【ケイゾク】『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』の楽しみ方【3/25NHK BSプレミアム】

3月25日に放送というのもあるし、『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』を見たことのない人でも、たとえそれがドラマ『ケイゾク』を見たことがない方でも、楽しめるように、面白さを伝えるような記事を書こうと思ったのだが…


【連続ドラマ、特別篇、映画のつながり】
SPECは零、起、翔、天、結と物語が続いているが、ケイゾクは連続ドラマで一旦完結して、特別篇で再スタートして、さらに映画で再スタートと言う感じで続いているので、話の連続性はあまりないと言える。映画の冒頭で真山が負傷しているのは特別篇を受けての話なのだが、特別篇の続きであるという理屈づけのためにあるようなシーンだ。。
【柴田・真山の「無類のコンビ」の魅力】
中谷美紀さん演じる柴田純、渡部篤郎さん演じる真山徹のコンビの面白さを、まず第一に挙げたい。この二人のコンビぶりは、他のどんなコンビにも当てはまらない魅力と言うことで、私は「無類のコンビ」と呼んでいる。
東大法学部出身のエリートで、推理小説マニアで推理力は最高だが、衣装のセンスはダサくろくに風呂に入っていないとか、天然ボケの一面があってオムツをはいて現場に出て来てしまったことがある、などといったキャラクターを、魅力的に見せてしまった中谷さんの演技。
元公安のやり手刑事だが、暗い過去を持ち、推理はからきしだが、犯人の動機を見抜くのに長けている、しかし女好き(笑)やテレビマニア(笑)の側面もあるという支離滅裂なキャラクターを演じきった渡部さん。
この柴田と真山という二人、コンビものにありがちな「対立しながら事件を解決していく」という構図では全くないというのが「無類」なところだ。柴田のボケに真山が突っ込みを入れ(あるいは真山の突っ込み期待しながら柴田がボケて)柴田が犯行のトリックを暴き、真山が動機を暴く。「二人で半人前」という言い方も、されていたと思う。
そんな柴田と真山が、上司と部下という関係になって、どうなるのか…というのが映画の見どころのひとつだ。
【映像の妙】
堤幸彦監督作品の多くに共通することだが、独特の映像表現である。その中で特に『ケイゾク』で特徴的なのは、ステディカムなどを使った、「動き」のあるカメラや「ブレ」を使った表現。また、青や赤など、極端な色彩のフィルターワークも特徴だろう。
今では当たり前の技術になったが、VFXも使われている。『映画』では、「お城」が出てくるのだが、かなりのシーンでCGによる合成が使われていると、聞いている。
フィルム撮影なのだが、現像に「銀残し」という手法が使われている。これによってコントラストの強い映像になっている。また彩度が低い映像にもなっている。
堤監督はプロモーションビデオを多く手がけているが、映画は音楽と一体となったプロモーションビデオばりの格好いい映像がつぎつぎ展開される。特に前半は場面転換の早さに圧倒される。
【複雑怪奇なトリック】
蒔田光治氏の複雑怪奇なトリックも魅力の一つだ。ネタバレは避けるが、何でこんな大掛かりなことをやってのけるのかと言うトリックが登場する。『映画』では、いろいろなものが消えていく。殺害されたばかりの死体が消え、物が消え、部屋が消え、島が消える、というトリックを、柴田が暴くことになる。
ミステリーの解決場面での見せ方も、魅力の一つである。
「そんなのあり得ないだろ」ということもしばしばあるのだが、突っ込みを入れるのもまた楽しみである。
【真山と朝倉の対決】
『SPEC』で言うところの当麻とにのまえの対決みたいなものだと言うと、分かりやすい人が多いだろう。とにかくハードな展開。「ゴールデンのドラマでここまでやっていいのか?」というイリュージョン。あ、映画は映画か。柴田と真山の脳内を舞台に、朝倉との戦いが行われる。その戦いを具現化するため、宮古島の不思議な自然をロケで使っている。
ちなみに、1話、2話を作ったあとに植田Pが○○さんにお会いして、「こんな恐い人はいないんじゃないか」と思って、連続ドラマの最後がああなったのだそうだ…というのは連続ドラマを見てのお楽しみ。
ドラマの前半が一話完結のミステリー、後半が真山と朝倉の対決を描いたというのは、SPECと似ているのだが、『ケイゾク』では、『特別篇』でも『映画』でも、ミステリー、真山と朝倉の対決という、1つの話の中で2つの要素が入っているところが特徴である。
ちなみに、『SPEC〜結〜爻ノ篇』で、「アサクラ」と呼ばれるキャラクターが出てくるが、この映画を見れば解決するかというと、解決はしない。ただ何かがつながるかもしれない。
【小ネタ、脇ネタ】
『トリック』や『SPEC』から入った人に言わせると、「ギャグが少ない」と言う感じを受けるらしいのだが、連続ドラマから『ケイゾク』には小ネタというか脇ネタがたくさん詰まっている。というか、脇ネタが回を重ねるごとに展開していく面白みがあったのであって、谷口が追っている事件だったり、雅ちゃんだったり、今井夏紀婦警だったりする。連続ドラマで積み重ねて来た脇ネタが、映画で一気に結実した感がある。特に、雅ちゃんがらみは「脇」と言う域を超えるくらい尺が長い
映画に登場する壺坂(泉谷しげるさん)の妻についても、第10話に伏線があったりする。ちなみに、R指定にする、しないという話があって、植田Pが最後会議室に閉じ込められて説教されてR指定を断念(?)したというエピソードがあるそうだが、壺坂がらみのシーンの件ではないかと思っている。
まぁ、ネタが古くて小ネタだと認識されないものがあるというのは言えるかもしれない。

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