Webの芸能ニュースで、20時45分に放送終了の大河ドラマの記事が毎週公開される。
ニュースインプレッションということで言うと放送直後というのは効果的だと言うのは分かるが、「ニュース」としてはいかがなものかと思うことが多い。
そのようなニュース記事は、次のような構造になっていることが多い。
- 記事全体の概要
- 「以下、ネタバレ有」の記載文
- ドラマについてのプレスシートをベースにしたような概要文
- 詳細なドラマの内容
- 「SNS上の感想」
まず不審なのが、20時45分に放送直後のドラマの解説としては細かすぎることだ。あらすじだけでなく、セリフの引用も出てくる。ドラマを見てからそうした作業を行うと言うことは不可能に近く、台本と完パケ(ドラマの完成版)を入手するなどして、事前に記事を作っていると考えられるのだ。たとえ、今はBSやBS4Kで放送が早くなったとしても、無理だろうと言うのは、かつてドラマ『SPEC』のセリフ起こしをやっていたから言える。
そうなってくると、「SNS上の感想」というのも、どこから拾ってきたのだ、と言うことになる。Xの実況を追っていると、あのように理路整然とした感想は出てこないもので、実際に検索して拾ってみると、18:00〜18:45のBS放送が終わったしばらくあとに書かれた感想が多い。また、ほとんどの感想がXを検索すると出てくるのに、一部検索しても見つからない感想が載っていることがある。
何が言いたいのかと言うと、視聴者の感想というのは、ドラマを見ている途中、見た直後、受け止めた後と、タイミングによって変わってくるし、そもそも「SNSの感想」をライターがどのような基準でピックアップしているか、ということだ。
こういった、20時45分記事というのは、放送局側の便宜を図らないと成立しないから、どんなに悪い感想が出ていたところで、記事には載せないし、もらったあらすじと辻褄があう感想を拾って載せているのだろうと勘繰ってしまう。
もちろん、これは大河ドラマに限らず、朝ドラや、他の連ドラも同じことだろう。私は最近あまり見ないが、謎解きモノのドラマの「SNSの感想」などというのは、あまり的を射すぎた予想を載せるわけにもいかないし、放送局の便宜が入っている記事はバイアスがかかっているのではないかと予想する。