まぁ、こんなことは鉄道マニアでなければどうでもいいことだ。以下の文章は読みたい奴だけが読めばいい。
北三陸鉄道の列車出発の合図は滅茶苦茶だ(まぁ、「独特の方式を使用している」ということにしておこう)。
第1回で若き日の大吉が「出発進行!」と言っていたのがその最たるもの。
一般の鉄道において、「出発進行」とは、運転手が、駅に設置されている出発信号機が「進行」(青)の表示を示していることを確認して行う喚呼である。
出発信号機とは、列車から見て駅から出発する方向に設置されており、駅からの操作によって切り替わる。
駅員が出発信号機を青に切り替えた後、当時の大吉のようなホーム要員が乗車完了の合図(客扱終了合図)を行い、車掌がドアを閉め、車掌が運転手にドア閉め完了の合図をブザーなどで行い、運転手が「出発進行」の確認動作を行い、列車を走らせる、というのが一般的な鉄道での流れである。
出発信号機がなかったり、ホーム要員なり車掌なりがいないと、この動作の一部が省略されたりする。
ちなみに第4回で、若き日の大吉が列車に乗り込んで春子に話しかけているのは職場放棄じゃないのか。
さて、第13回である。
アキが北三陸高校に投稿する際、袖が浜駅で「発車ベル」が鳴っている。
一般的に、ローカル線の駅には、発車ベルのような設備は設置されていないことが多い。
さらに、車内では、「ジリリリリ…」という音が鳴っている。この音は、ATS(自動列車停止装置)が作動した時の音だ。
普通の鉄道的に考えると、袖が浜駅のようにホームが1面、線路も1本しかない駅(停留場、という)では、ATSが作動するということは基本的にありえない。
また、ATSが作動しているということは、その先の信号が停止(赤)信号であることを警告しているということになるから、そのようなときに列車を発車させるということは、ありえない。
第13回以外では、袖が浜駅に発着する際も、発車ベルやATSの動作音が鳴ることはなかった。
なんの意図があってこの効果音を入れたのか、謎である。
さて、ここまで読んでくださった方のために、おまけとして。
アキとユイが登下校に使っていた列車は何時なのか、三陸鉄道で検証してみる。
朝の久慈着が、6時40分、7時49分、8時41分、9時37分と続く。
始業時間が8時30分から9時と考えると、7時49分着の列車に乗っていると考えるのが妥当だろうか。
そうすると、田野畑(6:57発)-堀内(7:23発)となる。
帰りの時間は、北三陸駅の時刻表で確認できる。
16時15分、17時20分、18時35分、19時28分のいずれかに乗っていたのだろう。