【SPEC】『結』残された2の謎

といーじさんのブログ、新・とあるスペックホルダーのメモ帳において、「【SPEC】『結』残された35の謎」という記事が立っていたので、これに便乗して、『結』の35の謎に対して私なりの回答を出してみようと言う、他力本願な記事を書くことを思いついた。これが以前に書いた記事、【SPEC】『結』残された35の謎(便乗)
その記事で2つの謎を提示し、「回答はまた今度」としたところの、また今度である。
なんか今さら感が漂うのであるが、とりあえず当面のネタつなぎということで。


36.TVシリーズからずっと、SPECは人間の進化だと言ってきたが、ユダはそれを否定した。また、セカイは、先人類由来のSPEC HOLDERとそうでないSPEC HOLDERがいることを示唆した。当麻はDNAの違いだと言った。真実は?
全ての登場人物の主張が正しいわけではないので、『SPEC』の掟、と書いてしまえば簡単だが、整理すると次のようなことになる。
・ユダがサブアトラス会議で語ったのはユダがそう思っていた内容なのだろう。生命の起源が隕石にあるという仮説はあるので、その部分は歴史に即しているのだろう。ただ、人類の起源、ではないのだな。
・セカイが言うように、人類がSPECを持ったのはセカイたちの上位に位置するある存在が人類を進化させたためである。後述。
・SPEC HOLDERの能力は人類の脳の進化だけでは説明がしきれないことから、SPEC HOLDERになった人間にはDNAに変化が生じ、そのDNAを元に生成された細胞が、さまざまなSPECを生み出したと考える。
37.朝倉は『ケイゾク』では快楽殺人犯でレイプ事件の加害者だったが、『結』では神に近い、というか神と言っていいような存在になっている。なぜそのような違いがある?
朝倉について、堤幸彦監督は、『テレビがくれた夢 堤幸彦~「SPEC」「ケイゾク」を語る~』のなかで次のように語っている。

「私は『ケイゾク』で見えた朝倉という人物に象徴される何やら巨悪に対してその存在があること自体がちょっとびっくりしました。通常の刑事ドラマにしたくないというところから始まって、じゃあ何かそこにおけるキャラクターのダークサイドみたいなものをきちんと作って行こうじゃないかというところで始まりましたので、特に映画版のBeautiful Dreamerにおいてはダークサイドが後半20分ぐらいの見せ場になっていて、何のことやら全く分からんという意見から、なるほどそういうことをあなたがたはやりたかったのですねという好意的な意見から、真っ二つに意見が分かれ、それはそれとして狙い通りと申し上げるのも不遜な言い方ですけれども、そのような作品ができた」

これを読む限り、堤監督やスタッフは、朝倉を、いわゆる究極的な悪として描くことを予定していたのだと思う。
神や仏というと、人間を救ってくれる存在であり、即ち「善」であると思ってしまうが、人間に試練を与えるのも神であり、「悪」をなす存在もまた神である、すなわち、ときに「善」であったり「悪」であったりするグレーな存在である人類と違って、究極的な善、究極的な悪という存在はほとんど神と言っていいと言えるのではないだろうか。
そういえば、「究極的な善と、究極的な悪は、コインの裏表」と言っていたドラマがありましたっけ。
ともあれ、究極的な悪である朝倉は、『ケイゾク』では「朝倉裕人」として犯罪というゲームに手を染めていた部分が表現されたが、『SPEC』ではSPEC HOLDERを進化させ、セカイたちを破滅に導く一員となった。ということで私は納得している。

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