大体村崎ヤクザ辞める気あれへんがな。えっ?」
麦秋「そうですか」資料室に入っていく麦秋
水原「ふざけるな。ふざけんじゃねえよ」
佐野「すねちゃったんですかねー」
石山「バクちゃんもあれ、納得したんだよね」
三ヶ島「おおよ」
再び資料室から出てくる麦秋。カバンを持って出て行く。
佐野「バクちゃんさん、追っかけたほうがいいんじゃございません?」
三ヶ島「お断りや」
石山「追いかけて。一人じゃ何するか分からないから」
三ヶ島「俺が?お前がいけや(石山に)」
石山「えっ」
三ヶ島「ああ、すいません。お前や!(東条に)」
東条「終業のチャイムだ
三ヶ島「あ、ホンマや、ってなってるかい」
この辺りから、場面が頻繁に変わって、めまぐるしい演出となる。
高級クラブ
麦秋「こういうマットやこういう花をホバークラフトから購入していますね。帳簿を調べればわかるんです」
ママ「ホバークラフトさんはお店を作ってもらった工務店さんです。それが悪いんですか?」
麦秋「先日酔って暴れた客がいて、警察を呼んでいますね」
ホステス「はあ」
麦秋「そのとき逮捕された客の嫌がらせに遭い、あなたは困ってホバークラフトにトラブルの解決を依頼した」足抜けコールのポスター《暴力団を利用しない》」にズーム
麦秋「その客に確認したところこの男に脅されたそうです。ホバークラフトの社員で関東貴船組の構成員です」
写真を見るクラブのママ
麦秋「この店に出入りしていますね?黙秘されるなら、客に聴取します」
ママ「お客様?それは困ります」
麦秋「では、お認めになりますね。暴力団の資金源になることを知りながら、店の工事を依頼した。そして、こういったものを購入している」《暴力団に金を出さない》
ママ「認めたら、どうなるんですか」
麦秋「暴排条例違反になります」
寿司屋
寿司店主「寿司を出前しただけで?」
麦秋「暴力団のフロント企業と知りながら何度も寿司を配達し、あまつさえチップまでもらった。立派な親密交際者です」《暴力団と交際しない》
理髪店
麦秋「あそこで貴船組の会合があるたびにここに駐車を許していたのも立派な利益供与です」
理髪店主「勝手に駐車していくんですよ。いつも」左側に1000yenカットの看板出しているのに右側に「大人調髪¥1,800」って、いわゆる1000円カットの店なのか、普通の理髪店なのか、どっちやねん。
麦秋「いいえ。あなたはそれを黙認していた。客の証言も取れています」《暴力団を恐れない》
店主「じゃあ、どうすればヤクザ相手にダメだと言えばよかったんですか」
麦秋「分かってるじゃないですか。もしくは警察に通報です。それが暴排条例です」
ホステス「なんであたしが、なんであたしが、こんな目に…」
麦秋「自らの無関心と無責任が生んだこんな災難をなんというか知っていますか」
麦秋「自業自得というんです」
クラブのママ「そんな、ひどい…」
三ヶ島「おっと、やっとめっけた。電話ぐらい出ろや」
佐野「バクちゃんさんよくぞご無事で…あっ?えっ?」
三ヶ島「無事かどうかはこの店の方やろ」下にホステスや客が集まっている。「なんやお前、何があったんや」
麦秋「ヤクザとの取引を、報告書でいただきます。そして、こちらにも(誓約書)一筆頂戴致します」
三ヶ島「お前幾ら何でもやりすぎやろ」
佐野「確かにおっしゃるとおり」
麦秋「ここまでしないとヤクザはなくなりません」
三ヶ島「せやけど結局カタギがヤクザの矢面に立つことになるっつうこっちゃろ」
麦秋「暴排条例とはそういう法律です」
三ヶ島「全然ちゃうわい」
麦秋「いいえ。第一条で市民の責務を明らかにするための条例だとうたっています。つまりヤクザではなく一般市民にヤクザを排除する責任があるといってるんです」

暴力団排除条例の基本理念
1 暴力団を利用しない
2 暴力団に金を出さない
3 暴力団を恐れない
+暴力団と交際しない
平成23年10月1日
東京都暴力団排除条例が制定されました。

三ヶ島「そんなアホなこと」
佐野「確かに、そういう側面は否めないのが事実です」
三ヶ島「ヤクザとのつきあいやめさすんはお前カタギ守るためやろ」
麦秋「やめると宣言すれば大抵のヤクザは黙っていません」
三ヶ島「その場合は警察が守るんや。その専用の人員もおるやろお前」
麦秋「その人員だけでヤクザとのつきあいをやめると言ったカタギを全員守れるんですか?24時間365日。それができなければカタギをヤクザの矢面に立たせるってことです」
三ヶ島「それでもやお前、ヤクザの矢面立つんはお前カタギやのうて、俺ら警察であるべきやろ
麦秋「あなたの非現実的な寝言は私が寝てからつぶやいてください」
橘の屋敷
渡辺「わけがわかりません。今朝になって突然です」
角田「取引先だけじゃねえ、出前を取ってた寿司屋や蕎麦屋まで、もう出前できねえって言い出して」
橘「そんなムチャクチャな摘発すんのどんなデカだ」
渡辺「黒い服の女の警官だったそうです」
藤田「ああっ、あっ、いや、俺がいた九瀬組を壊滅させたのも、黒い服の小柄な女だったそうです」
水田「だとすると、倉持一家を潰したのも、同じ警官のはずです」
橘「その警官になんで、お前らが突然集中攻撃受けるんだ」
角田「あの、もしかしたら村崎のせいかもしれません」
渡辺「村崎亮、ウチの社員です。なんであいつのせいで?」
角田「警察に足抜けをすすめられたとか言ってました。つきあってるこれが警察のお偉いさんの娘らしくて」
水田「バカか。いますぐそいつを呼べ!」
橘「ちょっと待て。意外に面白いことになるかもしれねえぞ」
風見家
電話がかかってくる。妻が取る。
夫は出勤準備中。
途中からスピーカーに切り替える。
渡辺(公衆電話から)「俺が誰かは問題じゃない。問題は警察官僚の娘がヤクザの親密交際者だってことだ。そしてこんなことが警察に知れたら」
録音を聴いている三ヶ島と麦秋
渡辺(録音)「あなたのご主人の大事な大事なキャリアが一瞬で終わってしまうってことだ」
風見「(録音止めて)西千住の公衆電話からだったようだ」
三ヶ島「貴船組の連中かもしれんな」
風見「やっぱり君達か。我が家の個人情報を漏らしたのは」
三ヶ島「いや、あの、俺らはあの、奥さんからの依頼受けて」
風見「分かってる。バカな妻がバカな依頼をしたようだね」
麦秋「録音の続きを聞かせてください。相手の要求は何ですか」
風見、録音を再開させる。
風見(録音)「ウチの娘が、ヤクザの親密交際者?そんなバカげた電話、一体なんのつもりだ?」
渡辺(録音)「要求は一つ。俺たちのシノギを妨害するのはやめろ。黒い服の女の警官がしてるような妨害だ。分からなかったら部下に聞け」
風見「いいか、君たちはこの件から手を引きなさい。話は以上だ。帰りたまえ」
麦秋「暴力団の嫌がらせに屈するというわけですね」
風見「これは君たちの仕事ではないし、君たちとは関係のないことだ」
三ヶ島「いやいやあの、関係はありますよ。俺らその、部長さん宅の個人的な事情を知ってしまいましたから」
風見「なるほど。四課から足抜けコールに飛ばされるわけだ」
麦秋「村崎は必ず、私が足抜けさせます。ですから…」
風見「その男が足抜けしたとしても元ヤクザと娘が交際した時点で私のキャリアはおしまいなんだよ」
麦秋「かといってこのまま放っておいても二人の交際は終わりません」
風見「男が逮捕されれば、さすがに終わるだろう」
足抜けコール
ICレコーダーで再生している水原
声「これまでのデザイン料の未払い分、金利もつけて625万円、一括で支払え」
水原「ホバークラフト社長の渡辺って男の声らしい」
東条「こんな脅迫電話が内島社長のとこにあったんですか?」
水原「という設定だ」
佐野「せってい?」
水原「そう。で、こういう脅迫電話がありましたという内島社長のちょ・う・しょ」
三ヶ島「ちゃんと説明せいお前」
水原「だから、この音声は風見部長の家にかかってきた脅迫電話の声紋を使って科捜研が勝手に作った、しょ・う・こ」
三ヶ島「でっち上げやないかい」
水原「で、明日僕たち、でっち上げ逮捕に行きますって、へへへ」
石山「あの、なんでそれうちに教えてくれるの?」
水原「ハハ、こんな違法捜査、上の命令じゃなきゃしたくないからですよ。それに、ホバークラフトの社長が逮捕されたら、村崎ってやつを足抜けさせるチャンスでしょ」
麦秋「いいじゃないですか。使用者責任で貴船組の組長、橘勲を逮捕するチャンスでもあります」
水原「それはしねえみたいだ」
麦秋「なぜ?」
水原「逮捕された連中が取り調べで部長の家の事情を吐かねえように、保険として取っとくらしいや」
佐野「あの部長様、いかなるご手段も選ばないってことでございますね」
水原「とにかく、これで借りは返したからな」
三ヶ島「待てや、デカがでっち上げ捜査なんかしたらもう終わりやぞ」
水原、黙って出て行く
人事課課長室
麦秋「その、オリジナルの音声が科捜研にあるはずです」
谷川「また、どんな強引なことをするのですか?」
麦秋「成果を上げている限り、内容については私に一任していただいているはず」
谷川「ふっ、増長しますね〜」
麦秋「ただ本気である。それだけです」
橘屋敷
同じ音声が水田の手に渡る
渡辺「おれ、こんな電話絶対内島社長にしてませんよ。ホントです」
水田「分かってる」胸ポケットからICレコーダーを出す。
別人の声で、同じ内容が。
水田「これが、オリジナルの音声だそうです」
橘「全く違う声じゃねえかよ」
水田「第三者の声を科捜研が渡辺の声に加工したそうです」
渡辺「きたねえよ。警察はそんなマネまでしてウチを」
橘「千一よ、お前よくこんなもん手に入ったじゃねえかよ」
水田「最近ウチに来た客分が持ってきたネタです」

水田(渡辺に)「明日お前の会社にサツが来るぞ。偽造した証拠ででっち上げ逮捕するらしい」
渡辺「逃げといたほうがいいってことですか」
水田「いや、せっかくこれだけのネタが揃ってる。有効に使おうや」
藤田「あの、頭。何をするにしても、一応保険をかけておいたほうが」
水田「保険だ?」
ホバークラフト
踏み込む水原「恐喝未遂の疑いで、任意同行願います。というわけで、社長の渡辺、どこだ」
角田「ここにはいねえよ」
水原「はぁーっ」
公衆電話から電話する渡辺
渡辺「警視庁組対部長の風見徹さんですね?」
風見「お前、その声は…」
渡辺「そうです。あんたに勝手に声を使われたもんです。そのでっち上げ捜査で忙しいとこ悪いんだけど、サシで話ししません。どうでしょう」
風見「私を誰だと思ってるんだ。そんな誘いに乗ると思うのか」
ICレコーダーのオリジナルの音声を再生して風見に聞かせる渡辺
渡辺「今の声、おれの声になる前のオリジナルね」
風見「おまえ、 それをどこで」
渡辺「それも含めて、会って話しません?あんたにとっても悪い話しじゃないとおもうんだけど。その前に今うちの会社にいるあんたの部下たち、どかしてもらえるかな」
警視庁、タバコ部屋
三ヶ島「お前一体何を言うとんの」
マスクをしている麦秋。
喫煙室から追い出された連中が喫煙室の周りでタバコを吸ってる。喫煙室の意味ないじゃん(笑)
三ヶ島「そんなことしたらおれの立場はどうなんねん」
麦秋、マスクを外して喋る「組対部長の意に反する行為をすれば自分の立場はどうなるかというあなたの保身に関する質問ですか?」
三ヶ島、ネオシーダーを吸おうとするが麦秋に止められる。
麦秋「ヤクザの矢面に立つのは我々、警察であるべき。あの言葉は嘘ですか?」
三ヶ島、リーゼントを触る。
警視庁・ロビー
歩いてくる組対部長とぶつかってしまう三ヶ島
風見「何やってるんだ、こんなところで!」
三ヶ島「えーっ、警視庁のデカが警視庁におったら変ですか」
麦秋、風見の上着と財布を拾って「風見部長は、どちらへいくのですか」
風見「どこだっていいだろ」上着と財布を麦秋から奪い取る
麦秋「たった一人で運転手もつけずに行くようなところ。そういうところにいくのですか」
ホバークラフト
オリジナルの音声を風見に聞かせる渡辺
渡辺「これどう聴いてもおれの声じゃありませんね。なのにこれを証拠に内島社長から調書を取った。で、マル暴のデカさんたちをここに踏み込ませた。これは明らかに違法捜査でしょ。あんたを脅すネタが二つになった。これと、あんたの娘さんがあろうことかうちの構成員と付き合っているってことだ」
風見「何が望みだ」
渡辺「うちのケツ持ちがヤクザを取り締まる警察のトップだったらこんなに心強いことはねえ。そうなったら、この二つのネタ、永遠に葬ってあげますよ。さあ、イエスかノーか(ICレコーダーの録音をして)、ここに、どうぞ」
風見「…」
三ヶ島と麦秋が入ってくる。
三ヶ島「答えはノーや!」
麦秋、風見の袖から財布を取り出し、中からカード型のICレコーダーを取り出す。
三ヶ島「よう見い、これはな、カード型のレコーダーや。薄いやろ。ミリや。ミリ単位や。今お前がここでした脅迫行為はバッチリ録音してある」
渡辺(録音)「あんたを脅すネタが二つになった。これと、あんたの娘さんがあろうことかうちの構成員と付き合っているってことだ」
麦秋「こんどはでっちあげじゃない、動かぬ証拠です」
衝立を倒して、組員があらわれる。
三ヶ島「嘘やん。おった」隠れようとする三ヶ島
角田「よこせ」
麦秋「よかったです。先に手を出してしていたけいて。暴対法違反で逮捕いたします。ちなみにその場合、使用者責任であなた方の組長も逮捕することになりますがよろしいですね」
風見「いやいや、この段階で橘の使用者責任は無理だ」
三ヶ島「部長、助けに来たのになんでそんな水さすねん」
麦秋「でしたら、彼を逮捕し、取り調べで組長の関与を吐かせれば済むことです」
渡辺、角田に「逃げろ早く」
逃げる角田
麦秋「三ヶ島刑事」
三ヶ島「いや怖いから無理や」
麦秋、角田を追いかけて、入り口のカウンターでジャンプして蹴りを入れる。このときズロースが見えるのだが、今回は「キラーン⭐️」はないようだ。
そこにあった棒で渡辺社長以下全員をぶちのめす麦秋
風見「こんなおおごとにして一体どうするつもりだ」
麦秋「知れたこと。彼らを逮捕します。そしてその使用者責任で橘勲組長を逮捕します」
橘の屋敷
屋敷に入る三ヶ島と麦秋。水田が応対する。三ヶ島と麦秋の名刺が置いてある。
藤田、あらわれる「ホバークラフトはすでにうちとは無関係です」
履歴事項全部証明書
三ヶ島「内島工務店に分割及び一切の権利を内島工務店が…」
麦秋「内島工務店に譲渡したってことですか」
藤田「ええそのとおり。内島工務店はあなたがたが一番ご存知のとおり我々とはなんの関係もないカタギの会社」
水田「うちの組長にはなんの関係もありません。お帰りください」
帰っていく三ヶ島と麦秋。「キーン」という音が聞こえる。別に麦秋の死んだ父が現れるわけではなく、振り返ると市倉班長、ではなく橘勲が見下ろしている。
橘「なるほどな、黒い服の小柄な警官だ」
水田「その警官の名刺です」
橘「組織犯罪対策第三課 ながみつばくしゅう」
水田「ご存知の警官でしたか?」
橘の表情はいかんとも捉えがたい。
足抜けコール
三ヶ島「全くか。全くないんか」
二課の刑事「全く関係なし。ホバークラフトも内島工務店もすでに貴船組とは見事に無関係な会社だ。失礼しますよ」
東条と佐野、入ってくる
東条「協力してもらった土木の会社、体がキツいらしくて」
佐野「だからって無断欠勤はまずいですよ。折角協力企業にしていただいた…」
二課の刑事「佐野、そうか、お前マル暴に異動したんだったな。大変だろ」これ、「異動したのか」とかじゃなくて「異動したんだったな」と断定になっているのが気になる。
佐野「あっ、正確には暴追センターに出向です」
二課の刑事「えっ?ああ…腐らず頑張れよ」
三ヶ島「おいおい、何や知り合いか」
石山「佐野くん、少し前まで刑事部の捜査二課にいたんだよ」
三ヶ島「捜査二課って…一応エリートやんけ」
東条「あ、じゃあ今の、捜査二課の人?」
三ヶ島「なんや、エリート部署からお前、警察OBで成り立ってる、暴追センターに飛ばされるってお前一体何やったんや?」
佐野「別に?よくある人事異動です」
三ヶ島「あるかいお前こんな人事異動お前、何があったんや?」
麦秋「三ヶ島刑事、あなたも組対四課からここに飛ばされてきた稀に見るダメな例のはずです」
三ヶ島「稀に見るダメな例言うな」
佐野「あの、それより大丈夫なんですか。組対部長の目の前でフロント企業のヤクザ逮捕したって聞きましたよ」
石山「おかげで部長の家の事情もでっち上げ捜査も人事に伝わっちゃった」
公園
佐野「というわけで愛ちゃんのお父さんは地方の最羽手署の署長になりました」
ちなみに新聞に出てる人事は、

【警視監】人身安全関連事案総合対策本部長事務取扱兼務 時谷浩二(副総監)
【警視長】
最羽手署長 風見徹(組織犯罪対策部長)
生活安全部長 佐久間豪将(荒川中央署長)
【警視正】
人身安全関連事案総合対策本部副本部長兼総務部参事官兼生活安全部参事官 大崎隆文(渋谷署長)
【警視】
生活安全特別捜査隊副隊長・子供女性安全対策兼人身安全対策関連事案総合対策本部調査担当 川原康宣(公安総務課調査担当兼企????兼捜査1課調????)

こんなものを調べて何になるんだろう。ちなみにやたらと人身安全関連事案総合対策本部に関する人事が多いな、というのと、水原が勤めていた荒川中央署の署長が生活安全部長に栄転なのがわかる。普通は後任の組対部長や荒川中央署長の人事も発令されるはずだが。
麦秋「あなたのせいです」
村崎「でも、うちはカタギの会社になったんですよね?」
麦秋「いえ、フロント企業に戻るのは時間の問題です」
佐野「そんな会社、もうやめませんか」
村崎「僕は、デザインの仕事がしたいんです」
三ヶ島「それで幸せになれるんかい」
愛を連れてくる。
三ヶ島「この子幸せになれるのかい」
愛「なれるよ。私、亮ちゃんがヤクザでもいい。私、亮ちゃんの描くデザインが本当に好き。初めて見た時すごい才能だって思った。私、そんな亮ちゃんだから好きになったんだよ」
麦秋「そのおかげで、あなたの親は犠牲になりました」
愛「それは、でも、でも…」

村崎「刑事さん、僕、カタギになります。僕を、カタギにしてください(頭をさげる)」
三ヶ島「よう言うた。それでこそ男や」
麦秋「では、関東貴船組の村崎亮さん」
三ヶ島・麦秋・佐野「あなたの足抜け、お引き受けいたします」
佐野「いよーっ」拍子木を出して鳴らす。(いつも持ち歩いてるのか)
足抜けコールで「暴力団離脱希望者 記入用紙」を作成する東条

平成27年5月20日
警視庁組織犯罪対策部 組織犯罪対策第三課
巡査部長 東条 剣
団体名 関東貴船組 役職 構成員
氏名 村崎 亮(単身)
生年月日 昭和60年7月23日(29歳)
自宅住所 〒110-001 東京都台東区三ノ輪2丁目7-15-201
電話番号 090-283-0241
離脱希望者は、デナイザーを目指し美術大学に通い、その後デザイナーとして就職
活動するも採用にはならなかった。そんな時に「デザイナーとして雇ってやるとの甘
言を用いて貴船組組員が近づき、不審に思いながらも「ホバークラフト」に入社した。
入社後暫くして貴船組構成員となることを強要され、ホバークラフトがフロント企業で
あることを認識したが、デナイザーを続けることを優先し貴船組構成員となった。
しかし、地震が交際する女性との関係を契機に今後の生活等のことを鑑み、今回
の離脱希望に至ったものである。
平成16年3月、長野県立東田高等学校を卒業後、
同年4月に奥多摩美術大学に入学
平成20年3月、同大学を卒業後
平成22年4月、荒巻設計事務所に就職し営業職に就くも翌年の6月に退社
平成24年5月、関東貴船組のフロント企業であるホバークラフト株式会社に入社、
同時に社員兼関東貴船組の構成員となる
平成27年5月、上記理由により、同会社の退社、並びに関東貴船組の離脱を希望
犯罪歴なし

どうでもいいが「デナイザー」と2箇所なってるのは何?
そして、村崎の離脱願いの宛名の組織犯罪対策部の部長の名前が、「満島 隆太郎」に変わっている。
愛「亮ちゃん」
手を振る佐野=勝地涼
三ヶ島「お前ちゃうねん」
愛「何?これ」村崎亮が持っている人形を指して
佐野「再就職が決まったお祝いです。足抜けコールの非公認ゆるキャラ『やメーたん』でございますです」

村崎「三ヶ島さん、バクさん、これからは俺、彼女のために身を粉にして働きます」自分は?と佐野(これも毎回のパターンになるのだろうか)
愛「デザイン画描いたらまた見せてね」
村崎「いやもう描かないよ。まずは営業からって言われてるけど、でもそのうち資材調達や施工管理なんかも任せてもらえるかもしれないから…」
愛「亮ちゃん、デザインは?」
村崎「諦めたよ。もともと僕に、才能なんてないし、これからは愛ちゃんのためだけに働く。だから、愛ちゃんが高校卒業したら」
三ヶ島「おうおうおう」
村崎「僕と一緒になってください」
愛、村崎をひっぱたく
愛「僕にはデザインしかない、一生デザイナーとして生きて行くって言ったじゃない。私は、私は亮ちゃんの才能が好きだったの。デザイナーでなくなった亮ちゃんなんて魅力ゼロ」このオチは、予想がついたね。
三ヶ島「そんな言い方あるかい」
愛「さようなら」
村崎「愛ちゃん、愛ちゃん…」
麦秋「無駄です。女が一度ああなったら、おしまいです」
村崎「そんな。これじゃ僕、何のためにカタギになったんだ」
麦秋「苦しんでください。苦しんで苦しんで、そうしてそこから、あなたはカタギにはいあがっていくんです」
三ヶ島「おいちょっ、決め台詞置いてさっそうと去るなよ」

三ヶ島「お前、こうなること分かっとったんか。さすがヤメゴク。ヤクザをやめさす極道や」
麦秋「私を極道と呼ぶことは許さないと言ったはずです」
三ヶ島「ホンマ憎んでんねやなヤクザを」
麦秋「言ったはずです。私が憎んでいるのはヤクザだけじゃないと」
三ヶ島「おお、今回のお前のムチャクチャ見たら、カタギを憎んでんのもようわかったわ」
麦秋「ヤクザに利益供与するカタギです」
三ヶ島「せやったな。せやけどな、カタギがそんなんになるにはそれ相応の理由みたいなもんがあるんとちゃうか。…何や」
麦秋「母も、同じような言い訳をしました」
三ヶ島「母?」
麦秋「はい。母です」
三ヶ島「お前を憎んでるカタギって…」

深読みは、first impressionでかなりやってしまったところだが、やはり何回も見直すと謎が深まってくる。
やはり気になるのは佐野である。改めて見ると、二課の刑事から、「お前マル暴に異動したんだったな」と言われているのが気になる。本当は警視庁に籍があるのではないだろうか。組対部長の妻が首からかけていたような、入館証をしていないし。
それと、字幕である。主役である永光麦秋が黄色、三ヶ島翔が水色、佐野直道が緑色なのに気づいた。同じ足抜けコールの石山室長、登場、そして、ラスボスになりそうな、橘勲ですら「その他」扱いの白色なのである。佐野の扱いが特別すぎないか。ケイゾク、SPECのパターンでいくと、ずっと追ってきた敵が死んだところで、真のラスボスが現れるわけだが、橘を倒すとか足抜けさせるとかしたあとで、真のラスボスとして佐野が現れるのだろうか。
そして、偽装音声の件である。最初に科捜研に偽装音声を作らせて、内島社長に調書を取らせ、でっち上げ逮捕の一連の流れは、組対部長の指示によるものとして、オリジナル音声は麦秋が谷川課長のルートで手に入れたものである。そうなると、渡辺をはめるためにあえて関東貴船組の客分に流したということになる。
話のややこしさは、東京都暴力団排除条例が忠実に描写されているのだが、暴排条例に関する解説がほとんどされていないためでもある。暴排条例(東京都暴力団排除条例)についてという記事を書いたが、今回は、暴力団排除のための市民の責務について取り上げられている。これについても、勉強しなければならないと思っている。

ディスカッションに参加

1件のコメント

  1. 麦秋はやりすぎだと思う。例えばヤクザがただ腕をつかんだだけで、あそこまで暴力を振るった場合、「いきなりここに来てみんなに暴力を振るった」って事で、逆に暴行犯で逮捕されてしまうと思う。ヤクザが頭を使って、「俺達は何もしてないのに暴力を振るわれました」って言えば、本当に「いきなり暴力を振るった」ようになってしまうと思う。だって、ただ腕をつかむだけなら、その事を警察に言えばいいだけの話で「正当防衛」じゃないだろ。それに、堅気の人間はどこがヤクザの会社なんて知らないって。

コメントをどうぞ

匿名 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です