来年、2019年春に『SICK’S 覇乃抄』がParaviで配信されるわけだが、『SICK’S 恕乃抄』の時点では謎だらけで、その糸口すら見つけられない状態だったが、SPECサーガ黎明篇『サトリの恋』であったり、10月21日に行われた「SICK’S」ノベライズ刊行記念!堤幸彦監督×植田博樹Pの「SPEC」サーガトークショー(Paraviで公開される、とのことだったが、未だにその気配もない)であったり、手前味噌ながら私の植田P単独インタビューを通して、分かってきたことがあるので、それを受けて『SICK’S 覇乃抄・厩乃抄』の展望をしてみたい。
【柴田・当麻はどう関わってくるのか】
一番がそれかよ、と思われるだろうが、このブログの本旨と私の関心事はやはり、大部分がそこなのである。
植田Pは、『SICK’S 恕乃抄』開始時に掲載された(ただし、2017年10月、クランクインした頃)インタビューで、「スポンサーの意向で、当麻(SPECの主人公)を出す案もあったのですが、堤幸彦監督とも話して、(略)、前シリーズを匂わせることはやめようということになりました」と言っているのだが、『SICK’S 恕乃抄』では、御厨が当麻と過去に会ったことがあることを示唆するシーンがあったり、柴田については、中谷美紀さんが演じているのではないにせよ、はっきり言って思いっきり登場させてしまっているわけで、別のやり方で前シリーズを匂わすようなことをしているような(笑)
さて、この件については、堤監督・植田Pのトークショーでも植田Pから「ご期待ください」という発言があったところだ。
そして、SICK’S 覇乃抄・厩乃抄の制作発表に、中谷美紀さんと、戸田恵梨香さんがコメントを寄せたことも、期待が深まるところである。
まず、柴田についてである。『恕乃抄』に登場した柴田が、中谷美紀さんが演じる形で出演すると言うことになったら、快挙と言ってもいいだろう。
手前味噌単独インタビューでも、柴田と特務のつながりを匂わす植田Pの発言を引き出すことができたところであり、はっきり言ってめちゃめちゃ期待している。
次に、当麻についてである。『サトリの恋〜こ〜』の冒頭の鼎談で、植田Pは「(当麻が)いない世界もできました」と言っている一方、「当麻がいなくなってからの世界がSICK’S?」という木俣冬さんの質問に植田Pは「そうです」と答えている。
この「当麻がいない世界」と「当麻がいなくなってからの世界」という、微妙なニュアンスの違いが気になっているところである。『SPEC〜結〜爻ノ篇』の解釈に戻ってしまうわけだが、「当麻紗綾という人間が、最初から存在しなかった」のか、それとも、「ある時点をもって、当麻紗綾という人間が、存在しなくなった」のか、ということである。
SICK’Sの世界が前者であれば、当麻が出演する余地はないが、後者であれば、過去に当麻がいて、御厨とも会ったことがある、という可能性は否定できないのではないだろうか。そして、回想シーンという形で、当麻の登場も期待できるかもしれない。
まぁ、『SPEC』では、本編に柴田の登場はなかったので、半分くらいの期待で待っていることにしよう。
【ニノマエイト×御厨静流】
ニノマエイトの出自については、『サトリの恋』を通じてかなり明らかになっている。もっとも、『SPEC〜零〜』のようにカーネルギルドが本格的に登場するとも思えないが。
『SICK’S 恕乃抄』ではほとんど接触がなかったニノマエイトと御厨静流が、今後対立するキャラクターとなっていくわけで、そこは注視したい。
【野々村光太郎】
『SICK’S 覇乃抄・厩乃抄』では、竜雷太さんが「野々村光太郎」を演じることになっている。
『SPEC』や『ケイゾク』のシーンが回想として挿入されるだけではないということだと思うが、『サトリの恋』における野々村光太郎の登場のように、過去を新たに描く形で登場するのか、それとも、「野々村光太郎が死んでいないパラレルワールド」に『SICK’S』の世界が突入するのか、どちらの形になるのだろうか。
【邑瀬帝法】
山口紗弥加さんがどういったかたちで出演してくるのか。『SICK’S 覇乃抄・厩乃抄』の撮影時期は彼女の主演ドラマ『ブラック・スキャンダル』とかぶっている。