ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』について何か書け、という声が寄せられた。
このドラマに関しても、色々と思い入れがあるのだが、最近見直していない。
取りあえず、ドラマについて整理しておこう。
原作は石田衣良著の同名小説で、現在まで10巻が出版されている。ドラマは原作の3巻までのいくつかのエピソードをもとに、オリジナルエピソードを加え、構成を大幅に変え、キャラクター設定をアレンジし…とにかく大幅にアレンジしている。
脚本は宮藤官九郎、今でこそ「あまちゃん」を初めとする多くの作品で世に知られるところとなったが、連続ドラマは初作品となる。
演出は堤幸彦監督、伊佐野英樹監督、金子文紀監督。余談だが、金子文紀監督は、後に、『木更津キャッツアイ』のチーフ演出を務めることとなる。
この、宮藤官九郎脚本と堤幸彦監督のコンビというのは、『文藝春秋×PLANETS あまちゃんメモリーズ』収録の、成馬零一氏の論考によると、後のクドカンドラマにない要素が埋め込まれているという。後のクドカンドラマが、大人も子どももみんな仲良くなってしまうのに対して、「大人と子どもの闘争」という要素が、学生運動に憧れた堤監督の要素だというのだ。
さらに、堤監督が課した、池袋近辺から出ない(3kmとか言っていたような気もする)という制約が、「池袋感」を異常に際立たせている。これは、IWGPが好きで好きで、池袋に住んだことのある私が言うのだから間違いない。正確に言うとドラマが放送された2000年頃の「池袋感」だ。今は、真島フルーツや最後の抗争の舞台となった空き地も、再開発で消滅。池袋西口公園には、ステージが作られて、ドラマのときの印象とは変わっている(キングの銅像はもちろんない)。西口の駅前広場も、ロータリーが改良されて印象が変わってしまった。シュンが万引きしたリブロも閉店したし、吉岡がリツコを食事に誘った東方会館も、人世横丁もなくなった。キンカ堂が閉店したのは耳に新しいところ。
もちろん、変わらないところもあって、池袋大橋とかビックリガードはそのまんまだし、「6チャンネルの回」に出て来た路地はほとんどそのままだ。
ちなみに原作の方は続いているから池袋の変化を追ってくれているわけで、「ロサ会館にTSUTAYAができて便利になった」なんてことが書いてあったのにはにやりとしてしまった。
それはさておき、登場人物も、脇キャラまで連続ドラマや映画の主役を張るような大物が輩出しているのは皆さんご存知と思うが、ゲストキャラでも、川崎麻世、小栗旬、古田新太、村杉蝉之介、白竜、未唯、池田鉄洋、島田洋七、島田洋八、皆川猿時、多田木亮佑、キムラ緑子、森山周一郎といった、有名どころからクドカン作品、堤作品におなじみの俳優が出演している。
ということで、気が向いたら各話の小ネタを書いていくかもしれない。
基本、池袋の話がメインになるような気がするが。