【家族八景】第10話 芝生は緑~高木家編~

MBS&TBSの筒井康隆原作、堤幸彦監督、木南晴夏主演のドラマ『家族八景』。第10話は『芝生は緑~高木家編~』。ゲストは大河内浩(高木輝夫)、野波麻帆(高木直子)、西村和彦(市川省吾)、星野真里(市川季子)。原作では『芝生は緑』という一つの話の中に市川家と高木家という二つの家が出てくるのだが、それを2話に分けている。
いよいよ最終回だ。


・高木家では心を読むと顔が巨大化するのは前回にもあったが、顔が4倍になるという。
・夫婦ともに「ちょっとはお隣を見習え」「芝生が青いにも、程がある」と七瀬。
・長らく家政婦をやってきたお陰で、ひとかどの人間学者になったと七瀬。だが、隣通しに住む夫婦が、お互いの長所と短所をここまではっきり裏返しに見ている例は初めて。
・4人のお互いの夫婦への思いを実現させてやろうとする七瀬。
・輝夫に市川家で家政婦をやっていたときに直子が陣中見舞いを貰って助かった事、季子が全然時間が無くて、お昼に商店街の帰りに喫茶店に寄るのが唯一の楽しみだと言っていたことを話す七瀬。それを利用しようとする輝夫。
・「ナナちゃん…ジャ、ジャ、ジャスミンティー入れてくれる?」
・直子に明日から省吾がスーパーの工事の現場入りだと話す七瀬。「奥様のマドレーヌをお隣のご主人随分喜んでいました。また、差し入れたらどうでしょう」おはぎを20人前七瀬に作らせる直子。
・翌日、意識を追いかける七瀬。マンションの廊下にテーブルが輝夫と季子が座った現れる演出。食事に誘う輝夫。
・直子の意識、マンションの一室が工事現場になる演出。食事に誘う直子。
・同じホテルで食事することになった夫婦。「そうなったらそうなったで構わない。むしろ、どんな局面になるか、見物だわ」と七瀬。風呂に水没(笑)
・直子からマンションに電話。「うちの人、そっちに戻ってない?」直後、輝夫から電話。「直子はそっちに戻ってるか?」「うろたえてるうろたえてる。どうやら鉢合わせしたみたいね…」
・直子「あの女、許せない。いつも休診時間に情事にふけってたんだわ」(心の声)「にしてもなによあの男。自分の奥さんと出会ったとたん、不機嫌になって、黙り込んで、一体なんなのよ。あんな了見の狭い男だと思わなかった」「一気に評価下がったな」と七瀬。
・輝夫が憔悴した様子で戻ってくる。「あいつは怒ってるんだろうか…なんでこんな事に。それにしたって、あの女には幻滅した。何だ急にめそめそ泣き出しやがって。何故私はあんな子どもみたいな女にひとときでも関心を抱いてしまったんだ」(輝夫の心の声)「こっちも評価、低」
・だんまりを決め込む輝夫と直子。「やっぱりそうなんだ」と二人の心の声。顔がどんどん巨大化する。
・その夜、激しい情事をしている思念に起こされる七瀬。「そうか、これは挑戦、そして復讐。互いに肉体に衝撃を与え合う、復讐。嫉妬が、互いへの嫉妬が、激しい高まりを与えて、そして…
・「愛してる」「愛してる」「お前は私の妻だ」「貴方は私の主人よ」
・「負けた、今回ばかりは、断ち切れそうになった夫婦の絆を守るために、互いの過ちを利用してでも、性衝動を高めようとするどん欲さ、自分にはこの相手しかいないということをどうにかして自分に納得させようとするすり替え、そして何より、中年男女の止めどない情欲に、私は負けたんだ」
・高木家を去る七瀬。市川季子がドアを拭いている。その顔には殴られた跡がある。原作によると、「彼女は、いままでになく幸福そうな表情をしていた」
・「この能力が、私に取って、何の意味が持つのかは、分からない。ただ、人の心を覗く時、そこにはいつも、驚きがある。だから私は、これからも、どこかの家で、その家族たちと、生きて行くのだろう」この独白からして、原作と違って、七瀬は家政婦を続けるというオチのようだ。木南晴夏嬢による、「七瀬ふたたび」や「エディプスの恋人」のドラマ化というのは無理そうだ。

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