これは、ふと浮かんだ妄想なので、あしからず。
『SICK’S 恕乃抄』 第壱話 其ノ二十五にて、野々村光次郎が入院中の御厨静琉を転院させるための偽装公文書を作成したというくだりがある。この文書から、御厨静琉の誕生日など色々読み取れる。
登記事項証明書で、御厨光次郎なる人物が御厨静琉の成年後見人になっているのだが、御厨静琉の生年月日は昭和63年12月25日、住所が東京都世田谷区桜上水6丁目9番地24号シティハウス桜上水613、本籍宮城県気仙沼市八日町3丁目4番地26号、となっている。
気仙沼市出身という、御厨静琉の設定と矛盾はない。
ところで、登記事項証明書で「御厨光次郎」が御厨静琉の成年後見人になった家庭裁判所の審判の日付が、平成29年8月20日、登記年月日が平成29年9月4日となっているのだが、転院先からの証明書、と言って野々村が提示した転院承諾申請書に書かれた転院予定年月日は、平成29年9月5日となっているのだ。
つまり、登記事項証明書と転院承諾申請書では、日付に矛盾が生じている。
どういうことかというと、登記事項証明書には登記年月日として平成29年9月4日と書かれているのだから、平成29年9月4日以降に発行されたものでないとおかしいわけだし、転院承諾申請書の転院予定年月日は平成29年9月5日と書かれているのだから、平成29年9月5日以前に発行されたものでないとおかしい。
このシーンの日付が、平成29年9月4日で、同じ日に登記事項証明書と転院承諾申請書が発行されたということも考えられなくはないが、そうだとしたら一発で不自然だと分かるだろう。
もともと偽造の書類なのだが、こうやって一箇所矛盾があると、他の箇所の記載の信憑性も怪しくなってくる。
ところで、『SPEC 零』では、川島海荷さんが演じた上野真帆の父親が内閣情報調査室の一員だが、偽名を使っていたという設定が出てきた。
そうなってくると、同じく内閣情報調査室のメンバーである野々村光次郎(姓はともかく名前)や、御厨静琉というキラキラネームも、ひょっとしたら偽名なのではないかという、ありえない妄想を抱いてしまった。