【永久保存版】特別企画:『ケイゾク』『SPEC』産みの親・植田プロデューサーに「あの謎」を聞く【秘話満載】

なんと、TBSの植田プロデューサーに、『ケイゾク』『SPEC』について私が知りたいことを質問するという機会を得た。
お忙しい中、貴重なお時間を割いてくださった植田Pには感謝の言葉しかない。
以下、Twitterのダイレクトメッセージでお話しさせていただいた内容である。
一部会話の順番を入れ替えたりしているが、植田Pの発言はそのまま使わせてもらった。
読みづらいかもしれないが、ご容赦あれ。


おーちゃん!:ケイゾクがDVD化されたとき各回の予告スポットが収録されましたが、本放送の終わりに流れた「次回予告」ではないのはなぜですか。
植田P:DVDの場合、大体、本編付きのものではなく、予告スポットとして使われたものを所収するのケースが多かったのです。当時はプロデューサーではなく、DVD担当者の判断でそうなっていたと思います。
おーちゃん!:DVDで、映画のフェイク予告が復活しましたが、冒頭の編集、「ダンナ様」、のダンナ、が切れているものをパッケージ化したのはどういう判断ですか。
植田P:初版のもの、今手元にないので、機会があれば確認します。特段カットする理由はないので、もしそうならミスですね。
おーちゃん!:本編にない、柴田が警察手帳にいちごのネームシールを貼るシーンを見た覚えがあるのですが、そのような場面を撮影したり予告スポットで使われたりしたのでしょうか?
植田P:そのシーンはないですね。おーちゃんさんの記憶違いかと存じます。
おーちゃん!:SPEC第4話の最初、神棚のくだりがBlu-Rayだと亀棚に差し替えられていましたが、いつ撮り直したものでしょうか。
植田P:撮影中に撮り直しました。あまりにも、不謹慎だということで。放送の翌週ぐらいだと思います。
おーちゃん!:DVDのために撮ったにしてはセットが生々しいなぁと思いました。放送中にやってた再放送には間に合いませんでしたね。
おーちゃん!:チームSPEC、もしくはSICK’S のなかで、私のブログはどういった存在意義があったのでしようか。
植田P:結構、みんな見てると思いますよ。特にシックスは、地上波じゃないので、意見として色々貴重だったと思います。
おーちゃん!:ところで、話は変わりますが、SPEC零に出てきた茶色のコートとマフラーですが、ケイゾクの衣装ですか?
植田P:似せたものです。連ドラの時の衣装は、もう残ってないようです。倉庫の奥の方に置いてあるのかもしれないが…
おーちゃん!:最近また疑問に思うのですが、茶色のコートの人は、未詳ができた時、ある設定本には参事官と書いてあり、別のところでは公安部長と書いてあり、何が正しいのでしょうか。
植田P:参事官は階級で、公安部長です。
おーちゃん!:参事官(副部長)の階級は警視長か警視正で、公安部長の階級は警視監ではなかったですか?
植田P:そうなんですね。どちらの設定のつもりかと言われれば、公安部長です。
おーちゃん!:公安零課の存在というのは、公安部長の引き継ぎ事項にも入っていないのですか?
植田P:公安零課の存在は、公安部長の引継ぎ事項に入っていません。警視総監でも触れられない存在。総理にも触れられない。中野学校由来の、特殊な組織とイメージしています。CIAを大統領が廃止できないような、そんな独立した存在。うまく言えませんが、タブーの組織なのだとご理解ください。
おーちゃん!:ケイゾクの、鷺沼(大沢樹生さんの回)のことなんですが、インチキ予言をしていた鷺沼が、逮捕されたあと最後に本物の未来予知をしますよね。また、超能力者を追い詰めて殺されていくみたいなことを言っていて、このときからSPECであるとか、公安零課のアイデアの種のようなものはあったのですか?
植田P:SPECは、ケイゾクの続編として、企図されていたものです。鷺沼の時に、イメージがあったかというと、答えはNOです。
おーちゃん!:私も上手く言えないのですが、公安零課ってとてもよく出来てるシステムで、公安零課によってSPECの存在が隠蔽されていたことから、SPECがケイゾクの続編として成立するのだと思いました。
おーちゃん!:公安零課がらみでもう一つ、当麻紗綾も、公安零課に監視されていたのでしょうか。
植田P:当麻も監視されていたと思います。
おーちゃん!:公安零課は、朝倉を監視してたんですか。
植田P:朝倉は、もはや監視しきれない、というつもりです。
おーちゃん!:なるほど!話は変わりますが朝倉という名前の「由来」はなんですか。麻原彰晃だ、という説を唱えられてる人もいますが。
植田P:浅倉南です。
おーちゃん!:想定外でした。他のレギュラーの名前も由来がありそうですね。例えば、野々村光太郎って6文字の名前は珍しいですが、元ネタがあるんですか。
植田P:西荻さんのネーミングです。由来は特にないと思います。こおっちと呼ばせることにしたのは堤監督です。
おーちゃん!:『ケイゾク』では演出家が内トラで出演するシーンが多いですが、伊佐野秀樹さんだけ確認できてません。出演されているのでしょうか?そうであればそのシーンも知りたいです。
植田P:伊佐野さんは、出演していません。そういうのがお好きではなかったので。
おーちゃん!:ケイゾク第8話で、ホームページに載った(Paravi も)予告ストーリーと実際のストーリーが乖離していたり、第7回に流れた第8話の次回予告に、ドラマには出てこなかったシーンがあったのはなぜでしょう?
植田P:記憶には、特にないです。予告はプロデューサーの助手が作っており、監督が使わないシーンを使ってしまうこともあります。
おーちゃん!:ケイゾクは、西荻弓絵さんの脚本ですが、第8話だけ、清水東さんが連名でクレジットされている理由は?
植田P:単純に、間に合いの問題です。清水さんに初稿を書いてもらい西荻さんに修正してもらいました。
おーちゃん!:第8話の柴田のハンドルネームの推理は間違ってるんじゃないかと思っているのですが、あれは意図的なもので、製作陣の皆さんが我々視聴者に送ったメッセージじゃないかと疑っているのですがどうなんですか?
植田P:8話のハンドルネームの仕組みは、僕もよくわかっていません。蒔田さんの作成した、プロットに沿って作った回なので。
おーちゃん!:第8話で、第9話の予告編を削って本編を長くしたいきさつが知りたいです。生で見てて「あれ、次回予告の時間なのに?」と仰天した記憶があります。
植田P:本編尺が、長かったからです。予告編を犠牲にするか、本編を切り刻むかのどっちかで、予告編を切りました。それも良くあることです。
おーちゃん!:ケイゾク/特別篇で柴田が眠っているときに見た子供時代の幻覚のなかで、柴田の父の顔が隠されているのはなぜですか?
植田P:柴田の父の顔を、出すつもりはなかったのです。元々は。具体的な顔を出すと、イメージが狭まるので。それで無名の人を使ったのですが、映画で、ちゃんとした父とのシーンが出てきてしまい、辻褄が合わなくなり消した、という経過です。
おーちゃん!:柴田は1975年の早生まれですが、そうならストレートだと1997年春大学卒となるはずのところ、1998年3月東京大学卒業の設定なのはなぜですか?
植田P:一年海外に留学していたのです。
おーちゃん!:フランスあたりですかね。大体『ケイゾク』の質問は終わったので『SPEC』行きます。
おーちゃん!:20代とか30代とかの人と話してると、『SPEC』は大体知ってるんですけど、狙い通りでしたか?逆に、『ケイゾク』見てた、って人の反応はどうだったんでしょう?
植田P:ケイゾクの熱いファンの人は、スペックを認めてないと思います。何となくの感じですが。
おーちゃん!:柴田と真山じゃないというのと、超能力ものだというのが「認めない」ところなのかな、と思います。私も最初、『SPEC』には距離感を持って接してましたし。ただ、超能力になったのは全然違和感を感じてません。
植田P:お客さんを繋げられたと思っていません。
おーちゃん!:20代とか30代の『SPEC』を知っている人に、一生懸命『ケイゾク』を薦めて回ってます。フールーでスマホを使って見てくれた子とかいました。
おーちゃん!:赤坂にある「瀬文」という居酒屋さんは瀬文の名前と関係はあるんでしょうか。
植田P:居酒屋があることも知りませんでした。
おーちゃん!:TBSの近くにあるみたいです。
植田P:瀬文は、そもそも、セブンから、発想し、セイブミーで、読みをせぶみにしました。
おーちゃん!:ミステリとSFの連結、ということで、ミステリ作家の殊能将之先生の『石動シリーズ』特に『黒い仏』という作品を連想したのですが、影響はありましたか。
植田P:その存在も知りません。星は、登場人物を、星の名前で遊んだので。サトリは妖怪サトリから。
おーちゃん!:サトリを漢字にすると慧という字になるから星慧にしたってことですね。記憶が曖昧になってしまったので改めて確認なんですが、連続ドラマを始めた当初から「起承転結」の構想があって、「甲、乙、丙…癸←起」にしたのでしたね?
植田P:そうです。実現するかどうかはもちろんわかりませんでしたが。構想だけは。
おーちゃん!:パラレルワールドの構想も最初からあって、「シュレディンガーの猫、ウケる」という当麻の最初のセリフもそこからきてるってことですか?
植田P:それは、どちらが先か不明です。西荻さんが書いてきた台詞なので。ネコ好きだから、シュレッディンガーのネコを、使ったのかもしれません。
おーちゃん!:当麻は警察に一般の採用試験を受けて入ったのでしょうか。茶色のコートの人が暗躍してたりするんでしょうか。
植田P:柴田がスカウトしました。
おーちゃん!:書籍には当麻が京大理学部在学中に司法試験に合格したという記述がありますが、あの法律知識のなさで、どうやって合格したのでしょうか。
植田P:試験に合格する知識はあるが、身についてないのです。
おーちゃん!:柴田は知識を実践に役立ててましたね。二人のヒロインの違いですかね。
植田P:まさにそうですね。
おーちゃん!:当麻たちは〜天〜ではシンプルプランを阻止しようとする敵と戦っていて、〜結〜ではシンプルプランを実行しようとする敵と戦っている、これはどういうことでしょう。
植田P:どちらもシンプルプランを阻止しようとしています。おーちゃんさんの解釈違いでは?そこは最初から変わってないので。
おーちゃん!:マダム陽が、シンプルプランをやめないと、みんな殺しちゃう、みたいなことを言っていたので、天で戦ったスペックホルダーたちは、シンプルプランを阻止する側で、当麻たちは、彼らと戦った、と解しました。違っていたらすみません。
植田P:シンプルプランをやめないと、というのは権力側に言ってるんですね。当麻たちは、野々村、柴田の考えのもと、阻止に向かってます。
おーちゃん!:つまり、権力サイドでチームを組んでクローンニノマエたちのところに行っているけど、未詳だけは別の考えで動いているということですか。
植田P:その通りです。未詳は、柴田の肝いりなので、独自の動きをしています。特務もそうですが。
おーちゃん!:公安部の他の部門とも独自の動きをしてるわけですね。だから柴田公安部長は未詳に直接命令を下せず近藤さんをメッセンジャーに使ってると。いろいろ謎が解けました。
おーちゃん!:当麻のおばあさまを操って湯田を手榴弾で殺そうとしたのは誰ですか。
植田P:湯田の自作自演です。眠ってる、という風に見せかけ、意識をおばあさまに移し、自分を被害者にして、当麻の裏をかくために、爆弾を放り込みました。
おーちゃん!:あの肉体から離れる目的もあったのですかね?
植田P:そうです。
おーちゃん!:『SPEC〜結〜』のタイトルバックをコマ送りすると『漸ノ篇』に「ケイゾク」『爻ノ篇』に「ケイゾクサーガ」の文字が出てきますが何かのメッセージだったのでしょうか?
植田P:ケイゾクサーガは、三部作の構想でしたので、監督が入れたのだと思います。
おーちゃん!:質問は以上です。本当にありがとうございました。
植田P:こちらこそ、こんな熱量で、作品を鑑賞していただき、心から感謝しております。
植田P:拙い説明で申し訳ありませんでした。
おーちゃん!:ありがとうございました。今回お答えいただいたものを読んで、疑問が解決するだけでなく、新たな発見の連続でした。作品を見返したら、新たな印象で見れそうです。SICK’S において、さらなる発展を期待します。
植田P:頑張ります。今後ともよろしくお願いします。

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5件のコメント

  1. こんなに直接的な質疑応答を拝見できるとは光栄です!
    新しく知る背景もあり、すごい事です。柴田公安部長の肝いりの未詳、公安零課という独立組織、おばあ様の件、当麻は零課に監視されていたなどなど。
    おーちゃんさん、ありがとうございます。
    何度目かのSPEC 見直し中ですが、また楽しめそうです。

  2. 大変ご無沙汰しています。ムーランです。
    10年少し前に拡張型心筋症を発症して一時はバチスタ手術するかと言う事態になりましたが、何とか生きています。
    ケイゾクとSPECの間の関連については闘病中に付きあんまり深く考えていませんでしたが、こうやっておーちゃん!
    さんと植田さんのやり取りで多くの理解が得られました。今年は遂に前期高齢者入りしましたが堤さんも来週になれば同じ。まだまだ面白いモノを見せてくれると思っています。またいつかオフ会かなんかで会いたいですね。

  3. 大変ごぶさたです。最後にお会いしたのも20年ぐらい前になるのですね。
    お身体にはお気をつけください。
    ケイゾクが若い人にも広まっているのは嬉しく思います。
    オフ会、またやりたいですね。

  4. 今更で既に解決してるかもしれませんが、「警察手帳にイチゴのシールを貼るシーン」の件について、それっぽいシーンが『ケイゾク/短篇集』の最終話にありました。
    ご報告まで。

    新サイト設立おめでとうございます。頑張って下さい。これからも閲覧させていただきます。

    1. コメントありがとうございます。
      私以外にも見たという人もおり、確かに映像として存在したんだと思います。
      予告スポットで何パターンか作られたなかにあったのかなと思われます。

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