さて、『SICK’S 覇乃抄』も終わり、『SICK’S 厩乃抄』までは時間があるところであるが、前から書こうと思っていたことだが、書けなかったことを書く。
それは、「内閣情報調査室」の、現実世界での組織図と『SICK’S』の世界の組織図に大きな隔たりがあるということである。
現実の内閣情報調査室は、内閣官房ホームページに組織図があるように、内閣情報官のもとに、次長及び総務部門、国内部門、国際部門、経済部門、内閣情報集約センター並びに内閣衛星情報センターが置かれており、トップがの官職名称が「内閣情報調査室室長」ではなく「内閣情報官」だったり、一般的な行政組織のような課・係を置いておらず、課長、係長という職制がない(内閣衛星情報センターを除いて)ところに特徴がある。
それに対して、『SICK’S』においては、しょっぱなからして「未詳事件特別対策係」じゃなかった、「特務事項専従係」という「係」とその「係長」が存在するところが、現実には大きく異なる。また、「恕乃抄」では、「内閣情報調査室人事課」の「ハザワ」という人物が登場する。それに加えて、「覇乃抄」では、「内閣情報調査室調査官室長」の「風馬正太郎」、「内閣情報調査室超法規措置実務係 通称『Z印』係長」の「百地壱波」という人物が登場し、内閣情報調査室の下に「調査官室」という「室」と「超法規措置実務係」という「係」とその「係長」が存在することが判明している。
まとめると、『SICK’S』の世界の内閣情報調査室は、トップが「内閣情報官」であるのは現実とは変わりないが、下部に人事課、調査官室、特務事項専従係、超法規措置実務係といった課・室・係を有しているということが分かる。
風馬正太郎と百地壱波は『覇乃抄』においては電話で会話しているだけだったが、「調査官室」の下に「超法規措置実務係」が置かれているのではないかと推測できる。あくまでも推測ではあるが。
つらつら書いて、そもそも疑問なのは、「特務事項専従係」とは何に関する特務事項に専従することを目的に設立されたのかということである。『SPEC』『SICKS』では、SPECの存在を公に認めている国はない(と私は理解している。異論は認める)ので、『SPECホルダーに関する情報収集」というのは、設立目的たりえず、何らかの建前の設立目的があるはずであり、それは何なのかということである。