【あまちゃん再検証】アキと春子が東京に帰ろうとした列車【第12回】

『あまちゃん』第12回で、アキと春子が東京に帰ろうとして、北三陸鉄道に乗るが、何時の列車だったのかを検証してみる。


この回の北三陸駅のシーンには、時間を示すものがない。したがって、それ以外の手がかりを探してみる。
アキと春子が北鉄に乗るシーンの背後に、ドラマに存在するかどうか不明の、八戸線の列車が写っている。この列車は、臨時列車「リゾートうみねこ」で、2008年当時は運転されていなかった列車である。このドラマが撮影開始される直前の2012年3月17日に、久慈駅までの運転を開始した。
撮影当時の時刻表をあいにく所持していないのだが、2015年1月の時刻表によると、八戸を12時22分に発車し、久慈に14時05分着、久慈を14時56分に発車し、八戸に16時48分に到着するダイヤとなっている。
撮影当時には、撮影当時は、八戸10時16分発、久慈12時14分着で、久慈駅14時46分発、八戸16時44分着だったようだ(Wikipediaや個人ブログを基にしているのでリンクは貼らない)
久慈駅には12時14分から14時46分の間「リゾートうみねこ」が在線しており、この時間帯に撮影された可能性が高い。
もちろん、能年玲奈さんと小泉今日子さんが乗ろうとしていて、杉本哲太さんが乗ってしまったのは、撮影用の臨時列車である。
ドラマの中でも、この時間帯の列車に乗ったと強引に仮定すると、ドラマの設定上、12時20分、14時25分の宮古行きというのがちょうどこの時間である。
現実世界では、2008年8月当時、12時15分、14時12分発の宮古行きというのがあった。繰り返すが、「リゾートうみねこ」は、まだ運転されていない。
14時12分は、さすがに遅すぎるので、12時15分と考えても、12時15分の宮古行きに接続する山田線の列車はなく、14時12分発の宮古行きと同じ列車に接続になってしまうのだ。
ということで、この仮定は無理がある。
そもそも、朝、天野家を出たことを考えても、もっと早い列車に乗ったはずである。
夏がワカメを取りに行き、鉄橋を渡る宮古行きの列車を見送るシーンがあるが、北三陸発の宮古行きの始発は5時30分。この時期の盛岡の日の出が5時ごろなので、夏が見送った列車は始発ではない。また、アキと春子が乗るはずだった列車でもないと考える(強引に)。北三陸発宮古行きは6時50分発、8時00分発、10時10分発と続く。
現実では、久慈発の三陸鉄道北リアス線の列車は5時30分発のあと、6時11分発、7時8分発、8時2分発、9時10分発と続く。
アキと春子が乗るはずだった列車だが、6時11分発と、8時2分発は、宮古から接続する山田線の列車が存在しない。そして、9時10分発の列車は、三陸鉄道北リアス線・JR山田線・三陸鉄道南リアス線直通の盛行きなのである。
また、7時8分発の列車は、
久慈(7:08発)-北リアス線-(8:40着)宮古(9:22発)-山田線盛岡行き-(10:23着)釜石(11:12発)-南リアス線-(12:01着)盛
となるのだが、盛からの大船渡線の乗り継ぎが、次に述べる久慈発9時10分の盛行きと同じになってしまう。
したがって、アキと春子が乗るはずだった列車は、
久慈(9:10発)-(12:59着)盛(13:17発)-大船渡線一ノ関行き-(14:18着)気仙沼(14:33発)-気仙沼線・石巻線-(16:37着)小牛田(16:42発)-東北本線-(17:27着)仙台(17:43発)-MAXやまびこ126号-(19:50着)上野
だと思われる。宮古行きって、ドラマでは言ってるのに、現実じゃ宮古行きじゃないじゃん(苦笑)
似たような内容の乗り継ぎが、後の回で出てくる。それほど三陸海岸を乗り継げる列車本数は少ないのだ。
そもそも、三陸海岸からは肋骨のように、山田線、釜石線、大船渡線といった路線が内陸に向かって走っている。上に書いた乗り継ぎ列車の中にも、そのまま乗っていれば内陸の盛岡や一ノ関に到着する列車もあり、わざわざ海岸沿いに来るのは現実的ではない。それを言ったらおしまいだが。

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