SNS時代に「よくない」ドラマタイトル

昨日から、朝ドラ『まれ』が始まった。
番組自体はまだ見られていないのだが、このタイトルのことである。
以前、Googleトレンドに見る朝ドラ人気という記事で少し書かせてもらったが、『まれ』というタイトルは、ネット上で取り扱われる際、朝ドラのことを取り上げているのか、他のことを取り上げているのか区別がつきにくい、非常によろしくない命名なのだ。いま試しに「まれ」でGoogle検索してみると、1ページ目は朝ドラの『まれ』に関するサイトが出てくるが、2ページ目からは「巨人ポレダ モーション盗まれていた」「商品案内 – 会津ほまれ公式HP」「国オンラインショップ」といった感じだ。
『まれ』はよくないタイトルのお手本として、他に、ネットが発達し、SNSでドラマの感想が語られるようになった時代に「好ましくない」ドラマのタイトルはどのようなものがあるだろうか。


まず、以前も述べたように、『カーネーション』『ごちそうさん』のように一般名詞に近いタイトル。『トリック』なんかもあてはまるだろう。『デート〜恋とはどんなものかしら〜』も「〜恋とはどんなものかしら〜」がついているが、普通は「〜」のあとまではSNSなどでは話題にしないだろうから、あまりよろしくない。『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』などというのは、もってのほかである。
PCやスマートフォンで入力しづらいタイトルというのも好ましくない。私のPCでは『花燃ゆ』は一発で変換できない。辞書登録すればいいという話だが、辞書登録してまでSNSで語るところまで行くか、という問題が生じてしまう。『恋愛寫眞 Collage of our Life』なんてどう思いますか?
原作ものの作品や、何度もドラマ化されている作品は、どの作品について話題になっているのかがわかりにくくなってしまうのが難しい。
最近の作品だと『家族狩り』『すべてがFになる』は、ドラマのシリーズとしての『F』に言及しているのか、エピソードとしての『F』に言及しているのか、原作のエピソードとしての『F』に言及しているのかわかりにくくなってしまうため、SNS的にはよろしくないタイトルだったと言える。これからの作品だが、『アルジャーノンに花束を』。原作もあるし、過去にもドラマ化されている。確かにこれらの作品は、原作の知名度を生かすという古典的な手法を使っているのだろう。しかし日本を題材にしたドラマでなんでネズミにアルジャーノンなんて名前をつけるんだよ、とツッコミを入れてしまう
また、『金田一少年の事件簿』も、役者を変えて何度も放送しており、アニメ版まであるので、どの『金田一少年の事件簿』なのかという話にはなってくる。
あと、長くて適切な省略もできないタイトルも、素早く語るという部分ではよろしくないかもしれない。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、映画化の際『ブレードランナー』になってしまった、とかいうのもあるし、“Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb”(あえて原題)などは、どうなのだろう。
逆に、SNS的に良いタイトルというのは、この逆ということになる。入力しやすい単語を組み合わせた短いタイトルである。そういう観点からすると『ケイゾク』は、「継続」という言葉をカタカナに変えただけで打ち込みやすく非一般名詞のタイトルというぴったりのものであった(笑)
朝ドラに戻ると、『ちゅらさん』『あまちゃん』『マッサン』といったタイトルは、SNS的にもすぐれたタイトルだったといえよう。次の『あさが来た』は一般名詞っぽいが、「あさ」にしているところが工夫なのかなと思う。

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