今更だが、『ケイゾク』『SPEC』はドラマであるので、現実の警察制度に当てはめると、おかしな点がある。
おかしい人はとことんおかしいし、途中から狂ってくる人もいる。
まぁ、ドラマですので。
【柴田純】
1999(平成11)年 23→24歳 警部補(警視庁刑事部捜査一課弐係主任→八王子西署署長)
2000(平成12)年 25歳 警部(警視庁刑事部捜査一課弐係係長)
2009(平成21)年 34歳 警視監(警視庁公安部長)
2017(平成29)年 42歳 警視総監(警視庁警視総監)
キャリア警察官は22歳、警部補スタート、ということを知っている人からすると、スタートの年齢が1歳違うのではないかと思うだろうが、植田Pによると、1年間海外留学していたという過去があるそうだ。
それはともかく、23歳で警部補スタートし、1年で警部になる、というところまでは十分ありうべき昇任である。警察署署長には、警視か警視正でないと慣れないのではないかという疑問もある。
『SPEC 零』の時は公安部長だったので、階級的にいうと警視監になるのだが(なお、公式本などではこのころの柴田の階級を警視正と設定しているものが見受けられるが、植田Pは「公安部長」と明言している)、キャリアでもこの階級にたどり着くのは50歳程度、そして、警視総監は「上がりポスト」なので、50代後半ということになる。まあ、「ドラマだから」ということかもしれないが、上がりポストに達したら柴田の警察官としての「その先」はないということを危惧していた。
【真山徹】
1999(平成11)年 32歳 警部補
真山がノンキャリアだと仮定して、大学卒業から10年で巡査から巡査部長、警部補を経て警部に昇任している点を検証する。巡査から巡査部長に昇任するには、大卒で2年の経験年数が必要、巡査部長から警部補になるのに2年の経験年数、トータルして4年の経験年数が必要、ということで、十分にありうるポストである。
ただ、発砲事件を起こして弐係に配置になった曰く付きの人材を昇任させるか?というのは疑問である。これは仮説なのだが、真山は、国家公務員一般職試験(かつてのII種試験)に合格して警察庁に採用になった、いわゆる「準キャリア」だったのではないかということである。巡査部長スタートで、2年で警部補に昇任し、発砲事件を起こして昇任を止められているというわけである。
【近藤昭男】
1999(平成11)年 39歳 巡査
2009(平成21)年 49歳 警部
2019(平成29)年 59歳 (不明)
近藤も真山と同じ、大卒ノンキャリアだと仮定すると10年で巡査から警部への昇任は、警部補までは真山と同じで、警部補から警部になるのに4年の経験年数が必要で、トータルして8年の経験年数が必要、ということで、なれないことはない、ということではある。
問題は、入庁してから、1999年まで昇任しなかった近藤が、突如として10年間で昇任試験を受け続けて警部になったという点であろう。
次に、2019年である。『SICK’S』で登場した名刺には、「係長」とだけあって階級は不明だった。2009年と2019年で同じポストなので、同じ階級というになりそうだが、そうすると、逆に突然昇任しなくなったのはなぜなのかという疑問がある。
【早乙女仁】
1999(平成11)年 42歳 警視
ドラマの中では早乙女の階級について語られることはなかったが、「管理官」と呼ばれるのは警視庁本庁では階級が警視である。
そして、早乙女がキャリアだったというのはドラマでそう語られている以上、それが正解なのだろうが、キャリア警察官は20代で警視に昇進するのだが、早乙女は…おや?
ノンキャリアなら分からないでもないが、早乙女はキャリアの落ちこぼれというのが、判明してしまった次第である。
【当麻紗綾】
2010年(平成22)年 24歳 警部補
当麻は「警察に一般の採用試験を受けて入った」のか、という私の質問に、植田Pは「柴田がスカウトしました」と答えているので、いわば裏口入学で、キャリア・ノンキャリアの枠外にあると思われ、設定本でも「専門官」と書かれているので、警察官ではなくて技官で、そもそも階級がないのではないかとも思われるが、映像でそうなっている以上、それが正解なのだろう。
【瀬文焚流】
2010年(平成22)年 35歳 警部補
大卒ノンキャリアの場合、すでに述べた通りなので、頭の体操として、高卒ノンキャリアだった場合を考察する。巡査から巡査部長に、4年、巡査部長から警部補に、4年、合計12年の経験年数が必要、ということで、高卒でもありうるくらい。