『SICK’S 覇乃抄』は完結したが、多くの謎を残した。
これまで、【SICK’S】覇乃抄の分かったこと、謎のまとめ（ネタバレ）、【SICK’S】覇乃抄第拾話、厩乃抄の展望【当麻紗綾】といった記事で、『SICK’S 厩乃抄』の展望を書いてきたが、『覇乃抄』が完結したところで、キーワード形式で謎のまとめをしたい。
【野々村光太郎】
SICK’S公式サイトの「きゃすと」では、竜雷太さんが野々村光太郎／野々村光次郎と二段書きされていたが、本編では写真が登場しただけであり、ドラマのタイトルバックでもキャストとして野々村光太郎が出ることはなかった。
可能性としては、野々村光次郎の過去を描くシーンがあって、そこに野々村光太郎が出演する、というのを予想していた。『覇乃抄』第拾話では、野々村光次郎の過去の話があったが、そこには出演しなかった。
そこで、それ以外の過去シーンへの出演、それともう一つ、『SICK’S』の世界が、「野々村光太郎が死んだ世界」から、「野々村光太郎が生きている世界」に移行する、ということもあるのだろうか。
【ピーチ医者】
同じSICK’S公式サイトの「きゃすと」で、宇垣美里（TBSアナウンサー）というクレジットがあったが、『覇乃抄』では出演シーンは全く存在しなかった。
『厩乃抄』で登場した時、宇垣美里（TBSアナウンサー）というクレジットがどうなるかも気になる。
【内閣情報調査室超法規措置実務係（通称Z印）】
係長の百地壱波は、『覇乃抄』ではぶっちゃけ、電話をしていただけだが、どう本編に絡んでくるのか。
【ホリック（HOLIC）】
【SICK’S】覇乃抄第拾話、厩乃抄の展望【当麻紗綾】では、玄野冥府が「HOLICの正体を知る人物」であり、インナープラネッツや某超大国が狙っていることは、トクムの人たちがそう推測しているに過ぎないと書いたが、第拾話で、山城元（でいいのだろうか？）総理秘書官が、邑瀬帝法たちが「HOLIC」を手に入れようとしていたと述べ、総理と長谷部秘書官との「HOLICが消えた」というやりとりを御厨たちに説明した。また、ニノマエイトは、玄野冥府のことを「HOLICの行方を知る唯一の日本人」と言っている。
【東京大爆発】
『恕乃抄』の冒頭シーンであり、『恕乃抄』はそこから数ヶ月遡って始まる。
【SICK’S】第参話から第六話まで19日なので、『恕乃抄』から『覇乃抄』までほとんど日にちが経っていないということもあり、果たして『厩乃抄』でそこまでたどり着くだろうか？
【アサクラ】
このブログでは、「朝倉」は『ケイゾク』に登場した朝倉裕人という人物を指し、それと区別する意味で「アサクラ」という表現を使っている。
『覇乃抄』では、御厨静琉の別人格が「アサクラという男性」であることが明らかになったが、さらに、インナープラネッツの邑瀬帝法貫主が、「朝倉は、お前たちの中に存在しているからだ」という言葉を残した。単に、その場に御厨静琉＝アサクラを有する人物が存在する、というだけではなく、それ以上の何かがあるような気がする。
【ニノマエイト】
依然として、白いニノマエイトの正体は定かではない。第拾話でニノマエイトが吐血するのだが、『SPEC〜天〜』でクローンニノマエ（ジュウイチ）が吐血したシーンを思い出した。それと共通だとすると、黒ニノマエは白ニノマエのクローンということが考えられるか。
【当麻紗綾】
個人的には、超重要キーワードだと思っている。
『SICK’S』において当麻紗綾がどう扱われているかというと、
・御厨静琉は、当麻紗綾に会ったことがある。
・近藤昭男は、当麻紗綾を（もちろん）知っており、「真の一流」の例として挙げた。
・長谷部秘書官は、当麻紗綾と柴田純を「一種のサヴァン」と表現しており、当麻を知っている。
・野々村光次郎は、当麻紗綾を噂でしか知らない（余談だが、野々村光次郎は近藤昭男と『覇乃抄』で会うまで面識がなかったようだ。柴田純のことは知っていたが、警視庁のトップである警視総監のことは知っていて当然か）。
と、これだけ、『SICK’S』における当麻紗綾の存在を示唆する描写があるのだが、
SPECサーガ黎明篇『サトリの恋』収録の鼎談では、植田Pが「当麻がいなくなった世界がSICK’S（ですか？）」という質問に「そうです」と答えている。
というのが引っかかっている。つまり、当麻紗綾は「最初から存在しなかったのではない」ということは確定しているが、「SICK’Sの時点ではいなくなっている」ということなのだろうか。さらにいうと、野々村光太郎の件もそうだが、『SICK’S』の世界が「当麻がいなくなった世界」から「当麻がいる世界」に移行する、という可能性もあるのだろうか。
いずれにせよ、「当麻紗綾」がどう『厩乃抄』に出てくるのかによって、『SICK’S』と『SPEC』のつながりも見えてくるのではなかろうか。