『ケイゾク』について、映像で説明されていない視点で、あるいは勝手に補完をして見ようと思う。
今回は、第九話『過去は未来に復讐する』についてである。
その前に雑談を。いよいよ1話完結の謎解きからハードな展開に入って行く回であるが、小ネタも紛れ込ませている。
・谷口がずっと追っていた事件の犯人が、痴漢で逮捕されたときに余罪を自供してあっさり捕まるが、犯人の名前が「堤」
・今井夏紀婦警、婚約破棄で手首に包帯。
・顔が映らない、醍醐雅
・テニスコートを歩いている柴田と彩。柴田にはボールは当たらないが、彩にはめちゃめちゃボールが当たる。
・髪にご飯粒をつけている柴田
・サバ男「俺にも地域振興券をくれ」(みんな忘れてるよ)
・真山、部屋にどでかい朝倉の写真パネルを飾り、「殺」とデカデカと書いている(え、小ネタじゃないの?)
・柴田のドヘタな真山イラスト(これは『SPEC〜零〜』で救われた)
ところで、この回の謎は、1999年が「現在」であるはずの「7年前の事件」が、全て1991年になっていることである。
・1991年3月20日、高木大地、溺死
・1991年4月1日、斉藤貴司、自宅マンションより飛び降り自殺
・1991年5月7日、竹内一郎、体育館で首つり自殺
ちなみに、最終回で出てくるが、真山が朝倉を発砲した事件も、1991年3月15日となっている(が、9話のシナリオには1992年5月末と書いてある)。
シナリオでは、最初の高木大地のみ、1991年となっており、残りの二つは1992年と記載されているのでさらに謎である。
柴田の、「7年前といえば、ちょうどDNA鑑定が始まったころですよね?」という台詞が手掛かりになるかと思って調べてみたが、DNA鑑定は、「ネイチャー」に論文が掲載されたのが1985年、犯罪捜査に使われるようになったのは1986年ということだ。ただし、DNA鑑定と言っても、その手法には変遷があり、DNAフィンガープリント (指紋) 法、シングルローカスDNA型鑑定法、マルチプレックスPCR法があり、ちょうど1991年ごろは、シングルローカスDNA型鑑定法が実用化された時期であるようだ。真山の妹の事件が、1991年なのか1992年なのかをこの台詞ではっきりさせるのは、難しい。
1991年説を否定するのは、死んだときに真山沙織が17歳で、生きていれば柴田と同い年だったということだ。そしてそもそも、『ケイゾク』が1999年を舞台にしてきているドラマであることは、検証を何度もしてきた。1991年が間違いで、1992年だったということになる。やはり、第10話と同じように、映像に書かれていることは真実ではないということか。
ところで、真山沙織と柴田が同い年ということが示す意味については、第2話のところでもう一度取り上げる。
ところで、この回で柴田が真山の部屋に朝倉が仕掛けた盗撮カメラを外すのであるが、このときのカメラからの映像が特別篇に出てくる。特別篇のところで検証する。